結局DXについてはガロードが使う事になった。
ガロードは本当に自分が使ってもいいのか? といった疑問を抱いていたし、他にも何人か同じような表情を浮かべていた者もいたのだが、それでも俺の権限でそれを押し通した。
理由として大きかったのは、テンザン級とフリーデンでは戦力差があるという事だろう。
エニルが使っているエスペランサに、それ以外は全てガンダム。
それもMSパイロットの能力は全員が一流、もしくはそれを超えている。
それと比べると、フリーデンは全てがガンダムとはいえ、全部で3機しかいない。
母艦となっているテンザン級とフリーデンでも戦力差は大きいのに、MSの戦力差もこれだと少し問題だ。
とはいえ、普通に考えればガンダムが3機というのはとてつもない戦力なのだが。
このX世界の常識で考えれば、迂闊に手を出すような者はまずいないだろう。
だが、それはあくまでも普通に考えた場合の話だ。
俺達はこれから新連邦と戦おうとしている。
たった2隻で。……実際にはシャドウミラーが協力をしていたり、北米で連邦国家を作ってそれで対抗しようとしたりしているので、必ずしも2隻という訳ではないのだが。
しかし、今の状況ではまだ2隻で戦っている以上、普通の事を普通にやっているだけでは勝ち目などないだろう。
そんな訳で、ガロードがDXに乗る事になったのだ。
そうなると、次に出て来た問題はガロードが乗っていたGXをどうするかだろう。
使えないのならともかく、GXは普通に戦力となる機体だ。
だからこそ放っておくのは勿体ない。
いっそテンザン級の量産型Wを1人送り込んで、GXのパイロットとして使おうかと思っていたのだが……
「私が乗ろう」
ジャミルがそう宣言する。
だが、俺はそれに疑問を抱く。
「ジャミルが乗るって、コックピット恐怖症はどうしたんだ?」
そう、ジャミルは15年前の戦争の影響……コロニー落としによって地球を壊滅状態にした精神的なもの、あるいはニュータイプ能力を限界まで使って戦ったのが理由なのかは分からなかったが、とにかくコックピットに乗る事が出来なくなっていた筈だったのだが……
「心配するな。もう乗れるようになった」
そう言い、小さく笑みを浮かべる。
その言葉に会議室にいるテクスを見る。
テクスはフリーデンの医者である以上、当然ながらジャミルのコックピット恐怖症についても知っていた筈だ。
「本当か?」
「本当だ。ジャミルは既にMSに乗れる。医者の私が保証しよう」
そう言い切る。
俺もテクスについてはあまり詳しくないが、それでも責任感の強い人物という噂くらいは聞いていた。
そのような人物がこうして断言した以上、ジャミルは間違いなくMSに乗れるのだろう。
とはいえ……それでジャミルがMSに乗って戦場に出るのはどうかと思わないでもないが。
もし行動しているのがフリーデンだけなら、少しでもMSの戦力を増やすという意味でジャミルがMSに乗るのはありだろう。
何しろ15年前の戦争ではエースだったのだ。
ニュータイプ能力を使えなくなったとはいえ、その実力は一級品なのは間違いない。
だが、現状テンザン級がいる関係で、MSの戦力は十分に数が揃っている。
数だけではなく、大半がガンダムという……このX世界の者達に言えば、ふざけるなと怒鳴られてもおかしくはないような、そんな構成だ。
そのような状況でフリーデンの艦長をしているジャミルがわざわざMSに乗る必要があるのか?
