転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3449話

「本当ならもう少し時間が欲しかったんだけどね」

 

 明日には南アジアに残っている新連邦の基地を攻撃するという日の夜、テンザン級にある俺の部屋でマリューがそう言ってくる。

 もう少しで眠ろうかというくらいの頃、不意にマリューの口から出た言葉に疑問を持つ。

 

「何がだ?」

「あ、私は知ってるわよ? 一緒にブリッジにいるから」

 

 この部屋にいる最後の人物、ミナトが笑みを浮かべてそう言う。

 この様子だと、別に悪い報告って訳じゃないらしいが。

 一体何があったんだろうな。

 

「それで?」

「うーん、別に隠しておくようにとは言われてないし、そもそもマリューが意味ありげな事を言ったんだから、ここで話してもいいんじゃない?」

 

 ミナトの言葉に、マリューは呆れの視線を向ける。

 それでも本気で怒っている訳ではなく、どこか仕方がないわねといった母性を感じるのはマリューの性格故か。

 実際にはマリューとミナトでは4歳しか年齢は違わないのだが。

 もっとも、双方共に時の指輪をしているので年齢というのは意味のないものになっている。

 それにマリューは技術班として魔法球に頻繁に出入りしているし、またホワイトスターに俺がいる時はほぼ毎日のように俺に抱かれて、その結果体力を回復させる意味でも魔法球で休んだりしている。

 そういう意味では、お互いに年齢差は基本的に考えないようになっていた。

 そんな状況であっても、マリューや千鶴の持つ母性……いや、包容力とでも呼ぶべきものは、しっかりと働いているのだが。

 

「それで? 具体的には何があったんだ? どうやらマリューとミナトは分かってるようだけど」

「あら、ごめんなさい。ミナトが言ったように、この件は別に隠しておくつもりじゃなかったのよ」

 

 マリューがミナトから視線を逸らすと、俺に向かって困ったように笑う。

 それでも本当に怒ってるように見えない辺り、一連の動きが一種のじゃれ合いだという自覚があるのだろう。

 

「ホワイトスターの魔法球で、技術班がオーラマシン……具体的にオーラバトルシップを研究していたでしょう?」

「ああ。……って、もしかして……」

 

 この話の流れでこういう風に言ってくるという事は、マリューが何を言いたいのか何となく理解出来た。

 

「あら、分かったみたいね。ええ、アクセルが予想している通り、ウィル・ウィプスの修理が終わったと連絡があったわ。もっとも、色々と手を入れたから現在は最終調整中で、もう数日あればそれも終わるという話だったんだけど」

「それは、また……」

 

 ウィル・ウィプス。

 それはドレイク軍の旗艦だったオーラバトルシップだ。

 オーラバトルシップというのは、しっかりとした枠組みがある訳ではない。

 無理矢理その枠組みを作るとなると、普通のオーラシップよりも巨大というくらいか。

 そんなオーラバトルシップの中で、ウィル・ウィプスは最強のオーラバトルシップと呼ばれている。

 攻撃力や機動力、防御力、外見の美しさ……それらでは突出した他よりも劣るものの、総合性能という点ではウィル・ウィプスが最強と言われていた。

 いやまぁ、外見の美しさというのはともかくとして。

 つまりバランスのいいオーラバトルシップなのだ。

 だからこそ、レモン達もウィル・ウィプスを修理し、改修するつもりになったのだろう。

 ちなみに現在俺が知ってる限り、オーラバトルシップというのはアの国のウィル・ウィプス、クの国のゲア・ガリング、ラウの国のゴラオン、ナの国のグラン・ガラン、そして俺が保有していたヨルムンガンドがあるのだが、この中でゲア・ガリングだけを鹵獲していない。

 ……いや、ゲア・ガリング以外の全てを鹵獲していると言うべきか。

 そしてオーラ力で動くオーラバトルシップというのは、技術班にとってはかなり興味深かったのか、今までずっと研究を行っていたらしい。

 勿論、オーラマシンの研究だけをしていた訳ではないだろうが。

 魔法球の時間の流れは、外の1時間が48時間だ。

 もしオーラマシンの研究だけをしていたのなら、もうとっくに修理とかそういうのは終わっていてもいい筈だったし。

 

「このX世界にウィル・ウィプスを持ち込むつもりか? いやまぁ、今更かもしれないけど」

 

 マリューの言葉に最初は驚いたものの、すぐに納得……というか、諦めたように言う。

 このX世界は、基本的に半ば壊滅している世界だ。

 現在は復興に向かっているとはいえ、それでも完全に復興するのはいつになるのか分からない。

 そんな世界だからこそ、俺はフリーのMS乗りとして活動していた時はともかく、シャドウミラーの代表として動いている時は魔法を隠すといった真似をしなかった。

 他にもメギロートやバッタといった存在も同様に。

 そういう意味では、別にここでオーラバトルシップを出しても、そこまで問題ないのでは?

