こちらに向かって何発も放たれるビームライフルだったが、当然のようにその攻撃がヴァサーゴに命中することはない。
だが……アベルにしてみればそれが苛立つのだろう。何発も連射してくる。
アベルが乗ってるMSは、非常にシンプルな武装だ。
ビームライフルとビームサーベルだけ。
頭部バルカン……は、X世界では一般的じゃなかったな。
X世界で一般的なのは、胴体のバルカンか。
とにかくそういうバルカンの類もないし、それ以外の何か特殊な武器の類もない。
そういう意味では、あのMSはもしかしたらドートレス・ネオの後継機、もしくはその試作機なのかもしれないな。
どことなくジムっぽい雰囲気があるようにも思えるし。
そうは思うが、ニュータイプの素質を持つ者をそういうのに乗せるのか? と言われるとちょっと疑問ではある。
X世界のニュータイプというのは、研究が進んで明確な価値を発揮しているだけに、ある意味ではUC世界よりも貴重な存在だ。
ベルティゴを操縦するカリスや、ベルフェゴールを操縦するルチルを見れば分かりやすいが、非常に大きな力を持っていると言ってもいいだろう。
そんなニュータイプのアベルを……まだ覚醒していないという事は、実際にはまだニュータイプ未満という扱いなのかもしれないが、そんなアベルを先行試作機的な機体に乗せるか?
だとすれば、もしかしたらあのMSはフラッシュシステム搭載機の可能性がある。
そしてフラッシュシステムを何に使うか。
今のところ判明しているのは、GXやDXのサテライトキャノンやツインサテライトキャノンを使う為に、月の施設に登録するというものと、ビットMSをコントロールするというもの。そして最後にベルフェゴールのように機体制御に使っているもの。
「っと、惜しい」
再び放たれたビームライフルの一撃を回避しながら、俺は敵MSの観察を続ける。
あのMSがフラッシュシステムを搭載している場合、まず真っ先に除外されるのはサテライトキャノンのような登録だろう。
そもそも、それっぽい武器を持ってるようには見えないし。
無理矢理それっぽい武器とみるのなら……そうだな、腰の両サイドにあるパーツがそれっぽいような気がするが、見た感じあれはスラスターのように思える。
というか、そのスラスターを使ってアベルのMSは高い機動性を発揮してるので、まず間違いないだろう。
そして次に却下されるのは、ベルフェゴールのように機体制御にフラッシュシステムを使っているというものだろう。
アベルのMSはそれなりに動けてはいるが、それはあくまでもアベルが手動で動かしているもので、フラッシュシステムを使った機体制御とは思えない。
俺自身もベルフェゴールには乗ったが、その時はフラッシュシステムに適合しなかったせいでろくに動くような事もなかった。
だが、ルチルがベルフェゴールを使うようになってから、その機体制御は十分に見ている。
フラッシュシステムを使った機体制御というのは、人が手動で操縦している動きと比べると、その違いが分かりやすい。
具体的にどこがどうというのはちょっと指摘しにくいんだが、見ている者は何となく違うと理解出来るのだ。
そういう意味では、やはりアベルが使っているMSはそういう動きの癖がない。
……もっとも、本人の言葉を聞く限りでは、まだ完全にニュータイプとして覚醒した訳ではないらしい。
だとすれば、もし覚醒したらフラッシュシステムを使った機体制御が出来るようになるのかもしれないが。
まぁ、それでも今は気にする必要がない。
だとすれば、考えられる可能性は残り1つ。
ビットMSか。
もしルチルがここにいた場合、アベルと戦っていれば非常に苛立ちを露わにしていただろう。
元々ルチルにとってビットMSは決して好ましいものではないし、それを抜きにしてもルチルがLシステムに組み込まれて眠っていた……沈没していた軍艦をフロスト兄弟達が欲したのは、ビットMSを欲してのものだ。
ルチルにとっては、自分よりもビットMSの方が貴重なのかと、そんな風に思ってもおかしくはない。
勿論その一件がなくても、元々は戦いを好まないルチルだ。
ビットMSという、15年前の戦争においてニュータイプを戦いの道具として、ある意味で決定づけた存在を好ましく思う訳がない。
その辺の事情はどうあれ、恐らくこのアベルのMSに搭載されているフラッシュシステムはビットMSの操作用だ。
それはつまり、この近辺に……具体的にはあの基地に、ビットMSがあるという事を意味していた。
ビットMSをすぐに使ってこないという事は、それを使えるまでのニュータイプ能力は持っていないのだろう。
とはいえ、それでもニュータイプ研究所にいて、こうしてビットMSを使えるフラッシュシステム搭載機に乗っているという事は、ニュータイプとして覚醒する可能性は高いのだろう。
そうなると、MSも欲しいが、このアベルも確保したい。
確保か。
だが、どうすればいい?
