『アクセル、こっちはもういいからガイア達と合流してちょうだい。こっちに入ってきた通信によると、それなりに苦戦しているみたいよ』
敵の数が減ってきたと思ったところで、テンザン級のマリューから通信が入る。
その内容は俺にとって驚くべき事だった。
ガイア達が苦戦していると、そう言っているのだから。
言うまでもなく、ガイア達はUC世界において黒い三連星の異名を持ち、その異名に恥じない実力を持つ。
1人ずつでも勿論高い能力を持つのだが、黒い三連星の真骨頂はやはり連係攻撃だろう。
黒い三連星として行動している時のガイア達を相手にした場合、それこそルナ・ジオン全体で見ても勝てる者は一握りしかいない。
そんな実力を持つガイア達は、当然ながらこのX世界で見ても突出した実力を持つ。
だからこそ、マリューの言葉を素直に信じる訳にはいかなかった。
とはいえ、こんな状況でマリューが嘘を言ったところで意味はない。
つまりこれは、信じたくはないものの、間違いなく事実なのだろう。
「分かった。すぐに行く。……エニル!」
『はいはい、行くわよ』
俺とマリューの通信を聞いていたのだろう。
エニルの乗るアシュタロンはMAに変形して俺の方に近付いて来た。
それに乗ると、すぐにアシュタロンは発進する。
残してきた者達も、敵を全部片付けたらこっちに合流するだろう。
……あるいは、こっちに合流するよりも前に首都の護衛として戻る可能性も高かったが。
そんな風に思っている間にも、アシュタロンは進む。
途中で何機かのドートレス・ネオやバリエントを発見するが、向こうは攻撃をしてくるでもなく、こちらから逃げていく。
本来ならクロービーム砲辺りで攻撃した方がいいのかもしれないが、最初からこっちと戦うようなつもりはなく、ただひたすらに逃げているような相手だ。
攻撃をしようとしても、とにかく逃げるといったような事をされると、倒すのに時間が掛かる。
それに……後ろには俺にとっても信頼出来る仲間達がいる以上、ここで見逃しても特に問題はないだろう。
そう考えていると、不意に通信が入る。
『おう、アクセル。俺も一緒に行くぜ』
映像モニタに表示されたのは、ウィッツ。
そしてエアマスターバーストがアシュタロンの隣に並ぶ。
元々エアマスターバーストはアシュタロンよりも機動性も運動性も高い。
ましてや、現在アシュタロンにはヴァサーゴが乗ってる以上、エアマスターバーストがすぐに追いつけたのは普通に納得出来た。
「一緒に来てくれるのならいいけど、向こうはいいのか?」
『問題ないだろ。腕利きが何人も揃ってるんだし』
ウィッツの言葉には、否と言う事は出来ない。
実際、後ろにいる仲間を信じているのは俺も一緒だからだ。
「分かった。それより……見えてきたぞ。マジか?」
映像モニタに表示されている光景を見て、驚きの言葉を発する。
そこにいたのはガイア達黒い三連星とマリオンの高機動型GXと、ルチルのベルフェゴール。
それはいい。
だが、高機動型GXの何機かは結構な被害を受けており、手足を失っている機体もいた。
ルチルのベルフェゴールが無事なのは……ガイア達が守ったからか、それともルチルがニュータイプとしての技量を発揮した結果なのか。
その辺は完全には分からない。
そして、新連邦のMSだろう2機。
1機は全高30m近い巨体を持ち、見るからに防御力を重視しているという、ずんぐりむっくりといった外見の機体。
もう1機は、両肩の部分が肥大化しているMS。
バリエントでもなく、ドートレス・ネオでもなく、ガディールでもない……見るからに、新型のMS。
とはいえ、両肩が肥大している方のMSはともかく、巨体の方は明らかにMSとして疑問が残る存在だ。
恐らくだが、以前メギロートに撃破された白MS、ミロンガよりも更に機動性に特化したと思しきMSと同じような、実験機か?
シャドウミラーにおけるニーズヘッグのような、フラグシップ機といったような印象はない。
……寧ろ新連邦のフラグシップ機というのなら、DXだろうし。
つまり性能を確認する為の実験機といった感じか?
