「んん……ん……あれ……?」
ふと、気が付く。
俺、寝ていたのか?
いや、けど……何がどうなって……
寝る前の記憶に齟齬があり、そのまま起きようとしたのだが、両腕に重みがあってそれが出来ない。
やろうと思えば出来たのかもしれないが、今までの経験……それこそホワイトスターでの毎朝の経験から、今の俺がどういう状況なのかは理解出来てしまう。
だが、ここはホワイトスターじゃなかった筈。
ただ、テンザン級にある俺の部屋は広いし、それなりにマリューとミナトの2人と夜を楽しむ事があった。
……けど、その割にはこのベッドは安物のような?
そんな風に思いながら、俺の両腕を枕にして寝ているマリューとミナトに事情を聞こうとし……
「あ」
そこに見えたのが桃色の髪だったことに気が付き、俺の口からそんな声が漏れる。
桃色の髪と言えば、真っ先に思い浮かぶのはレモンだ。
だが、今まで数え切れない程にレモンと肌を重ねてきた俺だからこそ、この桃色の髪がレモンの髪ではないのだと、そう理解出来てしまう。
そもそも俺は現在X世界にいる筈で、そしてレモンはホワイトスターにいる筈だ。
つまり、これがレモンの髪の筈はない。
そして……次第に意識が闇に沈む前の状況を思い出す。
あの時、俺は誰と一緒にいた?
レモン……ではなく、マリューやミナトでもなく、モニクとクスコの2人だ。
その2人と喫茶店でデートをしており……そう、喫茶店で酔っ払っている客に絡まれ、その客の知り合いが連れて行こうとして……コップに入った酒がぶちまけられ、それが俺に掛かったのだ。
「つまり……」
桃色の髪から視線を逸らし、もう片方に視線を向ける。
するとそこに赤みの強い茶髪があり、そしてその髪の持ち主、モニクとしっかりと目が合う。
「ケダモノ」
顔を真っ赤にしながらそう言うモニク。
どうやら俺がクスコの様子を見ている動きで目が覚めてしまったらしい。
「あー……その……何て言えばいい?」
「言っておくけど、謝ったりしたら怒るわよ」
普段の凛とした様子のモニクとは全く違う、女らしい口調で言うモニク。
それでいながら、俺と顔を合わせるのは恥ずかしいのか、身体を動かして俺の胸に顔を押し付けてくる。
「いや、けど……初めてだったんだろう? なのに、こういう形でってのは……」
そう言うが、実は何か決定的な確証があってそう言った訳ではない。
ただ、モニクの生真面目な性格と、その能力の高さから男と付き合ったことはないと、そう聞いていた事からの予想だ。
勿論男と付き合った事がないからといって、男に抱かれた経験がないという事にはならない。
モニクは美人と呼ぶに相応しい顔立ちをしているのだから、口説こうと思う者は決して少なくなかっただろう。
そんな中で偶然良い雰囲気になり、そのまま……といった事があっても、おかしくはない。
おかしくはないものの……
「痛っ!」
俺の言葉に、モニクは顔を胸に押し付けたまま脇腹を抓ってくる。
本来なら物理攻撃とかは無効化するのだが……まぁ、それは野暮か。
「馬鹿ね。女の私がいいって言ってるんだから、それでいいに決まってるでしょ。それは……まぁ、私も女よ? 初めてでいきなり3人でする事になるなんて思ってなかったし、もっと雰囲気のある場所でとは思っていたけど……それでも、アクセルに私の初めてを捧げた事に後悔はないわ」
「私も同じよ」
モニクの言葉に被せるように、クスコが言ってくる。
先程までは寝ていたと思ったんだが、俺がモニクと話をしている間に起きてしまったらしい。
モニクが俺の胸に顔を押し付けたりしたんだから、俺の腕を枕にしていたクスコが起きるのも当然か。
その柔らな身体を俺に擦りつけるようにして、クスコは笑みを浮かべて口を開く。
「ねぇ、アクセル。ちょっと聞いてくれる?」
「……何だ?」
「私はモニクと違って、男に抱かれるのはこれが初めてじゃないわ。けど、最初に抱かれたのは、連邦軍の男に無理矢理だった。もっと小さかった頃にね」
そう言い、笑みを浮かべるクスコ。
儚い笑みと評するのがいいのか。
そんなクスコに対し、俺が何かを言うよりも前に、クスコは顔を上げて俺の唇を自分の唇で塞ぐ。
舌を絡めるような深いキスではなく、唇と唇を重ねるだけのキス。
俺が何かを言うのを封じるようにキスをする。
そして最後……唇を離した時に、クスコの舌は一瞬だけ俺の唇を舐める。
