キッドの口から出た言葉に、最初は何を言ってるんだと突っ込みたくなる。
当然だろう。キッドが口にしたのは、レオパルドを改修したいという事だったのだから。
一体何を考えてそんな風に言ったのか。
「何でそういう結論になったんだ?」
「いや、エアマスターも改修したし。それにウィル・ウィプスの格納庫に慣れるには、実際に使ってみるのが最善だろ?」
「それは……」
習うより慣れろというのは、決して間違いではない。
1つの真実であるのは、間違いない事実だ。
だが……だからといって、南アジアでの戦いにおいて途中で離脱したロアビィのレオパルドを改修するとなると、中には不満を覚える者がいてもおかしくはないだろう。
「アクセルが何を心配してるのかは、俺にも分かるさ。けど、こう言い換えたらどうだ? 途中で逃げ出した罰として、まだ使い慣れていないウィル・ウィプスの格納庫の設備を使いこなす為にレオパルドを使うって事で」
キッドが口にしているのは、明らかに言い訳だ。
しかし、それでもロアビィに対して不満を抱いている者達がそれを聞けば、ざまあみろといったように納得してもおかしくはなかった。
「ちなみにロアビィは納得してるのか?」
キッドからの提案だったが、もしロアビィが了解していない状況で勝手にレオパルドを改修するような真似をしたら、間違いなく面倒な騒動になる。
それこそロアビィがキッドを殺してもおかしくはないくらいに。
しかし、そんな俺の心配をよそに、キッドは笑みを浮かべる。
「問題ねえよ。ロアビィからはしっかりとOKを貰ってるから」
ロアビィもOKを出したのか。
その理由は何だ?
やっぱり南アジアでの戦いで自分が途中で抜けたからか?
それとも、何だかんだとキッドの腕を信じているから、表向きの理由はともかくレオパルドが強化されるのは賛成といったところか。
……いや、俺がロアビィの気持ちを考える必要は別にないか。
ロアビィがいいと言ってるんだし、エアマスターバーストやディバイダー装備のGXの件を思えば、キッドの中にはレオパルドの改造プランがあるのだろう。
後はフリーデンの格納庫にあったキッドのコレクションのMSの部品を今のうちに使った方がいいのかと思ったのかもしれない。
ともあれ、ロアビィの戦力が強化されるのは俺にとっても悪い話じゃない。
ウィル・ウィプスにおいて新連邦と戦う事になるのだが、当然だが北米連邦の中の主力となると俺達になる。
そんな主力の俺達の戦力は、多ければ多い程にいいのは間違いない。
「分かった。なら、そっちの件については任せる。使う部品の類で必要なのがあったら言ってくれれば用意する。それ以外にも、こっちのメカニックや量産型W、コバッタは好きに使ってもいい。お前がメカニックを率いるんだからな」
エルフのメカニックは、キッドの下で働けばそれが新たな知識や技術の習得となるだろう。
もっとも、エルフ達はシャドウミラー……というか、エルフ達で作っている傭兵、精霊の卵においてメカニックをしている者達だ。
元々が相応の技術は持っている。
もっとも、基本的に精霊の卵で使っているMSはSEED世界のMSをシャドウミラーの技術で改良した機体だが。
具体的には、核分裂炉ではなくブラックホールエンジンに変えたりとか。
とにかくそういう意味ではSEED世界のMSについては相応の知識があるものの、X世界のMSはどうしても違う。
名称こそMSと同じであっても、その中身とかは大きく違うのだ。
それでもテンザン級ではX世界のMSを使っていたので、それなりにX世界のMSについては詳しくなっているが……やはり最初からX世界のMSに特化して勉強してきたキッドの方が詳しいだろう。
そういう意味で、キッドの下で働くというのは悪い話ではない。
量産型Wに関しては、キッドの下で働いてメカニックの技術を習得すれば、それを疑似経験や疑似記憶といった形で他の量産型Wに反映させる事も出来る。
「え? いいのか? 俺はてっきり、メカニックはアクセル達の方でトップを用意すると思ったんだけど」
あっさりと俺がキッドをメカニックを率いる人物だと認めたのが意外だったのだろう。
キッドは驚きの視線を俺に向けてくる。
「構わない。キッドが有能なのは事実だし。X世界のMSに関しては、間違いなくキッドが1番だしな」
「……それって、他の世界のMSだと違うって聞こえるんだけど?」
「それは否定しない。まぁ、その件についてはここでどうこう言っても意味はないだろう。今後、もし機会があれば他の世界の兵器も弄らせてやるよ。……もっとも、世の中には中途半端な腕で触ると最悪の結末が待っている機体とかもあるけどな」