ともあれ、ガイア達がそれなりに被害を受けている以上、相応の強さを持ってるのは間違いない。
「エニル、進路そのままだ」
『え? ……分かったわ』
一瞬戸惑った様子を見せたエニルだったが、俺の言葉に素直に頷く。
そうして向こうがこっちに気が付くかどうかというところで射程に入り……
「食らえ、デカブツ」
ずんぐりむっくりとしたMSに向かってクロービーム砲を放つ。
だが……
「何?」
映像モニタに表示された結果に、驚きの声を漏らす。
何故なら、クロービーム砲が途中で何かに弾かれたように消えたのだ。
その光景にアシュタロンに乗っているエニルが驚きの声を上げるものの、俺には見覚えがあった。
……いや、見覚えがあるどころの話ではない。
シャドウミラーで使われている機体の大半には、何らかのバリアの類あり、今の光景はその光景そのままだったのだ。
また、シーマを始めとしたUC世界出身の面々にしても、向こうでは非常に珍しいものの、Iフィールドというのがある。
これはビームを防ぐバリアのようなものなのだが、その特性としてミノフスキー物理学を前提としたものだ。
つまり、ミノフスキー粒子同士の特性を利用したバリアであり……ぶっちゃけ、ミノフスキー粒子を使っていないビームには全く効果がないという欠点がある。
もっとも、UC世界で使われているビームというのは俺が知ってる限りだと全てがミノフスキー粒子によるものだ。
そういう意味では、UC世界で使っている分だけなら何の問題もないという事になるんだろうが。
ともあれ、今はそれは関係ない。
物理攻撃を……
「って、エニル!」
こちらの攻撃が命中した事によって、こっちを新手の敵と認識したのだろう。
もう1機、肩の部分が巨大になっているMSがこちらを見ると、大量のミサイルを発射してきたのだ。
エニルに声を掛け、アシュタロンから飛び降りる。
同時にクロービーム砲を発射。
数秒だが、ビームの発射状態を維持したままで薙ぎ払うようにミサイルを撃破する。
元々このクロービーム砲の使い方としては、このような状況を想定されていたのだろうと思えるくらい、ミサイルの迎撃には向いている。
『アクセル、その肩のでかい敵との近接戦闘は避けろ!』
と、不意にガイアからの通信。
敵の2機のMSの注意がこちらに向けられたところで、他の仲間達と共にその場から離れつつの通信。
撤退する時に躊躇わないのも、一流の証だよな。
「どういう意味だ?」
ミサイルを一掃した後、次に肩の大きなMSに向かってクロービーム砲を放とうとするも、向こうはそれを察知したのかバリアを持つ巨大なMSの後ろに隠れる。
……なるほど。あの巨大なMSは盾の役割を持つのか。
とはいえ、あそこまで巨大にする必要があるのか? といった疑問があるが。
あるいはジオン軍でIフィールドを装備していたビグザムが巨大になったように、あのバリアを搭載するには機体を巨大にする必要があったのかもしれないな。
とにかく、あの巨大MSが厄介なのだろう。
ビームはバリアによって防ぎ、実弾兵器は見るからに厚い装甲によって防ぐ。
そういう意味では、鉄壁といった表現が相応しいだろう。
ガイア達が苦戦してるのも、それが原因か。
ただ……こうして見た感じ、あの巨大MSに武器の類があるようには思えない。
ビームライフルとかビームサーベルとか、そういうのも持っていないし。
だとすれば、武器は内蔵式か。
そんな風に考えている間に、肩の大きなMSがヴァサーゴに向かって間合いを詰めてくる。
向こうにしてみれば、アシュタロンよりもヴァサーゴの方が先に始末する相手だと判断したのか。
先程のガイアの近接戦闘を避けろという通信を聞くに、このパイロットは近接戦闘について強い自信を持っていると考えた方がいい。
だとすれば、普通なら距離をとって攻撃をするのが最善なのだろうが、ヴァサーゴは微妙にその手の攻撃に向いてはいない。
メガソニック砲は非常に強力な武器だが、発射するのに相応の時間が掛かるし、何よりも発射する時は反動で機体が吹き飛ばないように機体を固定する必要がある。
かといって、クロービーム砲は……連射性能はそれなりに高いし、ビームを発射したまま数秒固定出来るという特徴もあるものの、純粋に1撃の威力として見るとビームライフルには劣っていたりする。
近接戦闘でストライククローによって相手の意表をついた方向から攻撃するという意味では心強い武器なんだが。
そう考えると、ヴァサーゴって実は微妙に使いにくい……というか、尖った性能の機体なんだよな。
そんな風に思いつつ、間近まで来た相手に対抗してこっちもビームサーベルを引き抜き、肩の大きなMSを迎え撃つ。
ガイアの忠告を無視する形になるものの、この場合は仕方がないだろう。
そうして間合いを詰めてもう少しでビームサーベルの間合いに入る瞬間……不意に、肩の大きなMSは手を振るう。
何だ?
