転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3423話

「正直なところ、私がこのような場に立ち、このような立場となっていいものかどうか、未だに迷っているのが実情だ」

 

 建国式典が始まり、その挨拶……というか、国の代表として紹介されたジャミルが演説をする事になったのだが、その第一声がこれだった。

 会場の中にいる者達が小さくざわめく声が聞こえてくる。

 まさかジャミルがこのような事を言うとは、思わなかったのだろう。

 ジャミルのこの映像は、世界中に流されている。

 ……それどころか、X世界だけではなくホワイトスターにも流されていた。

 これからX世界でシャドウミラーが協力をする国の建国式典なのだから、当然だろう。

 だというのに、そんな中でジャミルがこういう事を口にするのは、俺にとっても予想外だった。

 とはいえ、ジャミルもその辺は覚悟の上でこんな風に言ってるのだろうし、何より生放送である以上、これを止めるといった真似は出来ない。

 

「私の名前はジャミル・ニート。この会場にいる者は私の名前を知っているだろう。そして、この放送を見ている者の中にも私の名前を知ってる者はいるだろう。あるいは顔に見覚えがある者もいるかもしれない」

 

 そう告げるジャミルの顔には、いつものサングラスはない。

 素顔を会場にいる者達、そしてこの放送を聞いている者達に見せているのだ。

 

「そう、私は15年前の戦争において、旧連邦軍のニュータイプだと持ち上げられていた男だ。そして……結果として、15年前の戦争において宇宙革命軍が行ったコロニー落としを防げなかった人物でもある」

 

 ジャミルの言葉は、会場にいた者達をざわめかせるには十分だった。

 勿論、この会場にいる者達は全員が……とまではいかずとも、大半がジャミルがどのような人物であるのかは知っていただろう。

 だが、それでもその件についてこの場で話すとは思わなかったらしい。

 ジャミルの性格を知っていれば、ここでこういう風に言うのは分かったと思うんだが。

 

「そんな私だが、それでも国の代表になって欲しいという意見が多数あり、引き受ける事にした。……だが、正直なところを言わせて貰えば、もし新連邦という存在がいなければ私はこの要請を引き受けるようなことはなかっただろう。しかし、今はその新連邦がいる。こうしている今も、多くの国に侵略している新連邦という組織が」

 

 その言葉に少しだけ会場のざわめきは小さくなる。

 実際、この会場にいる者の多くは新連邦の脅威について理解しているからこそ、ジャミルを代表とする連邦国家に所属する事に決めたのだろう。

 しかし、それでもまさか堂々と新連邦と敵対する言葉を口にするとは思わなかったというところか。

 

「そのような、現在新連邦に侵略されている国の1つに、南アジアのエスタルドという小国がある。現在私達はそのエスタルドと協力関係を結び、新連邦に対抗している。新連邦は、そのエスタルドにおいて民間人に対しても無差別に爆撃を行おうとするような者達だ。そのような真似をする相手は決して許せるものではない。……故に、宣言しよう。もし新連邦と戦っている国があり、それに対抗したいのなら私達はそれに協力すると。勿論、無償でという訳にはいかない。だが、ブラッドマン率いる新連邦に折角復興した自国を占領されるのが我慢出来ないというのであれば、連絡して欲しい。なお、新連邦についてだが、皆はこれを知ってるだろうか。新連邦の上層部に位置するのは、旧連邦において様々な既得権益を持っていた者達なのだと。そのような者達が新連邦の上層部にいるのは何故なのか。少し考えれば分かる筈だ。また、新連邦が平和を願うというのなら、何故他国に侵略するのか。それは自らの我欲から来る行動に他ならない」

 

 そこまで一息で言うと、ジャミルは一度言葉を切る。

 その表情には自信の色があった。

 自分が一体何をするべきなのか……それについては、十分に理解しているという事なのだろう。

 もしここで自信のなさを見せたりしようものなら、ジャミルは頼るに値しないと、そんな風に考える者も出て来る筈だ。

 

「助けを求める者達の全てを助けるということは出来ないだろう。だが……我が北米連邦は、それでも出来る限りの者達を救うということを宣言すると共に、その北米連邦という国の建国をここに宣言するものである!」

 

 わぁ、と。

 ジャミルの口から出たその建国宣言に、式典の会場にいた者達が歓声を上げる。

 にしても、結局国の名前は北米連邦になったのか。

 みたままというか、もう少しこう……いやまぁ、分かりやすさを最優先にしたのかもしれないが。

 ただ、話の順番が微妙だったな。

 この辺については、ジャミルがまだ国の代表として活動するのに慣れていないからか?

