出撃するとなると、俺達の動きは素早い。
もしここに俺がいないのなら、それこそ車に乗って母艦に移動するといった真似をしなければならず、爆撃機が到着するまでに出撃をすることは出来ない。
……いや、それこそ母艦に戻るといった真似も難しかっただろう。
だが、俺がいる事でその辺についてはすぐに解決する。
「よし、ジャミル達はフリーデンに向かってくれ。俺達は先に出撃しておく」
影のゲートを使ってテンザン級の格納庫に転移してきた俺は、一緒に転移してきたジャミル達に向かって言う。
今のこの状況において重要なのは、少しでも早く出撃する事だ。
エスタルドの首都に向かっている爆撃機は、爆弾を大量に積んでいる分だけ速度は遅い。
ただし、それはあくまでも飛行機の中で速度は遅いというだけで、普通に地上を移動するしかない相手に比べれば、速度的にかなり有利なのは間違いなかった。
そんな訳で、今は少しでも急いで出撃する必要があった。
幸い、こちらの戦力はレオパルド以外は空を飛べる。
また、レオパルドもゾンダーエプタとは違って地面が普通にある場所で、更には弾幕を張るのに向いている機体だ。
そうである以上、地上から対空攻撃を行う……それも移動速度はかなり速いというのを考えると、レオパルドがかなり貴重な戦力なのは間違いない。
ジャミルは……どうするんだろうな。
ガロードがDXに乗るという事は、GXは余るということを意味している。
そしてジャミルは本人が戦場に出たいと、そう主張していた。
また、GXが装備しているディバイダーは、爆撃機のような相手を倒すのに非常に向いているのも事実。
高機動型GXもディバイダーを装備しているものの、その手の武装は多ければ多い程に有利なのだ。
「分かった。では、こちらも準備が整い次第出撃する!」
そう言い、ジャミル達はテンザン級から降りていく。
マリューは艦長室に向かい、他の面々も自分のMSに向かう。
俺もまた自分のヴァサーゴに乗り……
「全機、聞こえているな? エスタルドとの会談に参加していた者達は分かると思うが、新連邦がエスタルドの首都に向かって爆撃機を飛ばしてきた、俺達がやるのは、その新連邦の爆撃機の撃墜となる。護衛のMSがいるかどうかは分からないが、それでも俺達なら問題ない筈だ」
これは激励とかそういうのではなく、純然たる事実だ。
使っているMSの性能、そしてパイロットの技量、そのどちらをとっても、新連邦を相手に負けるとは到底思えない精鋭揃いなのは間違いなかった。
「敵は一般人に対しても容赦なく攻撃してくる外道だ。見つけ次第撃破しろ。……アクセル・アルマー。ヴァサーゴ、出る!」
通信を終えると、テンザン級から出撃する。
エスタルドで聞いた、新連邦の爆撃機が来る方に向かって飛ぶ。
にしても……新連邦は何を考えてるんだ?
このX世界は15年前の戦争において、人口の99%が死んでいる。
そんな状態で生き残っている者達を殺すような真似をすれば、将来的に世界そのものが詰む……それこそ、最悪人類の絶滅という未来すら考えられるだろうに。
新連邦の連中にとっても、自分が支配する民衆がいなければ意味がないと思う。
思うんだが、その辺についてどう思ってるのやら。
新連邦がどう考えているのかは、生憎と俺には分からない。
分からないが、それでもシャドウミラーとしてはこのX世界とはそれなりに上手くやっていきたいと思っている。
それだけに、人類絶滅というのは絶対に避けたかった。
人類絶滅を抜きにしても、新連邦が占領をしたいと思っている場所で民衆からの恨みを買うような真似をするのはどうかと思うんだが。
あるいは最初から爆撃するのは軍事施設とかそういう場所だけに限定されているのかもしれないな。
そんな風に考えていると、テンザン級から次々に出撃してくるMSが俺の後ろにつく。
また、フリーデンの方からもDXとGX、エアマスターが出撃してきたのが見えた。
レオパルドは地上を移動してるのだろう。
ちなみに、この世界のガンダムの中でサテライトキャノンを使えるGXにはGコンという……コントロールスティックと鍵が一緒になったようなのがあるのだが、これはキッドや量産型Wの頑張りによってGXもDXもなくなっている。
……まぁ、これで奪われてサテライトキャノンやツインサテライトキャノンを撃たれたりといったような事になったら不味いんだが。
