ゾンダーエプタの基地の中でも、格納庫の前に着地したのは俺のヴァサーゴと黒い三連星とクスコの高機動型GX。
「よし、もし何かがあってもすぐに対処出来るようにしておくように。……行くぞ」
そう言い、格納庫の中に入る。
なお、ここからもMSが出撃した為か、格納庫の扉は開いていた。
もし格納庫の扉が閉まったままだったら、ビームサーベルか何かで切断して中に入らないといけなかっただろうし、助かったな。
この基地は完全に占拠したらシャドウミラーの拠点として使う予定なのだ。
そうである以上、出来れば今のうちにはあまり壊したくない。
格納庫の中に入る際は、一応敵が攻撃してきたら回避するなり、防御するなりといったことをするつもりだった。
格納庫の扉はそこまで広い訳ではない。
その場所を通ると分かっていれば、そこに狙いを付けてビームライフルを撃つなり、ミサイルを発射するなりといった真似は出来る。
下半身が破壊されたMSであっても、ビームライフルを使うといった真似は出来る。
あるいはメカニックがいれば、MSを使わず手動でビームライフルを撃つといった真似をするのも難しい話ではないだろう。
だからこそ警戒していたのだが……
「予想外にお出迎えはなしだな」
ヴァサーゴに向かって放たれる攻撃はそれこそ銃弾1発すら存在せず、それどころか格納庫の中には人の姿は皆無だった。
『逃げたのか? まぁ、自分達のMSが次々と落とされたのを思えば、それも不思議じゃねえだろうがな』
ガイアのその言葉は、俺を納得させるのに十分な説得力があった。
自分達のMS……それも新連邦になって開発された新型量産機のバリエントとドートレス・ネオは、俺達に手も足も出ず、次々と撃破されていったのだから。
あるいは新連邦側のMSが次々と撃破されつつも、俺達のMSを1機でもいいから撃破することに成功していれば、まだ士気を保つ事は出来たかもしれない。
しかし、自分達が一方的に蹂躙されている光景を見て、それでもまだここに残って戦いの準備をしろという方が無理だろう。
「逃げてくれたのなら、それはそれでいい。カトック達を始めとした歩兵達が逃げた連中を捕らえてくれるだろうし。……けど、そうなるとこの格納庫には何も面白い物は残ってないだろうな」
勿論、何も残っていないという事はないだろう。
MSの予備部品であったり、シールドやビームライフルといった物がある可能性は高い。
しかし、言ってみればそれだけなのだ。
『アクセル、向こうを見てみろ』
と、不意に通信を送ってきたのはマッシュ。
マッシュの乗っている高機動型GXが指さしている方には、通路がある。
ただ、それは普通の通路ではない。
具体的には、MSが通れるような通路だ。
それだけに、今の状況を考えるとこの通路の向こうに何があるのかというのは気になる。
ゾンダーエプタに生身で潜入した時に、地図とかそういうのをしっかりと覚えておけばよかったな。
俺にとっての必要な場所……具体的にはDXを開発していた格納庫や、ヴァサーゴやアシュタロンがあった格納庫、バリエントの置かれていた格納庫といった場所は覚えておいたんだが、それ以外はハッキングツールを使って引き抜いたデータの中に入ってるだろうから、特に気にする必要はないと思っていたんだよな。
地図に関しては、途中で逃げ遅れたり、まだこっちに攻撃をしてくる兵士がいたら、その連中を倒してどうにかすればいいか。
そんな風に考えつつ、マッシュの示したMSが移動出来る通路を改めて確認する。
「これ以上この格納庫にいても、特に何かがある訳でもないらしい。なら、あの通路を進んでみるぞ。ここには何々かがあるかもしれないし。……クスコ、ちなみにニュータイプ能力で何か分からないか? この先に進むと危険だとか」
『そういうのは特にないわね。人の悪意みたいなものはないと思うわ』
クスコの感じた通りなら、罠が仕掛けられているとか、そういうのはないと思ってもいいのか。
単純にクスコのニュータイプ能力が感知出来ないとか、そういう可能性はあるが。
他にも人の悪意の類は感じなくても通れば何らかの仕掛けが発動するように罠がセットされている可能性もある。
