転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3439話

 ガディールを収納した俺の存在に驚いた者達もいたが、その騒動はそう長いこと続かなかった。

 理由としては、ジャミルとガスタールの正規軍との間で話が纏まり、行動に出たからだ。

 

「それで、アクセル。私達はどのくらいガスタールにいる事になるんだい? 私はてっきり数日程度かと思ってたんだけど」

 

 テンザン級の食堂で、シーマが俺にそう尋ねてくる。

 ちなみにシーマは俺の向かいに。そしてクリスが俺の隣に座っており、モニクとクスコの姿はここにはない。

 これ……言うまでもなく、モニクとクスコの策略だよな。

 いやまぁ、シーマが考えたのかもしれないが。

 

「具体的にどのくらいなのかってのは分からないな。ただ、ガスタールの反乱軍はそんなに数が多くないって話だし」

 

 元々人口が数万人の小国だ。

 そんな人口数万人の中で反乱軍を結成したとしても……さて、一体どれくらいの数が集まるのやら。

 

「反乱軍って、多分元々新連邦と繋がりのあった人達なんじゃない?」

 

 紅茶を一口飲んでから、クリスがそう言ってくる。

 実際その言葉は決して間違ってはいないだろう。

 

「普通に考えれば、新連邦よりも北米連邦に協力をした方がいいと考えるだろうしな」

「爆撃機のあった基地が消滅したり、新連邦の部隊がメギロートやバッタに壊滅させられた光景を見ているんだ。私でも、新連邦と北米連邦なら後者を選ぶだろうね」

 

 シーマの言葉に、俺とクリスが……他にも離れた場所でエニルと、何故かテンザン級に来ていたトニヤがそれぞれ頷く。

 まぁ、エニルとトニヤについては置いておくとしよう。

 あっちもあっちで友人同士、お茶を楽しんでるだろうし。

 ちなみにこのテンザン級で出される紅茶やコーヒーの類は、当然ながら安物であったり、ティーパックやインスタントコーヒーの類ではない。

 シャドウミラーの陸上戦艦である以上、その手の物も最上級品……とまではいかないが、結構な高級品を大量に積んでいる。

 また、ケーキの類も冷凍とかそういうのではなく、手作りだ。

 それもこれも全て、量産型Wの疑似経験や疑似記憶によって一流のパティシエだったり、紅茶やコーヒーを入れる専門家の技量を持ってるからこそだが。

 ただし、量産型Wが疑似経験や疑似記憶で得られるのは、あくまでも一流までで、それを超えた技量は無理だ。

 もっとも、俺の舌ならこれで十分に美味いと思えるので問題はないのだが。

 トニヤもその辺を理解しているからこそ、エニルとお茶をする時はフリーデンではなく、テンザン級に来てるのだろう。

 あ、でもフリーデンにはロアビィが作った大人の遊戯室があった筈だ。

 ……大人の遊戯室って表現、ちょっと淫靡な感じがするな。

 この場合の大人のというのは、酒が置いてあるからなんだが。

 ちなみに喫茶店の一件を経験した以上、俺としてはフリーデンの遊戯室に行きたいとは思わない。

 また同じような事があった場合、トニヤ、エニル、ルチル……場合によっては、サラにまで手を出す可能性があるのだから。

 ティファには俺の本能が暴走しても、手を出さないと思いたい。

 

「つまり、そんな風にガスタールの反乱軍の規模は小さい。恐らく、数日程度でどうにかなるというのは間違ってないと思う。……ただ、向こうも自分達の戦力が少ないというのは理解している筈だ。それを承知の上で行動を起こした以上、あるいは何らかの奥の手があってもおかしくはない」

「うーん、でも正規軍の人からちょっと情報を聞いた限りだと、奥の手らしいのはないらしいわよ? 新連邦と繋がっていたのだが、ガスタール全体が北米連邦側に舵を切ったから、それで追い詰められて仕方なく……といった感じみたいだし」

 

 クリスが考えるようにそう言うが、なるほど。そういう可能性も十分にあるのか。

 もっとも、そうだとすればまた一段反乱軍に対する評価を下げる必要があるのかもしれないが。

 

「その場合、本当に何の問題もなく鎮圧して終わりになるかもしれないな。そうなればそうなったで、色々と楽なのは間違いないんだが」

「でも、新連邦が結構な肩入れをしてるのは、ガディールを見れば明らかだろう? カトックがパイロットから聞き出した話だと、生産数はかなり少ないんだろう? その虎の子を派遣していたんだ。ただの捨て駒って訳じゃないと思うけどね」

