上半身が鷲、下半身がドラゴンのグリフィンドラゴン。
かなりの巨体を持つグリが召喚されると、当然ながら舞台の上も下も大きな騒ぎとなる。
「静まれ!」
大きな……それこそ、混乱している者達ですら一瞬で黙り込んでしまうような大声で叫ぶ。
その声を聞いた者達は、全員がその場で動きを止めた。
確実に混乱から収まったその様子を見ながら、この映像を見ている者達はどう思っているのだろうと考える。
白炎に関しては、それこそ手品だとか何とか主張する者もいるだろう。
だが、グリの存在を見て、それでも手品だという者は……まずいない筈だ。
映像越しであっても、グリの持つ圧倒的な存在感は理解出来る筈なのだから。
とはいえ、世の中にはそれでもグリの存在……魔法や異世界の存在を認められない者もいるだろう。
その筆頭が新連邦だ。
新連邦にしてみれば、シャドウミラーの存在を認めてしまえば自分達が圧倒的に不利になるのは理解出来るのだから。
特に異世界間貿易の存在が大きい。
北米連邦と敵対した場合、異世界間貿易が出来なくなってしまう。
戦後復興をする上で必要な物資が、入手出来なくなってしまうのだ。
そう考える者は多く、中にはそれを目当てに北米連邦に入りたいと言ってくる勢力がいてもおかしくはない。
新連邦にしてみれば、そのような状況を認める訳にはいかないだろう。
そうである以上、自分達が無理を言ってると分かっていても、シャドウミラーの存在を否定するしかない筈だ。
だが……そんな者達であっても、このグリが出た映像を見ればどう思うか。
「グリ、よく来てくれたな」
「グギャアア」
小さく鳴き声を上げるグリ。
うん、狛治とか刈り取る者はともかく、グリはその巨体故に迂闊に呼び出す事が出来ないんだよな。
そういう意味では、今回グリを召喚したのはその巨大さがあってこそなんだが。
「狭い場所で悪いけど、俺が魔法を使えるというのを示すには、お前を見せるのが手っ取り早いと思ってな」
刈り取る者を召喚してもいいんだが、刈り取る者の場合は見た者が恐怖を覚えるだろうし、新連邦がそれを理由として俺達を悪役に仕立て上げる可能性もあった。
その点では、召喚魔法ではなく混沌精霊としての俺の姿をそのまま見せるというのも不味いんだが。
狛治は……そういう意味ではあまり問題ないんだが、狛治は狛治で人として生きている以上、頻繁に呼び出すのも悪い。
ゾンダーエプタの時のように戦いになるのならまだしも、今回は言っちゃ悪いが完全に見世物としてだしな。
「グギャア」
グリは気にしていないといったように首を横に振る。
その際にグリの巨体が少し動き、それによって舞台の上や下にいる者達が風を感じる事になる。
そんなグリの足を撫でながら、俺は式典の会場にいる連中に向かって口を開く。
「さて、見て貰えば分かるだろうが、これは普通の生物ではない。グリフィンドラゴンという、ファンタジー世界の生物だ」
あ、そう言えばこの映像はホワイトスターにも流れてるんだよな。
当然ネギま世界からやって来ている者達も見ているだろうし、グリフィンドラゴンというのはネギま世界でもそれなりに知られている存在だ。
つまり、ネギま世界をファンタジー世界と呼んだ事になり……それについて不満に思う奴もいるかもしれないな。
麻帆良とかは魔法使いもいるが、基本的には普通の街並みだし。
いやまぁ、学園都市というのが普通かと言われれば微妙だが。
とはいえ、魔法世界は普通にファンタジーだしな。
この辺はちょっと判断が難しかったりする。
……まぁ、その件については取りあえず置いておくとするか。
「この会場にいる者達なら、生命の息吹、圧倒的な気配とでも呼ぶべきものを感じることは出来ると思う。そしてこの映像を見ている者達も、直接見ている者達と比べると数段落ちるだろうが、それでも存在感は理解出来ると思う」
そう言いながら、グリを魔法世界に戻す。
さすがにこのままグリをここに置いておいたままだと、色々と問題があるだろうし。
グリがいなくなった……それこそ、今見ていたのが嘘のようにその姿を消した事に、式典会場にいた者達が驚く。
それでも先程まで感じていた気配は本物だと本能的に理解出来たからだろう。
グリの存在を偽物だと言うような者はいなかった。