そう言い、俺はキッドの前から移動する。
後ろでキッドが何かを叫んでいるものの、取りあえず無視しておく。
キッドにしてみれば、俺が口にした意味ありげな言葉には思うところがあったのだろう。
それについては、後で……ウィル・ウィプスの件がもう少し落ち着いたところでだな。
そう考え、ウィル・ウィプスの中の様子を見にいくのだった。
「よう、アクセル! この軍艦……オーラバトルシップだったか? すげえな」
ウィル・ウィプスの通路を歩いていると、前からやって来たカトックがそう声を掛けてくる。
俺はそれに声を返そうとして……ふと、意外な光景を目にし、動きを止めた。
カトックがウィル・ウィプスの中を歩いているのはいい。
これからカトック達もウィル・ウィプスに乗艦するのだから、ウィル・ウィプスの中がどんな構造になっているのかを知っておくべきだと考えたのだろう。
カトック達はMSパイロットではなく、あくまでも歩兵だ。
もし敵がウィル・ウィプスの中に潜入したりした場合、それを捕らえる役目を持っている。
だからこそ、ウィル・ウィプスの中をしっかりと確認しておく必要があるのは分かる。分かるのだが……
「何でユリナが一緒にいるんだ?」
カトック達と一緒にいるユリナに、思わずといった様子で声を掛ける。
カトックを始めとして、いかにも兵士といった強面でゴツい者達の中に、ユリナという美人がいるのだ。
これ以上ない程に目立つ。
それこそ、ユリナの存在を目立たせる為にカトック達がいるのではないかと思えるくらいに。
ロアビィの恋人としてウィル・ウィプスに乗り込んだのは分かる。
だが、何故そんなユリナがカトック達と一緒に?
「私もその、歩兵になりましたので」
「……ロアビィは知ってるのか?」
あまりの言葉に、そう尋ねる。
もっとも尋ねてから、そう言えばユリナは外見はともかく、それなりに戦えるように鍛えている身体の動かし方だったと思い直す。
とはいえ……それでも歩兵?
「ええ。ロアビィは反対しましたけど……」
なるほど、押し通したと。
ロアビィにしてみれば、自分の恋人がまさか歩兵をやるとは思っていなかっただろう。
別に無理に歩兵をしなくても、それこそ細かい仕事は幾らでもある。
量産型Wやコバッタが大抵はやってくれるが、ユリナがやってもいい訳だし。
特に食堂のウェイトレスとかは、ユリナがやってくれれば人気が出ると思う。
ユリナのような美人と、量産型Wやコバッタが持ってくる料理……どちらが美味そうに思えるのかは、考えるまでもないだろう。
「何で歩兵に? ……ああ、別に公の場とかでなければ、無理に敬語を使ったりとかはしなくてもいい。他の連中もそうだろう?」
公の場ならともかく、普通の場所でわざわざ敬語とかを使われるのはちょっとな。
堅苦しいのとかは好きじゃないし。
「そうですか。……いいえ、分かったわ。私は元々ゲリラの候補生のような存在だったの」
「は? ゲリラの候補生? つまり、エスタルドの敵だったのか?」
だとすれば、ここでユリナを受け入れたのはかなり不味い。
最悪、エスタルドとの関係に悪影響を与えかねない。
そう思ったのだが、俺の言葉にユリナは即座に首を横に振る。
「そういう意味ではないわ。もしアクセルさん達がこなかったら、エスタルドは……いえ、南アジアは新連邦の手に落ちていたわ」
だろうな。
エスタルドはそうでもなかったが、ガスタールの中には新連邦と繋がってるのも結構いたし。
また俺達がいなければ、ノーザンベルの首都が新連邦によって落とされていた可能性も高い。
あるいはそれ以上に、最初に俺達がウイリス達と面会をした時に首都諸共に爆撃されていたかもしれなかった。
「だからこそ、私達はその時の事を考えていたの。エスタルドが新連邦の手に落ちるのは仕方がない。けど、そのエスタルドの住人全てが新連邦の言いなりになると思われない為に」
「なるほど。話は分かった」
話は分かったものの、若干の疑問もある。
エスタルドに対して愛国心を持っているのはいい。
だが、それなら別にゲリラになるという道を選ばなくても、それこそ軍にでも所属すればよかったのではないか。
カトックは軍人……それもMS乗りではなく、歩兵としてはかなりの腕を持つ古強者だ。
そんなカトックが自分達と一緒に歩兵となってもいいと認めたような相手であると考えれば、ユリナの軍人としての才能は決して低くはない筈なのだ。
なら、エスタルドの軍人としても十分にやっていけるのでは?