ニュータイプが感じられるのは、あくまでも人の感情だ。
罠が設置されているだけなら、それを感知するのは不可能だった。
そうである以上、この通路を移動するのは色々と危険なのだが……けど、この格納庫に何もなかった以上、進むしかない。
あるいはここではなく他の格納庫のある場所まで移動するといった手段もあるが、それはそれでこことそう状況に違いはないように思えるし、それなら現在視線の先に存在する通路を進んでみた方がいいと思う。
『そうだな。ここに何もない以上、進んでみた方がいいか。行こうぜ』
やる気に満ちたオルテガの言葉。
他の面々もそんなオルテガの言葉に異論はないらしく、素直に俺の言葉に頷いてくる。
「誰も異論はないようだし、じゃあ行くか」
そう告げ、ヴァサーゴに乗って通路を進む。
他の面々も、俺を追うようにして移動してくる。
通路そのもののは、何かそこまで変な様子がある訳ではない。
心配していた罠の類も今のところはない。
だとすれば、俺達をここに引き込んで爆発によって殺すとか、そういうのは恐らくないのだろう。
そもそも俺達がここにいるのも、殆ど偶然というか、流れの中でそんな感じになったというのが正しい。
なら、ここに罠を仕掛けて待ち構えるというのは、普通に考えて難しいだろう。
そんなことを考えながら通路を進む事、数分。
「お、出口だな。一応、注意しろ。この通路から出た瞬間に敵が攻撃をしてくる可能性も否定は出来ないからな」
恐らくはないだろうと思いつつ、それでも万が一を考えて注意しておく。
戦いの中では被害を受けるような事がなくても、戦いではない場所で気を抜いた瞬間にダメージを受ける……といった事は珍しくない。
俺としては、出来ればそんな真似はして欲しくなかった。
そうして通路から続いていた空間に入ったのだが……
「誰もいない、か」
そこには誰の姿も発見出来ない。
改めて空間の中を見てみると、どうやらここもまた格納庫だったらしい。
格納庫から格納庫に移動するのに、わざわざMSでも移動出来る通路を作ったのか?
ここが秘密基地でシーバルチャーやオルク、漁師とかに見つからないようにする為に、MSを出来るだけ外に出さないようにしてるとか?
いや、それなら基地がある時点でそういうのは意味がないと思うし。
だとすれば……海のど真ん中にあるだけに、台風とかスコールとか、そういうのに対処する為か?
こっちならそれなりに間違ってはいないように思えるな。
「敵はいない。もぬけの殻だな。どうやらこの格納庫にいた連中も既に基地から逃げ出したらしい。……逃げ出して、具体的にどこに行ったのかは分からないが」
ガイア達に通信を送りつつ、ヴァサーゴで格納庫の中に入る。
当然ながら中に入ったからといって攻撃をされたりといったような事はない。
「さて、そうなると……これからどうするかだな」
この格納庫と俺達が入った格納庫だけが通路で繋がれていたので、これ以上は調べるような場所はない。
勿論、それはあくまでもMSに乗ってこれ以上は移動出来ないというだけの話で、MSから降りれば通路がそれなりに繋がっているのは間違いなかった。
『MSから降りて調べるのはどうだ? そういう風になってもいいように俺達を連れて来たんだろう?』
ガイアのその言葉に頷こうとした時……
『アクセル、ちょっといいかしら? 至急報告をしたい事があるんだけど』
不意にマリューからの通信が入る。
テンザン級と俺達はそれなりに離れているし、俺達がいるのは基地の中だ。
それでも普通に通信が繋がったのは少し驚きだった。
しかし、そんな事に驚くよりもマリューの様子を見る限り、そこには何かあるのは間違いない。
「どうした?」
『カトックから報告があったんだけど、基地の司令室でアイムザットが死んでいたそうよ』
「アイムザットが?」
俺はアイムザットの顔は知らないが、カトック達からそのアイムザットこそが新連邦の中でも諜報部を率いる人物で、このゾンダーエプタの司令官でもあると聞いている。
そんなアイムザットが死んだ?