 とはいえ、国の代表として演説をする以上、その演説がどういうものになるのかは、前もって多くの者達がその原稿を読んでいる筈だ。

 ジャミルはその原稿を丸暗記して読んでいる風ではないが、現在舞台の上にいる有力者達はその原稿を前もって知っていてもおかしくはない筈で、そうなるとこのジャミルの演説は舞台の上の面々は受け入れていたという事になる。

 あるいは、敢えて慣れない演説をさせて、ジャミルの初々しさを見せようとしたのか?

 とにかく、北米連合という国の建国を宣言したのは大きな一歩だろう。

 それが目的の式典ではあったのだが。

 

「そして、この会場にいる者、映像を見ている者……そのような全ての者達に報告するするべき事がある」

 

 そう言い、ジャミルは舞台袖で待機している俺に一瞬だけ視線を向ける。

 どうやら出番が近いらしい。

 

「このような話を信じられるかどうか、正直なところ分からない。だが、真実である以上は、信じて貰うしかない」

 

 ジャミルのその言葉に、会場にいる者達が再びざわめく。

 とはいえ、そのざわめきには2種類があった。

 既にシャドウミラーの存在を知っている者と、知らない者。

 とはいえ、それはこの会場にいる者達だからそんな風になってるだけで、映像を見ている者達にしてみれば、全く理解出来ていない者の方が大多数だろう。

 

「色々と疑問もあるだろうが、まずは話を最後まで聞いてから判断して欲しい。……さて、私達が住んでいるこの世界とは別の世界、いわゆる並行世界やパラレルワールド、もしくは単純に異世界といった存在についてどう思うかと聞かれた場合、どう思うだろう? あるいは15年前の戦争以前の文化を知っている者なら、映画とかでそういうのについてそれなりに詳しい者もいるだろう。だが……世の中には、不思議な事もある」

 

 そこでジャミルは一息吐くと、マイクの側にあった水を一口飲む。

 ジャミルにしても、この演説はかなり緊張しているのだろう。

 自分の言葉が全世界に向けて発せられているのだから、そんな風に思ってもおかしくはないが。

 

「シャドウミラー。私に接触してきた異世界の国家の人物は、自分達の国の名前をそう口にした。勿論、最初は完全に信じるといった真似は出来なかった。しかし、自分達が異世界の存在であるというのを示すように、魔法を見せられた。……そう、魔法だ。これもまた15年前の戦争以前の文化を知っている者であれば、どのようなものか理解出来る筈だ。あるいは、戦後に生まれた者もお伽噺や残っていた本を読んで知っているかもしれない。……そんな魔法を、私に接触してきた人物……シャドウミラーの代表たる人物は見せてくれた。紹介しよう。アクセル・アルマーだ!」

 

 そう言うと、こちらに視線で合図をするジャミル。

 ジャミルに微かに頷き、舞台の袖から出る。

 ちなみに、現在の俺の外見は20代のものだ。

 10代半ばにしても、カリスがいるから問題はないと思ったんだが……まぁ、10歳くらいの外見で出たら、それはそれで面白かったかもしれないが。

 ジャミルは自分が演説していた場所を俺に譲る。

 さて、これからは俺が演説の主役か。

 とはいえ、俺がやるべきなのはジャミルのようなものとは全く違う。それこそ、魔法という存在を、そして異世界という存在についてしっかりと知らしめるのが目的だ。

 

「さて、この会場にいる者達、そしてこの映像を見ている世界中の者達には、初めましてと言っておこう。勿論、中には俺の顔を知ってる者もいるだろうから、そのような者達に対しては久しぶりと言った方がいいのかもしれないが」

 

 パチン、と指を鳴らす。

 同時に俺の周囲には白炎が20近く浮かぶ。

 ざわり、と。

 それこそ今までジャミルの演説を聴いていた時とは全く違うざわめき。

 いきなり白炎を見たのだから、それで驚くなという方が無理だろう。

 ましてや、これが普通の炎ならまだしも、白炎という名の通り白い炎だ。

 それでいながら、俺の意思によって生み出された炎は周囲に熱を全く伝えていない。

 

