「では、アクセル殿。今回は非常に助かった。感謝する」
ウイリスがそう言い、俺に頭を下げてくる。
本来なら、国を代表する人物がこんな風に頭を下げるのは不味いのだろう。
だが、それを知った上で、ウイリスは俺に頭を下げてくる。
ガロードとの交流や、それ以外にも色々とエスタルドが遭遇した諸々で、成長したのだろう。
アルカディアとかをその目で見たのも大きいのだろうが。
ともあれ、こうして別れが終わると、影のゲートを使って北米に戻る事になる。
当然ながら、テンザン級とフリーデンは既に空間倉庫の中に収納している。
後は全員纏めて転移するだけとなり……
「ちょっと待った」
ウイリス達との別れを終え、いざ転移という時になってふと気が付く。
見覚えがあるものの、ここ最近見なかった顔がそこにある事に。
「あ……あれ? 気が付いたのか?」
ロアビィが困った様子で頬を掻く。
ちなみにそんなロアビィに対し、フリーデンの面々が向ける視線はかなり冷たい。
当然だろう。国同士の戦いに関わるのは嫌だとフリーデンから出ていき、その後に行われた戦いにロアビィは参加していない。
なのに南アジアでの戦いが終わって、北米に戻るという事になったら、ちゃっかりいるのだ。
そんなロアビィに冷たい視線が向けられるのは当然だろう。
ましてや……
「そっちの女は誰だ?」
ロアビィの隣には、1人の女がいる。
それこそ外見だけなら間違いなく美人と呼ぶに相応しい女だ。
ただ……一見すると優しそうな女に見えるが、その身体の動きを見ると戦いを知ってるようにも思える。
「あ、あはは。その……」
そう言いつつ、ロアビィの視線が逸らされる。
その視線が向けられたのは、モニク。
いやまぁ、ロアビィがモニクに言い寄っていたのは多くの者が知ってたしな。
そういう意味では、ロアビィが見ず知らずの女を連れて来たところをモニクに見られるのは、ロアビィとしてもあまり好ましい事ではなかったのだろう。
もっとも、ロアビィが言い寄っていたのは間違いないものの、モニクがそれに応えるつもりがなかったのだが。
酒のせいで暴走したとはいえ、ロアビィがいない間に俺とモニクは結ばれてしまったしな。
もっとも、その後で付き合って欲しいとは言ったものの、シーマとクリスの件があるので、今は保留という扱いになっているが。
そんなモニクの様子を見て、ロアビィは少しだけ困ったような表情を浮かべ……そんなロアビィの代わりに、女の方が口を開く。
「私はユリナ・サノハラです。今はロアビィと付き合っています」
その言葉に、ざわりとしたのはテンザン級の面々のみ。
どうやらフリーデン側の面々はこの件を既に知っていたらしい。
「ロアビィ。お前……」
呆れたようにロアビィを見る。
当然だろう。
それはつまり、俺達が戦っていた間、ロアビィはこのユリナという女を口説いていたのだから。
あるいは口説き終わってイチャついていたのか。
その辺りの理由は分からないが、とにかく俺達が戦っていた時に女とイチャついていたのは間違いないのだから。
……いやまぁ、俺も酒を飲んだとはいえモニクとクスコを抱いたし、それを抜きにしても毎晩のようにマリューやミナトを抱いている以上、その辺を責められると困るが。
ただ、俺はそういう行為はしていたものの、ロアビィのように戦闘に参加しなかった訳ではない。
「あははは、悪いね。ただ、ユリナと会って色々と話して……それで俺もフリーデンに戻ってくるつもりになったんだ。もしユリナに会ってなかったら、フリーデンに戻らなかったかもしれないぜ?」
「レオパルドをそのままにしてか?」
ロアビィも、レオパルド……というか、ガンダムの価値は承知しているだろうに。
レオパルドは多数を相手にするのは向いているものの、強力な個を相手にするのは向いていない。
基本的には後方から援護射撃をするのに向いている機体なのだ。
足のローラーのお陰で、その手の機体としては高い機動性を持つが。
だが、それでもガンダムだ。
その価値はこの世界においては計り知れないし、それを欲する者は幾らでもいるだろう。
そんなガンダムを置いたままでフリーデンに戻らないつもりだったのか?
