転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3446話

 間合いを取ったヴァサーゴに向かい、ブリトヴァはミサイルで弾幕を張りながら間合いを詰めてくる。

 向こうが何を考えているのかは分かっている以上、それを黙って見ている訳がない。

 こちらもまた後方に下がってブリトヴァから距離を取りながら、クロービーム砲を使って小型のミサイルを撃破していく。

 数秒、ビームを発射したままに出来るというのは、こういう時に便利だよな。

 そんな風に思いながら一瞬だけ映像モニタで巨大MSの方を確認すると、そこではアシュタロンがビームを撃っているものの、バリアによって弾かれている。

 また、いつの間にかエアマスターバーストも巨大MSの攻撃に加わっていた。

 先程はガイア達の護衛をしていたのだが……いや、敵の中で高い攻撃力を持つブリトヴァを俺が担当し、残るのは攻撃手段に乏しい巨大なMSだけだ。

 その巨大なMSも、エニルのアシュタロンによって何度も攻撃をされ、防戦一方だ。

 ……というか、防戦しかしておらず、攻撃に回る様子はない。

 その為、ウィッツもガイア達の護衛に回るよりも、巨大なMSに対処した方がいいと判断し、攻撃に回ったのだろう。

 もっとも、2機がかりでも巨大なMSにダメージを与える事は出来ないようだったが。

 あのバリアで防げるのはビームだけらしいと判断したエニルが、アシュタロンをMS形態にしてアトミックシザーズを振るう。

 だが、その時はバリアは発生しないものの……その巨体を構成している分厚い装甲によって攻撃は防がれ、ダメージを与える事が出来ない。

 これはまた……馬鹿らしいが厄介なMSを作ったものだ。

 

「っと!」

 

 ミサイルを弾幕にして間合いを詰めようとしたブリトヴァだったが、それではこっちに追いつけないと判断したのだろう。

 追加のミサイルを撃ってくる。

 敵もエースらしく、相応の技量はあるのだが……それでも、俺を捉えるような事は出来なかった。

 次々に攻撃を回避しつつ……ここで一気に前に出る。

 まさか敵もここでいきなり俺が前に出るというのは予想してなかったのか、一瞬だけ混乱で動きが止まる。

 もし俺が普通の操縦技術しか持たないパイロットなら、見逃していただろう一瞬の混乱。

 しかし、俺にとってはその一瞬があれば十分だった。

 その一瞬の隙を突き、一気に前に出る。

 同時にクロービーム砲を撃ち、それがブリトヴァの放ったばかりのミサイルに命中して周囲を多数の爆発で包む。

 普通にミサイルに命中しただけなら、そこまで大きな爆発には鳴らなかっただろう。

 だが、俺の撃ったクロービーム砲のビームは、ブリトヴァの放ったミサイルに命中し、その爆発が連鎖的に他のミサイルにも及んだのだ。

 ブリトヴァはミサイルが連鎖的に爆発したことに驚いたのか、一瞬にも満たない時間動きを止め、そのままクロービーム砲でコックピットを狙おうとし……

 

「またか」

 

 再び振るわれるヒートワイヤー。

 ブリトヴァはヒートワイヤーをメインの武装にしている以上、この攻撃は当然だろう。

 ましてや、ミサイルでヴァサーゴを捉えることが出来ないのだから、向こうがそれを使わないといった選択肢はないのだろう。

 スラスターを全開にして、機体を急激にバックさせる。

 一瞬前までヴァサーゴのあった空間を通りすぎるヒートワイヤー。

 向こうのパイロットにしてみれば、上手い具合に俺を後退させたと思っているだろう。

 しかし、それは甘い!

 ヒートワイヤーを回避し、目の前を通りすぎた瞬間、再びスラスターを全開にして一気に前に出る。

 それこそ普通の人間ならGによって不可能だろう動きも、混沌精霊の俺にとってはそう難しくはない。

 もしブリトヴァのヒートワイヤーが左右両方使えたのなら、ヴァサーゴが前に出た瞬間にもう片方のヒートワイヤーを振るうといった真似も出来たのだろう。

 だが、そうではない以上、向こうにはこの状況で打てる手は……ない訳ではないが、そう多くはない。

 そして咄嗟にミサイルを発射しようとするが……

 

「甘い」

 

