ノーザンベルが攻められているという話を聞き、俺達はすぐに出撃する事になった。
こういう時、バルチャーってのは楽だよな。
……いや、実際にはジャミルは北米連邦の代表なので、既にバルチャーとは呼べなくなっているのだが。
ともあれ、俺達はフットワークが軽いのが自慢だ。
ノーザンベルに向かって新連邦のMS部隊が出撃したというのを聞いてから10分後には、既にテンザン級とフリーデンはノーザンベルに向かって出発していた。
もっとも、ここまで素早く行動に出られたのは、当然だが理由がある。
まず第1に、俺やジャミルのような者達を除いて、他の面々はテンザン級とフリーデンにいた為だ。
……ただし、未だにロアビィは戻ってきていないが。
ガロードの家出といい、フリーデンは微妙に……いや、これ以上は考えない方がいいか。
そんな訳で、俺とジャミルが戻ればすぐに出撃が出来たのだ。
ましてや、戻るのも影のゲートを使えばあっという間だし。
寧ろ時間が掛かったのは、ノーザンベルから派遣されている人物の許可を貰う事だったりする。
自国が襲われているのは明らかだというのは理解しているが、だからといって同盟国でもない北米連邦の戦力を自国で展開してもいいのかと。
そんな風に迷った様子を見せていたものの、それでも結局ここで北米連邦の戦力を借りなければ、ノーザンベルが陥落する可能性もあるとなれば許可を出さない訳にはいかなかった。
素直に許可を出してくれて、こっちとしては助かったのだが。
何しろメギロートやバッタに新連邦を迎撃するようにと量産型Wに指示を出した後だったし。
もしどうしても自国内で北米連邦の軍に戦いをさせたくないと言われれば、量産型Wに出した命令を撤回する必要があった。
とはいえ、既に偵察をするという意味でノーザンベルの領土内にもメギロートやバッタが多数存在しているのだ。
そう考えると今更という気もするし、実際にノーザンベルから来た者達もそう思ったからこそ、戦闘を許可したのだろうが。
『で、結局……何でノーザンベルを攻撃したんだと思う?』
テンザン級のコックピットにガイアから通信が送られてくる。
出撃すれば、MSの飛行速度はテンザン級やフリーデンよりも上なのだが、それでもこうしてまだテンザン級の中にいるのは、戦力の逐次投入よりも一斉に攻撃をした方が効果的だからというのが大きい。
勿論、ノーザンベルが陥落寸前の状態なら少しでも早く出撃する必要があるので、こんな真似は出来ないだろう。
だが、メギロートやバッタが現在新連邦軍に攻撃をしている筈であり、そういう意味では時間的な余裕はある。
もっとも、メギロートはともかくバッタは間違いなく敵に撃破されて、無人機という事で新連邦軍に残骸を奪われるような事になるだろうが。
「考えられるとすれば、ノーザンベルが3ヶ国同盟の要だからだろうな」
エスタルドとガスタールは犬猿の仲、あるいは潜在的な敵国といった関係だ。
そんな2ヶ国を取り持っていたのが、ノーザンベルとなる。
もしそんなノーザンベルが新連邦に壊滅……あるいは、そこまでいかなくても降伏したらどうなるか。
3ヶ国の同盟でその要となっていたノーザンベルがいなくなれば、残るのは内心でお互いを敵と考えているエスタルドとガスタールだけとなる。
そうなれば、当然の話だがその2ヶ国の関係は悪くなり、自然と同盟は解消する。
あるいは新連邦がどちらか……いや、エスタルドには俺達がついている以上、ガスタールに接触するという可能性も否定は出来なかった。
もっとも、ガスタールもメギロートやバッタで俺達の力を見ている。
北米連邦という存在を知らないのならまだしも、知っていてその力を理解している以上、そう簡単に新連邦に協力するとは思えないが。
ただ、こういうのは理性ではなく感情の問題だ。
エスタルドが俺達と協力関係にある以上、自分達は新連邦と手を組む。
そんな風に考える者が出て来ないとも限らなかった。
この辺に関しては、純粋にガスタール側でどう判断するかだろう。
ガイアに向かってそう説明すると、映像モニタに表示された厳つい顔は頷く。
『俺も同意見だ。だが……冷静に考えれば、新連邦と北米連邦のどちらと協力した方がいいのかは明らかだと思うんだがな』
「それを考えた上でも、ガスタールの者達にしてみればエスタルドが気にくわないって奴が多いんだろうな」