これでアベルがカリス並の力を持っていれば、こうしてMS越しにであっても俺に何かを感じてもおかしくはないんだが。
だというのに、こうして見たところアベルが俺に何かを感じている様子はない。
そうなると下手にコックピットを撃ち抜けないだけ、こっちが不利なんだよな。
MSの四肢を切断する……か。
個人的には、アベルが乗っているMSはニュータイプ用MSである以上、出来るだけ無傷で確保したい。
だが、手足を切断しても修理すれば大丈夫……大丈夫……うん、多分大丈夫だと思う。そうであって欲しい。
フラッシュシステムが搭載されてるのはコックピットの可能性が高いし。
そういう意味でも、機体を入手する為にいつものようにコックピットを貫くといった真似は出来ないな。
そんな訳で、俺はニュータイプ用MSよりも、ニュータイプの素質がある者を確保するのを優先する。
それにこの世界にもニュータイプ研究所というのがあるのなら、このMSの設計データの類はニュータイプ研究所に残ってる可能性が高いし。
なら、別にここでどうしても現物を入手しなければならないという訳ではない。
「行くぞ。下手に当たって死ぬなよ?」
『私を侮辱するか!』
オープンチャンネルの通信で、アベルは俺の言葉に激高する。
この様子だと、すぐ挑発に乗りそうだな。
これで本当にニュータイプの素質を持つ者なのか?
とはいえ、ニュータイプはニュータイプである以上、こちらで確保出来るのならそれに越した事はない。
そんな訳で、先程からビームライフルを撃ってくるアベルの攻撃を回避しつつ、そんな俺の隙を狙っていたバリエントに向かう。
『貴様、逃げるか!』
まさに憤怒という表現が相応しいアベルの言葉。
アベルにしてみれば、喧嘩を売っておきながら自分ではなくバリエントに向かったのが理解出来ないし、何より自分を軽く見ているようで許せなかったのだろう。
そしてバリエントのパイロットにしてみれば、俺とアベルの通信をオープンチャンネルで聞いていたのか、それとも俺がアベルとだけ戦っているのを見ていたからか……理由は分からないが、とにかく自分に向かってくるというのは完全に予想外だったらしい。
ストライククローを伸ばし、顔面を掴む。
ここにいたってようやく反応をしようとするバリエントのパイロットだが、反応が遅い。遅すぎる。
……いや、違うか。精鋭なら、エスタルドを攻める時に出撃していた筈だ。
それがこの基地に残っていたという事は、つまり精鋭とは呼べない能力の持ち主なのだろう。
アベルの件もあるので、絶対にそうとは言えないが。
ともあれ、バリエントの頭部を掴むと同時にクロービーム砲で破壊し、アベルの操縦するMSに向かって投擲する。
アシュタロンのアトミックシザーズ程の力はないが、それでもストライククローはかなりの膂力を持つ。
バリエントを投擲するといったようなことは難しくない程に。
『ぐっ、貴様、一体何を……』
そんな言葉を無視し、俺は投擲したバリエントの後を追う。
俺がやってるのは単純だ。
投擲したバリエントを投げつけ、それを目隠しにして間合いを詰める。
ビームライフルを撃ってくる中を突撃するといった真似も出来ない訳ではなかったが、周囲にいる新連邦のMS隊が邪魔だったのだ。
俺とアベルの戦いにちょっかいを出してくる……のは、別にそこまで問題ではない。
それこそ、腕はそこまでではないのだから、向こうの攻撃が命中するといった心配はしなくてもいいし。
だが……この場合問題なのは、アベルが危機に陥った時にそれを助ける為にこっちの邪魔をしてくるのではないかと思ったからだ。
新連邦にとって、ニュータイプの素質を持つアベルは非常に重要な存在だろう。
それこそニュータイプ用のフラッシュシステム搭載機を破壊しても、助ける必要があると考える程に。
だからこそ、周囲にいるバリエントやドートレス・ネオは、今は様子を見ているものの、いざとなれば手出しをする可能性が高い。
そんな相手を可能な限り減らす為には、アベルと決着を付けるまえに減らしておいた方がいい。
アベルも味方を殺すつもりはないのか、自分に向かって投擲されたバリエントを回避する。
