「つまり、反乱軍は一気に撤退して一ヶ所に集まってるから、そこを俺達に攻略して欲しいと? そういう事か?」
「ガスタールからの要望としてはそうなっている」
ガスタールの責任者との面会を終えたジャミルが戻ってきたのだが、その要望には疑問が大きい。
「反乱軍が撤退したのは分かる。反乱軍にしてみれば、俺達が来た時点で勝ち目はないと判断したんだろうし」
向こうにとって反乱を成功させるとなると、それこそ俺達の迎えにやって来たガスタール軍と合流する前に撃滅する事だった。
そうして何気なく自分達が迎えに来た連中と入れ替わり、急に事情が変わったとか、あるいは喧嘩を吹っかけてきて、追い返すといった手段くらいだろう。
あるいは待ち伏せして奇襲……いや、それだとこっちにはニュータイプが複数いるから、無理か。
あ、でもテンザン級やフリーデンにニュータイプがいるというのを反乱軍が知らなければ、奇襲という選択肢もあったのか?
ニュータイプというのは、新連邦にとっても非常に重要な存在だ。
正式な同盟相手とかならまだしも、反乱軍は新連邦にとって捨て駒程度の意味しかない。
だとすれば、そんな相手にニュータイプというのを知らせるかと言われれば……俺は否だと思う。
もっともそれを抜きにしても、こっちの戦力は全機がガンダムだ。
反乱軍もその辺の情報は入手してるだろうし、そんな相手に奇襲をしても倒せるとは思えない……筈だ。
あ、でもバリエントやドートレス・ネオ、それにガディールといった戦力があった事を考えると、もしかしたらそんな考えになった可能性もあるか。
……ただし、これはあくまでも俺達が来る前に迎えのガスタール軍を完全に撃破していればの話だ。
結局はその戦いを早く終わらせる事が出来ず、その戦闘に介入された時点でこんな仮定には意味がないのだが。
ともあれ、反乱軍としてはそれが俺達に勝利する唯一の可能性だった訳だが、それが失敗した事によって、ガスタールの中、特に首都で暴れていた反乱軍は素早く撤退した。
撤退した場所は、旧連邦軍のそれなりに大きな基地。
そしてジャミルが要請されたのは、その基地に集まっている反乱軍の連中の撃破だった。
捕らえるのではなく撃破である辺り、ガスタールの上層部が反乱軍をどう思っているのかは分かる。
「普通に考えて罠じゃない?」
マリューのその言葉に、ジャミルは黙り込む。
いや、ジャミルだけではなく、この会議室に集まってきている全員がその意見に同意らしく、黙り込んでいた。
普通に考えた場合、反乱軍がこうも素早く撤退出来るか?
それに……
「私が聞いた話だと、その基地というのは動力源が少し怪しいらしいね」
エニルがそう言う。
エニルは以前、それこそまだフリーデンと敵対する前、俺と初めて会った辺りには、動力源の怪しい基地を好んで探索していた。
勿論基地の動力源が爆発するような事になれば、死んでしまう可能性が高い。
だが、それだけに動力源の部品とかは、かなりの高値で売れるらしい。
そういうスリルを楽しむような一面が、当時のエニルにはあった。
いや、当時のというか、別に今のエニルもそういう一面があるのは間違いない。
今は正式にテンザン級の一員という認識があるから、そういう真似をしないだけで。
そんな訳で、その手の危ない基地についてエニルはかなり鼻が利く。
「怪しいというのは、危ないという意味か?」
「ええ。だからこそ、まだ色々とお宝が残っているのに、基地は放って置かれているみたい。……そんな基地に、反乱軍が逃げ込んだというのは、怪しいと私も思うわよ?」
エニルに視線を向けられたジャミルは、少し困った様子を見せつつもそれに答える。
「ガスタール政府の話によれば、そのような場所だからこそ追っ手が来る可能性が低いので逃げ込んだ可能性が高いらしい」
「まさか、そんな説明を本気で信じてる訳じゃないだろうね?」
シーマの鋭い視線がジャミルに向けられる。
シーマはUC世界の1年戦争において、数々の修羅場を経験してきた。
だからこそ、危険には敏感だった。
そんなシーマがこういう風に言うという事は、やはり怪しいのだろう。
「こうなると、ガスタールの政府も実は新連邦の息が掛かってる……と、そんな風に考えてもおかしくはないかもしれないな」
「本気か、アクセル?」
