エスタルドにある政庁……いや、この場合はもっと違う表現の方がいいのか?
とはいえ、小国だけあって首都もそこまで大きくはなく、政治家達の仕事場も豪華な建物ではない。
「よく来てくれた。私はウイリス・アラミス。このエスタルドの国家元首だ」
会議室の中に響いたのは、そんな言葉。
にしても、若いな。
いやまぁ、X世界のように人口が極端に減った世界だと若くして国の代表……エスタルドの場合は国家元首か。そういう立場になってもおかしくはない。
見た感じ、20歳前後といったところか?
育ちはいいのか、どこか少し幼く見える。
今の一言からでも、優しげな性格をしているのは理解出来た。
そうしてウイリスがエスタルド側の他の面々について説明していく。
そんな中、このエスタルドの中で重要人物なのは3人。
1人目は、リー・ジャクソン。エスタルド軍の最高司令官。
つまり、新連邦と戦う上では一番協力すべき人物となる。
性格はタカ派。
ウイリスに対する忠誠心はそれなりに高く……ただ、そのウイリスが未熟なのが我慢出来ないといったところか。
2人目は、グラント・スチューアート。エスタルドの国民議会議長。
言ってみれば、政治側の代表といったところか。
性格はハト派。
穏やかな性格をしており、出来るだけ戦いではなく話し合いでどうにかしようとするタイプだ。
3人目はルクス・ハノマアク。
国家元首ウイリスの補佐官だが、ウイリスが優柔不断な分、ルクスが判断してそれをウイリスが追認するといったような感じか。
エスタルドにおける重要人物は合計この4人と見てもいいだろう。
実際にはそれ以外にも何人も重要な人物はいるのだろうが、今はまだ気にする必要はないだろう。
そんなエスタルド側の主張は……
「新連邦に協力して当たる、ですか」
ジャミルがエスタルド側からの要望にそう返す。
とはいえ、そのような要請があるというのは前もって予想していたので、特に驚くような事はない。
問題なのは、こっちがそれを受けるかどうかだろう。
「うむ。新連邦の圧力は日に日に増しておる。既に何度か戦闘も起きている。向こうにしてみれば、新連邦以外の小国など存在するのが許せないのだろう。……降伏条件についても、かなり高圧的なものだった」
リーが苦々しげに言う。
この様子を見ると、新連邦からの要求というのはかなり厳しいものだったらしい。
主権の放棄とか、軍隊を新連邦に組み込むとか、税金の類に関しても色々とあるのだろう。
ブラッドマンは演説で戦いのない世界を作る的な事を言っていたと思うが、この様子を見る限りだと、やはりあれは表向きか。
フロスト兄弟や諜報部のやり口から予想はしていたものの……あまり面白くはないな。
「ですが、将軍。だからといって戦うだけではお互いに憎しみを抱くだけです。交渉をして……」
「ふんっ、そんなのが通じる相手か。……それで、どうだろう? お主達の戦力はかなり大きいと聞く。ガンダムを複数持っているとも聞いている。儂らに力を貸してくれないだろうか?」
リーの視線がジャミルに向けられる。
この会談の最初、こちらの自己紹介をした時に、決めるのはジャミルだと言っておいたからだろう。
「普段であれば、私達はバルチャーである以上、そう簡単にエスタルドに協力するといった真似は出来ない。そう言うのだが……今は事情が違う」
「では?」
ジャミルの様子に期待を抱いたのだろう。
リーはジャミルに話の続きを促すように、そう告げる。
対してグラントの方は微かに眉を顰めていた。
もっとも、数秒でその表情は覆い隠されたが。
グラントにしてみれば、こっちが協力をするといった素振りを見せた事が面白くなかったのだろう。
「その前に、まずは……私達が何故ここに来たのかを話しておく必要があるでしょう。私達はゾンダーエプタという新連邦の基地を攻略し、そこで得た情報によってこの南アジアまで来ました」
「……それは、最初から我々に協力してくれるというつもりだったのか?」
「そうなります。ゾンダーエプタで入手した情報によると、この地域に新連邦はかなりの戦力を振り分けているでしょう。だからこそ私は……新連邦と戦う為に北米に出来る予定の連邦国家の代表として、それを見逃す訳にはいきませんでした」
『……』
会議室の中に沈黙が満ちる。
いや、ジャミルが連邦国の代表だというのを示すというのは、会談の前に聞いていた。
だが、まさかいきなりこうしてぶっちゃけるというのは、俺にとっても完全に予想外だ。
実際、会議室にいるエスタルド側の面々は、一体何を言われたのか理解出来ないといった様子で沈黙している。
「その……これは何かの冗談か?」
やがてその沈黙を破るように、リーがそう言ってきた。
だよな。普通に考えれば、今のジャミルの言葉をあっさり信じろという方が無理だろう。
さて、どうする?