そういう意味で尋ねたのだが……
「ああ、最悪そのつもりだったよ」
まさかロアビィの口からそんな言葉が出るというのは、俺にとっても完全に予想外だった。
個人で動くんじゃなくて、国と国で戦うのに巻き込まれるのが嫌だというロアビィの気持ちは、そこまで強かったらしい。
「そんな状況でよく戻ってくるつもりになったな?」
「ユリナと話して、色々とあったんだよ」
「……それでジャミルの方は納得したのか?」
「個人の考え方にこちらから無理強いは出来ん。だが、雇われているのに仕事を放棄したんだ。その間の報酬は当然ないし、契約が終わった後の報酬にも影響してくる」
減俸って感じか。
それが具体的にどのくらい減るのか。
それについては分からないが、ロアビィの表情を見ると何気に結構な金額がマイナスとなるのだろう。
ロアビィを雇っているジャミルがそう言い、フリーデンの他の面々もそんなに問題にしてないようならいいか。
「ジャミルの方で問題がないのなら、俺からもこれ以上は何も言わない。ただ、同じような事があると困るぞ」
「その心配はいらねえよ」
ユリナの肩を抱いてそう言うロアビィだったが、微妙に説得力がないと思ってしまうのは、きっと俺の気のせいでないだろう。
失った信頼を取り戻せるかどうかは、それこそロアビィ次第だ。
俺としては、ロアビィは嫌いじゃないから何とか信頼を取り戻して欲しいとは思うが。
「分かった。じゃあ……行くか。全員近付いて来てくれ」
そう周囲にいる者達に言うと、影のゲートを展開するのだった。
「ふぅ、さすがにこれだけの人数を転移させると疲れるな」
アルカディアに転移が完了し、テンザン級とフリーデンを出してからそう呟く。
「疲れる程度でそのような真似が出来るだけ、凄いと思うがな」
ジャミルが近付いて来てそう告げる。
なるほど、言われてみれば確かにそうかもしれないな。
俺にとっては影のゲートを使った転移魔法は普通に使っているものの、それはあくまでも俺を基準としてのものだ。
新連邦にしてみれば、ふざけるなと怒鳴りたくなるだろう。
……あ、でも未だにブラッドマンは俺の魔法を手品やCGだと言ってるんだよな。
なら、当然影のゲートも手品とかCGであるという風に認識されてもおかしくない。
もっとも、ブラッドマンが魔法を手品やCGだと言ってるのは、あくまでもそう言っておいた方が自分達に都合がいいからなんだろうな。
まさか本気でそんな風に思っている……という事はさすがにないと思う。
「そうだな。俺達にしてみればその方が都合がいいし」
「北米連邦としても、アクセルの転移魔法は心強い。……それで話は変わるが、ニュータイプ研究所についてだ」
ああ、なるほど。そっちが本命か。
ニュータイプを保護する為にバルチャーとして活動していたジャミルにしてみれば、ニュータイプ研究所というのは放っておけないか。
「予定としては、まず俺達は拠点とする艦を新しくする。そのテスト運用も兼ねて、ニュータイプ研究所に向かうつもりでいる。フリーデンがどうするのかはジャミルに任せるが、多分一緒に行動するのは難しいぞ?」
「……だろうな。その場合、こちらもその新しい艦に乗せて貰うという事になるが、構わないか?」
「それは構わないが、やっぱりジャミルも来るのか?」
「そのつもりだ」
「まぁ、北米連邦の方で問題がないのなら、それで構わない。……ちなみにニュータイプ研究所があるのは、中央アジアだ」
これはラスヴェートからマリューが引き出した情報だ。
まさかニュータイプ研究所が中央アジアにあるというのは、個人的に驚きだった。
新連邦の下部組織と思しき場所だけに、ヨーロッパにあると思っていたんだが。
まぁ、ヨーロッパは新連邦の本拠地なので、そこに乗り込むような真似をしなくてもいいのは、悪くないか。
もし北米連邦の軍……ぶっちゃけ俺達だが、そんな俺達がヨーロッパに乗り込むなんて真似をしたら、新連邦は全力で阻止してくるだろう。
あ、でもそうなれば新連邦が侵略戦争を行っている場所からも戦力を引き返すだろうし、そういう意味ではいざという時の手段として考えておけばいいのか?
