「うわ……マジかこれ……」
「あ、ちょっとアクセル! 今は忙しいんだから、邪魔をしないでくれ!」
フリーデンの格納庫。
俺はそこで、目の前にあるMS……エアマスターの様子を見ていたのだが、そこでキッドに近寄らないように言われる。
フリーデンが……というか、エスタルドやノーザンベル、ガスタールと共に新連邦の基地を破壊する作戦は、俺達に要望があった翌日、つまり今日行われた。
普通なら国軍、それも1つだけではなく2つの、しかもそのうちの1つは今は共通の敵がいるが、潜在的な敵国と呼ぶに相応しい国との共同作戦である以上、とてもではないが1日で作戦の実行は出来ない。
だが、それでも作戦が可能になったのは、ノーザンベルもガスタールも、自国の首都……いや、首都に限らず国内の村や街を空爆されるのを恐れたからだろう。
そんな訳で翌日にはもう作戦が実施された訳だ。
まぁ、作戦の内容が遠距離からDXのツインサテライトキャノンでズドンと発射をするというものであったのも、こうして即座に作戦が実地された理由だったのだろう。
当然ながらツインサテライトキャノンを使う以上は月が出ていなければならず、作戦の実地は夕方となった。
それでも特に問題は起きないだろうと俺はテンザン級でゆっくりとしていたのだが……戻ってきた結果がこれだ。
エアマスターが大破……とまではいかないが、それでも中破と呼ぶに相応しいくらいにダメージを受けていた。
勿論、作戦そのものは成功したので、その点については文句はないのだが。
だが……その結果が、エアマスターの中破だ。
「アクセルか」
エアマスターのあった場所から離れると、不意にそんな声が聞こえてくる。
「ウィッツ……一体何があった?」
「敵の新型だよ」
「新型? DXのツインサテライトキャノンを使うから、標的の基地からは随分と離れた場所にいたんだろう? なのに敵の新型との戦闘になったのか?」
考えられるとすれば、そこにDXがいると思ってやって来たのではなく、偶然その近くを新連邦のMSが通ったといった感じか?
「敵が偶然あの場所を通り掛かったのか、それともフリーデンの存在を察知してMSを派遣してきたのかは分からねえ。だが……MSというか、MAみたいな奴だったな。それこそ戦闘機とMSが合体したかのような」
その言葉に俺が最初に思い浮かべたのは、マクロス世界のVFの形態の1つ、ガウォークだった。
それこそMA……いや、戦闘機に手足が生えているといった感じのその外見は、ウィッツの言う戦闘機とMSが合体したようなという表現に相応しかったのだから。
だが、改めてウィッツに話を聞いてみると、どうやら違うらしい。
ガウォークのように戦闘機に手足が生えているのではなく、戦闘機にMSの頭部が埋め込まれているらしい。
「それは……かなりシュールな外見だな」
勿論、シュールと言えば、初めて見る奴にはガウォークも同じようにみえるのだろう。
だが、そんなガウォークとはまた別の意味でその戦闘機はシュールなのは間違いなかった。
ガウォークは何だかんだと見慣れてはいるものの、その戦闘機は見慣れる気がしない。
いやまぁ、それでも何だかんだとずっと見ていれば慣れるのかもしれないが。
「ああ、シュールだったな。だが……強い。少なくても空中戦ではエアマスターよりも上だ」
「……それはまた。何と言ったらいいのか分からないが、厄介なのは間違いないな」
エアマスターの空中戦での能力の高さは、俺達の中でも最高峰だ。
勿論、そちらに特化しすぎているせいで攻撃力が弱かったりといったような事はあるんだが……それでも、十分すぎる性能を持っているのは間違いなかった。
そして忘れてはいけないのはエアマスターもまたガンダムだという事だろう。
それに対し、敵はガンダムではない。
……ガンダムではないんだよな?
戦闘機に頭部を埋め込んだような機体がガンダムだったりしたら、それはそれでかなり驚きなんだが。
あ、でも新連邦はヴァサーゴやアシュタロンのようなゲテモノガンダムを作ったりしてるんだし、もしかしたら……いや、さすがにそれはないか?