 

 シーマの言葉には納得出来るところもある。

 カトックがガディールのパイロットから聞き出した中には、ガディールについての情報もあった。

 ガディールは制空権を奪う目的で開発されたMAだったが、そもそも現状では多くの勢力が使っているMSは15年前の戦争の時の物。

 つまり、少数の例外を除いて空を飛ぶ事が出来ないのだ。

 そして今の新連邦のMSは、バリエントにしろドートレス・ネオにしろ、普通に空を飛べる。

 そう、ガディールが存在しなくても制空権を確保するのは難しくはないのだ。

 もしかしたら、抵抗している勢力の中にはオクト・エイプのように空を飛べるMSを有している者達もいるだろう。

 あるいはドートレスもバリエーションとして、ある程度空を飛べるらしい。

 だが、どちらにしろ、持っていても数機だろうと新連邦は考えた。

 そうなれば、結構な数を揃えている新連邦にしてみれば、多少は敵に空を飛べるMSがいても問題ない……と、そう判断してもおかしくはなかった。

 そして実際、その判断は正しいと思う。

 思うのだが……生憎と、ここにはその計算を狂わせる存在がいた。

 それが、俺達シャドウミラーだ。

 オクト・エイプや高機動型GXといったように、高性能で普通に空を飛べるMSを売っている。

 つまり、新連邦にとってはガディールを用いる……いや、用いない前提が崩れたということを意味していた。

 だからこそ、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、新連邦はこの先、ガディールを量産するという可能性も否定は出来ない。

 個人的には、まだガディールは1機しかないので、出来ればもう数機くらいは欲しいところなんだが。

 

「アクセル、何か悪い事を考えてるね?」

 

 ガディールについて考えていると、シーマがそんな風に言ってくる。

 

「私とシーマが一緒にいるのに、アクセルったら何を考えてるのかしら。……それとも、この場合は他の女の事を考えていないのを喜べばいいのかしら?」

 

 シーマに続き、クリスも呆れた様子で言ってくる。

 

「いや、別にそこまで何かを考えてる訳じゃないぞ? ガディールがこの先も量産される可能性が高いと思っていただけで」

 

 妙な勘違いをされるのはごめんなので、そこだけは強調しておく。

 他の女について考えていないというのは間違いないし、特に何か悪い事を考えていた訳でもない……と思う。

 

「ふーん、そうかい。アクセルの事だから、てっきりまた別の女の事を考えているのかと思ったんだけどね」

「シーマ、お前は一体俺を何だと……いや、いい。言わなくてもいい」

 

 一体何だと思っている。

 そう聞こうとしたものの、そう聞けばどんな答えが返ってくるのか、何となく理解出来てしまう。

 なので、取りあえずその件についてはこれ以上は何も言わないでおく。

 

「おや、いいのかい? アクセルが知りたいのなら、私の方でしっかりと私がどう思っているのか、教えようと思ったんだけどね」

「……ああ、やめておく」

 

 恐らく、このまま話を続けていると、モニクやクスコの一件についても話をする事になるだろう。

 そういう風な経験は、出来ればしたくはない。

 

「私はシーマがアクセルをどう思ってるのか、聞いてもいいけど?」

 

 面白そうな笑みを浮かべつつ、そう言うクリス。

 ここで素直に話を聞きたいと言った場合、一体どうなるんだろうな。

 素直に俺を好きだといったような……ストレートな愛情表現を口にするのか、それともモニクやクスコの件を含めて色々と言われるのか。

 はたまた、色々な意味で特殊と言われるのか。

 特別じゃなくて特殊となる辺り、らしいよな。

 

「いや、止めておくよ。俺がそれを聞こうとした場合、少し不味いことになりそうな気がするし」

「あら、残念ね」

「そうだね。ここはしっかりとこっちの気持ちを話して起きたかったんだけど」

 

 どうやら俺の選択肢は間違っていなかったらしい。

 何とかセーフといったところか。

 

「それより、ガスタールの反乱軍だが、どのくらい新連邦の手が入ってると思う?」

 

 自分でもあからさまだと思うが、話題を逸らしておく。

 シーマとクリスも俺の考えは理解しているのだろうが、話題を変える事に同意して口を開く。

 

