『おおおおおおおおおおお』
その光景を見ている者達の口から、揃って驚愕の声……あるいは称賛の声が上がる。
俺にとっては見慣れている光景だったが、メギロートやバッタが一糸乱れぬ動きで飛び立っていくのは、見ている者を驚かせるには十分だったのだろう。
エスタルド、ノーザンベル、ガスタール。
そんな3つの国の関係者達にとって、MSとかが一糸乱れずに動くだけなら、それなりに見慣れてるのかもしれない。
あ、いや、でも……MSとかでも一糸乱れずに動くというのは、ちょっと難しいか?
普通に考えた場合、遠隔操作とかで同時に複数機をコントロールするとかしなければ、どうしてもタイミングが合わない機体も出てくるだろう。
MSで一糸乱れぬ動きをするというのは、何気にかなり難しい。
何しろ自分の生身の身体であれば、それを動かせばいいだけなのに対し、MSとかだとMSを操縦して全員のタイミングを合わせる必要がある。
機械である以上、歩くという動作をしても他のMSと同じく歩けるとは限らない。
MSごとに個体差もある以上、その辺はかなり難しいのは間違いなかった。
そうである以上、やはりそこにはどうしようもない誤差が生じる。
そういう意味で、MSを使った一糸乱れぬ動きというのは、言う程簡単なものではない。
自分の国で行われる軍事パレードでも、表現上は一糸乱れぬ動きとするかもしれないが、実際にはそういう訳ではないだろう。
勿論、本当に精鋭中の精鋭が集まっていたり、あるいは式典専門にしているMS部隊とかがいれば、話は別だが。……小国にそんな余裕があるとは思えないけどな。
「さて……」
そう一言口に出すと、その話を聞いていた者達の視線がメギロートやバッタから俺に向けられる。
ちなみに無人機という事なら、実は他にもイルメヤがあったりするんだが……イルメヤは地上用の無人機で、今回のように空を飛んで敵の拠点を見つけるといった真似は出来ない。
それどころか、地上という事で非常に接触しやすく、エスタルドやノーザンベル、ガスタールの国民が何らかの理由で接触してしまう可能性が十分にあるというのも、今回使っていない理由だ。
「こうしてメギロートとバッタが行動を始めた以上、俺達にもう出来る事はない。後はゆっくりと待つだけだ」
「具体的に、どのくらいの時間を待つ必要があるのでしょうか?」
そう尋ねてきたのは……誰だ?
エスタルドの政治家や役人であっても、全員の顔を覚えている訳ではない。
ましてや、それがノーザンベルやガスタールの者達なら、余計に接する機会は少なかった。
もっとも、今回の場合は質問に答えればいいだけなので、それが誰かというのはそこまで気にする必要もないのだろうが。
「どのくらいか。残念ながらその辺は分からないな。新連邦がどれくらい基地を建設してるのかによっても話は変わってくるだろうし」
もし基地が10や20個も作られていたら、それこそ結構な時間が掛かるのは間違いない。
もっとも、幾ら小国だからとはいえ、そこまで新連邦の好きにさせるとは思えないが。
……そもそもの話、新連邦もわざわざここでそんなに基地を建設するとは思えない。
基地を建設するにも、相応の資材や時間、労力が必要となる。
ホワイトスターにあるキブツを使って資材を用意し、俺の空間倉庫で運んで、量産型Wやコバッタによって基地を建築させるといった真似をすれば、ノーコストで幾らでも基地を建設出来るが。
いや、資材を用意したりしてるんだから、別にノーコストって訳でもないんだろうが。
ともあれ、3ヶ国が同盟を結んでいるとはいえ、それは全て人口数万人の小国だ。
そのような国を攻略するのに、基地はそこまで多くはないと思う。
「これは根拠も何もない、本当にただの予想だが、新連邦が南アジアを攻略する為に用意した基地は多くても3つ……あるいは4つくらいだと思う。どんなに多くても5つ以上という事はない筈だ。そして爆撃機を擁していた基地は破壊したから、残りは2つか3つ。そのくらいなら、数時間も掛からずにどうにかなると思う」
メギロートやバッタの飛行速度は、それなりに速い。
南アジアやその周辺だけなら、そう時間が掛からずに捜索出来るだろう。
「なるほど、それだけの能力を持つのですか。……ちなみにですが、その無人機を借りるといった事は出来ますか?」
へぇ、まさかここでそんな風に言ってくるとは思わなかったな。
貸すだけなら、ある程度はどうとでも出来る。
