ガディール隊を抜けると、再び襲ってきたのは多数のミサイル。
ただし、そのミサイルはテンザン級ではなく俺に向かって放たれた攻撃だった。
とはいえ……
「今更ミサイルが俺に通用すると思ってるのか?」
こちらに向かって来たミサイルをクロービーム砲を使って迎撃する。
空中に幾つもの爆発が生まれ……
「なるほど、これが狙いだった訳か」
その爆発の向こうから姿を現したドートレス・ネオやバリエントといったMS隊を見て、納得する。
向こうにしてみれば、最初から俺をミサイルで倒そうという思いはなかったのだろう。
いや、勿論ミサイルで倒せるのならそれでいいと思っていたのだろうが。
しかし、倒せなかったらMS隊で倒すと。
だが、俺の実力を知っての上でドートレス・ネオとバリエントというのは……やっぱり奥の手はないのか?
奥の手がないのなら俺達に勝つのは不可能だ。
なら、とっとと降伏をするなり、出来るだけ早くここから逃げ出すなりといった真似をした方がいいと思うんだが。
そういうのも特にする様子はない。
あるいはブラッドマン辺りから撤退することは許されないといったような命令でも出ているのか。
その辺りについては、生憎と俺には分からない。
だが、こうして攻撃をしてきている以上、向こうには降伏をしたり逃げ出したりするつもりはないのは間違いない。
だとすれば、ここで俺達が手を抜く訳にはいかないだろう。
まさか新連邦が可哀想だからという事で、攻撃をしないといった真似が出来る筈もないし。
「まずは、対空砲を沈めるか」
大規模な基地だけあって、当然ながら敵に攻められる事は想定しているのだろう。
基地には多くの対空砲が用意されていた。
ただ、殆どが実弾なのは……いや、それも当然か。
南アジアにある新連邦の基地の中では大規模だが、地球全体で見れば南アジアというのは田舎と呼ぶべき場所だ。
実際には違うのかもしれないが、新連邦の本拠地が欧州である以上はそんな風に思う者がいてもおかしくはない。
そんな新連邦にしてみれば、それこそ本来ならもっと重要視するべき場所はある。
北米なんかは新連邦も重要視しているし、オーストラリアとかもそうだろう。
日本とかその辺もか?
いや、X世界で日本がどうなってるのかは分からないから、どうとも言えないが。
ともあれ、地球全体で見た場合は小国が3つあるだけのこの地域はそこまで重要ではない。
海底資源とかはかなり豊富だが、それは別にどうしてもここでなければ入手出来ないって訳でもないし。
そのような場所である以上、新連邦としては攻略はするつもりであっても、そこまで力は入れてなかったのだろう。
結果として、他の地域に比べると基地の施設は数段劣る。
対空砲が威力や速度の高いビームではなく、実弾なのがそれを示しているだろう。
北米連邦が協力してるからという事で、基地はともかく人材や高性能なMSは結構回してきたが。
そう言えば、フロスト兄弟はどうしたんだろうな。
MSの操縦技術という点で考えれば、その能力はかなり高い。……俺達と戦っては負け続けに近いが。
それでも腕が立つし、何より人工ニュータイプのデータを奪ってもいった。
ニュータイプを欲している新連邦にしてみれば、これは大きな手柄だ。
左遷とか、そういうのはないと思うが。
新連邦には、そもそもそのようなことをする余裕はないと思うが。
そんな風に考えつつ、地上にある対空砲を次々に潰していく。
『アクセル、1人で基地を相手にしようなんて、ちょっと贅沢じゃない?』
「いや、その贅沢ってのはどっちに向けた言葉だ?」
MA形態となって追いついてきたアシュタロンのエニルに、そう言葉を返す。
『さて、どっちかしらね。……そう言えばクリスが何機かガディールを鹵獲していたわよ。愛されてるわね』
「この期に及んでまだ言うか」
出撃前の一件をまだ続けるエニルに呆れながら、それでもクリスがガディールを鹵獲してくれたのは嬉しい。
俺にしてみれば、ガディールはもう確保してあるので、特に必要ではないと思った。
しかしクリスが俺の為にと頑張って鹵獲してくれたのは、その気持ちは嬉しい。
「なら、そんなクリスの気持ちに応える為にも、この基地はとっとと落とすか」