一瞬そう思ったが、ジャミルが今ここでこうして自分の件を話してしまった以上、ここからは俺が仕切った方がいいか。
それでも、あくまで決断するのはジャミルなのだが。
パチン、と指を鳴らす。
同時に、会議室にあるテーブルの上に白炎が生み出された。
白い炎は、しかし周囲に熱を感じさせないような、そんな不思議な炎だった。
「なっ!?」
そう叫んだのは、一体誰だったか。
取りあえずこちら側の者ではなく、エスタルド側の者なのは間違いない。
こちら側の面々は俺が白炎を使うというのは知ってるし、なんなら炎獣であったり、それ以外の魔法を使うというのも知っている。
「ウイリス様!」
ルクスがウイリスを庇うように行動し、それにリーやグラントも続く。
うん、どうやら部下同士では色々と相性が悪いみたいだが、ウイリスを慕うという意味では悪くないのかもしれないな。
「落ち着け」
そう言い、再び指をパチンと鳴らす。
するとテーブルの上に現れた白炎が消え、俺の右手が白炎となって小鳥の炎獣が生み出され、部屋の中を飛ぶ。
再びそれを見て驚くエスタルドの面々。
そして訝しげな視線や、鋭い視線、驚きの視線……といった様々な視線が俺に向けられた。
この連中にしてみれば、今は一体何が起きてるのか理解出来ないのだろう。
あるいは手品とかそういうのだと思ってもおかしくはないかもしれないが、目の前で起きているのはとてもではないが手品とは思えない迫力がある。
実際には、一流の手品師とかなら同じような真似をしてもおかしくはないと思うんだが。
それは言わぬが花だろう。
部屋の中を小鳥の炎獣が飛び回り、数分。
その数分で、ウイリス達も炎獣が危険な存在ではないと判断したのか、部屋の中を飛ぶ炎獣と俺に視線を向けてくる。
一体何がどうなったのか、全く理解出来ないのだろう。
実際には小鳥の炎獣は今は特に害はないものの、その気になればエスタルド側の面々を殺すには十分な力を持っているのだが。
とはいえ、別にそれをこの場で言う必要はないだろう。
もしそんな話をして、その結果向こうが過剰反応をしたらこっちとしても面倒だし。
「さて、さっき自己紹介をしたが、改めて自己紹介をしよう。俺はアクセル・アルマー。異世界から来た魔法使いだ」
「魔法……使い……?」
ウイリスが信じられないといった様子で俺を見る。
そんなウイリスに覆い被さっていた他の面々も、危険はないと判断したのだろう。
何かあればすぐにでもウイリスを庇えるようにしながらも、俺の方に視線を向けてくる。
「それは、本当なのかい?」
「今、お前の目の前に何がある?」
ウイリスにそう言葉を返しながら、部屋の中を飛んでいる鳥の炎獣を示す。
炎獣を見れば、それが手品とかそういうのではないと、すぐに理解出来るだろう。
「そんな訳で、改めて事情を説明しよう」
そう言い、俺は事情を説明していく。
世界と世界の狭間に存在するシャドウミラーという国。
この世界にやって来て、フリーのMS乗りとして活動し始めた後の諸々を。
かなり端折った説明だったので、10分もしないうちに終わり……
「するとつまり、先程そこのジャミルとかいうのが口にした連邦国の代表というのは?」
「真実だ」
リーの言葉にそう断言する。
もっとも、連邦国ではあっても、まだしっかりと地盤は固まってないのだが。
そもそもジャミルが俺達と一緒にこういう場所にいるという時点で普通ではない。
「ただまぁ……今の俺の言葉だけで全てを信じろってのも無理だろ。百聞は一見にしかず。取りあえず俺が魔法使いだというのをしっかりと認識して貰う為に、今から転移魔法を使って北米に移動する。そんな訳で、誰が来る?」
ウイリス達に向かってそう尋ねる。
「僕が行こう」
すると予想外な事に……本当に予想外な事に、ウイリスが真っ先にそう言う。
「ウイリス様!?」
ルクスが驚きの言葉を発する。
ウイリスの補佐をしているルクスにしてみれば、まさかこの状況でウイリスがそんな事を言うとは思わなかったのだろう。
正直なところ、それについては俺も同感だった。
