シーマとの話を終えた俺は、早速フリーデンに向かった。
フリーデンでは現在色々な物資がゾンダーエプタから運び込まれており、多くの者がその対応に走り回っている。
そんな面々を見て、その中にカトックの部下達がいる事に気が付く。
そう言えばカトック達はフリーデンで働く事になったんだったな。
軍人とバルチャー……似たようで違う以上、色々と面倒そうな気はしないでもない。
バルチャーに近いのは、どちらかと言えば傭兵とかだろう。
実際にバルチャーの仕事には傭兵染みたものもあるんだし。
「アクセル? どうしたの?」
カトックの部下達の様子を見ていると、こちらもゾンダーエプタから運び込まれる物資をどこに運べばいいのかといった指示をしていたトニヤが声を掛けてくる。
丁度いい、どうせならここでトニヤに聞けば手っ取り早いか。
「少しジャミルに会いに来たんだよ。それで、ジャミルはどこにいる?」
「ブリッジじゃない? そこにいなければ艦長室とか」
部外者が艦長のジャミルに会いに来たというのに、トニヤには全く警戒した様子がない。
これは俺達と一緒に行動する事が多かったので、このままジャミルに会いに行っても問題ないと判断したのだろう。
信頼されていると喜ぶべきか、もう少し警戒しろと突っ込むべきか。
とはいえ、俺にとってはそう悪い話じゃないから問題はないか。
「そうか。ならまずはブリッジに行くよ」
「ええ。私は仕事で忙しいから、勝手にしてちょうだい。……エニルとお酒を飲みたいわね」
「後で言っておく」
トニヤとエニルは親友と言ってもいい間柄だ。
それはエニルがテンザン級に乗るようになってからも変わらない。
実際に今までもそれなりにお互いの艦を行ったり来たりしてるし。
テンザン級でトニヤを見掛けた事も多い。
こうして好きに行動してもいいといったようなのは、その辺も影響してるのかもしれないな。
「そう。……言っておくけど、エニルに妙なちょっかいを掛けないでよ? アクセルの女癖の悪さはロアビィよりも上なんだから」
ジト目でそう言ってくるトニヤ。
トニヤにしてみれば、俺は複数の恋人がいる存在だ。
それもテンザン級にいる面々だけではなく、ホワイトスターにも何人もの恋人を残している。
それだけに、俺がロアビィよりも女癖が悪いと思ってもおかしくはないのだろう。
……ちなみにそのロアビィ、以前はモニクに言い寄っていたのだが、モニクの気持ちが自分に向きそうにないと知ると、現在はサラにちょっかいを出してるらしい。
いや、何でそこでサラ?
モニクが仮とはいえ、俺の恋人だから諦めるのは分かる。
モニクの方もロアビィを全く相手にしていなかったし。
だが……それでモニクを諦めた結果が、ジャミルを好きなサラってのは……
もしかして、あれか? ロアビィは寝取りとかそういうのを好むタイプだったりするのか?
あるいは単純にロアビィの好みが真面目な委員長タイプなのかもしれないが。
それこそトニヤとかエニルとか、他にもいるだろうに。
あるいはテンザン級の中には女のエルフもいるし。
その辺については別に俺が関わる事でもないか。
「そういうつもりはないから、安心しろ」
「アクセルがそう言っても、それが本当かどうか分からないんだから、心の底から信用しろって方が無理でしょ?」
「なら、俺じゃなくてエニルを信じろよ。エニルなら俺がどうこうしても、そう簡単に引っ掛かったりはしないだろ?」
「それは……そうかもしれないけど」
渋々とだが納得した様子を見せたトニヤをそのままに、俺はフリーデンのブリッジに向かうのだった。
「あれ? ジャミルは?」
「艦長室の方で仕事をしてますけど……何か?」
ブリッジにいたのはサラだけだった。
そのサラは、俺の言葉に不思議そうに尋ねてくる。
俺がフリーデンに来た事に対しては、こちらもそこまで不思議には思っていないらしい。
トニヤと同じか。
「いや、ちょっとジャミルと話をしたくてな。通信でってのもなんだったから、直接会おうと思ったんだよ」
「……連邦国についてでしょうか?」
俺がフリーデンにいる事に対しては特に疑問を抱かなかったサラだったが、俺が何の為にここに来たのかというのは、すぐに察したらしい。
微妙な表情を浮かべている。
サラにとって、ジャミルが連邦国の代表になるというのは色々と思うところもあるのだろう。
