結局基地の件は中佐に任せる事になった。
ただし、その為に俺は一旦アルカディアを経由してホワイトスターに戻り、量産型Wやコバッタを大量に連れてくる事になったが。
そしてフロスト兄弟がどうやって脱出したのかも分からないままだ。
中佐から話を聞いた限り、ゾンダーエプタに潜水艦用の設備はない。
ただ、水中用MSはそれなりにあったという話だったので、それを使ったのかもしれないという俺の予想はそう間違ってはいないように思えた。
それは同時に、フロスト兄弟以外にも同じような方法でゾンダーエプタから逃げ出した者がいるのかもしれないという事を意味していたが。
ゾンダーエプタが陥落してから数日。
既にゾンダーエプタはシャドウミラーの基地としての活動を始めていた。
勿論、中佐を始めとして降伏した主立った者達には量産型Wやコバッタが護衛兼監視として常に一緒にいる。
……それでも中佐は微妙に喜んでいるようなんだよな。
そんな中、俺達……テンザン級とフリーデンの主要な面々はゾンダーエプタにある会議室に集まっていた。
「さて、それではこれからの事を色々と決めたいと思う。会議の進行は俺が務めさせて貰うけど、不満のある奴はいるか?」
そう言って聞くが、会議室にいる面々は特に何も反応はない。
……いや、キッドが若干不満そうな様子を見せているな。
キッドとしては、DXを早いところ完成させたいのだろう。
俺がゾンダーエプタで確保したDXは、現在フリーデンでキッドや他のメカニック、量産型Wやエルフ達といった面々によって急ピッチで開発が進められていた。
とはいえ、機体の大部分は既に完成しており、問題もない。
後は調整だけだ。
ただし、この調整で失敗すればDX最大の特徴であるツインサテライトキャノンの発射時にDXが爆発するとかなったりするから、調整の役割は非常に大きいのだが。
そんな訳で、キッドにしてみれば高機動型GXとはまた違う意味での……GXの正統進化形とでも呼ぶべきDXの開発は仕事というよりも趣味に近い。
そんな趣味の時間をこうして会議に出席して潰しているのだから、キッドが不満を抱くのは無理もない。
とはいえ、キッドはフリーデンのメカニックのトップである以上、会議には出て貰う必要があるのだが。
「誰も文句はないようだから、話を進める。まず最初に決めるのは、これからどこに行くかだ。……それぞれに色々と意見はあるだろうが、俺としては南アジアに向かいたい」
その言葉に、フリーデン側の面々が不思議そうな表情を浮かべる。
今まで北米で活動してきたのに、何故今になって南アジアに? というところなのだろう。
それに対してテンザン級の面々は特に驚いた様子はない。
テンザン級の方では、色々と情報が出回っていたから、その関係だろう。
「アクセル、何で南アジアなんだ?」
ウィッツのその問いに、フリーデン側の面々がそれぞれ頷く。
「俺がゾンダーエプタに侵入した時に入手したデータによると、新連邦は現在色々な場所で行動を起こしているらしいが、その中でも特に活発なのが南アジアだ」
実際には南アジアだけではなく、それ以外の場所でもかなり本格的に動き始めているらしい。
ただ、そんな中で俺が南アジアを選んだのは当然ながら理由がある。
「この南アジア、小国というべき規模だが、それでも幾つかの国がきちんと存在してるらしい」
「マジか」
何故南アジアなのかと聞いてきたウィッツが、驚きの言葉を口にする。
いや、それはウィッツだけではない。話を聞いていた他の面々も同様だった。
無理もない。
北米にあるのは、あくまでも街規模だ。
フォートセバーンやセインズアイランドのように、かなり規模の大きな街もあるが、それでもその程度でしかない。
そんな中で、小国ではあっても明確に国と呼べる規模があると言われれば、驚くのも当然だろう。
「ああ、マジだ。しかも小国とはいいえ、1国ではなく複数の国があるらしい。で、新連邦のデータを見る限り、現在そこに色々と手を伸ばしているらしい。だからそれを妨害するのはこっちにとっても悪くないと思ってな。それに……この状況で国があるんだ。そんな存在と手を組むのは悪くない話だと思う。そう思わないか?」
そう言った俺の視線が向けられたのは、ジャミル。
そのジャミルは俺が何を言いたいのか理解しているのだろう。少し気圧されたように視線を逸らす。
サングラスをしているが、顔の動きを見れば視線を逸らしたというのはすぐに分かった。
「国と接触する以上、こっちもバルチャーではなく国のトップ……もしくは国のトップになる予定だと、そう示しておいた方がいい。違うか?」
そんな俺の言葉に、フリーデン側の何人かが驚きの表情を浮かべる。
あれ? ジャミルを北米にある街や村を中心とした連邦国家の代表にするって話、知らない奴もいたのか?