そんな風に考えている俺の視線の先で、ジャミルが驚きから我に返ったのか、口を開く。
「中央アジアに? それは本当なのか? 一体何故そんな場所に?」
「さぁ? その辺は俺にも分からない。ラスヴェートから引き出したデータにそうあっただけだし。……普通に考えれば、ジャミルの疑問も理解は出来るんだが」
ニュータイプの研究をするのに、何故中央アジア?
俺もそれは素直に疑問に思う。
ルチルやジャミル、アベル、そしてティファを見ても、明らかに白人系だ。
カリスは……まぁ、人工ニュータイプだから含めないにしても、こちらも白人系なのは事実。
アジアの人種ではないのは明らかであるにも関わらず、何故中央アジアにニュータイプ研究所を作るのか。
「もしかしたらだが、今までのニュータイプが白人系だったから、それを考えてそうしたんじゃないか? まだニュータイプが存在してないからこそって事で。もしくは、アジアには予想以上に人が生き残ってるからとか」
南アジアだけでも、人口数万人の国が3つもある。
いや、国としては3つでも、実際にはその国以外にも小規模な村や街があってもおかしくないということは、より多くの者が集まっていてもおかしくはない。
だとすれば、南アジア以外でもアジアには人が多く生き残っていてもおかしくはない。
それがコロニーの落ちた個数が少なかったからなのか、それともコロニーが落ちた時に備えてシェルターを多数用意していたからなのかは分からないが。
とにかく、ニュータイプ研究をする上で被検体となる者は多ければ多い程にいいのだ。
「ニュータイプ研究所……どのような研究をしているのか、しっかりと確認する必要があるな」
「一応言っておくけど、俺が言ったのはあくまでも予想だからな? 実際にどうなのかってのはまだ分からないぞ」
もしかしたら、被検者にとって悪くない環境の研究所という可能性も十分にある。
アベルの様子を見ると特に。
勿論、この場合のアベルの様子というのは、あくまでも記憶を失う前のアベルについてだ。
今のアベルは幼児退行しているので、何の問題もない。
いや、フリーデンの方では20代のアベルがティファを姉扱いして懐いており、言動も幼児化しているので戸惑っている様子がない訳でもなかったが。
「それは分かっている。だが、やはりニュータイプの事となると、私も行く必要があるだろう」
「戦力が増える分には、こっちは困らないけどな」
オーラバトルシップのウィル・ウィプスでオーラバトラーではなく、MSを運用するのだ。
どうしても当初の運用と違うところが出て来てもおかしくはない。
それらの試験の為にも、出来るだけ多くのMSを運用したり、あるいはキッドとかにMSを運用する上で格納庫の方で色々と調整したり、そういう風にする必要があった。
実際には、そこまで変える必要はないと思っているんだが。
「すまないな」
「気にするな。……ただ、言っておくがジャミル達が俺達の船に乗るのはいいが、北米連邦の上層部の説得には手を貸さないぞ? そっちの方はジャミルが自分でどうにかしてくれ」
北米連邦の上層部……具体的にはアルカディア、フォートセバーン、セインズアイランド、サン・アンジェロ、セントランジェといった北米連邦を構成している有力な勢力であったり、ロッソを始めとした有力なバルチャーだったりする連中だ。
もっとも、ロッソ辺りならジャミルの言葉に反対はしないだろうが。
寧ろもっとやれといったように言ってもおかしくはない。
「む……分かった。それはこちらで引き受けよう。それで具体的にはいつくらいに出発する予定だ?」
「そうだな。ウィル・ウィプスの細かな調整とか、運用に慣れたりとかもする必要があるから……10日後といったくらいか。そのくらいを目安に説得してくれ」
10日後というのは、普通に考えれば時間が掛かりすぎているように思える。
だが同時に、国……それも地球の中でも2大勢力の1つが作戦行動をすると考えた場合は、短い。
もっとも、人口の99%が減った世界での2大組織と聞けば、あまり大きな組織には思えないが。
「10日後か。分かった。それまでには行動出来るようにしておく。ただ、その10日の間にフリーデンのクルーもウィル・ウィプスだったか? それに慣れるようにしておいて欲しい」
「それは構わない。……アベルはどうするんだ?」
「連れていくしかないだろう」
そう告げるジャミルに、やっぱりそうなるかと返すのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2105
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1788