「ガディールがいる以上は、完全に捨て駒って訳ではないと思うわ。ただ、だからといってそこまで集中して協力しているかと言われれば……それはそれで微妙よね」

「今までの新連邦のやり方を見ている限りでは、クリスの言うようにガスタールに全面的に協力するとは思えないね。……別に新連邦じゃなくても、ある程度事情を理解出来る頭があれば、そんな風に認識するだろうけど」

 

 クリスとシーマはそれぞれに自分の意見を言う。

 それには納得出来るところが大きい。

 ぶっちゃけ、ガスタールという国そのものにそこまで価値があるとは思えない。

 それこそノーザンベルやエスタルドと同盟を結んでいるからこそ、何とか新連邦に抗うことが出来ているのだから。

 そんな小国、新連邦にとってそこまでして必要な存在とは思えなくてもおかしくはなかった。

 ぶっちゃけた話、新連邦が現在そこまでガスタールに協力をしているのは、新連邦がこの地球の全てを支配するべきだというブラッドマンの考えもあるだろうが、それ以上に北米連邦がエスタルドに……そして南アジアに協力してるからというのが大きいのだろう。

 新連邦にしてみれば、北米連邦の主力とも呼ぶべき俺達をここに留めておきたいという思いは強い筈だ。

 俺達がどこにいるのかをしっかりと把握しておきたいのは当然だろう。

 だとすれば、新連邦は恐らく俺が転移魔法を使える事を知ってるな。

 建国宣言であそこまで大っぴらに魔法を使ったし、ゾンダーエプタの一件……あるいはそれ以前にフロスト兄弟の方から報告が……いや、待てよ?

 もしフロスト兄弟からの報告で俺が転移魔法を使えると知った場合、フロスト兄弟に対する新連邦の評価は変わる可能性があるな。

 俺が魔法使いであるというのがまだ知られていない時は、新連邦から見てフロスト兄弟はMSを何度も奪われている存在だ。

 だが、俺が転移魔法を使えるというのを……勿論そのままではなくても、何か怪しいという報告をしていた場合、見る目があったと判断されてもおかしくはなかった。

 もっとも、それでもMSを奪われたというのは変わらないのだが。

 ……あ、でも魔法を使ってMSを奪われたといったようにフロスト兄弟が主張すれば、もしかしたらもう少しは評価が変わるか?

 

「もしかしたら、フロスト兄弟が出てくるかもしれないな」

「本気で言ってるのかい?」

 

 驚いた様子のシーマ。

 いや、クリスも口には出していないものの、その表情に驚きがあるのは間違いない。

 

「絶対にという訳じゃない。もしフロスト兄弟が俺達……というか、俺について上に報告していた場合、新連邦から俺が怪しいと見抜いていたという事で上手い具合に評価が引っ繰り返る……あるいはそこまでいかなくても、見直される可能性は十分にある」

 

 個人的には、フロスト兄弟が来てくれるのは大歓迎だ。

 ヴァサーゴとアシュタロンはどちらも高性能MSなのだから。

 唯一の難点としては、黒い三連星は使えない……いやまぁ、使おうと思えば使えるんだろうが、そうなるとジェットストリームアタックとかが使いにくくなるだろうし。

 もっとも、テンザン級の中には高機動型GXに乗ってる奴も多いので、そっちに回せばいい。

 とはいえ、もし再度フロスト兄弟が俺達の前に現れたりしても、その時にヴァサーゴやアシュタロンに乗ってるかは別の話だろうが。

 何しろ今まで何度も自分の機体を奪われているのだ。

 向こうも俺が何を狙っているのかは、当然理解しているだろう。

 なら、わざわざ俺達の前に現れる時に、ヴァサーゴやアシュタロンに乗ってくるという事は……普通に考えればない筈だ。

 とはいえ、フロスト兄弟は新連邦の中でもエース級だ。

 そんなエース級が新連邦に再評価されて戦場に出て来るのに、自分達の象徴たるヴァサーゴとアシュタロンに乗ってこないというのは……どうだろうな。

 同時に、こう何機も俺にMSを奪われているのに、まだガンダムを製造出来るのか? という疑問もある。

 1機程度なら、予備機、あるいは予備パーツで何とかなるだろう。

 そういう意味では、アシュタロンはまだ大丈夫かもしれない。

 だが、ヴァサーゴは……うん。色々な意味でシャギアには悪いと思うが、再度ヴァサーゴをもう1機用意するというのは、難しいと思う。

 そうなると……現状において一番性能が高いガディール辺りに乗ってくるのかもしれないな。

 そんな風に思いつつ、俺はシーマやクリスとのお茶会を楽しむのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2020
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1771
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