クスコとのデートが終わり、ジャミルがアルカディアでの話し合いも終えて戻ってきてから数日……
「どうだ、これ! すげえだろ!」
フリーデンの格納庫でキッドが自慢げに叫ぶ。
実際、その言葉は決して間違いではない。
キッドが自慢しているのは、エアマスター。
正確には、エアマスターを改修した機体。
ぱっと見たところで一番分かりやすいのは、その装甲の色だろう。
改修前は白と赤といった色だったのに対し、改修した結果として白と青になっている。
赤から青に変わったのは、かなり興味深い代物だった。
「ガンダムエアマスターバースト! エスタルドの協力と、アクセル達から借りた人手のおかげで、こうして完成したんだ!」
「へぇ……これはちょっといいな」
ウィッツも自分の機体だけに、それが満足出来る仕上がりだった為か嬉しそうだ。
「ふふん、分かってるね。とはいえ、見ただけでどういう場所が強化されたのかは分からないから、きちんと説明するぜ。ウィッツは勿論、他の連中もしっかりと話を聞いてくれ」
「へん、偉そうに」
「こらそこ、ガンダム坊や。お前がこのエアマスターバーストと一緒に行動する事が多くなるんだから、絶対に聞き逃すなよ!」
キッドが偉そうにしてるのが我慢出来ないガロードの軽口を聞き逃さず、キッドが素早く注意する。
だが、実際キッドの言葉は正しい。
俺達の母艦のテンザン級と別行動をする時、フリーデンの中でエアマスターバーストと一緒に行動するのは、当然ながらDXに乗るガロードが適任だろう。
レオパルドは元々空を飛べないので、その時点でエアマスターバーストと一緒に行動するのは難しい。
いや、エアマスターバーストがMSになって行動すれば話は別だが、そうなると高機動型MSの長所を自分から捨てる事になる。
なら、GXはとなると、ジャミルもMSパイロットとして活動するとは言ってるものの、フリーデンの艦長として活動する事も多くなる以上、頻繁にMSで出撃する訳にもいかない。
そうなると、やはり残っているのはガロードのDXだけとなる。
ましてや、DXはGXの正統進化形MSだ。
高機動型GXのように、一般人では使えない部位を排除し、装甲とかも量産型MSと同じようにした、ガンダムに対するジム……あるいはガンダムに対する陸戦型ガンダム的な感じだ。
高機動型GXは普通に宇宙でも活動出来るが。
「まず、装甲の色については置いておくとして、このエアマスターバーストのコンセプトは機動性と火力の増強だ」
キッドのその言葉は素直に納得出来た。
元々ガディールとの戦いにおいては、機動力でエアマスターが負けていたのだ。
その上、火力という点でも相応に強力なビームライフルを持ってはいたが、それはあくまでも普通のMSとしては強力というだけで、特別な威力を持つ訳ではない。
そういうことを考えると、機動力と火力の強化を考えるのは当然の話だろう。
寧ろ、これで装甲を厚くして防御力を高めたとか言われれば、何をやってるんだ? と突っ込んでいただろう。
「元々あったスラスターの出力を強化して、更には新規設計のバックパックユニットにはスラスターが4基あるから、それを考えればMA形態は勿論、MS形態でも十分高い機動性を持つ事になったんだ」
そう言うとキッドが合図をし、次の瞬間にはエアマスターバーストが乗っていた台座が半回転し、その背中をこちらに見せつけている。
なるほど、あれが新規設計のバックパックユニットか。
どうやらただのバックパックユニットというだけではなく、MA形態に変形した時の機首部分もそこにあるらしい。
しかもあの様子からすると、実弾……いや、ビーム系か? そっち系の兵器もバックパックにあるな。
「どうだ、これ! すげえだろ!」
先程と全く同じ言葉を口にするキッドだったが、これは言うだけの事はある。
元々以前から改修プランについては考えていたらしいが、それでもこの短期間でこれだけの事が出来たのは素直に凄いと思う。
「そうだな。これについては素直に凄いと思う。……天才を自称するだけはあるか」
「へへっ、まさかアクセルにそういう風に言われるとは思わなかったけど……それで、どうだ? 気に入ったか? 気に入ったって言えよ」
キッドが俺の言葉に続けてそう言ったのは、ウィッツに対してだ。