ジャミルを好きなサラにしてみれば、そのジャミルが連邦国の代表という事になれば、当然だが今までのフリーデンのように一緒に行動するといった真似は出来なくなってしまう。
……あるいは連邦国の代表になっても、普通に戦場に出るといった真似をするかもしれないが。
このX世界が普通の世界なら、そういう事はまずない。
しかし、15年前の戦争で人口の99%が失われた以上、人材が少ないのだ。
そんな中で、ジャミルのように技量の高いMSパイロットがいるのなら、戦場に出るといった事を望まれたり、寧ろ自分から望んだりしてもおかしくはない。
これで、実はまだジャミルのコックピット恐怖症が治ってなかったら、戦場に出るといった事を考えなくてもいいのかもしれないが、その辺は既に完全に治ってしまってるしな。
そうである以上、ジャミルが前線に出る可能性も……ない訳ではないと思う。
「ああ。ジャミルがどう考えてるのかは分からないが、いつまでも時間の猶予をやる訳にはいかない。少しでも決断を早くする必要があるしな」
「わかりました。……お願いします」
ちょっと驚く。
サラの事だから、俺がジャミルに連邦国の代表についての話を持ってきたと言えば、ジャミルに会わせないようにするのかと思ったのだが。
とはいえ、ジャミルに会うのを邪魔しないのなら俺としては助かるんだが。
「なら、ジャミルに会って来るよ」
そう言い、ブリッジを後にする。
既に何度もフリーデンには来ているので、艦長室がどこなのかは当然知っていた。
迷う様子もなく到着すると、扉をノックする。
「ジャミル、ちょっといいか? アクセルだ」
『アクセル? ……構わん。入ってくれ』
中から聞こえてきたその言葉に、扉を開ける。
すると艦長室の中では、ジャミルが執務机に座って何かを考えている様子だった。
あるいは何らかの書類仕事をしていたのかもしれないが。
「忙しいところ悪いな」
「構わん。アクセルが来たのだから、少しくらいの時間は取れる。それで、用件は……連邦国の代表についてか」
俺が言わなくても、ジャミルは俺が何の為にここに来たのか十分に理解していたらしい。
特に動揺した様子もなく、冷静にそう言ってくる。
「そうだ。以前から何度か言ってるが、そろそろ時間がない。今ここですぐに……とまでは言わないが、それでもどうなっているのか、色々と聞いておきたくてな」
「……そうか」
そう言い、大きく息を吐くジャミル。
ジャミルにしてみれば、やはり国の代表になるというのはそう簡単に決められる事ではないのだろう。
あるいはこれが、もっと小さい国の話ならジャミルも決断しやすかったかもしれないが、今回は北米全体を連邦国とするような話だ。
「で? 単刀直入に聞くけど、どうするつもりなんだ?」
「……私がやろう」
「は?」
ジャミルの口から出た言葉を聞き、俺は間の抜けた声を上げる。
今まで散々渋っていた……いや、迷っていたジャミルが、何故か急に連邦国の代表をすると言ったのだ。
それに驚くなという方が無理だろう。
「一応聞くが、お前は連邦国の代表をやると、そう言ったんだよな?」
聞き間違いではなかったのか。
そんな思いから尋ねてみるものの、ジャミルは俺の言葉に躊躇する様子すらなく頷く。
「そのつもりだ。連邦国の代表……それが大統領なのか首相なのか、それともそれ以外の何かなのか。その辺りは生憎と私にも分からないが、連邦国の代表を務めさせて貰おう」
「そうすると決めていたのなら、別に俺が来る前に決めて報告をしてもよかったんじゃないか?」
「いや、決めていた訳ではない。勿論、私で役に立つのならという事で、そちらの方面に気持ちが傾いていたのは間違いない。だが、それでもまだ決定的な何か……最後のワンピースが足りなかった」
「その状況で俺がやってきてすぐに決めたという事は、その最後のワンピースは俺だったという事なのか?」
「そうなのだろうな」
「いや、何でそんなに他人事なんだよ。お前の事だろう?」
「分からん。だが、アクセルを見た瞬間にそうした方がいいと理解したのは間違いない。私にまだ微かに残っていたニュータイプ能力がそのように思ったのか、あるいはそれ以外の理由でそのような判断をしたのかは分からないが」
ニュータイプ能力で決めた、か。
このX世界の事情を考えれば、ある意味でそれは間違っていないのかもしれないな。
とにかく、理由はどうあれジャミルが連邦国の代表になるというのを決めたのだから、これは俺にとっても悪い話ではない。
