転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3422話

「アクセル、これは本当に問題ないのか?」

「今更だと思うがな」

 

 アルカディアにおいて、ジャミルが少し戸惑ったように言う。

 これからここで建国記念を全世界に向けて放映するのだ。

 それだけではなく、南アジアにあるエスタルドとの同盟についての話や……そして何より、異世界の存在である俺達シャドウミラーも連邦国に所属するというのを知らせる。

 そんな中で俺がやるのは、俺達が異世界の存在であると示すこと。……つまり、大規模に魔法を使って見せる事だ。

 もっとも、このX世界において魔法と言われても、それを素直に信じる者がいるかどうかは微妙なところだが。

 それどころか、CGだと言ったり……いや、今のX世界だと本物とそっくりのCGを作ったりするのは難しいか?

 その辺りの状況は分からないが、CGではないにしろ手品ではないかとか、そんな風に言われてもおかしくはない。

 とはいえ、それでも本物かもしれないと思い、それを目当てに俺達に接触してくる国があれば儲けものってところか。

 

「それより、国の名前は決まったのか?」

「ああ。それは決まった。名前は……」

「いや、言わなくていい。どうせだから、放送の時に聞かせて貰うよ」

 

 国の名前を口にしようとするジャミルを止める。

 どうせ今までその国の名前を聞かないできたのだ。

 それなら、建国宣言の時まで楽しみにしておいた方がいいと思う。

 

「は? いいのか?」

 

 そんな俺の考えは、ジャミルにとってかなり意外だったらしい。

 とはいえ、そんな風に考えても不思議ではないか。

 俺も自分の考えが珍しい……というか、意表を突くようなものだというのは十分に理解しているのだ。

 そうである以上、ジャミルがこんな様子を見せてもおかしくはない。

 

「いいんだよ。どうせ俺達の存在はこのX世界においてイレギュラーなんだ。そうである以上、そのイレギュラーをもう少し大きくしたところで、そう違いはない。……だろう?」

「アクセルがそう言うのなら構わないが」

 

 そんな風にジャミルと話していると、やがて部屋の扉がノックされる。

 

「失礼します、ジャミル代表。式典の準備が完了しました。もうすぐ始まりますので、用意をお願いします」

 

 頭を下げてそう言うと、男はすぐに出ていく。

 

「さて、どうやら準備が整ったようだし、そろそろ俺達の出番になるぞ」

「しかし……本当にいいのか? まだ、首都は勿論、国としてきちんと全てが決まった訳ではない。そうである以上、今この状況で建国宣言をするのは少し不味いと思うんだが」

「今更そう言っても意味はないだろう?」

 

 本来なら……それこそこのX世界の現状ではないのなら、ジャミルが言うようにしっかりと国としての体裁を整えてから建国宣言をするのもいいだろう。

 だが、X世界の現状において、新連邦は世界中で戦いを起こしている。

 そして通信技術の衰退によって、現状世界中に一度に通信を送る事が出来るのは新連邦だけだ。

 だからこそ、恐らく新連邦に攻撃されている世界中の国は自分達に味方がいないという、どうしようもないという状況の中で戦っていてもおかしくはない。

 そのような状況だからこそ、ジャミルが代表となる新しい国を建国し、それによって他国にこのX世界は新連邦だけではなく、他にも新連邦と互角以上に戦えるだけの勢力がいると知れば、それは大きな力となる。

 ノモアを始めとした連邦国の重鎮となる者達も、そう考えたからこそ、まずは国という枠組みを作るのを最優先にし、その中身については建国宣言をした後でどうにかするという風に考えたのだろう。

 

「まさか、今から建国宣言を止める訳にもいかない。それはジャミルも分かる筈だ」

「……分かっている。だからこそ、このような似合わない服装になっているのだからな」

 

 そう言うジャミルの服装は、いつもフリーデンの艦長をしている時に着ている軍服に近い服装ではなく、スーツ姿だ。

 それも、俺はそういうのにあまり詳しくはないものの、トニヤに言わせれば見る者が見れば、それこそブラッドマンが新連邦の樹立宣言をしていた時に着ていたスーツよりも高級品らしい。

 ブラッドマンの場合は、恐らく15年前の戦争以前の服装を残していたか、あるいは新連邦の中にオーダーメイドで服を作れるような奴がいるのかもしれないが、ジャミルには生憎とそういうのはない。

 エスタルドの方ではそれなりに残っていたらしいが、それでもあくまでもそれなりで、ジャミルのような一国の代表が着るにはちょっと……という感じだとか。

 それならエスタルドの代表のウイリスが着てるのはどうなんだ?