「俺達シャドウミラーと協力したいのなら、北米にあるアルカディアという基地に来るといい。そこでは修理したMSではなく、新品のMSを購入する事も出来る。ただし、言うまでもないが新連邦やその協力組織にMSを売ったり、異世界間貿易に参加させたりといった真似は出来ないから注意して欲しい」
最後にそう言っておく。
駄目押しだ。
これを聞いても新連邦に味方をするようなら……まぁ、その勢力はそういう選択をしたという事で、俺からは何も言わない。
北米連邦としても、そういう相手だと判断して戦う事になるだろう。
あるいは新連邦と北米連邦の間で膠着状態になった場合……その時、北米連邦を通してシャドウミラーと異世界間貿易を出来るかどうかというのは、生活に直結するだろう。
まぁ、中には北米連邦と友好的に接して異世界間貿易で入手した物資を新連邦側に売ったり……といったような事をする者も出て来る可能性は否定出来ないが。
「また、今はまだ難しいが、このX世界が信頼出来る世界であると認識された場合、世界の狭間に存在するホワイトスターに遊びに行く事も出来るだろうし、もしくはシャドウミラーが交流している異世界に行く事も出来るようになる」
最後に口にしたその言葉に、聞いていた者達はざわめく。
異世界の存在については俺が断言していたが、自分達が行けるとは思っていなかったんだろう。
いや、もしかしたらという思いはあったかもしれないが、それでも明確に自分が行くといったことを口にしたのは、話を聞いていた者達にとって驚きだったのだろう。
とはいえ、放送を聞いている者達にとっては残念だが、原則的に行けるとしても、それは北米連邦の者達だけとなる。
そして当然の話だが、北米連邦の者達にもホワイトスターに来る場合は他の世界の者達と同じルールを守って貰う事になる。
具体的には、もしX世界の人間がホワイトスターでトラブルを起こした場合、その責任はトラブルを起こした個人だけではなく、X世界……正確には北米連邦全体に負って貰うといったように。
そうなれば、北米連邦の方でも問題のある人物をホワイトスターに送り込まないように注意をするだろう。
……X世界の状況を考えると、新連邦とか、北米連邦を気にくわない勢力が仲間割れさせたくてどうにか北米連邦に潜り込み、ホワイトスターで大きな問題を起こすといったような真似をしてもおかしくはないが。
「では、俺の挨拶についてはこれで終わらせて貰おう。もし俺に……シャドウミラーについて詳しく知りたかったら、北米連邦に接触するといい。MSを購入するにしろ、あるいはシャドウミラーにとって必要な何かを売るにしろ」
そう言い、ジャミルに視線を向ける。
俺の視線を受けたジャミルが頷くのを見て、場所を譲る。
とはいえ、このまま舞台から退場する訳にもいかないので、舞台の上にある空いている……というか、最初から俺の為に用意された椅子に座った。
「随分と派手にやりましたね」
俺の隣に座っているカリスが、視線はこちらに向けないようにして声を掛けてくる。
人工ニュータイプのカリスにとっても、魔法というのは大きな衝撃だったのだろう。
ましてや、グリフィンドラゴンを間近で見るといった経験をしたのだから、余計にそう思ったのだろう。
「魔法について、新連邦側は間違いなく疑惑を向けてくる筈だ。なら、こっちはその疑惑以上の真実の姿を見せてやればいい。……あれを見ても、まだ魔法はトリックや手品だと言うような奴がいたら、それはそれでそういう対応をすればいいだけだろうし」
そんな風に俺とカリスが会話を交わしている間も、ジャミルの演説は続いていた。
「また、北米連邦は新連邦の侵略戦争を決して許容出来ないという立場であるのは、これまで何度も話してきた通りだ。だが、この世界には自国だけで新連邦に対処出来ない勢力もいるだろう。そのような者達からは、傭兵としての仕事を受ける事も宣言する」
これもまた、北米連邦にとって大きな切り札の1つ。
もっとも、北米連邦という名前だけは立派だが、その中身は多数の勢力の集合体とでも呼ぶべき存在となる。
そうである以上、当然ながら北米連邦に所属している勢力によって、練度に差がある。
具体的には、シャドウミラーの戦力である俺達テンザン級と、MS数機を何とか購入して運用している村や街の戦力では、その差は歴然だろう。
