転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3438話

 俺の操縦するヴァサーゴによって3機が撃破され、後方からやって来た高機動型GXやDX、GXといったMSを見ると、反乱軍はすぐに撤退していった。

 敵の数もそこまで多い訳ではなかったし、単純にMSの性能だけで考えてもこっちの方が圧倒的に上なのだ。

 そう考えると、寧ろ撤退は遅かったと考えるべきだろう。

 指揮官が優秀なら、こっちの戦力と向こうの戦力の違いを理解したら即座に撤退をしてもおかしくはない。

 だというのに、こうして相応の被害が出てからようやく撤退をするのだから……向こうの指揮官を優秀と評価することは出来ないだろう。

 いや、それとも俺達をここに引き留めるのが目的だったので、戦闘が始まってから暫くは撤退しなかったとか?

 その辺の理由はどうあれ、戦闘が終わったのは間違いない。

 指揮官はともかく、MSパイロットの練度も決して高い訳ではなかった。

 その辺の事情を考えると、やっぱり新連邦のMS部隊ではなく、新連邦からMSを譲渡されたガスタールの反乱軍といったところか。

 

『アクセル、どういうつもりだよ!』

 

 戦闘が終わり、ジャミルが向こうの部隊の指揮官と話しているのを眺めていると、不意にそんな通信が入ってくる。

 映像モニタに表示されてるのは、ウィッツ。

 その表情は赤く染まっている。

 ただし、その赤さが怒りによるものだというのは、今の通信の第一声を聞けば明らかだろう。

 ……それとも、俺が予想したようにエニルが胸の谷間を見せるといった色仕掛けでもしたか?

 

「どういうつもりってのは? ガディールに関してだと思うが」

『そうだよ! 何で鹵獲するんだよ!』

「色々と理由はあるな。まず第1に、相手は新連邦のパイロットだろうから、色々と情報を聞けるという事」

 

 これがバリエントやドートレス・ネオなら、量産機である以上はガスタールの反乱部隊に新連邦から供与されていてもおかしくはない。

 だが、ガディールは違う。

 まだ殆ど確認されていない最新鋭機、あるいは以前メギロート達に倒された白いMSのような実験機か何か……いや、少数ではあるが量産されてるんだし、実験機って事はないか?

 とにかく、量産された数が少ない機体である以上、新連邦としてはわざわざそんな機体を捨て駒だろうガスタールの反乱軍に渡すか?

 答えは否だ。

 それでもガディールを使わせるのなら、戦力として貸すがパイロットは新連邦から出すという手段になるだろう。

 幸いな事に、ガディールは高機動が売りの機体だ。

 普通ならガスタールの反乱軍が負けたのを確認したら、即座にこの場から離脱すればいい。

 ……そう、普通なら。

 向こうにとってのミスは、エアマスターバーストの性能と、仲間が1機撃破されてもすぐに戦場を離脱しなかった判断力の低さ。

 その結果として、エニルのアシュタロンによって確保される事になったのだ。

 

「そして第2に、このガディールという機体はまだ持ってないから、こっちで確保しておきたい」

『それが本音だろうがっ!』

 

 がーっと、叫ぶウィッツ。

 いやまぁ、ウィッツの言葉は正しいので反論は出来ないが……

 

「そのお陰で、絶景を目にする事ができたんじゃないか?」

『へ? ……て、てめっ! 一体何を言ってやがる!』

 

 一瞬俺の言葉が理解出来なかったといった様子のウィッツだったが、やがて思い当たる事があったのだろう。

 先程までとはまた別の意味で顔を赤くして叫ぶ。

 うん、どうやら俺の予想は間違っていなかったらしい。

 

「とにかく、ガディールはこっちで確保した。それでいいだろう? これも……解析すれば、アルカディアで売る事になるし。あー……けど、どうだろうな。これを売るのはちょっと不味いか?」

 

 ガディールは尖った能力を持つ機体だが、純粋に機動力という点ではエアマスターをも上回る。

 改修してエアマスターバーストになったから今回は完勝したが、それはあくまでもエアマスターバーストという高性能なガンダムと、それを操縦出来るウィッツがいてこそだ。

 もっともガディールは攻撃力そのものはビームライフルとビームサーベルという一般的なものしか持ってないので、そこまで突出した訳ではない。

 だが、とにかく機動力の高さが色々な意味で問題だろう。

 北米連邦に所属している者達だけが使うのならいい。

 しかし、北米連邦に対して敵対している勢力や、盗賊のバルチャーなんかがガディールを入手したら、面倒どころではない騒動になる。

 攻撃をして、北米連邦の部隊が到着する前に逃げるといった具合に。

 そう考えると、高性能……というか、尖った性能すぎてアルカディアで売るのは問題かもしれないな。

 とはいえ、新連邦がガディールを正式に量産するといった事になれば……いや、けど、どうだろうな。

 ただでさえ、今の新連邦はバリエントとドートレス・ネオという2機種を主力量産型MSとしている。

 しかし、新連邦と名乗ってはいても、決して財政的に豊かな訳ではない。

 それを示すように、全世界に侵略戦争を仕掛けてるんだし。

 そんな新連邦が、ガディールを量産するか?