 そんな疑問を抱くも、その辺についてはエスタルドの中でも最も腕の立つ専門家に任せた以上、仕方がないという事になった。

 だが、こう言っては何だが南アジアの、人口数万人の小国と違い、北米の多数の街が参加している連邦国の代表ともなれば、服装も強く関係してくる。

 ましてや、新連邦に対して明確に対抗する以上、服装でも負ける訳にはいかないという事で、ジャミルのスーツはシャドウミラーによって用意された代物だった。

 ちなみにシャドウミラーの代表として参加する以上、俺もいつも通りの服装という訳にはいかず、ジャミルと同レベルのスーツを着ている。

 オーダーメイドだけあって、着心地は悪くない。

 服を着るというより、服という空気を身に纏っているとか、そんなイメージだ。

 とはいえ、普段から着慣れていない服だけに、あまり好みでないのは間違いないのだが。

 

「さて、じゃあ行くか。いつまでも待たせる訳にはいかないだろうし」

「……そうだな」

 

 俺の言葉に、ジャミルは数秒の沈黙の後でそう告げる。

 本来なら、ジャミルにはまだ色々と言いたい事があるのだろう。

 だが、ここまで事態が進んでしまえば、もう何も言う事は出来ない。

 いやまぁ、言おうと思えば言えるのかもしれないが、それによって建国宣言が遅れれば意味がない。

 結局それ以上は何も言わず、俺とジャミルは部屋を出る。

 部屋の前には先程俺達を呼びに来た男が待っており、式典の会場に俺達を連れていく。

 とはいえ、当然ながら俺達も式典の会場がどこにあるのかというのは、当然のように知っているので、別に案内をする必要はないんだが。

 ただ、これも男の仕事である以上、それについて俺が特に何か突っ込んだりする必要はないだろう。

 そうして案内をされると、通路の中には量産型Wやコバッタがかなりいる。

 いつもならバルチャー達や、あるいはアルカディアに住んでいる者達がそれなりにいるのだが、今は殆どいなかった

 いるにしても、量産型Wやコバッタが一緒に行動している。

 当然だろう。現在このアルカディアには、連邦国の首脳達が集まってきている。

 新連邦がこの件について知っていれば、それこそMSで攻撃してきたり、あるいは破壊工作員を送ってきたりしてもおかしくはない。

 そういう相手に対処する為に、建物の中にはこうして量産型Wやコバッタが多数存在している。

 集まってきた首脳達は量産型Wやコバッタの存在にかなり驚いた様子を見せていたが、それでも俺達が異世界の存在だと知ったら納得していた。

 とはいえ、中には鋭い者もいる。

 俺達が異世界の存在として示したのは魔法だ。

 なのに基地の中にいるのはファンタジーな存在ではなく、無人機や人造人間といったような科学の産物。

 ……実際には、その人造人間にも魔術を使えるようなファンタジー的な要素もあるのだが。

 そんな疑問を持った者もいたが、そちらに対しては科学技術という点でも俺達は高い技術を持っていると示しておいた。

 もっとも、施設の外にはメギロートやイルメヤ、バッタといった無人機や、量産型Wが乗っているシャドウも多数配備されている。

 明らかにX世界の技術ではないそれらを見れば、その時点で色々とおかしいと思うのだろうが。

 

「到着しました。皆様、お待ちです」

 

 俺とジャミルを案内してきた男がそう言うと、中に入るように示す。

 ただし、俺達の前にある扉はこの巨大な部屋の本来の扉ではなく、部屋の中にある舞台に直接入れる扉だ。

 そのような場所だけに、普通はあまり使われない。

 とはいえ、今回は普通とは呼べない状況ではあるのだが。

 扉を開けて中に入ると、そこは舞台の袖。

 舞台の上には連邦国を構成する首脳達……特に大きな影響力を持つ、サン・アンジェロ市、フォートセバーン、セインズアイランド、セントランジェといった場所の代表がいる。

 勿論、アルカディアの市長をしているノモアの姿もあった。

 ちなみに、フォートセバーンからやって来たのはカリスなので、舞台の上にいる者のうち1人だけ10代半ばの子供がいるという事で、かなり目立っていた。

 舞台の袖からこの部屋の中にいる者達を見ると、そこにいる数は100人ちょっとと決して数は多くない。

 新連邦の樹立宣言の時には千人以上の人がいたと思うし。

 そう考えると、これから建設される国家そのものの規模という点では新連邦に劣るのは間違いないだろう。

 

