『アクセル、頼む』
GXに乗っているジャミルからの通信に頷き、俺はヴァサーゴのストライククローを地面に突き刺す。
こうしないと、ヴァサーゴのメガソニック砲を撃つ時の反動に耐えられない。
もし反動に耐えられなかった場合、メガソニック砲を撃った時に機体が動き、こっちの予期せぬ方向にメガソニック砲が発射されかねない。
……あ、でも俺はPPによって射撃とか命中とか技量とか、普通の人間とは比べものにならないくらいの数値になってるんだよな。
だとすれば、もしかしたらそういう事になっても機体の反動を殺して目標に命中させたり出来るのか?
いや、今回の場合は命中しないようにするのが正しいんだが。
ちょっと試してみたい気持ちはあるが、失敗したら大事だ。
取りあえず今はそういうのは止めておこう。
「じゃあ、メガソニック砲を発射するぞ。全機、注意しろ」
そう断言し、基地に向かって……正確にはくれぐれも基地に当たらないように狙ってメガソニック砲を発射する。
轟、と。
そんな表現が相応しい音と共に、基地に放たれる巨大なビーム。
基地を拠点としている反乱軍は、俺達が一定の距離から近付いてこなかったので、攻撃をするでもなく、撤退するでもなく、どうしたらいいのか迷っていた様子だったが……それがこっちには功を奏した形だ。
これが、もっと腕の立つ連中なら、こっちが近付いて来たのを感じた瞬間には逃げ出したり、もしくは機先を制する形で攻め込んできたりといった真似をしてもおかしくはない。
その辺の判断を出来ないところが、この反乱軍の駄目なところ……というか、限界なのだろう。
新連邦からMSだけではなく指揮官とかそういう人物が派遣されていれば、もう少し違ったかもしれないが。
それともガスタールに入った時の戦闘で倒した中にそういう奴がいて、今は誰もいないのかもしれないな。
そんな風に思っていると、ジャミルがオープンチャンネルを送る。
基本的にそこまで遠距離まで通信は出来ず、だからこそバルチャーサインというのが生み出されたのだが、このくらいの距離であれば基地にいる反乱軍と通信が出来るらしい。
オープンチャンネルなので、こっちでも通信は見る事が出来た。
『私は北米連邦代表のジャミル・ニートだ。連邦軍基地に立て籠もっている反乱軍に告げる。降伏しろ。今のビームを見れば分かるように、こちらはその気になればその基地諸共お前達を全滅させられる』
ジャミルが行った降伏宣言から、数分。
やがて反乱軍の方からも返信があった。
『はっ、ふざけるな。そんな脅しでこっちがそう簡単に降伏すると思うか? 知ってるんだぜ? ああいう強力な攻撃をするには、エネルギーを貯める必要があって……』
相手がそう言った瞬間、再びメガソニック砲が発射される。
ただし、今度メガソニック砲を撃ったのは俺のヴァサーゴではなく、俺から離れた場所に待機していたもう1機の……シーマが乗っているヴァサーゴだ。
こちらにはヴァサーゴが2機あるという事を示す為に、わざとシーマのヴァサーゴは離れた場所にいるのだ。
それに、ヴァサーゴではなくメガソニック砲という事に限定しても、テンザン級には連装メガソニック砲がある。
ぶっちゃけ、純粋な威力という点では連装式になっており、しかもブラックホールエンジンを使っていて出力も高い連装メガソニック砲の方がヴァサーゴのメガソニック砲よりも性能は上だったりする。
ただ、テンザン級は最大級の陸上戦艦だ。
幾らミナトの操舵技術があっても、機体の限界を超えて素早く動き回ったりといった事は出来ない。
そういう点では、素早く移動してメガソニック砲を撃てるヴァサーゴというのは、威力とは別の面で突出している存在だった。
『見ての通り、こちらは同じ威力の攻撃を何度でも続けられる。また、ガスタールに所属しているのなら、連邦軍が爆撃機を使っていた基地を消滅させた武器を持っているのも理解している筈だ』
『ぐ……それは……』
ジャミルの言う通り、DXのツインサテライトキャノンについても知っていたらしい。
だが……それを知っている上で、それでも基地に立て籠もるというのは……
『ハッタリだ! お前達はこの基地を攻撃出来ない! もし攻撃すれば、周辺一帯に大きな被害を与えるからな!』
さて、この反乱軍からの返事はどう認識すればいいのやら。
