苦労して巨大MSのコックピットを見つけると、そこには1人のパイロットが気絶していた。
顔立ちは整ってる……と言ってもいいだろう。
10人に聞けば、半分より若干多いくらいは美形だというのではないか。
そんな顔立ちの男。
特徴的なのは、その顔の右側の上半分くらいが隠れるような奇妙な髪型だろう。
MSパイロットとして、そんな髪型では戦闘に支障が出ると思うんだが。
そのように疑問を抱くも、敵がそういう事になったら別にいいか。
コックピットから引き出し、地面にその身体を寝かせると、巨大MSに触れて空間倉庫に収納する。
このMSについては、後で調べて貰おう。
バリアについては興味があるし。
ただ、この巨大さを思えば、恐らくバリアの小型化は難しいんだと思う。
そうなるとMSに搭載するのは難しい筈だ。
それとも、ビームはバリアで防ぐとして、ミサイルとかの実弾がある攻撃に対処する為に装甲を厚くした結果、この大きさになったのか。
ともあれ、このMSパイロットは……
「ジャミル!」
GXに乗って、周囲を警戒しているジャミルを呼ぶ。
最初は俺が生身で巨大なMSに近付こうとしていた時に、向こうが何か妙な真似をしないかどうかといったように警戒していたのだが、パイロットを下ろして、その巨大なMSもなくなった今となっては、そこまで周囲を警戒したりはしていない。
『どうした?』
「このMSパイロット、フリーデンに……というか、北米連邦に預ける」
『……いいのか? そのMSを倒したのはアクセルだ。それを思えば、アクセルが身柄を預かっても問題ないと思うが』
「俺はMSを貰えれば構わない。それに、このパイロットは見るからに特別だ。だとすれば、新連邦の重要な情報を持ってる可能性も否定は出来ないぞ」
『それは……すまない。感謝する』
結局ジャミルは俺の言葉に頷き、このパイロットを引き取る事に同意する。
このパイロットが具体的にどのような情報を持ってるのかは分からないが、それでも何かを得られるといいな。
俺にしてみれば、この男の持っている情報に興味はない。
いや、バリアについて詳しい技術情報を持ってるのら、話は別だが。
見た感じ、この男はパイロットではあっても技術者ではない。
「じゃあ、そろそろ戻るか」
空間倉庫の中から取りだした紐で男の手足を結び、猿轡をして喋ったり動いたり出来ないようにする。
「むぐ!?」
さすがにここまでされると起きるのか、男は目を覚ますも……猿轡をされて手足を結ばれている以上、この状況で何かを出来る訳もない。
それでも状況が分からないのか暴れる男を、GXの手の上に乗せる。
「お前は捕虜になったんだ。大人しくしていろよ」
そう告げ、殺気を込めて睨み付ける。
「っ?!」
瞬間、男は何故か……本当に何故なのかは分からないが、動きを止める。
いや、殺気を込めた視線で見たのだから、動きを止めるのはそうおかしな話ではない。
しかし、その表情がどこか陶酔した色なのは……もしかして、そういう趣味なのか?
うん、改めてこの男をジャミルに任せてよかったなと、しみじみ思う。
この男の扱いに関しては、ジャミル……というか、北米連邦に任せておいた方がいい。
ここで迂闊に関われば、面倒な事になるような気がするし。
そっとGXの掌の上の男から視線を逸らすと、ブリトヴァもついでに回収してからヴァサーゴのコックピットに戻る。
「さて、そろそろ帰るか。エスタルドの首都を狙っていた敵部隊は壊滅させた。文句なしに、俺達の完全勝利だ」
その言葉に、何人かが歓声を上げる。
今回の新連邦の作戦は、それなりに手の込んだものだった。
ガスタールの反乱軍に兵器を出し、更にはガスタール政府の中で新連邦と繋がっている奴も大いに使っての作戦。
新連邦にしてみれば、北米連邦の件もあってエスタルドは絶対に叩いておきたかったのだろう。
あるいは、こっちに俺がいなければ今回の作戦は成功しただろう。
だが、新連邦は影のゲートという転移魔法を俺が使えるとは思っておらず、完全に作戦を失敗した。
今回の件は新連邦もかなり力を入れていた作戦なのは間違いないが、それだけにこの作戦が失敗した事によって新連邦が……そしてガスタールが受ける被害も大きかった。
特に新連邦と繋がっているガスタールの政治家は、今回の件で色々と追及されるだろう。
その結果、逮捕されるのか、言い逃れに成功するのか、政治家を辞めるのか、自殺するのか……あるいは口封じとして潰されるのか。
その辺は俺にも分からないが、ガスタールの対応によっては、エスタルドやノーザンベルもこれからどのように接するのかが決まるだろう。
『悪いな、アクセル。足を引っ張った』
ガイアからの通信。
こっちの完勝だと表現したものの、実際にはガイア達の高機動型GXはそれなりに被害を受けている。
勿論撃破はされていないものの、そういう意味では完勝という表現は微妙なところなのだろう。
「気にするな。あの巨大MSの性能を思えば、攻撃をしてもダメージを与える事は出来なかっただろうし、ヒートワイヤーを装備している敵と戦って撃破されなかっただけ、上出来だと思うぞ」
ヒートワイヤーは、混沌精霊の俺だからこそ映像モニタ越しに把握出来たのだ。
そうでなければ、そう簡単に把握するような真似は出来ない。
あるいはニュータイプなら……いや、咄嗟にどう行動しようとしても、見えない相手の攻撃を回避するのは難しいか?