ウィッツがエアマスターバーストへの改修しているのを見ていたのかどうかは分からない。
あるいは下手に見ると気になってしょうがないから、改修が終わるまでは全く見ていなかったという可能性もあるだろう。
その辺は俺にも分からないが、ウィッツがエアマスターバーストを見て気に入ったのは間違いのない事実だった。
「ああ、気に入ったぜ。これならあのガディールとかいうのを相手にしても、負ける事はねえ」
自信満々といった様子のウィッツだが、どうせなら乗ってみないと操縦感覚の違いとか、そういうのは分からないと思うんだが。
「はっはっは。気に入って貰えたようで何よりだ」
と、不意にフリーデンの格納庫にそんな笑い声が響く。
声のした方に視線を向けると、そこには満足そうな様子のリーがいた。
以前と同じく護衛の兵士も一緒だったが、その護衛の兵士もエアマスターバーストに驚いた様子を見せている。
「爺さん!」
リーの姿を見て、嬉しそうな様子のウィッツ。
ウィッツにしてみれば、リーの協力……正確にはエスタルドの協力があってこそ、機体の改修が出来たのだ。
そうである以上、リーに感謝するのはおかしくない。
また、それを抜きにしてもウィッツとリーはお互いに相手を気に入っているというのも大きいだろう。
「それで、リー将軍がわざわざ来たという事は、何か理由があっての事なのでは? まさか、本当にエアマスターバーストを見に来た訳ではないでしょう?」
ウィッツの行動を遮るように、ジャミルがリーに尋ねる。
そんなジャミルにウィッツが不満そうな視線を向けるが、それでも大人しく退く。
ジャミルの言葉が正しいと、そう理解したのだろう。
エスタルドはノーザンベルやガスタールとの間の同盟関係に対して、引き締めを行っていた筈だ。
軍を率いるリーも、当然それについては仕事を行う必要があり、幾ら気に入っているウィッツの機体の改修が終わったからとはいえ、わざわざフリーデンまで来る余裕があるとは思えない。
そんな俺の予想やジャミルの態度を示すように、リーはウィッツに向けていたのとは違う、真剣な表情を浮かべて頷く。
「うむ。実は、予想通りガスタールに新連邦の手が伸びていたらしい」
やっぱりか。
それについては、驚くよりも納得した。
エスタルドとの関係を思えば、ノーザンベルとガスタールのどちらに新連邦が手を伸ばしているのかは、考えるまでもないのだから。
「とはいえ、よくそれが分かったな」
話を聞いていた俺は、率直な感想を口にする。
実際、ガスタールがエスタルドを潜在的な敵国として見ているのは間違いない。
それでも同盟が分裂しなかったのは、新連邦という共通の敵がいた為だ。
そんな状況で新連邦がガスタールに手を伸ばしていても、それをガスタールが素直に教える訳がない。
「それに関しては、爆撃機を何もさせずに殲滅し、爆撃機が発進した基地を一撃で壊滅させたというのが大きいだろう。そしてフリーデン以外にテンザン級もいて、その2隻が所有するMSが全てガンダムともなれば……」
なるほど。
ガンダムというのは、この世界において象徴的な存在だ。
高性能MSの代名詞ですらある。
実際には多数を占める高機動型GXは、GXの量産型みたいな感じなんだが。
勿論、量産型とはいえ、その性能は決して低くない。
だが、ガスタールの者達にしてみればその辺の事情については分からないのだろう。
ただ単純に、俺達がガンダムを大量に所有しているという点で、圧倒的な戦力を持っていると認識した。
実際に俺達が所有している戦力は強力無比である以上、その判断は決して間違ってはいないのだが。
「他にも、北米の連邦国の代表と手を結び、そこからMSを輸入出来るというのも大きいな。オクト・エイプを見た時の向こうの反応ときたら……」
それ以上はリーも口に出さなかったが、その様子から考えるとオクト・エイプを見た時のガスタールの反応はかなり凄かったらしい。
「それでも、よくガスタールが素直に新連邦と組んでいるというのを教えたな」
「こちらにガンダムが多数あるのを見て、新連邦に勝てると判断した者がいたのだろう。ガスタールと一纏めにしても、その中には色々な者がいる。そこには、何が何でもエスタルドを滅ぼしたいと思う者もいれば、協力したら自分達にとって有利なら手を組んでもいいという者もいる。今回は後者の者達が動いた結果だろう」