向こうにしてみれば、基地を攻撃出来ないと確信しているように思えるが、その理由としているのは、基地の動力炉が破壊された場合は周辺に大きな被害が出るからというものだ。
これでもっと別の……攻撃出来ないと断言するような真似をしたら、それはそれで俺にとっては面白かったんだが。
何しろそれは、やはりガスタールの政府に反乱軍と繋がっている者がいるという事なのだから。
俺達を……いや、北米連邦をいいように使えると思っての行動なのか、それとも新連邦が勝利するという確信でもあるのか。はたまた、エスタルドが有利なこの状況が気にくわないと思っているのか。
その辺りの状況は、生憎と俺にも分からない。
分からないが、それでも今の状況を考えると色々と見えてくることがあるのも間違いなかった。
『何故そう思える? 反乱軍を一気に消滅させる好機だと、そう私達が思うとは考えないのか?』
ジャミルも俺と同じ疑問を持っているのだろう。
通信でそんな風に尋ねる。
そんなジャミルの通信に急に相手が沈黙する。
これは決まりだな。
こういう風に言葉に詰まるという事は、やはりガスタールの政府には反乱軍と繋がっている者がいて、そこから情報を入手していると考えてもおかしくはない。
『どうした? 何故私達がその基地を攻撃しないと、そう判断したのか。出来れば聞かせて貰いたいのだがな』
『だ……黙れ! わざわざ敵であるお前達に、そんなことを話さなければならない理由はない! そもそも、お前達はあのエスタルドの味方だ! つまり我々……いや、ガスタールの敵! そのようなお前達と話すことなどない! さっさと消えろ!』
ジャミルの言葉に反論出来なくなったのか、感情的に叫ぶ反乱軍の男。
この様子を見ると、やはりこの男が最初から反乱軍のリーダーだったとは思えない。
だとすれば、予想したようにガスタールに入ってすぐの場所で起きた戦いによって、本当のリーダーは死んで、この男が繰り上がって現在反乱軍を率いてるという予想は間違っていないんだろう。
もっとも、これはあくまでも予想なのだが。
実際には最初からこの男がリーダーで、補佐役が優秀だったとかそういう可能性も否定は出来ないし。
『なるほど。そちらの考えは分かった。どうやら嫌な予感は当たっていたらしい。……全機、攻撃開始だ』
ジャミルがこれ以上向こうと通信をしても意味はないと判断し、そう指示を出す。
とはいえ……反乱軍の数は決して多くはない。
このくらいの敵を相手に、こっちの戦力は過大ですらあるだろう。
……奥の手とか、そういうのが向こうになければだが。
そしてジャミルとの通信を聞いている限り、そういうのを用意出来ているようには到底思えなかった。
さて、命令も出た事だし、行くか。
そう判断して、ヴァサーゴで敵に向かって飛んでいく。
しかし、そんな中で真っ先に敵陣に突っ込んで行ったのは、切り込み隊長であるエアマスターバーストだ。
反乱軍にはもうガディールは残っていないと判断しての行動だろう。
……実際、ドートレス・ネオやバリエントはそれなりにあるが、それ以外にも数合わせの為に用意したのか、エスタルドス――当然ガスタールでは名前が違うのだろうが――の姿もある。
そんな向こうの戦力で、エアマスターバーストをどうにか出来る筈もない。
地上に向かってビームを放ち、反乱軍に被害を与えていくエアマスターバースト。
エアマスターから強化されたのは、ガディールと戦う時に必要な空中での戦闘能力だけではない。
いや、実際には空中で高まった戦闘能力を地上にいる敵に向けても十分に発揮出来るというのが正しいのだが。
強化された攻撃力によって、地上にいる敵も次々にダメージを受けていく。
中には撃破されている敵も相応にいた。
機動性と攻撃力が共に高く、それでいて空という場所から攻撃出来る。
エアマスターバースト、何気にかなり高性能な機体なのは間違いないよな。
その上で、パイロットとしての能力も純粋に高いし。
けど……こっちも負けていられないな。
敵がエアマスターバーストに気を取られている間に、俺もまた十分に敵との間合いを詰めることに成功する。
当然だが、その隙に乗じたのは俺だけではない。
テンザン級やフリーデンに乗っているのは、全員が相応の操縦技術を持つ者達だ。
ベテランと言ってもいいかもしれない。