「正直なところ、その件で心のどこかで男は皆一緒だと思っていたわ。街中を歩いていても、私の顔や身体に視線が向けられることは頻繁にあったし」
「まぁ、それは……」
クスコもまた、掛け値なしに美人と呼ぶに相応しい顔立ちだ。
そして身体も非常に女らしい。
男なら、そんなクスコの身体に視線を向けてしまうのは、自然な事なのは間違いなかった。
しかし、クスコにとってはそんな視線は決して好ましいものではなかったのだろう。
いやまぁ、過去の経験とかがなくても、普通なら自分の身体に欲望の視線を向けてくる相手を好ましく思う……そこまでいかなくても、なんとも思わないという風にしろというのは無理なのかもしれないが。
「でも、アクセルは違った。……いえ、アクセルが私にそういう視線を向けてきていないという訳じゃないわ」
そう言い、クスリと小さく笑うクスコ。
だが、俺はそんなクスコの笑いを否定するような事は出来なかった。
実際、クスコにそのような視線を向けていたのは間違いないのだから。
とはいえ、弁明をするようだが、それは男としてはどうしようもない事ではある。
「あら、それを言うのなら私も似たようなものだけどね」
俺の胸に顔をくっつけていたモニクが、クスコの言葉に同調するように言う。
うん、こっちもまた、否定は出来ない。
「アクセルも男だっていう事ね。……まぁ、昨夜、それは十分に理解させられたんだけど。正直なところ、私はともかくモニクはアクセルが相手でよかったと思うわよ?」
クスコのその言葉にモニクに視線を向けると、再びモニクは顔を赤くしながら抓ってくる。
痛いが、それは受け入れよう。
初めてのモニクもまた、そういう意味では同じだったのだから。
……いや、寧ろこんな痛みとは比べものにならないくらいに痛かったのは間違いないだろう。
「……言っておくけど……」
俺の身体を抓っていたモニクは、不意にそれを止めると顔を上げ、その顔を真っ赤にしながら口を開く。
「痛いのは間違いなかったし、それこそ最初は死ぬかと思ったけど……アクセルと1つになれた事は嬉しかったし、最終的には痛みなんか感じられない程に良かったんだからね」
そう言い、再び俺の胸に顔を付けるモニク。
どうやら、酔っ払った俺はいつも通り……あるいはいつも以上に張り切ったらしい。
いや、いつも以上って訳じゃないのか?
いつも以上って事は、10人以上の恋人を翌日に魔法球で休まなければならないくらいに疲労させるのだから。
そういう意味では、モニクもクスコもそれなりに疲れてはいるようだったが、ある程度の余裕はある。
酔っ払っていた時の俺、よくやった。
「とにかく」
モニクを見ていた俺の顔を、クスコが無理矢理自分の方に向けてくる。
「私もモニクも、以前から言っていたようにアクセルが好き、愛しているのは間違いないわ。そんな愛する男と結ばれたんだから、アクセルはそこまで気にする必要はないのよ。……まぁ、もう少しムードを大事にしてもとは思うけど、そういうのはまた機会があるでしょうし」
「そうね。私もクスコの意見に賛成よ」
そんな2人の言葉に、俺が出来るのは……
「頑張らせて貰うよ」
そう言うだけだった。
だが、その言葉が正解だったらしい。
モニクとクスコはそれぞれ俺に向かって笑みを浮かべてくる。
そのまま30分程、俺とモニクとクスコはゆっくりとした時間を楽しむ。
既に朝になっており、部屋の中にも明かりが入ってきている。
そんな中を全員が裸でイチャつくのは、最初モニクがかなり恥ずかしがっていたのだが……普段のモニクを知ってるだけに、そんな様子はかなり魅力的だった。
「そう言えば……」
まだ完全に慣れてはいないのか、俺の身体に抱きついてきているモニクの柔らかさを感じながら、ふと気になった事を口にする。
「喫茶店でデートをしていたのは、昨日なんだよな?」
時計を見る限り、現在は午前10時くらいだ。
そして俺の記憶にある喫茶店での一件は昼より少し前……午前11時くらいだった。
だとすれば、まさか時間を戻せる訳でもない以上、今は俺が酒を飲んでから最低でも1日くらい経っている事を意味していた。
……そう、最低でも1日だ。
もしかしたら、1日ではすまずに2日、3日と経っている可能性すらあった。
いや、ないか。