少し話したり、何より部下達と話しているのを見た感じだと、ウイリスは決して決断力に優れている訳ではないように思えたのだ。
だが、このような状況でいきなり自分が北米に行くと言うとは……しかも、俺達側の者なら何度も影のゲートを使っているものの、ウイリスにしてみれば転移魔法などというのは初めて知った存在の筈だ。
あるいは、お伽噺とかそういうので知っていた可能性はあるが、それでも結局のところ想像上のものでしかないだろう。
そのような状況で、何故そのようなことをいきなり言えたのか。
正直なところ、俺には分からない。
分からないが、それでも今の状況を思えば恐らく好奇心は強いとか、そんな感じなのだろう。
あるいは大人しい性格をしているだけに、小説とかそういうのを読むのは好きだったのかもしれない。
……15年前の戦争でそういう本とかが残っているのは不思議だが、人口99%が死んだのに、この辺りにはエスタルドを入れて3つの国が存在するだけの者達が生き残っていたのだ。
そう考えると、もしかしたらコロニー落としで直接コロニーがこの近辺に落ちるといった事はなく、旧連邦の宇宙革命軍との戦いにおいても南アジアで直接戦うといった真似はなかった……訳ではないだろうが、それでも戦いの規模は小さかった可能性は十分にある。
これらはあくまでも俺の予想で、実際にどうだったのかは分からないが。
「ウイリスは行くんだな。分かった。他の面々はどうする?」
「ぐ……それは……」
リーが言葉に詰まる。
リーとしては、ウイリスが素早く決断した事そのものはそれなりに喜ばしい事なのかもしれない。
最初に俺達を放っておいてエスタルドの面々だけで話していた時、ウイリスに決断力を持てと、そう言っていたのだから。
しかし、リーにしてみればこの展開は予想外だっただろう。
勿論、ウイリス以外の面々の様子を見ている限りだと、普通はウイリスもこのような事を言ったりしないのだろう。
それこそ今ここでウイリスがすぐに俺の提案に頷いたのは……それだけ俺の魔法に衝撃を受けて、反射的に行くと言った可能性も高い。
高いというか、ほぼ確定だろう。
こういう状況の時、じゃあ明日にでも……といったように口にした場合、明日になれば魔法を見た興奮も収まって冷静になっており、やっぱり止めると言い出しかねない。
だからこそ、今ここで行くと言ったのを逃さずに移動させる必要がある。
「国家元首が行くと言ってるのに、それを支える者達は行かないのか?」
「……私も行きましょう」
俺の問いに10秒程沈黙した後で、最初にそう言ったのはルクスだった。
続けてリーとグラントもそれぞれ行くと口にする。
少し意外だったのは、グラントも行くと言った事か。
年齢に見合わず血気盛んなリーはともかく、グラントは何かあっても冷静に行動するタイプだと思っていた。
なのに、こうしてリーとほぼ同時に行くと言ったのだ。
リーもそんなグラントの様子は意外だったのだろう。かなり驚いていた様子だった。
「で、残りはどうする?」
ちなみにそう言った俺の視線の先にいたのはウイリス達以外のの面々。当然ながらこの部屋にはエスタルド側の面々として他の者達もおり、そのような者達に尋ねたのだ。
ただし、そちらは特に何か重要な者達ではなく、リーやグラントに部下達といったところだ。
その連中の名前を無理に覚える必要もないだろう。
「こちらに事情を知ってる者を残す必要もあるから、行くのは三人だけでいいだろう」
俺の視線の意味に気が付いたリーがそう言うと、グラントやルクスもその言葉に頷く。
この件については対抗心を抱くといったような真似はせず、主要人物達は揃って意見を同じにしたらしい。
ともあれ、向こうの主要メンバーは行くという風に決めたので……そうなるとこちらにそれを拒否するようなつもりはない。
こちらから誘ったのだから、こちらとしては寧ろ歓迎すべき事なのは間違いなかった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1995
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1767