 どうしても量産しなければならない理由があれば量産するかもしれないが、今のところそこまで考える必要はないだろう。

 なら、ガディールを量産しなくても……その辺については、ガディールのパイロットに聞かせて貰えばいいか。

 

「とにかく、ガディールは俺の方で貰う。それでいいな?」

『……ふん』

 

 色々と、本当に色々と言いたそうなウィッツだったが、結局黙り込む。

 今のこの状況で俺に何を言っても、俺がそれを聞く筈もないと理解したのだろう。

 実際、それは正しい。

 ここでウィッツが何を言っても、俺がガディールを手放すといったつもりはない。

 

『おう、アクセル。話は聞いたぜ。なら、尋問は俺に任せて貰おうか』

 

 ウィッツとの会話に割り込むように映像モニタに表示されたのは、カトックだった。

 

『尋問とかそういうのは、歩兵の俺達の方が慣れている。ジャミルからも許可を貰ったし、問題ないだろう?』

 

 いつの間にジャミルから許可を貰ったのやら。

 本当に抜け目ない。

 尋問をするのなら、俺が魔法を使って効率的にやるのが一番手っ取り早いと思うんだが。

 あ、でもセインズアイランドで尋問した時は、新連邦の連中も魔法については何も知らなかった。

 それを思えば、北米連邦の建国宣言で俺達の存在を露わにした今となっては……まぁ、魔法があると知ってるのなら知ってるで、尋問の仕方はあるけど。

 それこそ刈り取る者でも召喚すれば、魔法の有無がどうこうといったような事を考えている余裕もなく、本能でこっちに返事をしてくる筈だ。

 とはいえ、ジャミルもそれを承知の上でカトックに尋問を許可したのだろうから……北風と太陽的な感じか?

 実際に俺達は尋問に参加してる訳ではないので、北風と太陽という表現は相応しくないが。

 カトックは新連邦でもそれなりに名前が知られていたらしいし、ガディールのパイロットもカトックなら口が軽くなってもおかしくないだろうし。

 

「分かった、好きにしろ。パイロットはそっちに渡す。ただ、言うまでもないと思うが、ガディールはこっちで貰うぞ」

『おう、好きにしな。……もっとも、キッドは怒ってテンザン級に向かうかもしれねえが、それはそっちで何とかしてくれや』

 

 キッドの名前を出す時のカトックの様子からすると、フリーデンには十分に溶け込んでいるらしい。

 馴染んでいる、と言ってもいいだろう。

 こんな様子を見ると、カトックをフリーデンに所属させたのは悪くなかったと思う。

 カトックからの通信が切れると、いつの間にかウィッツからの通信も切れていた。

 数分の冷却期間によって、ウィッツもこの状況でこれ以上何を言っても意味がないと、そう理解したとしてもおかしくはない。

 ともあれ、これ以上ウィッツを刺激する前にガディールの件は片付けるか。

 

「エニル」

 

 アシュタロンに乗っているエニルに通信を送る。

 すると、向こうでも俺からの通信を待っていたかのように……いや、実際に待っていたのだろうが、すぐに反応があった。

 

『アクセル、ガディールはどうするの? いつまでも拘束しておくのは面倒なんだけど』

「ああ、悪い。今からそっちに向かう。パイロットはカトック達が尋問するって話だったから、カトック達がやって来たら渡してくれ」

『分かったわ。けど、ウィッツが結構不満そうにしてたけど、それはいいの?』

「そっちについては、もうこっちで話をつけておいたから気にするな」

 

 どうやら……というか、当然だがウィッツはガディールを捕らえたエニルにも不満を言っていたらしい。

 直接ガディールを捕らえたのはエニルなんだし、それは当然か。

 

『そう? ならいいけど。それにしても……このガディールというMA、かなり高性能だったわね』

 