その辺については、後でいいか。
「だが……この世界をこのようにしてしまった私が、国の代表になるなど……」
「なら、他に誰がいる? いやまぁ、捜せば国の代表に相応しい人物ってのもいるかもしれないが。だが、その場合は俺達と上手い具合に協力出来るとは限らないぞ? 俺達シャドウミラーが協力してもいいと思ったのは、あくまでもジャミルなんだし」
シャドウミラーの力は強力だ。
それこそ人によってはその力に酔って妙なことを考える可能性もある。
勿論、そういうことになっても量産型Wやコバッタが止めるだろうし、最悪の場合……本当に最悪の場合、ゲートを撤去してX世界から撤退するといった方法もある。
だが、せっかくここまで色々と力を貸したんだし、何よりUC世界のニュータイプと同じ名称で能力も似たようなものでありながら、それでいて実際には違うという、そんな存在がいるこのX世界は切り捨てるには惜しい。
そうである以上、俺としてはジャミルにこそ連邦国を率いる人物になって貰いたかった。
「しかし、私がそのような……」
本人はまだやる気にはなっていないようだったが。
「ジャミルがこの世界をこのような状況にしたのなら、ジャミルがこの世界を救え。それが贖罪だと思うぞ」
「……もう少し、本当にもう少しだけ時間をくれ」
最終的にジャミルが口にした内容は、そのようなものだった。
ジャミルにしてみれば、色々な葛藤があるのだろう。
以前打診した時も同じように感じだったんだが……
「それは構わないが、いつまでも無駄に時間だけを使う訳にはいかないぞ」
ジャミルにとって、この件はすぐに決められる事でないのは分かる。
分かるが、それでもいつまでも決められずに時間を掛けるというのは、それはそれで色々と不味い。
南アジアにある国と接触をする時、こちらがただのバルチャーであるかというのと、北米を中心に建国した連邦国家の代表というのでは、大きく意味が違う。
その為に、俺としてはジャミルには早く決断をして欲しいのだ。
「分かっている。出来るだけ早くどうするか決めよう」
「そうなるといいけどな。それでも決められないようなら、いっそ俺の方で期限を決めるか?」
そう言うが、実際に期限を決めた場合、その期限までにジャミルが決められなかった場合、一体どうするのかといった疑問はあるのだが。
期限までに決められなかったら、ジャミルには無理矢理連邦国の代表になって貰うか、もしくは期限までに決められないという事は決断力がないので連邦国の代表にはさせないか。
「いや、アクセルにそこまでして貰う訳にはいかない。こちらで決める」
「ジャミルがそう言うのならいいけどな。さて、取りあえず南アジアに接触するという事になったが、それに反対する奴は?」
ここで反対する奴がいても、結果として俺達がやるべき事は変わらない。
だが、どうしても俺達と一緒に行動するのが嫌だというのなら、その場合は残念ながらテンザン級やフリーデンから降りるという事になるだろう。
とはいえ、テンザン級の方では特に反対する者はいない。
これは予想通りだったが、フリーデンの方は……ロアビィが微妙に嫌そうな表情を浮かべているな。
とはいえ、今のところは積極的に反対をするつもりもない、と。
ただ、この様子を見る限りだと将来的にロアビィがフリーデンを離れる事になるというのは考えておいた方がいいか。
ロアビィの性格はフリーデンにとってはありがたいものだし、レオパルドも戦力としてはかなり強力だ。
そういう意味では、出来るだけロアビィにはフリーデンを降りて貰いたくはないのだが……この辺は無理を言っても拗れるだけだろう。
「なら、南アジアの件は決まりだな。それと……もう1つ。このゾンダーエプタで入手したMSだ。ヴァサーゴとアシュタロンはテンザン級で使うつもりだが、DXはガロードに任せたい」
『……』
俺の口から出た言葉がそこまで予想外だったのか、会議室の中は沈黙に包まれる。
「えっと、その……アクセル。それは本当にそう思ってるのか?」
恐る恐るといった様子で声を掛けてきたのは、ガロード。
