いよいよ南アジアにある新連邦の基地に全面攻勢に出る日がやって来た。
当初の予定通り、大規模な基地は俺達が、中規模な基地の1つは黒い三連星、マリオン、ルチルが、そしてもう1つはフリーデンが攻略する事になった。
小規模な基地に関しては、エスタルドとノーザンベル……そしてガスタールのMS隊が攻撃する事になった。
ガスタールも? と疑問に思ったものの、エスタルドの方で無事に交渉を纏めたらしい。
それを行ったのが、エスタルドの中でも和平派のグラントだというのだから、素直に驚きだ。
グラントの事だから、ガスタールに配慮しまくった結果になるのでは? と思っていたが、実際にはそういう風でもないらしい。
いやまぁ、実は俺達が知らない場所で配慮をしてるのかもしれないが、その辺は俺達ではなく、エスタルドの問題だし。
ただ、反乱軍の一件でガスタールがエスタルドに対して大きな借りが出来たのは間違いない。
今回の作戦……南アジアにある新連邦の基地の全てを破壊するといった作戦が終わって、南アジアから新連邦を追い出した後、ガスタールはかなり肩身の狭い思いをするだろう。
……ああ、だからこそガスタールは今回の新連邦の基地を攻略するのに参加することにしたのかもしれないな。
ここで何とか手柄を挙げ、それによって南アジアが平和になってからのガスタールの立場を少しでも上げようと考えているのかも。
幸いな事に、ガスタールが襲うのは小さな……場合によってはMSの1機も配備されていない可能性が高い場所で、だからこそガスタール側も被害を受ける可能性は低いんだし。
「さて、もうそろそろ敵の索敵網に見つかってもおかしくはないくらいか?」
『そうだね。そして見つかれば、間違いなく敵はこっちを攻撃してくる筈だよ。それに……大規模な基地である以上、敵には何らかの奥の手があるかもしれないね』
ヴァサーゴの中で呟くと、その呟きが聞こえたのだろう。シーマがそんな風に言ってくる。
オープンチャンネル状態で話していたので、別にシーマではなくても他の者達も俺の呟きは聞こえていただろうが。
「奥の手か。……ノーザンベルを攻めようとした時の機動性や運動性に特化した機体、ガスタールの反乱軍を陽動とした時の、ブリトヴァと巨大MSの件を考えると、何かあってもおかしくはないと思う。けど、本当に奥の手があるのなら、エスタルドを攻略しようとした時に一緒に出してもおかしくないと思うけどな」
ガスタールの反乱軍を陽動にした一件は、新連邦にとってもかなり大きな作戦だった筈だ。
だからこそ、ブリトヴァや巨大MSを用意したのだから。
そうである以上、それ以外にも奥の手があるのなら、わざわざ分散させて出すような真似をしなくても、あそこで戦力を集中させるのが最善だったのは間違いない。
もっとも、その辺の状況を無視して俺の素直な気持ちを言うのなら、寧ろ奥の手は幾らあってもいいんだが。
何しろ奥の手という事は、恐らく新型機……かどうかは分からないが、未知の機体の可能性が高い。
一応カトック達にその辺について聞いたが、カトック達は全く知らなかったみたいだし。
また、ゾンダーエプタで入手したデータの中にも、ブリトヴァとかのMSの情報はなかった。
これはゾンダーエプタが……というか、諜報部がそこまで信用されていなかったとか、そういう感じなのか?
いや、だがそれはそれで若干疑問があるのは間違いない。
DXは諜報部主体で開発していたのだ。
新型機があるのなら、その辺の情報が回っていてもおかしくはないと思う。
『全く、アクセルはこれだから……もっとも、敵に新型MSがあっても、アクセルなら何とかするんだろうけどね』
シーマのその言葉は、呆れているのか、それとも信頼しているのか。
一体どっちなのやら。
『皆、お喋りしてるのもいいけどちょっと揺れるわよ!』
俺とシーマの通信に……というか、テンザン級の全体にミナトの通信が割り込むと、次の瞬間には大きく揺れる。
同時に複数の爆発音。
何が起きている?