 エニルがしみじみと呟く。

 どうやらアシュタロンを使っているエニルにとってもガディールはそれなりに厄介な相手だったらしい。

 

「取りあえず、ガディールは俺が空間倉庫に収納しておく。……ないとは思うが、ガスタールの正規軍が持っていこうとか考える可能性も否定は出来ないしな」

 

 ガスタールの正規軍にしてみれば、ガディールのような新連邦の新型MAは是非とも欲しいだろう。

 それこそ、場合によっては俺達を敵に回してでもと考える者がいてもおかしくはない。

 もっとも、だからといってそれをこっちが許容するかと言えば、当然ながら否なのだが。

 

『そう? アクセルがそう言うのなら、ここで待ってるわ。早く取りに来てちょうだい』

「今から行くから、気にするな」

 

 そう言い、俺はヴァサーゴのコックピットを降りる。

 ざわり、と。

 離れた場所でヴァサーゴを眺めていた、ガスタールの軍人と思しき者達がざわめくのが聞こえてくる。

 ヴァサーゴがそれだけ珍しかった……というか、高機動型GXを始めとして多くのMSを見てるな。

 ガスタールの正規軍の者達にしてみれば、それだけ俺達が所有しているMSは珍しいのだろう。

 あるいは単純に全機がガンダムだからそんな風に認識してるのか。

 その辺りは俺にも生憎と分からないが、この状況を見るとそんなに間違っていないような気がする。

 とはいえ……万が一については考えておいた方がいいか。

 ふわり、とコックピットから飛び降りる。

 

「おい、ちょ……」

「きゃああああああああっ!」

 

 ガスタールの軍人達の中から、焦った声と悲鳴が聞こえてくる。

 見ている者達にしてみれば、俺が自殺したようにでも見えたのだろう。

 実際、もし俺が普通の人間だったら、その判断は決して間違ってはいない。

 ……あくまでも、俺が普通の人間だったらの話だが。

 そして俺は混沌精霊である以上、魔法とかそういうのを使わなくても普通に空を飛べる。

 もっとも、空を飛べなくてもこの程度の高さから落ちた程度でどうにもならないんだが。

 あ、でもガスタールの面々に俺の存在を印象づけるのなら、普通に飛び降りて着地した方が分かりやすかったのか?

 そうも思うも、こうして空を飛びながら……というか、明らかに自然の摂理に逆らったかのように、ゆっくりと地面に着地する俺の姿に、ガスタールの軍人達は驚きの表情を浮かべていた。

 俺が飛び降りた瞬間に目を瞑った者もいたが、そのような者達も周囲から悲鳴が聞こえない事に驚いたのか、恐る恐るといった様子で俺の方に視線を向けていた。

 そうして俺が地面に着地する瞬間……あるいはもう少し早く俺が空中をゆっくりと降りてくる光景を見て、驚きに動きを止めていた。

 そんな様子を見て、取りあえず俺の存在を強く印象づけられたと判断すると、次にヴァサーゴの足に触れ……そして一瞬後にはヴァサーゴの姿が消えていた。

 再び……いや、俺が飛び降りた時よりも更にざわめくガスタールの軍人達。

 一体何が起きたのか、全く理解出来ないのだろう。

 あるいはもっと単純に、北米連邦の建国式典で俺が魔法を見せた時の事を思い出して、興奮してるのか。

 その辺りについては分からないが、これで取りあえず俺達の存在をしっかりと把握し、こちらに迂闊に敵対しようなどという風に考える者はいなくなっただろう。

 こっちにしてみれば、そういう相手の方が色々とやりやすいし、妙に絡んでくるといった真似をしたりもしないので、非常に楽なのだが。

 とにかくそんな風に考えつつ、驚愕の視線を向けている者達を無視してアシュタロンのいる方……ガディールのある方に向かう。

 途中でガスタールの軍人達のいる場所を通ったが、俺が何も言わずとも道を空けてくれる。

 どうやら俺のパフォーマンスは上手くいったらしい。

 

『ちょっとやりすぎじゃない?』

 

 アシュタロンの側まで到着すると、外部スピーカーでエニルが呆れたように言ってくる。

 

「そうか? こっちの力は示しておいた方が、後々面倒にはならないんだよ。……それで、ガディールのパイロットはもうカトックが連れて行ったのか?」

『ええ。喜んで連れていったわよ』

 

 喜んで、か。

 一体どんな尋問をする事やら。

 そんな風に思いつつ、俺はアシュタロンにガディールから離れてもらい、ヴァサーゴの時と同じように空間倉庫に収納するのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2020
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1771
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