 それこそ、オーラバトルシップはその動力について何も言わなければ、普通に空を飛ぶ戦艦といったようにしか見えないし。……形は少し特殊だが。

 それでもグラン・ガランよりは普通の形をしているし。

 オーラ力というのを知らない者にしてみれば、魔法の方が驚くような代物なのは間違いない。

 そういう意味では、ウィル・ウィプスを使っても問題ないというのは分かるのだが……

 

「けど、そうなるとフリーデンと一緒に行動は出来なくなってしまうぞ?」

 

 陸上戦艦のフリーデンと空を飛ぶウィル・ウィプスでは、どうしても移動速度が違いすぎる。

 以前キッドからちょっと聞いた話によると、フリーデンの巡航速度……つまり普通に走る速度が時速160km前後だった筈だ。

 それと比べると、俺がドレイク軍と行動を共にしていた時にショットから聞いた話によると、ウィル・ウィプスは時速360kmだった筈。

 実に2倍以上の差がある。

 しかもこの時速360kmというのは、あくまでも俺が知ってる限り……ドレイクが使っていた時の話だ。

 レモン達技術班が修理して改修した今、どのくらいの性能になっているのかは分からないが、それでも以前と同じという事はないだろう。

 ホバー移動のフリーデンと、空を飛ぶウィル・ウィプス。

 これだけでも移動速度が違いすぎる。

 

「そうね。でも……ジャミルもいつまでも前線で戦うといった真似をする必要はないでしょう? 今は、北米連邦として活動する前にエスタルドに関わったからいいけど、この件が終わったらジャミルには北米連邦の代表として、北米で活動して貰った方がいいわ。誰でもアクセルのような事が出来る訳じゃないんだから」

 

 マリューのその言葉は、かなり真剣なものだ。

 それこそ、本気で言ってるのが分かるくらいに。

 ……なるほど、話の流れを考えると、最初からマリューはジャミルを北米に戻すのを狙っていたのか?

 

「サラにでも頼まれたのか?」

「……さぁ、どうかしらね」

 

 質問に対し、一瞬だけ沈黙したマリューの様子を見れば、恐らく俺の予想は当たっているのだろう。

 いやまぁ、普通に考えて国の代表……それもこのX世界においては、新連邦と互角にやり合えるだけの実力を持った大国の代表が、最前線でMSに乗って戦ったり、フリーデンの艦長として行動したりするといった真似をする方がおかしいのだが。

 ましてや、サラにとってジャミルはそれだけではなく、愛する男でもある。

 その辺を心配してもおかしくはないし、その件でマリューに相談をしてもおかしくはない。

 とはいえ、マリューもそんなサラの相談を聞いても、それだけで特に行動を起こすといった真似はしないだろう。

 だが……ちょうどそのタイミングで、ウィル・ウィプスの改修が終わったと連絡がくればどうなるか。

 これ幸いと、こうして話を持ちだしてきたという可能性も否定は出来ない。

 もっとも、それについては俺はどっちでもいい。

 ジャミルは俺に自分が最前線に立つといった選択を口にしたのだ。

 それをそのまま貫き通すか、北米連邦の代表になった事を自覚するか。

 その辺は結局ジャミルが自分で決める必要があるのだから。

 

「ウィル・ウィプスか。……幸い、このテンザン級を動かしているのはほぼ全員がこっちの手の者だ。そういう意味では、テンザン級からウィル・ウィプスに移っても問題はないな」

 

 基本的にテンザン級を動かしているのは、量産型Wやコバッタ、そしてエルフ達だ。

 違うのは、シーマ達を始めとしたUC世界からやって来た者達だろう。

 だからこそ、ウィル・ウィプスに乗り換える事になっても、そこまで混乱はないと思いたい。

 もっとも、今まで陸上戦艦だったのが空を飛ぶオーラバトルシップに乗り換えるのだ。

 色々と違うところも出てくるので、混乱はするだろうが。

 