そんな疑問と共に外の映像をヴァサーゴの映像モニタに表示するが……
「なるほど。これが揺れの原因か」
雨のように……と表現すると少し大袈裟かもしれないが、とにかく大量のミサイルがテンザン級目掛けて降り注いでいるのだ。
勿論テンザン級も対空砲とかでミサイルを迎撃しているし、どうしても迎撃出来ないようなのは、ミナトが舵を切る事で回避している。
もしこれでミナトが平均的な操舵士であれば、間違いなく何発かのミサイルが命中していただろう。
だが、ミナトの操舵技術は非常に高い。
どのくらい高いかを表現するとすれば、色々な意味で超一流が揃っているシャドウミラーの中でも、操縦技術という点では5本の指……いや、3本の指に入るのではないかと思えるくらい。
ただし、これはあくまでも戦艦とか車とかそういう類だ。
PTを始めとした人型機動兵器の場合は、平均以下の技量しかない。
ただし、この平均以下というのはあくまでもシャドウミラーにいる者達の中での平均以下だ。
周囲が圧倒的すぎるから目立たないものの、他の世界とかなら相応に凄腕になると思う。
あるいは、ビグロやアプサラスとかのMA系なら向いてるかもしれないな。
そんなミナトの技量だけに、テンザン級はかなり揺れてはいるものの、未だにミサイルが1発も命中したりしていない。
何しろこのテンザン級は運動性はともかく、機動性なら非常に高い。
連装メガソニック砲を使う為にブラックホールエンジンを搭載しているし、それ以外にも色々と手を加えられているのだから。
「マリュー、どうする? こうしてもう攻撃されているという事は、出た方がいいと思うか?」
『そうね、出てちょうだい。……これが普通なら、攻撃が収まるまで少し待つように言うんだけど、アクセル達なら大丈夫でしょ』
『ちょっと待ってちょうだい。アクセルと一緒にされると困るわよ!?』
マリューの通信に、クリスがそんな泣き言を言う。
クリスにしてみれば、俺と一緒にされたくはないのだろう。
俺がどれだけの操縦技術を持つのか、クリスは十分に知っているのだから。
もっとも、そういうクリスだって十分に一流と呼ぶに相応しい技量を持っている。
異名持ちには及ばないものの、それでもエース級の実力を持っているのは間違いないのだ。
『何を言ってるのよ。アクセルにいいところを見せてきなさい。でないと、いつまでもクリスが希望している関係にはなれないわよ?』
『頑張るわ』
「いや、お前達……俺が聞いてるのを承知の上でそういう会話をするのは止めて欲しいんだけどな。どう反応すればいいのか困るだろ」
『ふーん。じゃあ、どうすれば困らないようになるのか、教えてあげようか?』
満面の笑みを浮かべ、シーマがそう言う。
ここで教えて欲しいと言えば、一体どういうことなるのか。
何となく予想出来る為、話を逸らす。
「取りあえず出撃したらミサイルを迎撃しながら基地に向かえばいいか?」
『逃げたわね』
何故シーマではなくクスコがそんな風に言ってくる。
しかもそれを聞いていた者の多くが頷いていた。
エニルにいたっては、面白い演劇でも見るかのような視線を俺に向けていた、
「今は新連邦の基地だろう。とにかくあの基地を破壊するなり、降伏させるなりするのが優先だ。……アクセル・アルマー、ヴァサーゴ、出るぞ!」
そう言い、テンザン級の中から出撃する。
ちなみに馬鹿な会話をしている間も、そして俺が出撃しようとしている時も、ミナトの操縦によってテンザン級はそれなりに揺れていた。
これはミナトだからそれなりだが、もしミナトでなければもっと激しく揺れて、出撃する前に格納庫が壊れたり、それ以前にミサイルによって大きな被害を受けていてもおかしくはない。
そして揺れている中で出撃するというのは、それなりに難易度が高い。
もっとも、テンザン級に乗っているパイロットは全員が腕利きだ。
この程度の揺れであっても、特に問題なく出撃出来るのも間違いなかった。
勿論、油断は禁物だが。
テンザン級の格納庫から出ると同時に、クロービーム砲を撃つ。
数秒だがビームを発射したまま維持されるその機能によって、テンザン級に降り注ぐミサイルの多くが空中で爆発する。
それもただ爆発するのではなく、その爆発の衝撃によってもし近くに他のミサイルがあった場合、そちらもまた誘爆するのだ。
……こんなにミサイルを集中している時点で、向こうの本気度も理解出来た。
基地にいる連中にしてみれば、爆撃機を運用してきた基地がない以上、南アジアに残っている最大の基地は自分達の基地だという思いがあるのだろう。
だからこそ、この基地を俺達に陥落させられるような事になった場合、南アジアの攻略に大きな損失となる。
あるいは、他の基地……中規模な基地や小規模な基地から、現在攻略されているといった連絡が来ていて、少しでも早くそちらに援軍を送る必要があるので頑張っている……といったところか?