唯一、ガロードはベテランと呼ぶには少し経験が足りないかもしれないが。
それでもガロードも機を見るに敏なのは間違いなく、俺達の行動に遅れないように動いている。
反乱軍としては、あの基地を……いつ動力炉が暴走してもおかしくはない基地を盾にするつもりだったのだろう。
その為、バリエントやドートレス・ネオといった空を飛べるMSがそれなりにいるのに、地上にいるままだ。
そのような状況だからこそ、前方から撃ってくる俺達に対してはともかく、上空から撃ってくるエアマスターには基地を盾にするような真似は出来なかったのだろう。
「ほら、行くぞ!」
こっちの機体も空を飛べるので、やろうと思えばエアマスターバーストと同じような攻撃は出来るだろう。
だが、全機が上空から攻撃をしてくるとなれば、向こうも自棄になって意図的に動力炉を暴走させる可能性もあった。
もっとも、空から攻撃をせず、こうして前方から攻撃をするような真似をしても、向こうがピンチになった場合はどう反応するか分からないが。
そんな事を思いつくよりも前に、とっとと倒してしまった方がいい。
あるいはMSのパイロットではなく、歩兵が動力炉を暴走させようと考えていてもおかしくはないが……そういう時はカトックに出て貰うのが最善だろう。
歩兵のカトック達にしてみれば、こういう時こそ本領発揮だし。
カトック達だけを出させるのもどうかと思うので、テンザン級からも量産型Wやコバッタを出してもいい。
……寧ろ、量産型Wやコバッタがいればカトック達がいらないか?
これは、別にカトック達を役立たずと言ってる訳ではない。
カトック達は、X世界において一流の歩兵だろう。
だがこの場合、比べる相手が悪かった。
コバッタはともかく、量産型Wと生身で戦ってカトック達が勝てるとは思えない。
それだけ量産型Wの生身の戦闘力は高いのだ。
「今はそういう事よりも、こっちに集中しないとな」
考えに集中している間に、反乱軍のMS部隊との間合いが大分詰まっていた。
そうなると向こうにとってもこっちに攻撃が届くし、実際にビームライフルや実弾のマシンガンとかを撃ってきている。
だが、俺は自然と機体を左右に動かしつつ、敵の攻撃を全て回避していた。
これで敵の中に腕利きのMSパイロットでもいれば、考えながら敵の攻撃を回避するといったような真似は出来なかっただろう。
それこそ、シャギアやオルバといった腕利きのパイロットでもいれば。
だが、ガスタールの反乱軍の中に、そのような腕利きのパイロットがいる筈もない。
あるいは、実はフロスト兄弟が反乱軍の中に混ざっているという可能性も……ない訳ではないのか?
フロスト兄弟が連邦軍からどういう扱いを受けているのかにもよるが。
「ともあれ……まずは、1機!」
ビームライフルの攻撃を回避しつつ、バリエントの間合いに近寄るとビームサーベルでコックピットを貫く。
バリエントというのは、基本的に空中での戦闘を重視して開発されたMSだ。
キッドから聞いた話によると、バリエントの脚部はあくまでも着陸脚で、歩行脚としての機能はかなり低い……というか、ないに等しい。
そんなバリエントを使って地上での戦闘を行うというのは、MSの特性を理解しないで行動しているのは間違いなかった。
すると仲間を殺された事に怒ったのか、ドートレス・ネオがビームライフルを撃ってくる。
真っ直ぐ俺の方に向かって飛んできた攻撃を回避し……
「って、おい、マジか」
俺が攻撃を回避すると、その射線軸上にいたエスタルドスと同じ型のMSの右肩を貫く。
ドートレス・ネオに乗っているのが、後先を考えないようなパイロットだったのか、それとも単純にMSの操縦技術が未熟なのか。
その辺りの理由は俺にも分からないが、こちらとしてはラッキーなのは間違いない。
回避行動をしつつ、ストライククローを伸ばしてエスタルドスと同型のMSのコックピットの間近からクロービーム砲を撃ち、これで2機目。
続けて味方を撃った事に動揺するドートレス・ネオのコックピットに、もう片方の手で持っていたビームサーベルを投擲し、3機目を撃破するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2035
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1774