これでビームサーベルで胴体を切断するとか、そういう真似をするのなら、それはそれでこっちの意表を突けるんだが。
それにちょっと話しただけだが、アベルは選民意識がかなり強い。
自分がニュータイプとして選ばれた存在だから、他の者達は違うと思っているのだろう。
このX世界の……しかも旧連邦や新連邦のニュータイプの扱いを思えば、権力者にいいように利用されているとしか俺には思えないんだが。
アベルの考えはともかく、向こうが隙を見せてくれたのは間違いない。
回避した先に向けて、ヴァサーゴを向かわせる。
もっとも、アベルも当然ながら自分がこうして移動すれば俺に狙われるというのは理解していたのだろう。
バリエントの陰から姿を現した時、既にMSの手にはビームライフルが握られており……
「だが、甘い!」
こちらに向かってトリガーを引くよりも前に、スラスターで大きくその場を移動する。
次の瞬間、放たれたビームはヴァサーゴのいた空間を貫くが、それだけだ。
そして素早く前に出ると、ビームサーベルを振るってMSの右手を……ビームライフルを持っている方の腕を切断した。
『何ぃっ!?』
アベルにしてみれば、まさか自分がこうまであっさりとやられるとは思っていなかったのだろう。
開いたままだったオープンチャンネルから、そんな声が聞こえてくる。
「驚くのはまだ早い!」
返す刃でMSの右足を切断し、同時にビームサーベルを持っていなかった方の手からヒートワイヤーを発射して左腕を切断する。
これで残るのは、左足のみだが……それでもまだ行動は終わらない。
蹴りを放って敵MSの右腰にあるスラスターを潰しながら、機体を吹き飛ばす。
また、当然ながら蹴り飛ばされた以上、機体は回転している。
そこにクロービーム砲を放つ。
狙ったのは、左腰のスラスター。
着弾、爆発。
『ぬおおおおおおおっ!』
痛みか動揺か混乱か、あるいはそれ以外の何かか。
ともあれ、繋がっている通信からはアベルの悲鳴と思しき声が聞こえてくる。
武器は俺が確認した限り、ビームライフルとビームサーベルだけ。
そのどちらもこれでなくなった以上、後はコックピットをこじ開けてパイロットのアベルを捕らえればいいだけだ。
それでもまだ敵MSのスラスターは生きているのか、何とか俺から距離を取ろうとする。
このまま基地にでも逃げ込むつもりなのだろうが、当然ながらそんな真似をさせるつもりはない。
大破に近い状態となっている以上、アベルの乗ってるMSの速度は決して速くない。
ヴァサーゴならあっさりと追いつける……というところで、ドートレス・ネオとバリエントが1機ずつ、ヴァサーゴの前に立ちはだかる。
アベルを守るつもりか?
一瞬そう思ったが、考えてみればそうおかしな話ではない。
ニュータイプ研究所から派遣された、ニュータイプの強い素質を持ってるのがアベルなのだ。
新連邦にしてみれば、アベルの護衛は必須だろう。
それこそ、護衛の兵士が死んでもアベルが生き残ればそれでいいと思えるくらいには。
「けど、それで俺を止められると思ってるのか?」
一応オープンチャンネルで声を掛けてみるものの、相手は反応する様子がない。
ドートレス・ネオもバリエントも、双方共にビームサーベルを持ってヴァサーゴに向かってくる。
問答無用という事か。
なら、こちらもそれ相応の対応をさせて貰うとしよう。
2機が左右から挟み撃ちにしてきたのを、スラスターを使わずにそのまま地上に向かって降下する事で回避し、バリエントにヒートワイヤーを放つ。
一瞬後、ヴァサーゴの重量によってあっさりと切断されるバリエント。
そのままの動きでヒートワイヤーを使っていない方の手のストライククローを伸ばし、ドートレス・ネオのコックピットに近づけ、撃ち抜く。
瞬時に2機を撃破し……ドクン、と。
その瞬間、何かが脈動するのを感じたのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2105
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1788