ジャミルがMSに乗って戦場に出た場合、ジャミルに代わって指揮を執るのは恐らくサラだ。
トニヤとシンゴもブリッジクルーにはいるが、冷静に指揮が執れるとは思えない。
だが……サラはサラで、まだ若い。
戦闘の指揮について勉強をした事があるのならまだしも、サラの年齢を考えると15年前の戦争の時はまだ子供で、士官学校とかにも入ってはいなかった筈だ。
そんなサラが指揮を執るのは……一応、マリューがテンザン級の指揮を執っているので、マリューならフリーデンの指揮も同時に執れると思うものの、その辺は実際にやってみないと分からない。
「ジャミルがMSで前線に出る。それはいい。けど、その場合フリーデンの指揮は誰が執るんだ? それとも前線で戦いながらジャミルが指揮を執るのか?」
その問いに、ジャミルは少し迷った様子で口を開く。
「サラに指揮を執って貰うつもりだ。勿論、何かあった時は私も前線で指揮を執るが」
「艦長!?」
ジャミルの言葉が予想外だったのか、サラの口からは驚きの声が上がる。
まさかこの状況で自分が指名されるとは思ってもいなかったのだろう。
「個人的にはMSの戦力は十分に足りてると思うんだが……」
「アクセル、ジャミルの頼みを聞いて貰えないかしら?」
俺に向かってそう言ってきたのは、ルチル。
ジャミルも、まさかルチルがそんなことを言うとは思っていなかったのか、驚きの表情を浮かべていた。
「ルチル……」
「ジャミル、貴方が何を考えているのか、それは分かるつもりよ」
そう言うルチルに、ジャミルは小さく頭を下げて、再び俺に視線を向けてくる。
さて、どうするべきか。
今回の一件に関しては、正直なところどっちでもいいとは思うのだ。
確かにジャミルがフリーデンで指揮をしないのはフリーデン側にとっては不利な事だろう。
何だかんだとフリーデンの中で一番戦いの経験があるのはジャミルなのだから。
だが……ここは別の方面から考えてみる。
今はMSの戦力が十分なので、わざわざジャミルがMSで前線に出る必要はない。
しかし、それは今だけの話だ。
この先も新連邦との戦いが続く場合、何らかの理由でこちら側のMS戦力が足りなくなる可能性は十分にあった。
質という一点では新連邦を上回っているこちら側だが、その質に対して相手は徹底的に数で攻めて来た場合、ジャミルがMSで前線に出るといった事もあるだろう。
あるいはフリーデンが常にテンザン級と一緒に行動する訳ではない以上、MSの戦力が足りなくなってもおかしくはない。
そのような時にジャミルが前線に出る事を考えると、今のうちからサラが指揮を執るといった事に慣れておくのは悪くない……か?
あくまでもそういう可能性があるという話で、絶対にそのようになるとは限らないのだが、世の中には時折完全に予想外のことが起きるのは、そう珍しい話ではないのだから。
「分かった。ジャミルがMSで前に出るのを認める。……まぁ、認めると俺が言ったところで、最終的にはこの件はフリーデンの面々で決める話だから、俺が偉そうに判断する事じゃないんだけどな」
俺達とフリーデンは一緒に行動しているものの、それは別にフリーデンが俺達の指揮下に入っているという訳ではない。
あくまでも、双方対等の協力関係なのだ。
それどころか、今はもう当初と色々と違ってきているが、元々はフリーデンがニュータイプを保護する目的で行動するのに俺達が一緒に行動しているという点で、本来ならフリーデン側に主導権があってもおかしくはない。
「すまない」
「気にするな。元々この件はフリーデン側で決める事だしな」
そう言うと、話を聞いていたフリーデン側の面々は微妙な表情を浮かべる。
何だ? 今の俺の言葉に何かそういう風な表情を浮かべるような要素があったか?