平均的な練度として考えた場合、ロッソを始めとしたバルチャー達が多数いる事を考えても、新連邦と俺達では互角といったところだろう。
ただし、新連邦と北米連邦……いや、シャドウミラーでは国力が違う。
こちらは次から次に新しいMSを生産し続けられるが、新連邦にそのような真似は出来ないだろう。
ただでさえ、全世界に向けて侵略戦争を行っている以上、新連邦もかなり無理をしているのだ。
あるいは多少は無理を許容出来る状態であっても、それをいつまでも続けられるかと言えば、それは否だ。
そういう意味では、消耗戦に持ち込めばこちらの勝利は間違いない。
……それとも、いっそ北米連邦としての戦力はシャドウミラーのメギロートやバッタを出してもいいかもしれない。
これなら北米連邦の戦力は必要ない状態で、一方的にこちらが勝利出来る。
「傭兵ですか。もしフォートセバーンから出るとしたら、僕が出るでしょうね」
「おいおい、フォートセバーンのトップが出てもいいのか?」
そう言うが、フォートセバーンにおいてカリスが武力の象徴であるのも事実。
他のMSパイロットの技量が極端に低い訳ではないのだが、それでもカリスの能力は他の者達と比べても明らかに数段上だ。
「僕が出るのが一番手っ取り早いですしね。……それに、アクセルさんも出るのでしょう?」
「俺の場合は色々と特別だからな」
実際、気や魔力の類が存在しないこのX世界の攻撃では、俺にダメージを与えるような真似は出来ない。
そうである以上、俺が最前線に出ても何の問題もないのだ。
まぁ、その辺についてはカリスにもわざわざ教える必要もないと思うので、言わないが。
「北米連邦が傭兵として働く場合、当然無料という訳にはいかない。だが、その代価に関しては、こちらも儲けは程々にさせて貰う。新連邦に占領されるのと、多少なりとも代価を支払いながらも独立を保つ。……どちらがいいのか、それは考えるまでもないだろう」
そう言い、ジャミルは黙り込む。
舞台の下で演説を聞いている者達にとっては、何故いきなりジャミルが黙り込んだのは分からない。
分からないものの、それでも今の状況を思えば何かを言うのだろうから、黙っておこうと考えるのは当然だった。
式典会場の中は、不思議な程に静まりかえる。
そして……
「最後に、これだけは言わせて欲しい。このX世界は新連邦の物ではない。そして勿論私達北米連邦の物でもない。この世界に生きる全ての者達の物なのだ。私が言うのもどうかと思うが、この世界は15年前の戦争で人口の99%を失っている。言ってみれば、この世界の人類は全滅の危機にあると言ってもいい。そのような危機的な状況にも関わらず、新連邦は己の私利私欲によって世界を自分達で好きに動かそうと……戦前に持っていた既得権益を取り戻す為だけに、侵略戦争を起こした。これを許していいのか? いや、人間が全滅の危機にあるというのなら、私達が戦争を起こすのも愚策だろう。だが、新連邦の好きなようにさせれば、この世界は新連邦の我欲によって終わってしまう。だからこそ、そのようにならない為にも皆に言いたい。新連邦の侵略戦争を許すな、立ち向かえと!」
力を込めて叫ぶジャミル。
沈黙していた式典会場の中に響いたその言葉は、どうやらそれを聞いていた者達の心に強く訴えかけられたらしい。
やがて1人、また1人と立ち上がって拍手をする。
すぐにその人数は数人から10人、20人と増えていき……最終的には式典会場にいた全員が立ち上がって拍手を行うのだった。
問題なのは、これが式典会場だけの現象なのか、それとも映像が流れているX世界の他の地域でも同じなのか。
その辺は生憎と俺にも分からないものの、この様子を見ると決してここだけという風にはならないと思う。
ともあれ、これで建国宣言は終わった。
……いや、まだ完全には終わってないか。
この後、パーティがあるし。
そこには当然だが俺も出なければならない訳で……まぁ、マリューやミナト、それにシーマ、モニク、クスコ、クリスといった面々もホワイトスターでパーティドレスを購入していたし、それを見るのを楽しみにしておくとしよう。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2005
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1768