「ああ。ジャミルがどう思ってるのかは分からないが、今までの情報を考えるとそんな風に思う」
もっとも、ガスタール政府の全員が新連邦と繋がっているとは限らないが。
だが、反乱軍以外にも新連邦と繋がっている相手がいるとしても、そんなにおかしくはないと思う。
正確には、どちらに味方をするのか迷っているような者達だろうが。
「だが、今回のガスタール政府からの要請を引き受けないという訳にはいかないぞ」
「だろうな。ジャミルが引き受けてきたから……というのもあるが、どのみち放っておけばガスタールに被害が出すぎるだろうし」
エスタルドスのような……新型機の旧式MSといったような微妙な表現のMSがあっても、新連邦からMSの供与を受けている反乱軍に勝つことは難しいだろう。
新型の旧式MSというのは、エスタルドスを表現するのに相応しい言葉だと思う。
エスタルド、ノーザンベル、ガスタールの3ヶ国で開発したという意味では新型のMSなのだが、この3ヶ国にはそこまで高い技術がない。
結果として、そのMSは戦後のMSとしては一般的な、空を飛ぶといった真似が出来ないのだ。
そんなMSを使う相手に対して、反乱軍はバリエントやドートレス・ネオのような戦後に開発されたMSを使っている。
俺達が来たから撤退したが、もし俺達が来なかったら撤退するようなことはなく……そしてガスタールの正規軍は一方的に攻撃されていただろう。
その辺の状況を考えると、俺達が反乱軍の集まっている基地を攻撃しないといった選択肢は存在しない。
「いっそ、直接攻撃するんじゃなくて、遠距離から攻撃をするってのはどうかしら?」
ミナトのその言葉には、納得するべきところがある。
何しろ俺達は、遠距離から圧倒的な威力を持つ攻撃を叩き込む事が可能な武器を持っている。
GXのサテライトキャノン、DXのツインサテライトキャノン、ヴァサーゴのメガソニック砲……そしてテンザン級に装備されている連装メガソニック砲。
もっとも、サテライトキャノンとツインサテライトキャノンの2つは、マイクロウェーブを受ける必要がある為に、どちらか片方しか使えない。
そう考えると、メガソニック砲ってのは素直に凄いよな。
勿論、純粋な威力という点ではメガソニック砲はサテライトキャノンに劣る。
だが、マイクロウェーブが必要なく、いつでも使えるし、何よりもそれを持ってる機体や陸上戦艦があれば、同時に放つことも出来るのだ。
それらが同時に発射されれば、あるいはサテライトキャノンよりも高い威力を持つ……可能性も否定は出来なかった。
そんな攻撃手段を持っていて、基地にある動力施設はいつ暴走してもおかしくはない。
だとすれば、遠距離から攻撃をするのが最善だろう。
それなら動力炉が暴走してもこっちに被害はないし。
「ジャミル?」
どうする?
そんな意味を込めて視線を向けるが、何故かジャミルはそこまで乗り気な様子ではない。
「アクセル達の言いたい事も分かる。分かるし、それが一番手っ取り早いというのも理解はしているが、ガスタールの政府からは出来るだけ捕虜が欲しいと言ってきている」
「捕虜?」
「うむ。今回の反乱について詳しい情報を知りたいという事だろう。また、捕虜も取らず問答無用で相手を殺すといった真似をした場合、それはガスタールにとって都合の悪い存在を纏めて滅ぼした、そんな噂が立つかもしれない」
「それは……」
ガスタールにしてみれば、そんな噂を立てられるのは困るだろう。
とはいえ、だからといって俺達がそれに配慮する必要は……いや、あるな。
俺達が協力をしているのは、あくまでもエスタルドではあるが、この南アジアを治めているのはエスタルド、ノーザンベル、ガスタールの3ヶ国だ。
その3ヶ国がうちガスタールでのみ内乱が起きて、その時に色々と知ってはいけない情報を持ってる者を纏めて消滅させた。
そんな風に噂が流れれば、ガスタールは安定しないだろう。
そうなると、それはガスタールだけの問題ではない。
エスタルドやノーザンベルにもその辺が影響してくる可能性は十分にあった。
そうならないようにする為には、事態をしっかりを把握して、反乱軍の責任者をきちんと処罰する必要がある。
そんなガスタールにしてみれば、遠距離から基地諸共に消滅させるというのは許容出来なくてもおかしくはないか。