「ロッソ達はやっぱり舞台の下か」

 

 舞台の下にいる面々の中にロッソを始めとしたアルタネイティブ社の襲撃の時や、それ以外にも色々と行動している時に遭遇したバルチャーやシーバルチャーがいる事に気が付き、そう呟く。

 ロッソ達の性格を考えれば、そもそもこういう堅苦しい席に来るのも決して好ましい事ではないだろう。

 それでもこうして建国式典に出席したのは、自分達もジャミルが代表を務める国を認めているというのを映像で見ている者達に示す為か。

 それなら舞台の上にいるのが最善なのだろうが……その辺はロッソ達にも譲れない一線だったらしい。

 

「これから私はあそこで演説をするのか」

 

 ゴクリ、とジャミルが緊張からか唾を飲み込み、そう呟く声が聞こえてきた。

 

「緊張してるのか?」

「当然だろう。私は今までこのような経験はない」

「旧連邦軍ではエースで顔も知られていたんだろう? 大勢の前で演説をしたりは?」

 

 ジャミルは顔立ちも決して悪くないし、外見だけではなく、ニュータイプとしての実力も本物だった。

 そうである以上、旧連邦軍としても宣伝工作として使い道が多かった筈だ。

 だとすれば、大勢の前で演説をしたりといった経験があってもおかしくはないと思うんだが。

 そう考えたのだが、ジャミルは首を横に振る。

 

「いや、生憎だがそのような経験はない。……正確には、兵士達の前で話した事はあるが、今回のようにお偉いさんが集まっている場所ではないと言うべきか」

「お偉いさんって……これからは、ジャミルがそのお偉いさんのトップになるんだぞ?」

 

 その言葉にジャミルは視線を逸らす。

 本人としては、国の代表となるというのを納得して受け入れてはいるものの、だからといってそれを喜んで受け入れたという訳ではないのだろう。

 

「分かってはいるのだが……それでもちょっとな」

「覚悟を決めた割には、思うところがある訳か。……とはいえ、耳を澄ませてみろよ」

 

 まだ式典は始まっていないので、舞台の下の客席では小声で話をしている者も多い。

 そういう意味では、舞台の上にいる者達は数が少ないので大っぴらに話をしたりした場合は目立つので黙っている者も多かった。

 

「私はアクセルではないのだから、あまり聞こえないのだが」

 

 聞こえてくる小声の会話に意識を向けようとしたが、ジャミルはそんな俺の言葉に不満そうに言ってくる。

 このくらいの大きさの声なら、一般人でも耳を澄ませば聞こえてきてもおかしくはないと思うんだが。

 

「そうか。なら俺が適当に聞き取った内容だが、基本的にジャミルが国の代表になるのに反対している者はいないみたいだぞ」

 

 もっとも、このような場所で堂々とジャミルが自分達の国の代表になるというのを許容出来ないと言うような者は、さすがにいないだろう。

 今は新連邦に対抗する為にも、ジャミルという象徴が必要なのは間違いないのだ。

 そんな状況で堂々とジャミルが自分達の代表になるのを反対した場合、悪い意味で目立つ。

 少なくても、そのような者が所属している村や街は連邦国家の中でどのように見られるのかは考えるまでもなく明らかだ。

 中にはそんな事も考えられないような者がいる可能性もあるが……まぁ、その時はその時か。

 

「そうか。だといいんだがな」

 

 しみじみと呟くジャミル。

 ジャミルにしてみれば、やはり色々と思うところがあるのだろう。

 

「取りあえず俺は問題ないと思うけどな。……ああ、でもサングラスは取った方がいいぞ。まさか建国宣言をする場所でサングラスをしたままというのは問題だろう?」

「む……」

 

 俺の言葉にジャミルは素直にサングラスを取る。

 ジャミルにしてみれば、サングラスをしているというのは普通の事で、完全に忘れていたのだろう。

 ……俺が気が付いてよかった。

 しみじみとそう思っていると……やがて部屋を照らす明かりが小さくなり、そして舞台に向けられる明かりは強くなる。

 どうやら建国式典が始まったらしい。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2005
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1768
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