『女心を分かってないね』
何か言いたげなエニルだったが、俺はそれを無視して基地に攻撃をする。
当然だが、基地の方も一方的に攻撃されているだけではない。
出撃してきたバリエントやドートレス・ネオが、基地を守ろうと攻撃をしてくるが……
「面倒な。エニル、少し足場になってくれ」
『あら、モニク達だけじゃなくて私も押し倒したいの?』
「それでもいいから、敵の攻撃に当たるなよ」
これ以上エニルの軽口に付き合っていられないと判断し、MA状態のアシュタロンの上に乗る。
そして展開するのは、メガソニック砲の砲身。
このメガソニック砲は高威力なので、撃つ時は機体を固定する必要がある。
地上で機体を固定する場合、ストライククローによって地面を掴む必要があった。
そうなると、機体が固定されているのだから、当然ながらそう簡単に敵が攻撃をしてきても回避するといった真似は出来ない。
そういう意味では、開幕ブッパはともかく、戦闘の中で使うのはかなり難しい武器になってしまう。
だが、それを解決する手段がMA形態のアシュタロンだった。
このアシュタロン、ヴァサーゴがメガソニック砲を使った時の反動を殺す事が出来るのだ。
それだけではない。
ヴァサーゴが地上でメガソニック砲を撃つ時は敵の攻撃を回避出来ないが、アシュタロンの場合はMAである以上、自由に移動出来る。
……調子に乗って激しく動いたりすると、メガソニック砲の狙いが逸れる可能性があったが。
「食らえ」
アシュタロンの上で体勢を整え、メガソニック砲を撃つ。
放たれる強力なビームは、サテライトキャノンには劣るが、それでもX世界のMSが持つ威力の中ではトップクラスだ。
その強力なビームは、ドートレス・ネオとバリエント6機を同時に飲み込み、消滅させる。
ちっ、6機だけか。
いや、この場合は6機もと表現すべきか?
基地から迎撃に出たMSはそれなりの数がいるものの、そのMS隊は俺だけを相手にしている訳ではない。
俺以外にもMSはそれなりに出ている。
そうである以上、そちらにも攻撃をおこなう必要があるのは間違いなかった。
……その辺りの情報が込みであっても、ヴァサーゴが最初に基地を攻撃した以上、悪い意味で目立ってるんだが。
『どうするの? 続ける? 基地の攻撃も、ヴァサーゴのメガソニック砲ならかなりのダメージを……』
「回避しろ!」
エニルの言葉を遮るように叫ぶ。
同時に、装甲を蹴ってアシュタロンから距離を取る。
そして放たれる一条のビームが、ヴァサーゴとアシュタロンのいた場所を貫く。
この敵……
「やっぱり、まだ奥の手があったか」
爆煙……バリエントやドートレス・ネオが爆破した中、それに乗じて攻撃を仕掛けて来たのは、見慣れぬMS。
向こうにしてみれば、この攻撃でヴァサーゴかアシュタロンのどちらかは撃破するなりなんなりしておきたかったんだろうが、生憎とその狙いは外れた。
外れたが……この状況で攻撃をしてきたのを思えば、その辺のパイロットではない。
向こうの狙いは悪くなかったし、一瞬感じた殺気も精鋭とはいえ、ただのMSパイロットに出せるようなものではない。
それはつまり、今の攻撃をしてきた相手は間違いなく腕利きの敵だという事を意味していた。
それこそブリトヴァとか、そっち系統の新連邦にとってはエース級のパイロットなのだろう。
俺の予想を裏付けるように、爆煙の中から姿を現したMSは、バリエントやドートレス・ネオ、あるいはガディールといった新連邦の量産型MSやMAではなく、全く新型のMSだった。
だったのだが……
「ん?」
その外見に、思わず声を出す。
何と言うか、新型なのは間違いない。
間違いないんだが、そのMSは何と言うかこう……量産型っぽい?
表現は少し悪いが、ブリトヴァとかのように特殊なMSではなく、どこか量産を意識したような、出来るだけコストを掛けないで作ろうとしたかのような……そう、こう表現すれば分かりやすいか。
ジムっぽい、と。
ただし、この場合はただのジムではなく、ジムの中でも最高峰の性能を持つ、ジム・スナイパーⅡといった感じか。
ジム・スナイパーⅡはぶっちゃけガンダムよりも性能が高い。
そういうのも実は同じだったりするのか?