もっとも、マリオンとルチルがいたのを思えば、もしかしたら何か怪しいとは思ったかもしれないが。
『そう言って貰えると助かるよ』
そう言うガイアだったが、自分の中ではまだ完全に今回の状況を納得した訳ではないのは明らかだった。
別に完全に負けた訳じゃない以上、そこまで気にする必要はないと思うんだが。
黒い三連星の異名を持つ者として、納得出来なかった……といったところか。
「じゃあ、エスタルドの首都に戻るぞ。向こうでも色々とやる事はあるし」
もっとも、向こうでやる事の大半はジャミルとかがやるべき事だ。
俺も……まぁ、少しはそれに協力をするとかはあるのかもしれないが、結局のところそれだけだろう。
エスタルドやガスタールにしてみれば、本気で寝る暇もないくらいに忙しくなるだろうけど。
『分かった』
ガイア達も頷き、こうして俺達はエスタルドの首都に戻るのだった。
「感謝する。もしジャミル代表達がいなければ、恐らくこの街は大きな被害に遭っていただろう」
俺達がエスタルドに戻るとすぐに面談が用意され、その面談の中でエスタルドの代表であるウイリスがそう言い、頭を下げてくる。
実際、敵の新型MS2機であったり、ドートレス・ネオやバリエントといったMSの攻撃は、俺達がいなければ防ぐようなことは出来なかっただろう。
もっとも、首都に対する攻撃を防ぐという意味では、俺達が最初にエスタルドに来た時に行われた爆撃もあるのだろうが。
「いや、エスタルドは北米連邦の協力国だ。その協力国が被害を受ける可能性があったと考えると、私達の今回の行動は問題ないだろう」
断言するジャミルだったが、北米連邦の面々にしてみれば、自分達の代表が戦場で戦うといった真似をしているのだ。
その件について、色々と思うところがあってもおかしくはない。
これでジャミルも俺みたいな混沌精霊なら、どういう攻撃をされても生き残れるという事で、許容されるのかもしれないが。
……いや、駄目だな。
北米連邦の一員となるアルカディアが所属するシャドウミラーの代表の俺が混沌精霊であるのは、まだ何とか許容範囲ではあるだろう。
だが、国のトップが人間ではないというのは、一員である俺が人間ではないというのとは比べものにならないくらい、嫌悪感を抱く者がいてもおかしくはなかった。
そんな風に考えている間にも、ジャミルとウイリスを始めとしたエスタルドの面々との会話は続く。
なお、ジャミルの補佐としてサラの姿もあり、そちらからも活発に意見が出ていた。
ジャミルだけでは補えない場所も、サラなら十分に補えるといったところだろう。
サラにとっては、ジャミルの側にいる事が出来るので、今の状況は決して悪くはないのだろう。
「それで、ですが。今回の件で恐らく新連邦はかなりの戦力を消耗した筈です」
サラのその説明に、話を聞いていた者達の多くが頷く。
俺もサラの意見には賛成だった。
何しろ今回の一件は、新連邦にとってもこれ以上ないくらいの戦力を使ったのだ。
ガスタールの反乱軍に結構な量のMSを提供し、その上でエスタルドの首都を狙ったのだ。
その上、その首都を狙った舞台には巨大MSとブリトヴァという2機の特殊なMSも用意されていた。
その辺の状況を考えれば、新連邦にとって今回の戦いでは南アジアに対する戦力の多くを使ったのは間違いない。
つまり……
「南アジアにおける新連邦の戦力は残り少ない」
「その通りです」
俺の言葉にサラは同意するように頷く。
他の者達も今までの会話の流れから予想はしていたのだろうが、俺がはっきりと断言したのがこの場合は効果的だったのだろう。
「ですが、新連邦がいるのはこの辺りだけではありません。そう考えると、援軍を派遣してくるのでは?」
和平派のグラントが、そう疑問を口にする。
グラントにしてみれば、新連邦がこれ以上戦力を傾けてくるというのは出来るだけ避けたいのだろう。