「一番手っ取り早い方法だったんだがな」
「まぁ、依頼人がそれは止めて欲しいと言ってるんだし、止めておいた方がいいだろうね」
そう言ったのはシーマだ。
本人としては、色々と思うところがあるのだろうが……それでも南アジアの状況を考えると、ガスタールの意見を受け入れるべきだと判断したといったところか。
「正面から戦っても問題はないだろ。ガディールだったか? あの機体も……ガスタールに入った時に戦った奴以外にいるかどうかは微妙なところだし」
それなりに自信に満ちた表情で言うのは、ウィッツ。
ガディールを倒したのが自信になってるのだろう。
実際、ウィッツとエアマスターバーストの戦いぶりを見る限りでは、もしまたガディールが出て来ても数機を相手にした場合なら対処するのは難しくないだろうし。
……寧ろ俺としては、ガディールが出て来たら出来るだけ鹵獲して欲しいと思うのだが。
「正面から戦って勝てるのは間違いないけど、そうなるとオクト・エイプ隊に被害が出るわよ?」
クリスの言葉に、ウィッツが反論出来ずに黙り込む。
オクト・エイプ隊は、エスタルドの精鋭部隊だ。
そういう意味では、エスタルドスに乗ってるパイロットよりも腕は上だろうが、それはあくまでも一般的な意味での話だ。
生憎とテンザン級やフリーデンに乗っているMSのパイロットは、全員が一流、あるいはそれを超えるだけの技量を持つ者達だ。
そんな俺達にしてみれば、表現は悪いがエスタルドの精鋭というのはその辺の一般パイロットとそう違いはない。
だからこそ、正面から基地を攻撃する場合にオクト・エイプ隊がいた場合は被害が出る可能性は否定出来なかった。
「そうなると、オクト・エイプ隊には戦いに参加しないで、周囲の偵察をして貰うというのはどうかしら? もしかしたら私達が戦っているところで、追加の援軍が来るかもしれないでしょう?」
「モニク、ナイス。俺はそれに賛成する」
モニクの言葉に、俺は真っ先に賛成する。
この状況になって、新連邦から……あるいはまだどこかに残っている反乱軍の援軍が来るという可能性は低いものの、皆無ではない。
戦っている最中に背後から攻撃されて挟撃という事になれば、こっちの被害もかなり大きくなるだろう。
その辺の状況を考えると、可能性は低いが偵察要員は必要だろう。
ましてや、それが地上を歩いて移動するような者達ではなく、空を飛べるオクト・エイプに乗っている者達なら、これ以上ない程に偵察役として相応しい。
それに偵察という役目を任されるのなら、オクト・エイプの隊のパイロット達のプライドも傷つかないだろうし。
とはいえ……そういう事なら、オクト・エイプ隊だけに完全に偵察を任せるのも少し問題か?
あるいは誰か1人くらいは偵察に回した方がいいかもしれないな。
「なぁ、なぁ。ちょっといいか? ツインサテライトキャノンとかを使って、敵の基地を破壊するのは駄目なんだよな? なら、そういう脅しをするってのはどうだ? 脅しだけなら問題ないんだろ? なら、それで降伏してくる可能性もあるんじゃないか?」
ガロードのその意見は、それなりに可能性はあった。
実際にツインサテライトキャノンを使って基地諸共に敵を消滅させるのは不味いだろうけど、そういう手段がこっちにはあると見せて、それで降伏を迫るというのは反乱軍にしてみればたまったものではないだろう。
問題なのは、もし政府側に反乱軍と通じている者がいて、そちらから俺達に反乱軍を捕らえるように……ツインサテライトキャノンとかを使えないように言ってあるという情報が流れている場合、どうするかという事だろう。
とはいえ……
「試してみる価値はあるんじゃない? もしそれで向こうが降伏しないのなら、戦いが終わった後で尋問をする必要が出てくるでしょうけど」
クリスの言葉に異論を口にする者はおらず、最終的にまずは俺のヴァサーゴがメガソニック砲を撃ってから、基地ごと破壊するだけの威力の武器がこちらにあるというのを見せつけて、それから降伏勧告をする事に決まるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2020
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1771