俺が言うのも何だが、北米連邦と新連邦なら北米連邦と協力関係を結ぶのが最善だと思う。
新連邦は世界中で侵略戦争を起こしているのを見れば分かるように、あくまでも自分達が支配をするというのが前提になっていた。
それと比べると、北米連邦は別に支配をするとかは望んでいない。
……あるいは、この先もっと時間が経ってジャミルが代表を誰かに譲り、その誰かは世界全てを支配するといったことを考える可能性も否定は出来なかったが、それはあくまでもそうなるかもしれないという話だ。
この先の事をそこまで心配しても、意味はない。
今、そこまで考える必要はないだろう。
それに、もし北米連邦がそんな考えを持つようになれば、シャドウミラーは脱退すればいいだけだし。
北米連邦を構成している他の国がそれを許容するかどうかは分からないが。
『そうなると、やっぱりここでノーザンベルを助けるのは必須って事になりそうだね』
俺とガイアの通信に、シーマがそう口を挟んでくる。
オープンチャンネルで通信をしていたので、他の者達もそれを聞いていたのだろう。
別に隠すような事じゃないので、問題はないのだが。
「そうだな。ノーザンベルが同盟の要であるのは間違いない。そうである以上、ここでノーザンベルを落とされる訳にはいかない」
『メギロートとバッタが既に新連邦に攻撃をしてるんでしょう? なら、そこまで心配するような事はないと思うけど』
クスコの言葉に、確かにと頷く。
バッタはともかく、メギロートは無人機としてはかなり高い能力を持っている。
UC世界で考えた場合、純粋に性能という点ではガンダムをも上回るのだ。
……パイロットの実力によって、ある程度は対処出来るのだが。
とにかく、新連邦……それこそドートレス・ネオとかを相手にしても、メギロートなら十分に対応出来る。
ましてや、新連邦が一体どれだけの戦力を用意したのかは分からないが、メギロートやバッタはかなりの数となる。
それこそ新連邦にとってはノーザンベルを攻略するよりも前に、大きな被害を受けかねない。
というか、ノーザンベルの戦力は決して多くはない。
いやまぁ、エスタルドとかガスタールと比べると同程度の戦力はあるのだが、それでも結局は人口数万人の小国の戦力だ。
普通に考えれば、新連邦の戦力に対処するのはまず無理だろう。
新連邦がその辺の状況についてどこまで理解し、その上で戦力を送ってきているのか。その辺りはちょっと気になるな。
『アクセル、そろそろ出撃してもいい頃合いよ。フリーデンの方からもそういう連絡が来ているわ』
不意にマリューからの通信が入る。
どうやら話をしている間に、それなりに時間が経ったらしい。
「分かった。なら、全機出撃といこう。……ちなみに、ジャミルは出るのか?」
『ええ、少しでも戦力があった方がいいからという事で出撃するみたいよ。……アクセルと同じようにやるのは無理だと思うんだけどね』
そういうマリューだったが、ジャミルはそれなりにMSの操縦訓練もしているし、何より昔取った杵柄というのは馬鹿に出来ない。
また、GXもディバイダーを装備した事によって機体の性能が上がっている。
……コロニー落としのトラウマもあってか、ジャミルはサテライトキャノンよりもディバイダーの方を多用するんだよな。
とはいえ、実際サテライトキャノンは威力は強いものの、強力すぎる。
そういう意味でも、ディバイダーの方が汎用性が高いのも間違いのない事実。
「ロアビィがいない分、ジャミルが自分で出るといったような事を考えてるのかもしれないな」
今、ロアビィがどこにいるのかは分からない。
ただ、レオパルドをフリーデンに搭載したままなので、まさかこのまま戻ってこないって事はないと思うんだが。
ロアビィにとっても、ガンダムというのはそう簡単に捨てる事が出来るようなものじゃないだろうし。
『そういう思いもあるのかもしれないわね。とにかく、何かあった場合はアクセルが助けてあげてね。北米連邦の代表をいきなり死なせるなんて事になったら、色々と面倒でしょうし』
「それはそうだろうな」
北米連邦の建国宣言を行ってから、数日。
そのくらいの時間でいきなり代表が死ぬといったような事になったら、それこそ北米連邦にとっては恥でしかない。
だが、ジャミルがこうして戦場に出ている以上、そのような事になりかねないのも事実。