「どうだろうな。可能性とした半々といったところだと思う」
俺の言葉に、会議に参加していた者達の視線が集まる。
そんな視線を感じつつ、俺は説明を続ける。
「普通に考えれば、新連邦はこの南アジアだけではなく世界中で侵略戦争を引き起こしてるんだ。勿論、前もってそうなってもいいように準備をしてから新連邦の樹立宣言をしたんだろうが、それを考えた上でも南アジアでの戦力の消失は大きなダメージの筈だ」
爆撃機とかは、MS数機分……あるいは10機分以上のコストは必要だろうに、俺達に全滅させられている。
また、その基地もDXのツインサテライトキャノンによって消滅しているのだ。
そしてノーザンベルの首都を襲おうとしたMS部隊はメギロートやバッタに襲われ、ガスタールの反乱軍を使った今回の陽動も失敗した。
勿論、これはあくまでも俺が知ってる限りの戦いでしかない。
ガスタールはともかく、エスタルドとノーザンベルもまた新連邦と戦っており、それによっても多少なりともダメージを受けている筈だった。
そう考えれば、普通なら南アジアから撤退という選択肢を選んでもおかしくはない。……あくまでも普通なら、だが。
しかし、生憎と今はとてもではないが普通と呼ぶべき状況ではない。
特に新連邦にとって。
その結果が、現在のエスタルドと北米連邦、そして新連邦の状況だった。
「私は新連邦はこちらに追加の戦力を送ってこないと思います」
「サラがそう断言する理由は?」
俺もそっちの可能性が高いとは思うのだが、サラが何を根拠にそのようなことを言ってるのか気になり、尋ねる。
この会議室にいる面々を思えば、別に俺が尋ねなくても、誰かが尋ねていただろうが。
「アクセルさんが仰るように、新連邦は北米連邦の件で南アジアを注意深く見守っています。それは間違いありません。そして普通に考えれば、ここで手を引くとそれは新連邦が負けたと認識されるでしょう」
「まぁ、それはそうだろうな。もしそれが明確になったら、北米連邦としての戦果である以上、間違いなく北米連邦が公表するだろうし」
現状、このX世界において俺達北米連邦と新連邦だけが全世界に通信出来る技術を持っている。
そんな中で新連邦が南アジアから撤退するといった真似をした場合、当然ながら北米連邦はそれを大々的に公表するだろう。
「そして新連邦は、自分達の撤退は敗北ではなく戦略的なものだと言うかもしれません。……いえ、あるいは実は撤退しておらず、まだ戦闘中であると主張する可能性もあります」
「……それはさすがに無理があるのでは?」
グラントがそう言うが、サラは頷く。
「無理があるのは間違いないでしょう。ですが、通信技術が限定されている以上、南アジアに住む人達以外の者にしてみれば、どちらが真実を言ってるのかは分かりません」
「例えば、北米連邦側で南アジアの様子を放映するというのはどうだ? それを見れば、多くの者が北米連邦側の言葉が正しいと認識するだろう」
「北米連邦に好都合な場所だけを放映していると反応してくると思います」
俺の言葉にあっさりと返すサラ。
だが……まぁ、言われてみれば確かに。
新連邦が認めない場合、水掛け論になって結果が出ないという事になってもおかしくない。
「なら、どうする?」
「そういうつもりにならないように、以前の無人機の偵察で判明した新連邦の基地を根こそぎ破壊し、それを放映してみるというのはどうでしょう?」
そんな言葉に、会議室の中にいる者達は納得と驚愕の表情をそれぞれ浮かべるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2055
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1778