ガイア達が攻略した中規模の基地に寄ると、予想通り捕虜はそれなりにいて、どうするべきかと迷っていたので、予定通り量産型Wやコバッタをテンザン級から派遣し、捕虜の監視を任せる事になった。
捕虜達にしてみれば、ガイア達から量産型Wやコバッタ……ヘルメットを被って顔が見えない者達や明らかに無人機のコバッタを見て驚いていたが、その辺は仕方がないだろう。
あるいは捕虜の中にはニュータイプについて多少なりとも詳しい者がいたら、ビットMSでもないのに自由自在に動く無人機に驚いたかもしれないが。
その辺は俺が今更どうこうといったように考えるような事ではないので、置いておく。
「なるほど。向こうにはそこまで腕の立つ奴がいなかったのか」
「ええ。ベルフェゴールの迫力もあったかもしれないけど」
テンザン級の食堂で、俺はルチルと話していた。
別にこれは、俺が意図してルチルから話を聞こうと思った……訳ではない。
料理を食べに食堂に来たところ、偶然ルチルと遭遇したので、一緒に食事をする事になっただけだ。
「中規模の基地だから、アベルとまではいかないまでも、それなりに腕の立つ奴がいてもおかしくはないと思ったんだけどな」
「アベルね。……ニュータイプだったとか?」
アベルの名前を聞いて複雑な表情を浮かべるルチル。
ルチルにしてみれば、UC世界ではなくX世界のニュータイプという事で、色々と思うところもあるのだろう。
X世界のニュータイプという事なら、一応ティファもいる。
だが、ルチルは一時期ティファの身体に取り憑いていた……言い方を変えれば居候をしていたのだ。
お互いにそれなりに分かり合っていても、おかしくはないだろう。
また、それを抜きにしても女同士であったり、最初から味方同士であったりしたのもあるだろうし、ティファは戦闘を好まないというのもある。
それに比べると、アベルは最初から敵で、男で、戦闘を好む。
いや、戦闘を好むのはどうなんだろうな。
ニュータイプに覚醒する前は自分が特別な存在だと考えて、それによって戦いも好むといった感じだった。
しかしニュータイプに覚醒したのは、俺に対する恐怖からだ。
実際、ニュータイプに覚醒した後は俺と戦わずに逃げようとしていたし。
だとすれば、今のアベルは正気に戻っても戦いを好むという事はないのか?
「ああ。結果としては……色々と残念な事になったけどな」
「そうね。話は聞いてるわ。フラッシュシステムを使ってビットMSを操ったんでしょう? ……正直なところ、15年前の戦争においてはビットMSを相手に勝利出来るという人はいなかった。少なくても私は知らないわ。もしかしたら、私が精神崩壊した後なら話は変わったかもしれないけど。そんなビットMSを相手に、アクセルは勝ったのよね」
「アベルがニュータイプとして覚醒したばかりだったってのもあるだろうけどな」
どのような力であっても、その力を使えるというのと使いこなすというのは違う。
そういう意味では。アベルはニュータイプに覚醒したが、その力を使えはしたものの、使いこなすまでにはなっていなかった。
ニュータイプに覚醒したばかりである以上、当然かもしれないが。
また、俺をどうにか出来なかったのは、ビットMSの性能もあるだろう。
GXのビットMSとかは、外見はかなり簡素化されていた。
それに比べると、アベルが乗っていたMSと全く同じ外見となっていた。
そういう意味ではビットMSとして進歩していたのかもしれないが、武器がビームライフルとビームサーベルだけというのは……
折角ニュータイプに覚醒する可能性の高かったアベルが使うのだから、ツインサテライトキャノンとまではいかないが、サテライトキャノンとかを装備させておけば俺も警戒しただろう。
しかし、そういう事はなかった。
コスト的な問題でそういう風にしたのか、あるいは何かもっと別の狙いがあったのかは分からない。
アベルがMSに乗って全く同じ外見のビットMSに紛れて攻撃をするとか、そんな狙いだったのだろうが……
「気になるのなら、アベルを見てきたらどうだ? 医務室にいるから。もっとも、まともな会話になるとは思わないが」