メギロートやバッタの数は大量にあり……それこそ、シャドウミラーの代表をしている俺ですら、具体的にどのくらいあるのかというのは把握してないし。
そういう意味で、貸そうと思えば貸せる。貸せるのだが……
「無理だな。北米連邦にもまだ出回っていないんだぞ? 協力関係にあるとはいえ、それでも北米連邦に所属してる訳でもない相手に、そう簡単に貸す訳にはいかないな」
「そう……ですか。残念ですけど、仕方がないですね」
もう少し粘るかと思ったんだが、予想外にあっさりと退いたな。
この様子からすると、借りたいが難しい。けどもしかしたら……そんな感じで、駄目元で聞いてみたといったところか。
「では、北米連邦に所属すればどうでしょう?」
俺と話していたのとは、また別の男が尋ねてくる。
「いや、名称を理解してるか? 北米連邦だぞ? ここは南アジアだろ」
「ですが、それは名前だけの問題なのでは? 実際、北米連邦にこれだけの力があるのなら、北米連邦に所属したいと思う者も多いと思うのですが」
「所属したくないって奴もいるけどな」
これは相手をからかった訳ではなく、純粋な事実だ。
北米連邦というのが、ジャミルの作った国の名前となる。
だが北米連邦という名前ではあるが、北米にある全ての村や街が北米連邦に所属している訳ではない。
中には独立独歩でやるから、自分達は北米連邦に所属したくないと主張する者達もいる。
それは別にいい。
北米連邦に所属しないだけなら、それはそれで勝手にやってくれと思うだけだし。
だが、問題なのは、中には武力で北米連邦を打倒するとか、そんな風に言ってる連中もいるという事だろう。
北米連邦に所属はしないものの、北米連邦に所属している他の村や街と同じ待遇を自分達にも寄越せと主張している者達。
そのような連中はMSで武装していたりするので、北米連邦側も相応の者達を出す必要があった。
そのような中で活躍しているのが、ロッソを始めとするバルチャー達だ。
……それこそ戦力というだけなら、シャドウミラーから出しても構わないのだが。
ただ、北米連邦の上層部……ノモア以外の者達にしてみれば、完全にシャドウミラーに頼りっぱなしというのは不味いと、そのように判断してもおかしくはない。
今のこの状況に対処する為には、やはり自分達も相応の実力を持っていると周囲に知らせる事が必要なのだろう。
「それは勿体ない。……北米連邦に所属出来るのなら、それこそ大抵の事は許容出来るというのに」
「北米連邦に所属するのなら、同盟というのはどうでしょう? 我々ガスタールもエスタルドやノーザンベルと同盟を結んでいます。そこに北米連邦も加わって貰えば、非常に助かるのですが」
話に割り込んで来たのは、ガスタールの人間。
なるほど、北米連邦に所属するのが無理である以上、同盟をと考えるのはおかしな話ではない。
話ではないが……それはそれで、距離的な問題からちょっと難しいんだよな。
「15年前の戦争が起きる前ならともかく、今の状況だと難しいだろう。距離的な問題がある」
「こほん。それに、北米連邦と接触するのなら、私達を通して欲しいのですがね」
ガスタールの政治家、あるいは役人と話をしていると、不意にそんな声が聞こえてくる。
声を発したのは、エスタルドの議会を率いるグラント。
シャドウミラーと親しい関係にあるリーと敵対……とまではいかないが、対立しているグラントだったが、それでも別に他国と繋がっている訳ではない。
そんなグラントだけに、ガスタールの人間が北米連邦と接触した……いや、接触しただけならまだしも、エスタルドが関係ない繋がりを持とうとしているのは、エスタルドの人間として許容出来なかったのだろう。
「おや、これはグランド殿。妙な事を言いますね。別に北米連邦と話をするのに、エスタルドの許可がなければいけない……そんなことは聞いてませんが?」
「そうかもしれません。ですが、私達を抜きにして北米連邦と話をした場合、私達の同盟にも悪い影響が出ないとも限りませんから」
グラントの口から出たその言葉は、牽制と呼ぶに相応しい。
だからこそ、俺に声を掛けてきたガスタールの男も咄嗟に反論する事は出来なかった。
例えば、これがもっと大国の人物なら、このような話の流れであっても、臨機応変に反論する事も出来るだろう。
だが、生憎とガスタールの男にはそのような真似は出来なかった。
この辺が小国である事の人材不足を表しているのだろう。