「それは、ゾンダーエプタが陥落した事の責任を取って、あるいは絶望から自殺したという事か?」
『違うらしいわね。カトックの報告からすると、額を撃ち抜かれていたらしいわ』
「額を?」
だとすれば、マリューが言うように自殺とは考えにくい。
いや、勿論銃口を自分の額に向けて引き金を引けば、それは自殺となる。
だが、もし普通に自殺をする場合は、額ではなくこめかみ……あるいは口の中から頭蓋骨を狙うだろう。
そもそも自殺するのに普通とか、そういうの考える時点でどうかと思うが。
また、あくまでも自殺の方法は人によるので、場合によっては額に銃口を向けて……と言うのもない訳ではない。
その辺の諸々を考えると、やはり誰かに殺されたという可能性が高い。
そううなると、一体誰が殺したのかという事になる訳だが……誰だ?
ゾンダーエプタの陥落が許せなかった、新連邦の軍人。
ゾンダーエプタが陥落したので、何らかの情報やお宝を奪うのにアイムザットが邪魔だった者。
単純にアイムザットを恨んでいたので、この機会にやってしまえと考えた者。
ざっと考えただけでもこれだけ予想出来るし、他にも考えれば色々といるだろう。
具体的に誰がアイムザットを殺したのかは、分からない。
分からないが、それでも誰かがアイムザットを殺したのは間違いのない事実だ。
「映像とか、そういうのは残ってないのか?」
アイムザットがゾンダーエプタの司令官だったとすれば、アイムザットのいた場所は非常に警備が厳しかった筈だ。
そうである以上、防犯カメラの類が用意されていても不思議ではないと思ったのだが……
『残念ながら、そういうのはないみたいね。元々なかったみたいだけど』
「そうか」
そういう技術がなかったから防犯カメラの類がなかったのか、あるいはアイムザットは諜報部を率いる人物だけに、人に知られないように誰かと会ったりする必要があり、それを記録に残したくなかったのか。
詳しい状況は分からない。
あるいは捕虜に聞けばその辺がはっきりするかもしれないが、そもそもそこまでして知りたい情報でもないしな。
分からないなら分からないで、その辺は問題なかった。
重要なのは、アイムザットが死んだという事だろう。
それはつまり、アイムザットが正式に降伏したり出来なくなったという事を意味している。
あるいはアイムザットの次に偉い奴がいるかもしれないが、今のところそのような人物が降伏した様子はない。
もしかしたら、逃げ出した船にそういう奴が乗っている可能性もあるが。
「誰に降伏を宣言させればいいと思う? ここで正式に降伏を宣言させないと、中にはいつまでも戦い続けるような奴もいるかもしれないけど」
『ちょっと待って。カトックに聞いてみるから』
そう言い、一旦通信が切れる。
その間に、俺は黒い三連星とクスコに対してアイムザットが殺されていた件について説明する。
『それは……今の状況を考えると、ある意味で納得は出来てしまいそうなところが怖いわね』
怖いと言いながらも、クスコの表情には呆れが混ざっている。
自分達が負けたりしたら、すぐに基地の司令官を殺すというのは、クスコから見ても呆れるしかないことなだろう。
それは黒い三連星の連中も似たようなものだった。
「一体誰がそういう真似をしたのかは分からないが、とにかくこっちとしては何かあった時の為に相応の態度を取る必要があるのは間違いない。……ここにいる俺達に何かあるかどうかは分からないが、即座に行動出来るようにしてくれ」
クスコと黒い三連星は、揃って俺の言葉に頷く。
この状況で具体的にどのような行動をしなければならないのかというのは、それこそ実際に何かが起きなければそれに対処は出来ない。
臨機応変……あるいは行き当たりばったりか。
『アクセル、カトックと連絡を取ってみたけど、捕らえた者の中にはそれなりの階級の軍人がいるみたいだから、その人に降伏を宣言させてみるのはどう?』
「具体的には? 副司令官……とまではいかないが、せめて中佐くらいなら助かるんだが」
俺が聞いた話だと、アイムザットは大佐だったらしい。
なら、中佐……それがむりでも、せめて少佐くらいの階級が必要だろう。
もっとも、新連邦はまだ組織として周囲に認知されている訳ではない。
新連邦ではなく、政府再建委員会としてそれなりの時間活動しているらしいので、ある程度内部構造はしっかりとしてるのかもしれないが。
とにかく、カトックの捕らえた人物にきちんとした階級の男がいるようにと、そう祈るのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1995
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1767