戦っている時もそうだったが、テンザン級に連れて来てコックピットから出したところ、アベルは完全に錯乱状態になっていた。
そんなアベルだけに、普通に接するのは難しいと思う。
「そう、ね。一度見てくるわ。ただ、フリーデンと合流したら、ティファを連れていってもいい? そうすればアベルだったかしら。その人も落ち着くかもしれないし」
「ティファを? まぁ、それは構わないけど」
そう言えば、ティファとはここ最近は直接顔を合わせてないな。
元々俺とマリュー、ミナトとの夜の一件を覗いた……いや、ニュータイプ能力でそれを知ったんだから、この場合は覗いたという表現が正しいのかどうかは分からないが。
とにかくその一件の後は基本的に俺を避けるようになってしまった。
ティファも思春期である以上、その辺に全く興味がない訳でもないとは思う。
けど、ティファはずっとニュータイプの研究対象として育ってきたので、どうしても情緒的な面で成長が遅れている。
それだけに、俺達の夜の件は色々と衝撃的だったのだろう。
……そしてティファが今の俺と会ったら、場合によってはモニクとクスコの一件を見てしまう可能性もあった。
いや、でもどうだろうな。
マリューやミナトとの件は俺も普通――興奮はしてるが――なのに対して、モニクとクスコの場合は酒によって暴走状態で、気が付けば既に事後だった。
そしてモニクとクスコは、俺がシーマやクリスと結ばれない限りは俺と付き合うのは保留という事になっており、あれ以来抱いていない。
なら、モニクとクスコの件は……駄目か。
そもそもティファがマリューやミナトの件を知ったのは、別に俺の記憶を読んだ訳ではない。
マリューやミナトから知ったのだ。
つまり、テンザン級にやって来てモニクとクスコに会えば、その時点で色々と読まれてしまう訳だ。
あるいはクスコの場合は元々ニュータイプで、しかも俺に抱かれた事によってそのニュータイプ能力も上がったからティファに読まれないかもしれないが、モニクの方は対策出来ないだろう。
「もしティファが来るのなら、俺は出来るだけ接触しない方がいいな」
「それは……うーん、どうかしら。ティファがどう思ってるのかにもよるんじゃない?」
「そのティファが俺を避けてるから、こんな風に言ってるんだけどな。……まぁ、炎獣の魔力はまだ暫く保つだろうし」
リスの炎獣をティファの護衛にしているものの、その炎獣は俺の魔力によって動いている。
ティファが炎獣を可愛がっているのは理解しているので、ティファもその炎獣が弱ってきたら、俺に色々と思うところもあるだろうが、話し掛けてきてもおかしくはない。
「ああ、炎獣ってあの……ちなみに、私もティファと同じニュータイプなんだけど?」
そう言い、上目遣いで視線を向けてくるルチル。
もしかして、同じような炎獣を欲しいのか?
何気にルチルも可愛いのが好きなのかもしれないな。
とはいえ……
「ルチルにちょっかいを出してきた奴がいたら、炎獣がいようがいまいが、最悪の未来にしかならないと思うけどな」
こうして見る限り普通の……Lシステムに組み込まれていたルチルと外見上の違いはない。
だが、今のルチルの身体は、Wナンバーズの技術を使ってレモンが作った身体だ。
それも今まで色々と入手してきた技術の諸々を注ぎ込んで。
それこそ一般人とは呼べない身体能力を持っている。
綾子のような半サーヴァントとまでは呼べないが、それでも人外と呼ぶに相応しいだけの実力を持っているのは間違いない。
「へぇ、そういう事を言うの?」
挑発的な視線を向けてくるルチル。
ルチルも女だ。
先程の俺の言葉には、納得出来ないところも十分にあったのだろう。
「守って貰いたいのなら、俺以外の奴に守って貰うのもいいんじゃないか?」
「例えば誰に?」
「誰と言われてもな。……ムラタとか」
最初はここでムウの名前を出そうかと思ったのだが、そうなると色々と不味い事になりそうだった。
何しろムウは、バジルールの尻に敷かれている状態でテュカとかにも言い寄られているらしいし。
なら、イザークは?