 クロービーム砲がコックピットと接触した状態でトリガーを引き……次の瞬間、ブリトヴァのコックピットは撃ち抜かれるのだった。

 よし、MSにそれなりにダメージを与えてしまったが、それでもこのMSを確保出来たのは大きい。

 そして攻撃を担当していたブリトヴァが撃破された以上、防御を担当しているあの巨大MSも、これ以上の抵抗は無意味だろう。

 

『アクセル!』

 

 モニクが映像モニタに表示される。

 周囲の様子を確認すると、丁度俺がブリトヴァを倒したタイミングで後方からやって来た他の面々が追いついたらしい。

 

「モニク、残りの敵はあの巨大なMSだけだ。あっちも俺が片付けるから、他に新連邦の部隊がいないかどうかを確認してくれ」

『いいの? ……アシュタロンとエアマスターバーストでも、手も足も出てないみたいだけど』

 

 モニクが心配そうな視線をこちらに向けてくる。

 高機動型GXの切り札とも呼べるディバイダーを食らってもバリアによって攻撃が通じないのだから、無理もない。

 あるいはガロードのツインサテライトキャノンを使えば、もしかしたら……とも思うが、エスタルドの首都の近くでそんな真似をするのは避けた方がいいし、何よりそんな真似をすれば倒す事が出来たとしても、MSが跡形もなくなってしまう。

 あのMSのバリアには興味があるので、是非とも入手しておきたい。

 

「任せろ」

『……分かったわ。気を付けてね』

 

 モニクはそう一言だけ言うと、通信を切る。

 いや、別にそこまで覚悟を決める事じゃないんだが。

 現在あの巨大MSと戦っている味方の様子を見れば、そんな風に思ってもおかしくはない。

 おかしくはないが……

 

「俺にはこれがある。……直撃」

 

 精神コマンドの直撃を使う。

 相手の特殊な防御方法……この場合は、あのビームを防ぐバリアとかだが、それを無効化する能力を持つ精神コマンドだ。

 他にも幾つか精神コマンドを使えるのだが、愛と並んで強力な精神コマンド。

 何しろ向こうが頼りにしているバリアとかそういうのが、全く効果がなくなるのだから。

 ストライククローを使って地面に機体を固定し、ヴァサーゴが持つ武器の中でも最強の攻撃力を持つメガソニック砲の発射態勢に入る。

 精神コマンドの直撃を使ったのだから、クロービーム砲でもいいのではないか。

 そうも思わないでもなかったが、クロービーム砲は威力はそこまで高くない。

 直撃を使って無効化出来るのは、あくまでも敵の特殊な防御だけだ。

 あの巨大MSだと、バリアは無効化出来るが装甲は無効化出来ない。

 そしてクロービーム砲の威力が高くないということは、あの装甲に攻撃を防がれる可能性は十分にあった。

 勿論、威力が低いとはいえ、ビーム攻撃である以上は装甲で攻撃を受けても無傷とは思えない。

 思えないが、それで活動に支障が出るくらいのダメージかと言われれば、それは否だ。

 なら、折角直撃を使うのだから、メガソニック砲を使えばいい。

 サテライトキャノンよりも威力は弱いし、上手い具合に命中場所をこちらでコントロールすれば、機体を残す事も不可能ではないだろう。

 もっとも、エスタルドの首都の近くで云々というのは……目を瞑って貰うとしよう。

 

「全機、こちらの射線軸上から退避しろ」

 

 オープンチャンネルでそう告げる。

 仲間内だけの通信ではなく、ここで敢えてオープンチャンネルにしたのは、あの巨大MSの視線をこちらに向けるのを目的としていた為だ。

 向こうにしてみれば、いきなりの展開に驚くのは無理もないだろうし。

 何より、その巨体から機動性や運動性は限りなく低い。

 何らかの緊急脱出用のブースターの類でもない限り、この状態で逃げ切るといった真似は不可能だろう。

 1歩歩く度に地面が沈むその様子を見れば、巨大MSの重量がどれくらいなのかを想像するのは難しくない。

 なら、回避をするのはまず不可能だろう。

 そんな訳で、味方機が全てこちらの射線軸上から回避したところで、ストライククローによってしっかりと機体を固定し……

 

「メガソニック砲、発射」

 

 その言葉と共にトリガーが引かれ、ヴァサーゴの胴体から放たれた膨大なビームが巨大なMSに向かって放たれ……

 あるいは、巨大MSのパイロットは、それを見た瞬間には勝ったと思ったのかもしれない。

 何故なら、放たれたのは高出力とはいえ、ビームだ。

 向こうにしてみれば、バリアによってそのビームを防げるという確信を抱いてもおかしくはない。

 おかしくはないのだが……しかし、次の瞬間にはヴァサーゴから放たれたメガソニック砲は、敵のバリアがまるで展開されていないかのように素通りして巨大なMSに命中する。

 