それでもGXもDXもGコンを奪えば、もしくは壊してしまえばMSとして使えなくなるというのは大きな欠点だったので、それをなくしたのは悪くない改修だろう。
なお、高機動型GXは元からGコンがないので問題はない。
そんな風に考えていると、やがてレーダーに反応がある。
「爆撃機を発見。何とか都市内部に入るよりも前に接触出来そうだ。各自、エスタルドに恩を売るチャンスだ。くれぐれもここで敵を逃がすような真似をするなよ!」
『誰に言ってるんだい?』
真っ先に俺の通信に反応してきたのは、シーマの乗っているヴァサーゴだ。
続いて、俺達よりも遅く発進した筈のエアマスターがぐんぐんと距離を詰めてきて通信を送ってくる。
『へっ、民間人を攻撃しようなんざ、とてもじゃねえが許せねえな! 俺が撃ち落としてやる!』
かなりやる気のウィッツ。
ウィッツの家は農家で、盗賊のバルチャーに村が襲撃されたりしていたと聞く。
以前、ウィッツとロアビィが休みを貰って故郷に帰った時も、盗賊のバルチャーに村が襲われ、それを撃退したって話だったし。
そんな訳で、ウィッツにしてみればエスタルドを爆撃するという新連邦は許せないのだろう。
「やる気があるのは結構な事だ。なら、ウィッツには先行して貰うか」
『おう、任せろ!』
何だかんだと、ウィッツのエアマスターは俺達の中で最高の機動力を持つ。
エニルが乗っているアシュタロンも、MA形態になればかなりの機動力を持つが、それでもエアマスターには及ばない。
何しろエアマスターはMA形態……というか、完全に戦闘機形態なのに対して、アシュタロンのMA形態はエスペランサ的なMAだし。
そんな訳で、ウィッツのエアマスターは俺達を追い抜いて新連邦の爆撃機に向かう。
『アクセル、なら私もお先に行かせて貰うわね』
エニルのアシュタロンがそう通信を入れると、こちらも俺達を追い抜いていった。
「機動力って、やっぱり大事だよな」
『それは否定しないけど、機動力だけがあればいいってもんじゃないだろう? 私達のヴァサーゴの攻撃力も戦いでは重要だよ』
そんな風にシーマと会話をしながらも進んでいると、やがて映像モニタに複数の光が映し出される。
どうやらウィッツが……そして少し遅れてエニルも、新連邦の爆撃機に接触したらしい。
「俺達も早く追いつくか。あの2人だけに獲物を渡す訳にはいかないし」
エアマスターとアシュタロンは、確かにシーマの言う通り攻撃力は低い。
だが、それはあくまでもヴァサーゴと比べたらの話だ。
エアマスターのビームライフルは、ガンダムとかを相手にする場合は攻撃力が低いかもしれないが、量産機や……ましてや爆撃機を相手にする場合、全く問題はない。
アシュタロンはMA形態でも一応ビームは使えるし、その威力はそこまで強力ではないが、それでもこちらも爆撃機を相手にするには十分な威力を持つ。
「よし、見えた! やっぱりもう何機かは撃墜されてるみたいだな」
戦場となっている空域に到着すると、爆撃機であるが故に機動性や運動性が低く、一方的にエアマスターとアシュタロンに攻撃されていた。
爆撃機にも一応対空砲座の類はあるようだが、あくまでも一応程度のものでしかなく、空中を自由に飛び回るエアマスターやアシュタロンに命中させる事は出来ていない。
護衛がいないのはちょっと意外だったが……いや、考えてみればそうでもないのか?
新連邦にしてみれば、あくまで攻撃する相手はエスタルドだ。
そしてエスタルドのMSには飛行能力はない。
もしかしたら戦闘機くらいはあるかもしれないが、その程度の戦力ではどうしようもないと判断したのだろう。
結果として、敵は爆撃機に護衛を付ける必要もないと考えたとしても、おかしくはない。
俺達がエスタルドに合流していると知っていれば、そのような真似はしなかっただろう。
だが、ゾンダーエプタの件を知っていても、俺達がどこに姿を現すのかというのは、とてもではないが向こうも理解は出来ない筈だ。
フロスト兄弟と接触していれば……いや、それでも俺達が南アジアに姿を現すというのは、予想外だった筈。
だとすれば、やはりこれは当然の結末か。
「っと逃がすと思うか?」
俺達の存在に気が付いたのか、爆撃機はもう自分達の任務を果たせないと判断し、戦場から離脱しようとする。
だが……民間人を殺そうとしたお前達が、自分が殺されようとしているからといって逃げるのはどうなんだ?