自分がDXに乗るという張本人だけに、余計にそのように疑問を抱いたのだろう。
「ああ、本当にそう思っている」
「何でだ? 俺がキッドから聞いた話によれば、DXはGXの後継機だが、性能は段違いに上がっている。それこそツインサテライトキャノンを抜きにした純粋な機体性能でもかなり高いんだろう? なら、俺が乗るよりも、それこそアクセルが乗ればいいんじゃないか?」
「そりゃそうだ。アクセルを抜きにしても、テンザン級には腕利きのMSパイロットが多いんだから、そっちに乗せてもいい筈だぜ?」
ウィッツのその言葉に、先程南アジアに向かうといった話で嫌そうな表情を浮かべていたロアビィも、同意するように頷く。
普通に考えれば、そんな風に考えてもおかしくはない。
実際、DXは純粋な性能ならヴァサーゴよりも上なのだから。
だが……それでも俺がガロードをDXに乗せようと思っているのは、ガロードがこの世界の原作の主人公だというのが大きい。
俺達が関わった以上、もうこの世界の原作は間違いなく破壊されている。
この世界の原作についての知識がない以上、具体的にどのように原作と違う流れになっているのかは分からないが、それでも確信はあった。
だが……確信はあるものの、それでもこれからの話の流れがどうなるか分からないのも事実。
そのような状況である以上、この世界の主人公であるガロードを強化しておくに越した事はない。
だからこそ、テンザン級の面々とガロードの模擬戦を頻繁に行っているのだし。
実際にその模擬戦によって、ガロードの技量は上がっている。
原作知識がない以上は明確に比べられないが、恐らく……本当に恐らく、原作のガロードと比べても、今のガロードの方がMSの操縦技術は上だと思う。
しかし、MS乗りとしての強さは操縦技能もそうだが、乗っているMSの性能も大きく関係してくる。
ガロードの乗っているGXは15年前の戦争において連邦軍の切り札だけあって、高い性能を持つのは間違いない。
キッドの開発したディバイダーの件もあって、戦場によって装備を変更出来るというのも大きいが……それでも、やはりそこには限界というのがある。
原作的に考えると、いわゆる後継機とか主人公機とかそういう感じで。
そういう意味では、GXをベースにして開発されたDXは文句ない。
恐らくだが、原作でガロードはGXの次にDXに乗っていたと思う。
DXはヴァサーゴやアシュタロンと違って、正統派のガンダムといった外見だし。
この世界の原作とは大きく違う流れになっているのは間違いないが、それでもガロードがこの世界の主人公であるのは間違いない。
そうである以上、今までの経験から考えてこの先、ガロードが何らかの騒動に巻き込まれるのは間違いない。
いや、何らかのと言葉を濁す必要はないか。
その騒動は、ほぼ間違いなく新連邦との戦いに関係してくるものだろう。
だからこそ、ガロードにはGXからDXに乗り換えて貰う必要があった。
「一応言っておくが、これはガロードにDXをくれてやる訳じゃない。あくまでも貸すだけだからな」
一応、そう釘を刺しておく。
何しろこのDXは現状1機しか存在していない。
調整中に詳細なデータは取ってあるので、一応新しくDXを作ろうと思えば作れると思う。
とはいえ、GXの量産型としてサテライトキャノンを持たない高機動型GXを作ったように、DXを量産するにしても、それと同じような感じになると思うが。
サテライトキャノンやツインサテライトキャノンは威力を考えるとそう簡単に量産出来るようなものではないし。
何より、もしそういうのを売って敵が購入したらと思うと……うん、そんな真似は絶対に避けるべき事だろう。
もし何かの間違いで、地球上においてツインサテライトキャノンがそこら中で使われるといったような事になったら、それこそX世界が滅亡する未来しか見えなかった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1995
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1767