つまり、ジムっぽい外見のMSだが、実はX世界のガンダムよりも性能が高いとか。
ともあれ、このMSは動きも他の新連邦のパイロットと違うのを見れば、かなりの腕利きなのは間違いないだろう。
『ちょっ、アクセル!?』
ヴァサーゴによって半ば蹴り飛ばされるような形で吹き飛んだアシュタロンから、エニルの通信が送られてくる。
ただし、その通信は蹴られて吹き飛ばされた事によって俺を責めるといったようなものではない。
何しろ先程俺がアシュタロンを蹴らなければ、ビームライフルが命中していたのだから。
「こいつはちょっと手強そうな相手だ。こいつの相手は俺に任せて、エニルは他の連中の相手を頼む」
闇雲に攻撃をしてくるのではなく、こちらの様子を窺っている敵を見ながら、エニルに通信を送る。
『その割には嬉しそうね。……まぁ、いいわ。じゃあ、その新型の相手はアクセルに任せるから』
そう言うと、アシュタロンは戦場から離脱する。
しかし、敵はこの場から移動しアシュタロンを狙うような事はなかった。
俺の相手をするので精一杯なので、手を出すことは難しいと思ったのか。
それとももっと別の理由からの行動なのか。
生憎と俺にはその辺りの理由は分からなかったが、俺の方も今回のこの行動は悪いものではない。
エニルに他の場所で戦うように言ったのは、単純に俺にとってその方がやりやすかったのもあるが、やはりこの敵が新型だというのが大きい。
新型である以上、出来ればこのMSは入手しておきたいところなのだ。
もっとも、敵にもこのまま死ぬというつもりはないのは、この場から逃げたりする様子を見せない事から明らかだ。
この新型MSが新連邦にとっての奥の手なら、そのパイロットも自分の腕には自信があるのだろう。
そうである以上、自分の攻撃によって俺を倒すことを目的としているのは間違いない。
「一応言っておこうか。降伏しろ。そうすれば命までは取らない」
無駄だろうとは思いつつ、オープンチャンネルで通信を送る。
すると予想外な事に、通信が返ってくる。
『この私がそのような事を言われるとはな。その侮り……己の腕に自信があるのだろうが、この私……ニュータイプ研究所からニュータイプとして認められたこのアベル・バウアーを相手に、ふざけたことを抜かすなぁっ!』
そう叫ぶ男だったが、その言葉には俺にとって興味深い内容が含まれていた。
ニュータイプ研究所。
いや、X世界にもニュータイプが存在する以上、そのような場所があっても不思議ではない。
しかし、同時にニュータイプ研究所というのは、あまり好ましくない思い出があるのも事実。
何しろUC世界におけるニュータイプ研究所で真っ先に思い浮かべるのはフラナガン機関なのだから。
そのフラナガン機関において、ニュータイプというのは実験動物……あるいはそれ以下の扱いだった。
勿論、フラナガン機関に所属していた全ての研究者がそのような存在という訳ではない。
中には研究を受けていた者を実験動物扱いせず、きちんと1人の人間として向き合っていた研究者もいる。
その数は決して多い訳ではなかったが、そのような研究者は今、ルナ・ジオンのニュータイプ研究所のアルテミスにおいてニュータイプ研究をしている筈だ。
それ以外の、問題ありの研究者達はクレイドルの郊外で農作業に従事しているが。
「アベル・バウアーか。色々と興味深い事を教えてくれたな。お前にはもっと色々と聞きたい事も増えた」
『そのような戯れ言を、いつまでも出来ると思うなぁっ!』
苛立ちからだろう。
アベルのMSが持つビームライフルをこちらに向けてくるが、放たれたビームはヴァサーゴには当たらない。
自分がニュータイプ……あるいはニュータイプの素質を持つ者として、そして実際に相応に高い操縦技術を持っている者として、俺に勝てると思ってはいるのだろう。
端的に言えば、天狗になっているようなものだ。
実際にそれだけの成果を挙げてきてはいるのだろうが……自称ニュータイプという割には、映像モニタ越しとはいえ俺と接触しているのに特に何かを感じている様子はない。
X世界のニュータイプの最高峰の存在であるティファとは大違いだ。
また、人工ニュータイプのカリスもまた、俺と実際に接触した訳でもないのに、何かを感じていた。
それと比べると、このアベルは……本当にニュータイプなのか?
ビームライフルの攻撃を回避しながら、俺は戸惑うのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2095
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1786