そんな思いと共に、クロービーム砲を撃つ。
クロービーム砲の特徴として、1秒から2秒程度だがビームを発射し続けるといった真似が出来る。
本当に短時間だったが、それでも武器としてはかなりの性能だ。
爆撃機の胴体に突き刺さったビームを動かし……どん、と。
次の瞬間、爆撃機が爆散した。
動力炉を破壊したのか、それとも腹一杯に詰め込んでいる爆弾が爆発したのか。
ともあれ、爆撃機はこれで1機撃破。
残る爆撃機の数は4機。
だが……俺が次の敵に攻撃をしようとした瞬間、後ろから飛んできた大量の拡散ビーム砲によって3機の爆撃機が一気に爆発する。
何だ? と思って確認すると、どうやら複数の機体がタイミングを合わせてディバイダーを使ったらしい。
爆弾を大量に搭載している爆撃機にしてみれば、悪夢のような攻撃だろう。
もっとも、市街地を爆撃しようとしていた連中にしてみれば、自業自得と言ってもいいのかもしれないが。
そんな風に思っていると、爆撃機の最後の1機がDXの放ったビームライフルによって貫かれ、撃破する。
うん、これって……俺が言うのも何だけど、完全に過剰戦力だったな。
とはいえ、爆撃機が向かっているという情報しか知らなかった以上、もしかしたらそこに護衛のMSがいた可能性は十分にある。
バリエントやドートレス・ネオといった、新連邦の量産MSは普通に空を飛ぶのが前提となっているし。
そういう意味では、護衛としてMSがいた場合は非常に厄介な存在だったのは間違いない。
とはいえ、護衛のMSはいなかったが。
あるいは爆撃機に搭載されていた可能性もあるが……まぁ、出撃前にやられたとしたら、護衛の意味はないよな。
『何だか、あっけなさすぎないか?』
ガロードが信じられないといった様子で呟くのが聞こえてくる。
ガロードにとっても、まさかこうもあっさりと戦いが終わるというのは予想外だったのだろう。
「護衛のMSがなければこんなものだろう。……それよりも、そろそろ戻るぞ。新連邦も爆撃機が全滅したとなると、もっと戦力を突っ込んでくる可能性がある。まぁ、ここで敵が来るのを待っているという選択肢もあるんだが、戦いがいつになるか分からないしな」
あるいは、敵の指揮官が怖じ気づいて、もしくは慎重になってMSを派遣してこない可能性も十分にあった。
今回新連邦が受けた被害は、決して小さくはない。
勿論、新連邦全体として見た場合は、そこまで大きなダメージという事はないだろう。
だが、南アジアを担当している者達にしてみれば、結構な被害なのは間違いない筈だった。
そう説明すると、ガロードは納得した様子を見せる。
『へぇ、そういうものなのか。まぁ、普通の人達に被害が出なかったのはよかったと思うけど』
「そうだな。それが何よりか」
それが一番大きな成果なのは間違いない。
だが同時に、エスタルドの上層部……特に軍を率いるリーや、和平派のグラントにも俺達の力を見せた事はかなり大きいだろう。
魔法で驚かせたり、アルカディアという拠点がどういう場所か見せたりといったことはしていたのだが、やはり純粋にMSの戦力がどういうものかを見せることが出来たのは、これからエスタルドがどのような道を選ぶのかに影響してくる筈だ。
「さて、それよりも新連邦の爆撃機も倒したし、いつまでもここにいても意味はない。そろそろ戻るとするか」
追加で新連邦がさらに戦力を送ってくるという可能性もない訳ではなかったが、それでも今の状況を考えるとそんな真似をするとは思えない。
爆撃機に乗っていた者達が、大量のガンダムに襲撃されたといったように新連邦の基地に通信を入れていたのは間違いないだろうし。
そんな状況で、更に戦力を送ってくるなんて真似をしたら……うん、こっちにとっては敵の戦力を減らせるという意味で悪くないんだが、さすがにそんな真似はしないだろうという予想が俺にはあった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2005
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1768