そうして暫く話をしていると……
「報告です」
何だかんだと、メギロートやバッタが飛び立った場所は色々と情報交換をするような場所になっていたのだが、そんな中で不意に量産型Wの声が聞こえてきた。
「何があった? メギロートが早速新連邦の基地を見つけたか?」
量産型Wには、メギロートやバッタが何か見つけたらその報告をするように言っておいた。
そんな状況で量産型Wがこうして報告を持ってきたのだ。
だとすれば、それは当然のように新連邦の基地を見つけたという報告だと思っていたのだが……そんな俺の言葉に、量産型Wは首を横に振る。
「いえ、違います。見つけたのは基地ではありません。新連邦の軍勢がノーザンベルに進軍中の模様です」
「な、何ですと!?」
量産型Wの報告に驚きの声を上げたのは、ノーザンベルの所属なのだろう。
そうして声を上げた者の他にも数人、同じようにノーザンベルに所属している者がこちらに近付いてくるのが見える。
「それは間違いないな?」
そう聞いたのは、別に量産型Wの報告を信じられないからではない。
量産型Wの能力を知っていれば、そんなミスをする訳がないというのは明らかなのだから。
だが……それは、あくまでも俺が量産型Wについて知っているからの話だ。
この場にいる者達の中で、量産型Wについて詳しくない者にしてみれば報告が間違ってるかもしれないと思ってもおかしくはない。
あるいは、そう信じたいと考えての行動かもしれないが。
そのような相手に今の報告は真実だと、そう理解させる為に、敢えてそう尋ねたのだ。
もっとも、量産型Wはその辺について特に気にしたりしないので、例えば自分の報告が疑われているとショックを受けたり、怒ったりといった真似はしないが。
「はい。事実です」
「そんな……何故我が国に!?」
事実と断言した量産型Wの言葉に、真っ先に俺に近付いて来たノーザンベルに所属する男が嘆きの声を上げる。
何故我が国に……か。
言われてみればそうだよな。
勿論、今まで新連邦がノーザンベルに攻撃をしなかった訳ではない。
エスタルド、ノーザンベル、ガスタール……この3つの小国を纏めて新連邦は敵に回していたのだ。
それでも新連邦の戦力は、互角に……あるいは若干有利に戦えていた。
全世界で同様の侵略戦争を行っていると考えれば、何気にこれは新連邦の底力を示している。
もっとも、小国だけあってエスタルド、ノーザンベル、ガスタールの3ヶ国を合わせても10万人に届くかどうかといった人口だ。
そんな中で軍人、それもMSの数となると……新連邦にしてみれば、3ヶ国を同時に敵に回しても問題はない程度の戦力しかないのだろう。
とはいえ、その辺を考えても何故今の状況で敢えてノーザンベルに攻撃をするのかといった疑問もある。
メギロートの偵察が始まる前に食堂で見た、ブラッドマンの演説が関係していたりするのか?
だが、それで何故ノーザンベルを攻撃するのかといった疑問は解決しない。
北米連邦と協力関係にあるエスタルドを攻撃するというのなら、理解出来る。
あるいは北米連邦を攻撃するか。
もしくは、北米連邦を攻撃する為の橋頭堡としてゾンダーエプタを取り戻すべく攻撃するか。
そうなれば理解出来るのは間違いない。
間違いないが……だが、何故それでノーザンベルを?
何の意味もなくノーザンベルを攻撃するといった事はないだろうし、そこには間違いなく何らかの理由がある筈だった。
問題なのは、その理由が分からない事だろう。
だが……理由は分からないが、ノーザンベルが攻撃されている以上、同盟を結んでいるエスタルドやガスタールとしては援軍を出す必要があるし、そうなればエスタルドと協力関係にある北米連邦からも戦力を出す必要がある。
そして何より、折角新連邦が戦力を出してきたくれたのだ。
そうである以上、新連邦の戦力を削るという意味では悪くないのは間違いなかった。
「ジャミル、出るぞ」
そう言うと、ジャミルは即座に頷く。
それを見ながら、次に俺は量産型Wに指示を出す。
「ノーザンベルの近くにいるメギロートやバッタを集めて、俺達が到着するまで新連邦の相手をさせていろ」
その言葉に、量産型Wは一瞬の躊躇もなく頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2005
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1768