『な……』

 

 そんな声を漏らしたのは、一体誰だったのか。

 自分達のビーム攻撃が全く通用しなかったのに、ヴァサーゴのメガソニック砲は通用したのだ。

 それに疑問を抱くなという方が無理だろう。

 さて、これについてはどう誤魔化すか。

 いや、魔法とかを堂々と使っているのだから、別に誤魔化す必要もないか。

 これもまた魔法だと言っておけばいい。

 ……実際には魔法ではなく精神コマンドという、似て非なるものなのだが。

 ともあれ、巨大MSはメガソニック砲によって右半身のかなりの部分が消滅した。

 後は、これで誘爆を起こさないといいんだが。

 右半身の大半が破壊されてしまった以上、誘爆をする可能性がある。

 そして誘爆をした場合、バリアの発生装置が破壊されるという可能性も十分にあった。

 そうなるとこっちとしては最悪の結果なのだが、だからといって防御力にここまで自信のある敵が大人しくこっちの降伏勧告を聞くとも思えなかったし。

 胴体にあるメガソニック砲の砲身――という表現が正しいのかどうかは微妙だが――を閉じて、ヴァサーゴは普通の状態になる。

 それを確認すると、1歩ずつ巨大MSに向かって近付いていく。

 向こうは今のところ、全く反応がない。

 ……反応がないにしても、パイロットが気絶をしているだけなのか、それとも実は右の部分にコックピットがあって、コックピット諸共に消滅したのか。

 その辺りについては生憎と俺にも分からないが、出来ればコックピットが右半身になければいいと、しみじみ思う。

 

『お、おい。アクセル。そのまま近付いても大丈夫なのかよ?』

 

 ガロードのDXからの通信。

 圧倒的な防御力を誇っていた敵である以上、この状況でもまだ動けるかもしれないと考えたのだろう。

 実際、その判断は決して間違ってはいない。

 もしかしたら……そんな風に思うのだから。

 とはいえ、動いたら動いたでそれに対応すればいいだけだし。

 

「向こうが動いたら、援護をよろしく頼む。まずはパイロットを引きずり出す必要があるし」

 

 この巨大なMSのパイロットは、恐らくまだ生きている。

 消滅した部分はあくまでも機体の右側だけなのだから。

 さっきも思ったが、普通に考えてコックピットが右側にある可能性はかなり低いだろうし。

 

『分かったよ。けど、気を付けろよ?』

 

 ガロードが心配する言葉に応えながら、ヴァサーゴのコックピットを開く。

 そして空中を飛びながらコックピットから出て、巨大MSの方に向かい、コックピットのある場所を探す。

 もし俺が空を飛べなければ、コックピットを見つけるにもかなりの苦労をする事になっただろう。

 そういう意味では、こうして空からコックピットを探せるってのは楽だよな。

 あ、でもスライムを使った方が手っ取り早かったりするのか?

 スライムを使えば、生きてるなら生きてる、死んでるのなら死んでるで……そんな風に思った瞬間、ふと視線を感じて振り返る。

 だが、そこには誰の姿もない。

 視線を感じるというだけなら、それこそ恐らくここにいる多くの者達が映像モニタ越しに俺を見てるだろう。

 しかし、今の視線は濃密な憎悪とでも呼ぶべき視線だった。

 一体誰か何を思ってこんな視線を送ってきた?

 そう思ったのだが、周囲の様子を見ても特に誰の姿もない。

 ……気のせいか?

 いや、でも俺の混沌精霊としての力が、今の視線は決して気のせいではなかったと言っている。

 そうなると、考えられるのは新連邦の……この部隊の生き残りとかか?

 この部隊に所属している者なら、新連邦の切り札である2機の特殊なMSを撃破した俺を恨んでもおかしくはない。

 もっとも、この場合重要なのはMSではなくパイロットだ。

 ブリトヴァのパイロットは俺が殺したが、この巨大MSのパイロットは……ステータスを確認すると、この巨大MSのパイロットの分の撃墜数はない。

 つまり、この巨大MSのパイロットは生きてるって事だ。

 そうなると、さっきの憎悪の視線を向けてきた奴も、パイロットを取り返そうと襲ってきたりするのか?

 そんな風に思いながら、俺は巨大MSのコックピットを探すのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2055
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1778
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