複雑な表情でリーが告げる。
見た感じ、リーもガスタールに対しては色々と思うところがあるらしいので、そう考えるとリーにしてみれば今回の結果は予想していたのとは違ったかもしれないな。
それでもエスタルドの国益になると判断して、それを受け入れたのだろう。
「そうなると、ガスタールは内乱にでもなるのか?」
「出来ればそのような真似はしたくない。そうなれば、新連邦にとっての利益となるだろう」
「それに付け込むくらいの事はしそうだよな」
エスタルドやノーザンベルと同盟を結んでいるガスタールで内乱になった場合、新連邦はそれこそこの機会を逃すなと派手な行動に出るのは間違いない。
「うむ。そこで、だ。改めてこちらの力……正確にはエスタルドに協力をしてくれている君達の力を貸して貰いたい。こちらの偵察により、新連邦の基地を幾つか発見した。それを纏めて潰したい」
纏めてときたか。
また随分と派手な行動を起こすつもりになったな。
「それを私達に手伝えと?」
俺とリーの会話にジャミルが割り込んでくる。
いや、ジャミルにしてみれば、口を挟まない訳にはいかなかったのか。
一応、俺達がどのように行動するのか、決めるのはジャミルという事になってるんだし。
だとすれば、このまま俺に任せて置く訳にはいかないと、そのように考えるのは当然だろう。
ましてや、この前アルカディアにて行われた、ノモアを含めた連邦国を形成する街や村のトップとの話し合い。
それによって、ジャミルもお飾りではあっても、きちんと国の代表としての自覚を抱くようになったという事か。
だが……そうだな。そういう意味では、以前考えていた件を試してみてもいいかもしれないな。
「その前にちょっといいか? こっちの戦力についてしっかりとノーザンベルやガスタールに示すのなら、どうせなら派手にやらないか?」
「どういう事だ?」
俺の言葉に、最初に疑問を口にしたのはジャミル。
場合によっては、自分が色々と面倒なことになるかもしれないとでも思ったのだろう。
実際、その考えは間違っていないし。
これがニュータイプの勘か。
いや、ジャミルはもうニュータイプ能力が殆ど残ってないんだが。
「以前、ブラッドマンが新連邦の樹立を全世界に向けて行っただろう? それが具体的にどのような効果があったのかは分からないが、それでも影響は決して少なくなかった筈だ。なら、こちらもそれと同じ事をすればいい」
「……むぅ」
ジャミルには以前それらしい事を言っておいたので、俺が何をしたいのか十分に理解していた。
理解していたからといって、それを素直に受け入れられるかどうかというのは、また別の話だが。
「しかし、私が国の代表であると公表した場合、私に恨みを持つ者が……」
ジャミルが思い浮かべたのは、現在フリーデンで働いているカトックだろう。
ジャミルの行動によってコロニー落としが行われ、それによって妻と子を失ったカトック。
そのような経験をした者がカトック1人な訳はなく、人口の99%が失われたこのX世界においても、カトックと同じような理由でジャミルを恨んでいる者は決して少なくないだろう。
そう考えると、ジャミルが代表として堂々と表に出るのに気が進まないというのは分からないでもない。だが……
「いつまでもそれを隠す訳にはいかないだろう? そもそも国の代表として戦前に顔と名前が大きく知られていたジャミルを……というのは、国としての方針だ。ジャミルもそれを納得した以上、それを聞かないという選択肢はないと思うが?」
「ぬぅ」
そんな俺の言葉に、ジャミルは呻き声を上げる。
「何してるんだよ、ジャミル。やればいいじゃねえか。ジャミルがやるって決めたんだろ? なら、迷うなよ。何も考えずに走れ!」
「ガロード……」
俺とジャミルの会話を聞いていたガロードが、そう叫ぶ。
ガロードにしてみれば、自分達を率いるジャミルがこのような事で迷っているのが許せなかったのだろう。
そんなガロードの言葉に、ジャミルはやがて頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2005
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1768