寧ろ以前から早く決めろと急かしていた身としては、歓迎すべき事だろう。
問題なのは、俺が具体的にどういう意味でジャミルにとっての最後のピースになったのか分からない事だろう。
ジャミルの様子を見ると、本人もしっかりとそうだと認識出来ている訳ではないみたいだし。
だとすれば、何故俺が? と聞いても、ジャミルは分からない筈だ。
「とにかく、話は分かった。そうなると、こっちの方でも色々と準備を進める必要があるな」
「連邦国の代表になると決めた私が聞くのもどうかと思うが、南アジアに行ってる場合なのか? 私達だけでも、北米に……」
「それもありかもしれないけど、連邦国の方についてはこっちで準備を進めてる。無理にジャミルが戻る必要はないな」
ノモアやバルチャーとして活動しているエルフ達、フォートセバーンやセインズアイランド、サン・アンジェロ市……他にもロッソのように人望のあるバルチャーにも色々と動いて貰っているのだ。
後はジャミルが連邦国の代表を引き受けるだけ……というのは少し大袈裟かもしれないが、それでもそれに近い状況だったのは間違いない。
勿論、これが普通の世界なら連邦国を作るといった事をするにしても、もっと……それこそ数年、場合によっては10年単位で時間が掛かってもおかしくはない。
そういう意味では、この世界がX世界であり……何よりも新連邦という差し迫った危機の存在が大きい。
そう考えると、この世界も悪い事だけではないのだろう。
だからといって、この世界に生まれたいのかと言われれば……俺は即座に首を横に振るだろうが。
「そうなのか。国を治めるとなれば、色々とやるべき事があると思っていたんだが」
「その辺は、それこそもう少し平和になってからの話だろうな。今は戦時中……というのはまだ少し早いかもしれないが、新連邦の様子を見る限りそんな真似をしてもおかしくはない。今のジャミルがやるべき事となると、そうだな。例えば国の名前を考えるとか?」
「国の名前?」
「ああ。俺達が拠点としているアルカディアもそうだが、ただ基地と呼ぶよりはアルカディアと呼んだ方が愛着も出る。そういう意味で、国の名前は重要だ。いつまでも、ただ連邦国と呼ぶのはどうかと思うし」
北米を中心しているとなると……大西洋連邦?
ふと思いついたのがそれだったが、大西洋連邦という名前は色々な意味で縁起が悪い。
具体的には、SEED世界のブルーコスモス的な意味で。
それこそ、このX世界において『青き清浄なる世界の為に』というのは、SEED世界とは別の意味で危険だったりする。
何しろこの世界はコロニー落としがあった世界だ。
現状のこのX世界を元に戻すという意味で『青き清浄なる世界の為に』というのは決して間違っている訳ではない。
「ふむ、国の名前か。今までそのような事を考えた事はなかったな。だが、そういう意味では新連邦というのもどうかと思うのだが」
「それについては俺も反対はしない。ただ、新連邦の場合はそれはそれで分かりやすいのは間違いないんだよな」
戦争以前の古い連邦ではなく、それとは全く違う新しい連邦で新連邦。
……とはいえ、それは向こうが主張しているだけで、やってる事は旧連邦とそう違いはないように思えるのだが。
武力で制圧するというのは、いかにもって感じだし。
そんな中で新連邦と名乗っても……恥ずかしくないのか? というのが正直なところだ。
ネオ連邦とか、正統連邦とか、そういう名前よりは分かりやすい……のか?
「そのような名前を考えるのは難しいな、アクセルは何かないのか?」
「俺にそっち方面で期待をするな。アルカディアの名前を決めるのにも、俺だと決めきれなかったから、シャドウミラーの面々から公募したんだぞ?」
自分で決められないので、他人に頼る。
これは決して悪くはないと思うし、何よりそれによってアルカディアといういい名前になったのだ。
そういう意味では、俺の行動としては最善だったと思う。
そんな風に考えつつ、俺はジャミルと国の名前についてああでもない、こうでもないと話をするのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1995
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1767