そう思ったが、何となく……本当に何となくそれは止めておいた方がいいような気がした。
オウカが……いや、これ以上は止めておこう。
オウカは情の深い女だが、それだけにイザークが他の女とそういう関係になると……
まぁ、シャドウミラーは基本的に一夫一婦制という訳ではないので、ムウにしろイザークにしろ、相手を納得させることが出来れば問題はないのだが。
「ムラタって……アクセル、私の男の趣味がどういう風だと思ってるのかしら? 仲間や友人としてはとにかく、そういう対象としてはちょっと」
ムラタの名前を口にした俺が気にくわなかったのか、ルチルは不満そうな視線を向けてくる。
ムラタというのは、そんなに悪くない選択肢だとは思うんだが。
どうやらルチルの中では、駄目らしい。
「そうか? だとすれば、スティングとかアウルは?」
あの2人も実はそれなりにモテるというのを俺は知っている。
とはいえ、まだ特定の誰かと正式に付き合ったりとかはしていないらしいが。
ただ、別に正式に調査をしたとかそういう訳ではないので、もしかしたら俺が知らないだけで、実際には違う可能性も十分にあったのだが。
「あまり見たことがないから何とも言えないわね。私もシャドウミラーの所属となったんだから、そのうち会う機会はあるでしょうけど」
そう言いつつも、ルチルはあまり期待している様子はない。
ルチル的にはスティングやアウルもなしなのか。
「それに……今更こう言うのもなんだけど、まずは新連邦の件を片付けないと恋とかそういうのは楽しめないし。この身体もいつまで使っていられるかが分からないというのもあるから」
ルチルは若干複雑そうな表情でそう告げる。
ルチルにしてみれば、今の自分の身体はあくまでも仮の物でしかない。
将来的にはLシステムに組み込まれている身体に戻ろうという風に考えているのだろう。
問題なのは、Lシステムから解放された後でも、あの身体が普通に使えるかどうかだろうが。
ルチルの身体をLシステムに組み込んだ者達にしてみれば、まさかルチルが精神崩壊した状態から元に戻るとは思っていなかった筈だ。
だとすれば、少しでもLシステムの性能を上げる為に、ルチルの身体の負担とかそういうのを全く考えずにコーティングした可能性も十分にある。
そんな状況でルチルの身体をLシステムから解放しても、それが正常な身体になるかと言われれば、正直微妙だろう。
まぁ、レモンならその身体を治療出来てもおかしくはないのだが。
「お、アクセルじゃねえか。ルチルも……食堂でどうしたんだ?」
聞こえてきた声に視線を向けると、そこにはガイアの姿。
オルテガがいないのはマリオンと一緒だからともかく、マッシュがいないのは少し疑問だ。
もっとも、黒い三連星の異名を持っているからとはいえ、常に一緒にいる訳でもないのだろうが。
「食堂にいるんだから、食事をするなり、お茶を飲むなりをしてるに決まってるだろ?」
「そういう意味で聞いた訳じゃねえけどな。……それより、ちょっとやりすぎたと聞いたが、本当か?」
この場合のやりすぎたというのは、やはりアベルの事だろう。
「やりすぎたというか、いつの間にかそうなったというのが正しいな」
実際、俺がアベルをどうこうしようとした訳ではなく、ニュータイプに覚醒したアベルが俺の存在に恐怖し、錯乱したというのが正しい。
俺としてはアベルから情報を聞き出すつもりだった以上、そこまでやるつもりは最初はなかったのだ。
「アクセルだし、仕方がないか」
呆れの表情でそう言ってくるガイア。
俺だからという理由でその辺を決められるのは、正直どうかと思う。
もっとも、シャドウミラーの中では普通にそういう事になっていたりするので、俺としてもそこまで反論は出来ないのだが。
「取りあえずアベル……捕らえたニュータイプについては、時間を掛けて治療するしかないだろうな。そう言えばアベルからニュータイプ研究所がどうこうという話を聞いたけど、ルチルはその辺について知らないか?」
「それは……知ってるけど、私が知ってるのは、あくまでも15年前の情報よ。コロニー落としの件を考えると……」
「やっぱりか」
予想はしていたが、それでもやはり……という思いはある。
「ええ、恐らくだけど。……それでもいいのなら、場所を教えるわ。どうする?」
「行くだけ行ってみる。ただ、このエスタルドの件が終わってからだな。後は、他にも援軍を期待してる者達がいるだろうから、そっちも何とかする必要があるし」
新連邦と戦っている世界各地から、援軍を求めているという話は俺も知っている。
そっちの方もどうにかしないと、新連邦の勢力が広がり続けてしまう。
そうならないようにする為には、やはり援軍を派遣する必要があるのは間違いなかった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2105
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1788