「空を飛べるのはいいけど、攻撃力は落ちる事になるな」

「そうね。でも、それはそもそもテンザン級の攻撃力が特殊すぎるからでしょう?」

「連装メガソニック砲は、普通はちょっとやりすぎなのは同意するわ」

 

 マリューの言葉にミナトが同意する。

 現在のテンザン級の最大の特徴は、やはり連装メガソニック砲だろう。

 ヴァサーゴが使う普通の……単発のメガソニック砲でさえ、その威力は非常に強力なのだ。

 だというのに、それが連装式となっているテンザン級は純粋に攻撃力だけならX世界の陸上戦艦の中で間違いなくトップだろう。

 それは言い換えると、過剰な攻撃力と表現されることになるかもしれないのだが。

 

「でも、そうなるとテンザン級はどうするの? あの連装メガソニック砲はともかく、ブラックホールエンジンを搭載しているとなると、迂闊に北米連邦の他の人達に貸す訳にもいかないでしょう? それに、この大きさを考えるとアルカディアに配備するのも問題でしょうし」

「え? でもマリューの言いたいことも分かるけど、元々テンザン級はアルカディアに保管されていたんでしょう? なら、このままアルカディアで使った方がいいと思うけど。幸い、量産型Wやコバッタがいればテンザン級は動かせるんだし」

 

 ミナトのその言葉に、俺はなるほどと納得する。

 アルカディアには多くのバルチャーが集まっているし、メギロートを始めとした無人機も多数配備されている。

 また、いざとなればゲートを使ってホワイトスターから援軍を呼ぶ事も出来るだろう。

 だが、目玉となる戦力の1つくらいは置いておいた方が、抑止力という点では大きい。

 抑止力というのは、そもそも相手に攻撃させないようにするというのが大きな役割なのだから。

 

「テンザン級が置いてある場所に、迂闊に攻めてくるような真似はしないか」

「連装メガソニック砲がある以上、纏めて襲ってきても意味がないものね。サテライトキャノンと違って、月が出ていなくても使えるし」

 

 ミナトがしみじみと呟く。

 X世界において最強の攻撃力を持っているサテライトキャノン……ツインサテライトキャノンもだが、それを使うには月からマイクロウェーブを受け取る必要がある。

 15年前の戦争の時なら、マイクロウェーブを中継する衛星が地球上に結構な数があり、それを使うことによって月が出ていない場所でも問題なくサテライトキャノンを使えた。

 だが、宇宙革命軍にしてみれば、そんな厄介な存在をそのままにしておく筈もない。

 サテライトキャノンを持っているGXを倒すのは難しいのかもしれないが、マイクロウェーブの中継衛星を破壊するのは難しい話ではない。

 あるいは旧連邦軍も中継衛星に護衛を付けていたり、もしくは破壊されても問題ないように多数の衛星を用意していた可能性もあるが……結局のところ、今のX世界にはその中継衛星が存在しない。

 それが全てだ。

 宇宙革命軍にしてみれば、それだけサテライトキャノンの存在は脅威だったという事か。

 そういう事ならいっそ月にあるマイクロウェーブ発信設備の方をどうにかしてもいいと思うんだが。

 それこそ、宇宙革命軍は大量のコロニーを地球に落としたのだから、それと同じようにマイクロウェーブ発信設備にコロニー落としをするという手段に出てもおかしくはない。

 そういう真似をしなかったという事は、多分……本当に多分だけど、宇宙革命軍もそのマイクロウェーブ発信設備を自分達の為に利用しようとしていたとか?

 そうでもなければ、マイクロウェーブ発信設備をそのままにしておくというのはちょっと理解出来ない。

 まぁ、とにかくその辺の技術をどうにか入手出来たら……あー、でも新連邦がDXを開発したのを考えると、迂闊にそういうのを作るとこっちにも被害が出るか?

 あるいは中継衛星は使うのに何らかの登録が必要とか、そういう感じにするのは……

 そうなると、面倒な事になりそうだし、今のままでいいか。

 月が出ていない時はメガソニック砲があるし。

 もっとも、それを言うのならメガソニック砲を持っているヴァサーゴは新連邦が開発して、それを俺が奪った訳で。

 またシャギアがヴァサーゴに乗ってきてもおかしな事ではないんだよな。

 そんな風に考えつつ、俺はマリューやミナトとの一時を楽しむのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2055
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1778
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