基本的に軍というのは男社会で、そんな場所にユリナのような美人が入っていけば、色々と問題が起きるの可能性は十分にあったが。
「分かって貰えて嬉しいわ」
そう言って笑うユリナからカトックに視線を移す。
「それで、ユリナの軍人としての才能はどうなんだ?」
「正直なところ、最初は疑問もあったんだがな。それなりに才能があるのは間違いねえ」
カトックがこう言うとなると、実際ユリナには相応の才能があるのは間違いないのだろう。
もっとも、それはあくまでもそれなりであって、歩兵の天才とかそこまではとてもではないが届かないだろうが。
あくまでもそこそこ。
ロアビィがその辺についてどこまで知ってるのかは分からないが、その辺りを承知の上での話なら俺がこれ以上何かを言うようなことではないか。
「そうか。なら、ユリナの件については任せる。俺は他のところを色々と見て回ってくるよ」
「あいよ。このウィル・ウィプスってのはかなりでけえからな。俺もいつまでもここで話をしているような時間はねえな」
そうして会話を終えると、カトックは部下達を率いてウィル・ウィプスの探索を再開する。
ユリナは俺に一礼すると、カトックを追い掛けていくのだった。
「これは、また……多分一番ここが厄介な事になってそうだな」
次に俺が向かったのは、ブリッジ。
だが、そのブリッジの中では相応に混乱……というか、戸惑っている様子があった。
分からないでもない。
以前はテンザン級とフリーデンという2隻の陸上戦艦を使っていたが、そんな2つの部隊が統合されるのだ。
そういう意味では格納庫とかも問題ではあったが、あっちの方はキッドに任せてあるし、エルフ達も内心はどうあれ、俺の命令だからという事で素直に従っている。
また、それを抜きにしてもX世界のMSを整備したりするとなると、キッドが有能なの明らかだ。
だとすれば、そこまで問題なく纏まるのだが……このブリッジはそうもいかない。
「操舵士は私でいいわよね?」
「え? あ……はい」
ミナトの言葉に、シンゴはあっさりと退く。
うん、ここに関しては何の問題もないらしい。
純粋に操縦技術の技量を見ても、シンゴよりミナトの方が圧倒的に上だし。
オペレーターも、トニヤがいるので問題はない。
副長に関しても、サラがフリーデンからそのまま移ってくるだろう。
だが……問題なのは、艦長だ。
艦長という意味では、テンザン級のマリューとフリーデンのジャミルがいる。
しかも双方共に優れた艦長であるのは間違いない。
「私はMSで出る事もあるのだ。そうなると、艦長がいなくなるという事にもなりかねない。ならば、最初から艦長はマリューに任せておいた方がいい」
そうジャミルが主張するが、マリューはそれに対して首を横に振る。
「普段ならそれもいいかもしれないけど、ジャミルは北米連邦の代表でしょう? そのような人物が参加しているのに、艦長でも司令官でもなく、ただのパイロットとして参加するのはおかしいわ。……そもそも国の代表が最前線に出るという時点でおかしいけど」
このような感じだ。
普通なら自分が艦長をやると主張するんだと思うが、マリューとジャミルの場合は、相手に艦長をさせようとしている。
サラとしてはジャミルに艦長をやって欲しいと思っているのだが、同時にジャミルの要望も無視はしたくないといったところか。
そのまま話が拗れるかと思ったのか……
「私が艦長をした場合、マリューは仕事がなくなってホワイトスターに戻る事になるのでは?」
そんなジャミルの言葉が決め手となったのか、マリューは艦長を引き受ける事になった。
トニヤからはその場にいた俺が冷やかされる事になったが。
ちなみにそれ以外のブリッジで足りない人員は、いつものように量産型Wが担当する事になるのだった。
何しろウィル・ウィプスのブリッジはテンザン級やフリーデンとは比べものにならないくらいに広いし。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2105
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1788