これでロアビィがいれば、後方からジャミルに近付く敵に集中して攻撃するように指示を出したり出来たかもしれないんだが……今更か。
どうしてもレオパルドじゃないと無理という訳でもない。
それこそ、戦場に到着したらメギロートやバッタにジャミルのGXを守るように指示を出してもいいし。
「とにかく、接敵さえすれば後はこっちで何とかする。……アクセル・アルマー、ヴァサーゴ、出るぞ!」
そう言い、ヴァサーゴで出撃する。
するとそんな俺の行動に引っ張られるように、他のMSも出撃してくるのだった。
「えっと……あー……うん、これ、どうする?」
目の前に広がっている光景に、呆然とそう呟く。
テンザン級から出撃し、ノーザンベルに攻撃が行われるよりも前に何とかその行動を止めようと考えていた。
その為に、俺達が現場に到着するまで、メギロートやバッタに新連邦の相手をさせておくつもりだったのだが。
そうしてテンザン級を出撃して、到着した俺が見たのは……
『地獄絵図だな』
誰かが呟く声が聞こえてくる。
実際、その表現は決して大袈裟なものではない。
現在俺達の前に広がっている光景は、バリエントやドートレス・ネオといった新連邦の主力量産MS……の残骸。
残骸、残骸、残骸、残骸、残骸、残骸、残骸、残骸、残骸、残骸、残骸、残骸。
残骸の山。
そのような表現が相応しい光景なのは間違いなかった。
誰がこのような状況を作り出したのか。
それは当然ながら、残骸から少し離れた場所で待機しており、俺達が到着するのを待っていたメギロートやバッタといった無人機だろう。
純粋な機体性能的には、確かにメギロートは決して新連邦のMSには負けていない。
だが、それでもここまで一方的な蹂躙になるとは、思ってもいなかった。
「まぁ、新連邦も一方的にやられた訳じゃないらしいけどな」
自分でも何故か分からないが、何となく成り行きで新連邦を擁護するような事を口にする。
ただ、それは決して根拠のない擁護という訳ではない。
実際に目の前に広がっている残骸の中にはバッタの残骸もかなりの数があるし、数は少ないものの、メギロートの残骸もある。
「……ん?」
残骸を見ていたが、ふと映像モニタに気になる物を見つけた。
それは、メギロートやバッタの残骸ではない。
MSの残骸なのは明らかだったが、明らかにバリエントやドートレス・ネオといった物とは違う。
そもそも白……純白の機体色をしているMSというのは知らない。
あるいはUC世界のジオン軍のように、エースパイロットがパーソナルカラーを許されているのと同じようなものか?
そうも思ったが、その残骸は非常に華奢だ。
それこそ、もしかして装甲とかを剥がされたMSの部品の一部か? と思うくらいに。
だが、よく見れば違う。
そのMSは白い機体色をしており、MSとしての外見をそれなりに持っていた。
つまり、MSの骨格部分とかそういう事ではなく、それだけで普通のMSであるという事を意味している。
だが……本気か?
いやまぁ、極端なコンセプトの機体というのは、俺も嫌いではない。
嫌いではないが、そんな……見えてる範囲だけでも、それこそ骸骨のような印象を受ける、そんなMS。
恐らく運動性や機動性を極端なまでに追及した機体なのだろう。
だが、同時にそれはパイロットの安全性を軽視するという事にもなる。
誰だったか、『当たらなければどうという事はない』といった名言を口にした奴がいたと思うが、それでもあそこまで……いやまぁ、部品の一部しか見えないから実は違うのかもしれないが、それでも装甲が薄いどころかないといったような機体だと、ビームライフルどころかバルカンとかそういうのでも撃破されてもおかしくはなかった。
そう言えばUC世界にはジム・ライトアーマーとかいう装甲を極限まで削ったMSがあったが……それでも一応は装甲があったんだなと、そんな風に思える。
とはいえ、個人的にそういうMSは嫌いではないので、出来れば確保したかった。
そんな風に思いつつ、そう言えばエアマスターにダメージを与えたMAの残骸はないなと、そんな風に思うのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2005
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1768