「ああ、厄介だ。外見は完全にゲテモノ系だが、それだけに性能はな。悔しいが、今のままのエアマスターだと、ちょっと性能的に……」
「ならば、改修をしてはどうかね」
「……あ?」
突然の声に、ウィッツが振り向く。
俺もそれに続いて振り向くと、そこにいたのは何人かの兵士を護衛として連れているリーの姿があった。
「爺さん、それどういう意味だ?」
ウィッツのその言葉に、リーの護衛の兵士がピクリと反応するものの、実際に何かを言う様子はない。
この様子を見ると、リーって下からは結構慕われているんだな。
「言葉通りの意味だ。資材や人手はこちらで用意しよう。それを使って、お主のガンダムを改修してみたらどうかと、そう言っておるのだ」
「本気か、爺さん」
ウィッツの表情には、疑問がある。
ウィッツにしてみれば、何故自分の機体を改修するのにそこまでやるのかと、疑問に思っているのだろう。
それは俺も素直に疑問だった。
今のこのX世界の状況を思えば、簡単にそのような真似をするとは思えない。
エスタルドはそれなりに復興している……それこそ今まで見てきた中ではセインズアイランドよりも明らかに発展しているものの、物資に余裕がある訳ではない。
ああ、ちなみにセインズアイランドよりも発展していると表現はしたが、復興具合そのものはセインズアイランドとそう違いはない。
だが、セインズアイランドは都市国家的な存在であったのに対し、エスタルドはきちんと国として成立しているのだ。
そういう意味では、俺が今まで見てきた中でも一番発展していると思って間違いではないだろう。
そして多少の差はあれど、同程度のノーザンベルとガスタールという2つの国がある。
そう考えると、南アジアは現在のこのX世界において特に発展している地域と考えてもおかしくはない。
あるいは、だからこそ新連邦は南アジアに力を入れているのかもしれない。
「ああ、本気だ。言っておくが、別に資材を出したからといって、エスタルドに協力を強制するとか、ガンダムの所有権を渡せとか、そういう事は考えていないから安心するといい」
「なら、何でそんな真似をしてくれるんだ?」
「何、お前は儂の若い頃に似ている。そう思ったからだ」
「……爺さんの若い頃に?」
「はっはっは。そうそう、そんな風に無鉄砲だった。それでお主が気に入ったというのが大きい」
「ちっ、言ってろ」
リーの言葉に、ウィッツは憎まれ口を叩く。
だが、その表情には照れ臭いものがあり、言葉程にリーを嫌っている訳でないのは間違いなかった。
「じゃ、じゃあさ。じゃあさ。俺が前々から考えてたエアマスターの改造プランがあるんだけど、それをやってもいいかな?」
さっきは俺を邪魔者扱いしたキッドだったが、どうやらウィッツとリーの会話は聞いていたのだろう。
やる気に満ちた表情で、目を輝かせながらウィッツとリーに言ってくる。
「ふん、じゃあ頼むよ。爺さんにも感謝しておくぜ」
「はっはっは。感謝してくれるのなら、こっちは大歓迎だ」
そう言うリーの様子は、会議室のリーとは全く違っていた。
恐らくだが、これが本来のリーの性格なのだろう。
会議室では軍の将軍として対応する必要があるから、あんな感じだったのだろう。
ともあれ、これでエアマスターが改修される事は決まった訳だ。
それは嬉しいが、そうなるとレオパルドをどうするかが問題だよな。
とはいえ、レオパルドの場合は基本的に後方からの援護射撃が主な仕事となる。
そうである以上、エアマスターのように露骨に性能不足を実感するといったような事はないのかもしれないが。
ただ、ジャミルにしてみれば頭の痛いところだろう。
どちらもガンダム乗りで、今は専属でフリーデンに雇われているものの、それはあくまでも今はの話だ。
ガロードのように正式にフリーデンに所属している訳ではない以上、あくまでも立場はフリーのMS乗りなのだ。
そんな2人のフリーのMS乗り、しかも双方共にガンダム乗りとなれば、雇い主として露骨に差をつける訳にもいかないだろう。
もしそういう真似をすれば、場合によってはロアビィがフリーデンとの契約を打ち切る可能性も否定は出来ないのだから。
……いやまぁ、ぶっちゃけテンザン級がフリーデンと行動を共にしている以上、レオパルドが抜けるといったことになっても、実際にはそこまで問題はなかったりする。
ただ、レオパルドはいれば便利な存在である以上、ジャミルとしても逃したくはないだろう。