もしその予想が当たっていた場合、それだとモニクとクスコはその2日か3日、ぶっ通しで俺に抱かれていたという事になる。
さすがにそんな事はないだろうし、もしそうだった場合はこうして俺と話をしている余裕はまずないのだから。
とはいえ、俺がホワイトスターにいる時の毎晩の事を考えると、こうして現在のモニクとクスコがまだ無事……うん、無事であるのは俺が意識を失っても完全に本能に身を任せはせず、気遣っていたのだろう。
ナイス、俺。
「そうね。昨日よ。さすがにあの状態のアクセルと何日も一緒にというのは……身が保たないわ。いえ、体力的な意味だけじゃなくて、精神的な意味でも。特にモニクなんかは初めてだったんだし、それがそんな何日も連続となると……ねぇ?」
「ちょっと考えたくはないわね。それにしても、こんなケダモノに惚れた私が言うのも何だけど、なんでこんなケダモノにあんなに恋人がたくさんいるのか、ようやくその理由が分かったような気がするわ」
「ええ、私もその意見には賛成よ。……私達がこういう行為に決して慣れている訳じゃなくても、私達の身体を散々貪られて、それでも完全に満足してないんだもの。レモンから話を聞いてはいたけど……」
その言葉と共に、モニクとクスコの呆れの視線が俺に向けられる。
まぁ、うん。手加減をしたというのだから、つまりそういう事にもなるのだろう。
それは分かっているものの、だからといって2人に揃ってジト目を向けられるのは……うん、ちょっと困る。
「そう言えば、一応聞いておくけど……俺が酔っ払った結果、あの喫茶店とかには被害がなかったんだよな?」
「話を逸らすのが少し強引すぎるわよ?」
モニクがそう言う。
ただ、その目には呆れの他に好意が間違いなくあった。
……これで実は俺の勘違いとかなら、かなり恥ずかしいんだが。
「いや、でもこれは正直なところしっかりと聞いておきたいんだよ。何しろ、以前俺は酔っ払った結果、ゲートを使って気が付いたらマクロス世界に行ったなんて事もあったし」
しかもここでは口にしないが、今のような状況……いや、もっと多くの人数と楽しんだ後、そのまま転移するといった形で。
俺を拾ってくれたオズマ達には、感謝しかないよな。
普通、ああいう状態で、しかも裸の俺を見つけても保護したりはしないだろうし。
とはいえ、フロンティア船団にフォールドとかじゃなくて、それ以外の転移方法で現れたのだから、それが気になったのだろうが。
俺にとってはそういう意味で幸運だった。
とにかく、そういう事があってからは出来るだけ酒を飲まないようにしていたんだが。
……そう言えば、ナデシコ世界でも同じ感じだったな。
片方が初体験という意味でも、ある意味今回の件と同じだったのかもしれない。
「ふーん。……まだ何かありそうだけど、今は黙っておいてあげる」
クスコのその言葉は、ニュータイプの勘か。それとも女の勘か。
その辺りは生憎と俺には分からないが、それでも今の状況を思えば何となく予想は出来てしまう。
「で?」
クスコの視線に思うところはあったが、話の先を促す。
そんな俺の様子に、クスコは桃色の髪を掻き上げながら、口を開く。
「安心して。別に喫茶店に被害を与えるとかはなかったから。……もっとも、アクセルに絡んで来た人は完全に酔いが覚まされたみたいだったけど」
俺、一体何をしたんだ?
喫茶店とかに被害が出ていないという事は、別に暴れたという訳でもないと思う。
別に俺に酒を掛けた相手に思うところがない訳ではないが……いやまぁ、無事だったのなら、それでいいか。
「ならいい。取りあえず周辺に被害がなかったなら……」
「ふーん」
俺の言葉を遮るように、モニクがそう口にする。
意味ありげ……というよりは、こっちをからかうような視線で言葉を続ける。
「私の初めては被害じゃないんだ?」
「それは……」
言葉に詰まる。
だが、そんな俺を見たモニクは、すぐに耐えきれないといった様子で吹き出す。
「ふふっ、私が自分から望んでアクセルに抱かれたんだから、気にしなくてもいいわ。冗談よ、冗談」
そんなモニクとクスコと共に、もう少し逢瀬を楽しむのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2005
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1768