「この世界……便宜上X世界と俺達は呼称しているが、そのX世界とは違う異世界の国家、シャドウミラーの代表をしているアクセル・アルマーだ」

 

 再び指を鳴らし、次の瞬間には白炎が消える。

 これでこの会場にいる者は勿論、映像で見ている者達も俺の演説から目を逸らす事は出来なくなっただろう。

 あるいは、手品だといったように考える者もいる……というか、恐らくは結構な数になるだろうが。

 

「世界というのは、異世界という言葉があるように複数の……それこそ、無数に……数え切れない程に存在している。だが、世界は世界として存在しているが、その世界と世界の間には、狭間とでも呼ぶべき場所がある。俺達シャドウミラーの本拠地、あるいは本国と呼ぶべきか? とにかく国は、その世界の狭間にある訳だ」

 

 一度言葉を切り、今の言葉の意味を理解出来るようになるまで待つ。

 1分程が経過したところで、再び口を開く。

 

「そのような場所だから、言うまでもなくこのX世界が初めて接触する世界という訳ではない。既にシャドウミラーは複数の世界と接触し、異世界間貿易を行っている。……もっとも、世界そのものと取引をしていれば、国、あるいは会社や組織といった集団と取引をしていたりもするが」

 

 この台詞に、また何人かが反応する。

 具体的には、異世界間貿易という言葉に反応したのだろう。

 普通に考えただけでも異世界間貿易というのは旨みがあると思えるだろうし、それを抜きにしてもこのX世界には足りない物が多数ある。

 だが、足りない物があっても戦後世界のX世界においては、そう簡単に入手出来るようなものではないだろう。

 足りない何かを持っている者が値段を上げる為に勿体ぶっているのならまだいい方で、そもそもその物資がないという事も、X世界では普通にある。

 

「現在、このX世界は戦後復興期とでも呼ぶべき時だ。それに必要な物資の類も、俺達シャドウミラーを通して他の世界との貿易が出来れば、購入出来るだろう」

 

 ざわり、と。

 先程の異世界間貿易についてざわめいていた者達だけではなく、その時は異世界間貿易のメリットについては全く分からなかった者達も、その言葉で意味を理解したのだろう。

 

「とはいえ、当然だが異世界間貿易である以上、それは商取引だ。無償で譲渡をする訳ではない」

 

 この世界の状況は、マブラヴ世界の時とある意味同じくらい酷い。

 BETAという明確な敵は存在しないものの、人口という意味ではマブラヴ世界よりも少ないし。

 ただ、大量のコロニー落としがあった割には、この世界の自然はかなり残ってるが。

 それこそマブラヴ世界よりも自然環境という意味ではX世界が圧倒的なまでに上だ。

 その辺の諸々を総合的に考えると……うーん、どうなんだろうな。

 瓦礫とかを引き取り、それを向こうの希望する資源にするといったような真似をしてもいいとは思うんだが……ただ、問題なのは何だかんだと小国とか都市国家とか、街とか村とかが多い事なんだよな。

 あるいは、その辺を利用して新連邦側ではなくこっちの味方にするという手段もあるが、その辺については政治班に任せるとしよう。

 

「基本的には異世界間貿易については北米連邦を通して行う事になるだろう。俺達の国……正確にはシャドウミラーがこの世界の支部とした場所も北米連邦の一員なのだから」

 

 再びざわめきが起きる。

 今度は、自分達の利益になるというのを理解したからこそのざわめきだろう。

 北米連邦を通して異世界間貿易をするという事は、当然ながら自分達が優先されると思っているだろうし、実際にそれは正しい。

 もっとも、だからといって妙な真似をしようとした場合は色々と処分を受けて貰う事になるが。

 

「さて、最後に駄目押しを1つ。今までの話を聞いて、更に白炎……俺の出した白い炎を見ても、まだ異世界の存在だと納得出来ない者もいるだろう。だからこそ……ここで、もう1度魔法を使おうと思う。幸い……」

 

 そこで言葉を切って、周囲を見る。

 この舞台はかなりの大きさで、それこそMSの1機くらいは普通に入るだろうし。

 なら、ここで度肝を抜こう。

 

『我と盟約を結びし者よ、契約に従いその姿を現せ!』

 

 呪文を唱え……そして召喚魔法が発動し、次の瞬間にはグリフィンドラゴンのグリが舞台の上に召喚されるのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2005
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1768
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