そうなると、ジャミルが出来るのはエアマスターを改修する分だけの金額をロアビィに報酬としてプラスするか、あるいはエアマスター同様にレオパルドも改修するか。
その辺はジャミルの判断なので、取りあえず俺には関係ない。
「じゃあ、話も決まったようだし……俺はそろそろテンザン級に戻るぞ。エアマスターの改修、頑張ってくれ」
そう言うが、キッドはどういう風にエアマスターを改修するのかをひたすらに話し続けており、ウィッツとリーはそれを聞いていて、俺の言葉に気が付いた様子はない。
リーの護衛の兵士は俺の言葉に気が付き、頭を下げてきたが。
ここでこれ以上話していても意味はないか。
そう判断し、俺はフリーデンの格納庫を出るのだった。
「アクセル、ちょうどいいところに来たね。これがウィッツのガンダムを倒した敵のMA……と言ってもいいのかどうかは分からないが、とにかくそんな感じだよ」
テンザン級に戻ってくると、格納庫にいたシーマが俺にそう言ってくる。
そこにはテンザン級のMS部隊の面々が全員揃っており、格納庫にある映像モニタを見ていた。
「フリーデンでその辺の話は聞いて来たけど、実際に見てはいないな。これ、映像データはどうしたんだ?」
「私とマリオンがフリーデンに派遣されていたでしょう?」
そう言い、自慢げに笑みを浮かべるクスコ。
なるほど、どうやらこれはクスコやマリオンの高機動型GXで録画した映像データなのだろう。
「ナイスだ」
「ふふっ、お手柄でしょう? なら、ご褒美は期待してもいいわよね?」
「ちょっと、クスコ? ここでそういうのを持ち出すのは卑怯じゃない?」
クスコの言葉にクリスがそう言い、そこから2人の……いや、モニクも入って言い争いが始まる。
こういう場合、やっぱり『私の為に争わないで』とか言った方がいいのか?
そんな風に思っていると、ガイアが呆れたように俺に声を掛けてくる。
「おい、アクセル。あの言い争いを何とかしろ。お前が原因なんだから」
「原因って言われても……」
「いいから、どうにかしろ。ちょっと見た限りだが、新連邦の新型機は結構厄介だぞ。あのエアマスターですら、対処出来なかったんだ。勿論、敵の数が多かったというのもあるが」
どうやら冗談を言ってるような場合ではないらしい。
真剣なガイアの態度に押されるように、俺は言い争いをしている3人に視線を向ける。
……あれ? 3人? 何でシーマは入ってないんだ?
いつもならシーマもこういう時は参加してる筈なんだが。
そう思うも、シーマは少し離れた場所でじっと映像を見ていた。
ああ、うん。どうやらシーマはそっちの方に夢中だったらしい。
とはいえ、それも仕方がない。
シーマはテンザン級のMS部隊の隊長なのだから。
純粋に実力という事であれば、俺が隊長になってもおかしくはないのかもしれない。
だが、テンザン級に乗っているMSのパイロットは、エニルやルチルという例外はあれども、それ以外は殆どがUC世界のルナ・ジオンからやって来た者達だ。
そうである以上、MS部隊の指揮は下手に俺がやるよりもシーマに任せておいた方がいいのは間違いない。
シャドウミラーとして戦う時も、軍全体の指揮はコーネリアに任せているし。
もっとも、シャドウミラーの戦いとテンザン級の戦いでは、色々と違う。
俺がシャドウミラーでそのような真似をするのは、あくまでもニーズヘッグというフラッグシップ機があっての事だ。
ヴァサーゴもこの世界においてはトップクラスの性能を持つガンダムなのは間違いないが、それでもニーズヘッグとは比べものにならないのは間違いなかった。
「ほら、アクセル。あの連中は放っておくとして、まずはこっちを見てみなよ」
シーマの声で我に返り、先程見ていた映像をこちらに向けてくる。
するとそこには、ウィッツから聞いたような戦闘機にMSの頭部が生えているような、明らかに普通とは違うMS? MA? 戦闘機? どういう風に区別すればいいのか分からないが、とにかく妙な機体が映し出されてる。
「うわ、これが……パイロットの技術その物はウィッツよりも低いが、性能という点ではエアマスターを上回っているな」
エアマスターとの戦いを見つつ、俺はそう呟くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2005
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1768