疑問に思うも、改めてそれを聞くよりも前に話は進む。
「では、サラ。私がGXで出た場合の指揮は任せる」
「分かりました」
そうして話が決まり、取りあえずこの話題は終わる事になる。
そうなると次の話題だが……
「次の話題は……特にないな。もう俺達が揃って決めるような事は既に決めてしまったし」
他にも幾つか決めるような事はあるが、それはあくまでもシャドウミラー側だけで決めるような事だ。
そうである以上、自分達の用件は……そう思っていると、シーマが口を開く。
「アクセル、ちょっといいかい? カトック達から要望があったんだけど」
「要望? カトック達はゾンダーエプタに残すつもりだったんだが」
中佐を司令官として働かせ、護衛件監視として量産型Wをつけるつもりだった。
そういう状況でもこのゾンダーエプタという離れた場所だけに何が起きるのか分からないから、念の為にカトックをここに置いておくつもりだったのだ。
「分かってるよ。ただ、それでも……といった具合で頼まれたんでね。それが出来るかどうかは分からないけど、アクセルに伝えるという風に言ってしまった以上、言うだけは言っておかないといけないだろう?」
「それで? 具体的には?」
「フリーデンで働きたいらしい」
ざわり、と。
フリーデンの面々がシーマの言葉に驚く。
いやまぁ、その気持ちは分からないでもないけどな。
何故ここでいきなりフリーデンが出てくるのか、理解出来なかったのだろう。
とはいえ、俺は何となくその理由を理解出来た。
カトックはティファの絵によって救われ、コロニー落としの件でジャミルと話した。
その辺りの事を考えると、カトックにとってはテンザン級やゾンダーエプタよりもフリーデンの方がいいのだろう。
「話は分かった。ちなみにそれはカトックだけか? それともカトックの部下達もか?」
「部下達もだよ。どうやら部下には慕われているらしいね」
そう言い、意味ありげに俺に視線を向けてくるシーマ。
その意味では、俺とは違うと言いたいのか、俺と同じだと言いたいのか。
自慢ではないが、俺はシャドウミラーの面々とそれなりに信頼関係を築けているという自信はある。
こういう事が出来るのも、シャドウミラーが小規模な組織だからだろう。
これで1000人とかシャドウミラーのメンバーがいたら、全員と信頼関係を築くというのは……不可能ではないが、難しいだろう。
それだけの人数ともなれば、中にはシャドウミラーを裏切ったりしそうな奴とかもいるし。
まさかレオンやノモアのように、逆らいそうな奴は片っ端から鵬法璽を使うなんて真似をする訳にもいかないだろう。
そんな訳で、人数的にはそこまで多くなく、それでいて量産型Wやコバッタで労働力を補うというのは悪い選択肢ではない筈だった。
この先がどうなるのかは分からないが。
具体的には、マブラヴ世界のように世界的な……それこそ地球の危機的な状況の場合、住人を避難させるというのはありだろう。
ああ、でもこのX世界の人口を考えると、別にそういう世界があったとして、ホワイトスターに避難させるんじゃなくてX世界に避難させればいいのか。
「それで、アクセル。カトック達はどうする?」
「どうすると俺に聞かれてもな。いや、俺は別にカトックがゾンダーエプタではなくて、フリーデンで働きたいと言っても、それはそれで構わないと思う。だが、その辺を決めるのは俺じゃなくてジャミルだ」
そう言いつつも、この話をジャミルに持っていけば絶対に断らないだろうとは思う。
ジャミルはカトックに強い負い目があるのだから。
とはいえ、カトックが見るからに何かを企んでおり、それによってフリーデンの面々が危険な目に遭うといった事になった場合は、ジャミルも拒否するだろう。
だが、カトックは別にそういう狙いからフリーデンで働きたいと言ってる訳ではない筈だ。
だからこそ、ジャミルはそれを断るような事は出来ず……
「いいだろう」
予想通り、ジャミルがそう告げる。
だが、会議室の中にいる者達の中にはジャミルとカトックの関係を知らない者もいて、ジャミルが受け入れた事に驚きの声を上げている者もいる。
「おい、いいのかよ!? そのカトックって奴は敵だったんだろ!?」
予想通り、真っ先に反対したのはウィッツ。
単純な性格をしているだけに、敵だった者をあっさりと信じるといった真似は出来なかったのだろう。
「あら? でもそれなら私も信じて貰えないのかしら?」
ウィッツの言葉に、エニルがそう言う。
ただし、それは真剣な表情で言ってるのではなく、からかって言ってるのは口元に浮かぶ笑みを見れば明らかだ。
ただ、エニルの言ってる事も決して間違いではない。
カトックはニュータイプ能力で見抜かれたことによってあっさりと捕らえられたが、エニルは実際に何度も俺達と戦っている。
そう考えると、エニルとカトックのどちらを信じやすいかと言われれば……エニルの美貌とかを抜きにすれば、やはりカトックだろう。
「え? いや、別に俺はそんな事は……」
「あー、ウィッツ慌ててる。もしかしてエニルに何か思うところがあるじゃないの?」
戸惑うウィッツに追撃をするトニヤ。
そんなトニヤの言葉に、ウィッツは更に混乱した様子を見せる。
ウィッツの様子に、先程までの部屋の中にあった空気は完全に消え、今は多くの者がそんなウィッツを見て笑う。
「ジャミル」
「ああ。……ウィッツには感謝をしなければな」
ジャミルは俺の言葉に、唇を少しだけ曲げて笑みを浮かべるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1995
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1767