そう思ったが、ガイアの通信を思い出して距離を取る。
すると、ワイヤーのような何かがヴァサーゴの側を通りすぎていくのが見えた。
ワイヤーのような何かではなく、ワイヤーだろう。
それが何なのか、俺には見覚えがある。
ベルフェゴールが装備していた……そして今は俺のヴァサーゴに移植された、ヒートワイヤー。
なるほど、ガイア達はこれにやられたらしい。
例えば、グフ……いや、グフ・カスタムが装備しているヒートロッドはかなり細いものの、それでも目で見る事が出来る。
だが、この肩の大きなMSが使っているヒートワイヤーや、ヴァサーゴに移植したヒートワイヤーは、素早く動いている場合、見るのが困難だ。
いやまぁ、俺は混沌精霊なので、何とか映像モニタ越しでも把握出来ているのだが。
そんな攻撃がこちらに向かって飛んできたのを確認し、半ば咄嗟に俺もまたヒートワイヤーを放つ。
空中で絡まる双方のヒートワイヤー。
ただ、触れてみた感じでは純粋に性能として考えた場合、向こうのヒートワイヤーの方が上だろう。
考えてみれば当然か。
ヴァサーゴが装備しているのは、ベルフェゴールが使っていたヒートワイヤーだ。
そのベルフェゴールが開発されたのは15年以上前で、この肩の大きなMSは恐らく戦後に開発されている。
それも、ミサイルはともかく、ヒートワイヤーはベルフェゴールの持っていたのをベースにしたのだろう。
ヴァサーゴとアシュタロンがベルフェゴールをベースに開発されたのだから、そんな予想は間違っていないだろう。
そして15年前のベルフェゴールをベースにしている以上、新連邦が開発したのなら、ヒートワイヤーの性能は十分に上がっている筈だった。
これが他の組織……それこそエスタルドとかが開発したのなら、15年前の戦争によって色々な技術が消滅していたり、後退していたりする以上、より性能が高いヒートワイヤーを作るような真似は出来ないだろう。
だが、新連邦は違う。
勿論新連邦も15年前の戦争によって技術は後退したのだろう。
だが、それでも生き残りの技術者とかをかき集めていただろうし、何よりヴァサーゴとアシュタロン、DXといったように新型のガンダムを開発するだけの技術を持っていた。
であれば、ヒートワイヤーの性能が上がっていても可笑しくはなかった。
絡まったヒートワイヤーは、当然ながらお互いにコントロールするのが不可能だ。
『はっはっは。まさか俺のブリトヴァと同系統の武器を持ってるとはな! 最高の獲物だ!』
ヒートワイヤーを通して伝わってくる通信。
映像モニタには表示されず、声だけが聞こえてくる。
どうやらこの肩の大きなMS……ブリトヴァと呼ぶらしいが、これに乗ってるのは獰猛な性格をしてる奴らしい。
「エニル、このMSは俺が片付ける。お前はあっちのデカブツを頼む!」
『分かったわ』
即座にそう言葉を返し、アシュタロンは巨大MSに向かって飛んでいく。
一瞬の躊躇もなく俺の言葉に従ったのは、俺が負けるとは思っていないのか、ヒートワイヤーを使うMS同士の戦いに巻き込まれるのを嫌ったのか。
その辺は俺にも分からなかったが、後から応援のMSがくればあっちの巨大MSの対処も可能だろう。
もっとも、俺と相性がいいのはこのブリトヴァというMSではなく、寧ろあっちの巨大なMSなのだが。
ちなみにウィッツのエアマスターバーストは、ガイア達の護衛に回っていた。
「知ってるか? 猟師ってのは、たまに獲物の逆襲で殺されたりもするんだぞ?」
『はっ、俺をそんな2流と一緒にして貰っては困るな!』
叫び、男はブリトヴァに再度右手を振るおうとし……
どうやら向こうはヒートワイヤーの攻撃に特化してるのか、その動きはかなり手慣れている。
そう判断した俺は、ブリトヴァのヒートワイヤーと絡まっているヴァサーゴのヒートワイヤーを解除し、一旦距離を取る。
すると一瞬前までヴァサーゴのいた空間を、何本ものヒートワイヤーが通りすぎるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2050
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1777