基地の連中が一体どのような事を考えているのかは、生憎と俺には分からない。
分からないが、だからといって向こうが何を考えているのか考慮してやる必要がないのも事実。
こっちはこっちで、予定通りに動けばそれでいいのだから。
「っと、やっぱり出してきたか」
俺以外にも何機かテンザン級から出撃してきたのを、基地の方でも把握したのだろう。
それに対応する為に、数機のMS……いや、MAが出撃してきた。
それは戦闘機の形をしたMA、ガディール。
このガディール、聞いた話によると製造数はそこまでではないって話だったんだが……この南アジアで既にそれなりに消耗してるのに、まだあったんだな。
新連邦が侵略してるのは、南アジアだけではない。
全世界に向けて侵略戦争をしている以上、ガディールはそれらの戦線で使われていてもおかしくはない。
それとも、単純に南アジアにはテンザン級とフリーデンという強力な部隊がいるから、他の戦線からガディールが回ってきたとか?
ともあれ、現時点においてヴァサーゴやアシュタロン、DX……もしくはブリトヴァとかの特殊な機体は例外とするにせよ、ガディールは純粋な量産機としては最高峰の性能を持つ。
それこそドートレス・ネオやバリエントといった量産型MSと比べても、その性能が突出してるのは、エアマスターを中破、もしくは大破といった状態まで追い込んだ実績を見れば明らかだろう。
もっとも、そのような最新鋭機だけにガディールのパイロットは間違いなく腕利きのパイロットだっただろうが。
そして……エアマスターを戦闘不能にしたのは間違いないが、その時の戦いによって腕利きのパイロットも死んでいる。
つまり、出て来たガディールのパイロットは腕利きではないとは言わないが、それでもウィッツが倒した相手と比べると明らかに腕は落ちるのだ。それに……
「生憎と、もうガディールはそこまで必要って訳じゃないんでな!」
こちらに向かって放たれるガディールのビームライフル。
だが、ヴァサーゴは常人にはとてもではないが耐えられないだろう動作を、スラスターを使う事によって実現させる。
一般人ならGによって平衡感覚を失ったり、吐いたり……場合によってはGによって骨や筋肉に影響が出てもおかしくはないだろう、そんな行動。
そのような行動に敵は驚き、動揺したのか操縦が荒くなる。
あるいは自分達の攻撃がこうもあっさりと回避されるとは思っていなかったのか。
戦いの中で動揺し、操縦を乱すというのは致命的だった。
「死ね」
ガディールに突っ込み、右手でビームサーベルを使ってコックピットを貫く。
既に何機かガディールは入手しているので、どこにコックピットがあるのかは当然のように理解していた。
また、そのような真似をしなくても半ば戦闘機といった外見である以上、どこにコックピットがあるのかは非常に分かりやすかったし。
ビームサーベルを振るうと同時に、左手のヒートワイヤーを伸ばし、こちらもまたコックピット諸共切断する。
ガディールが10近くに切断され……俺がガディール隊のど真ん中を突っ切った後、後ろで2つの爆発が起きた。
これで2機。
ガディール隊はまさか真っ正面から自分達が抜かれるとは思っていなかったのか、こちらに抜かれた後ですぐに旋回しようとする。
自分達が抜かれたというのにも動揺したのだろうが、このまま俺を通すと基地が攻撃を受ける。
ましてや、元々ヴァサーゴはシャギアの機体だけに、機体データも知っている筈だ。
つまり、メガソニック砲を警戒したのだろうが……敵は俺だけではない。
旋回しようとしたところで、俺に続いて出撃してきたシーマ達によって次々と攻撃されてダメージを受け、やがてガディールはその高性能さを十分に発揮する事も出来ないままに撃破されるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2065
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1780