結局ウィル・ウィプスの艦長はマリューが務めることになった。
ジャミルはMS隊に所属する事になる。
ウィル・ウィプスのどこに何があるのかを皆が確認し、艦長が決まり……そして翌日、ウィル・ウィプスはテスト運用される事になる。
「こんなに大きいのが……戦闘機とかでもないってのに、一体何がどうなって飛べるんだ?」
ウィッツが窓の外を見ながら、そう呟く。
戦闘機型になるエアマスターバーストに乗っているウィッツだけに、ウィル・ウィプスの外見からして、とてもではないが空を飛べるようには見えないのだろう。
「オーラ力というのが動力になってるんだよ」
「オーラ力? 何だよそれ?」
遊戯室のソファに座っている俺の言葉にそうウィッツが尋ねてくる。
「こことは違う異世界で使われている力だな。魔力とか気とか、そういう力だと言えば分かるか?」
「それは……まぁ、何となく」
あれ? これで納得するというのはちょっと意外だったな。
ウィッツの年齢を考えると、子供の頃はまだ戦争中だった筈だ。
そして戦争が終われば映画とかそういうのを見る事は出来なくなったのだから、魔力や気とか言っても分からないかと思ったんだが。
「あれだけ俺達の前で魔法を使ってるんだ。それを知らないって訳にはいかねえだろ。ホワイトスターに行った時にも、色々と見たし」
「ああ、なるほど。ホワイトスターならそういうのも分かるか」
ホワイトスターでは普通に魔法とかが使われていたりするし、時々技術班の面々がエキドナ、茶々丸、セシルといった面々に追われて虚空瞬動を使って逃げたりするしな。
それ以外に、エルフも魔法を使えるし。
「分かるならそれでいい。オーラ力というのは、気の一種……亜種とでも呼ぶべきものだな」
「亜種? そういうのもあるのか」
「そうなる。特に気は他にも呼吸とかそういう亜種もあるしな」
「……呼吸? 呼吸って、これか?」
スーハーと深呼吸をするウィッツ。
「間違ってはいないが、正解でもないな。俺は色々とあって使えないが、鬼滅世界という世界で身体強化をしたり、それ以外にも色々と効果はあるが、そういう世界の技術だよ」
「ふーん。呼吸か。それなら俺も出来るのか?」
少しだけ興味深そうな様子のウィッツ。
バルチャーとして活動しているウィッツだ。
今はフリーデンに……というか、北米連邦に雇われる形になっているが、新連邦とのゴタゴタが終われば、いつまでもそのままという訳にはいかない。
いや、ウィッツ程のMSの操縦技術と、何よりもエアマスターバーストがあれば、戦争が終わっても北米連邦としては引き続き雇いたいだろう。
それも一時的に雇うのではなく、正式に雇うという感じで。
ウィッツがそういう話をどう考えているのかは分からないが、本人としては呼吸を習得する事で身体強化が出来るのなら……と簡単に考えているのだろう。
実際、呼吸という名称を考えるとウィッツのように思ってもおかしくはない。
「習得しようと思えば出来ると思う。ただ、その為には人にもよるが数年間はずっと修行を続けないと駄目だけどな」
鬼滅世界の主人公である炭治郎ですら、水の呼吸を習得するに数年掛かったのだ。
ウィッツが修行をしても、恐らく同じように数年掛かってもおかしくはない。
「うげ、俺はごめんだな。……お、ロアビィ。お前はどう思う?」
数年の修行という時点で諦めたウィッツは、ちょうど遊戯室に入ってきたロアビィに尋ねる。
だが、遊戯室に入ってきたばかりのロアビィは、当然だが自分が一体何を聞かれているのかが分からない。
「うん? 何がだよ?」
「呼吸だよ、呼吸。アクセルが行った世界にある技術の1つで、身体強化とかが出来るらしいが、それを覚えるには数年の修行が必要らしいぜ?」
「ありゃりゃ。俺はごめんだね」
ウィッツの言葉にそう言うロアビィ。
ロアビィもまた、数年の修行はごめんだと思っているのだろう。
……とはいえ、実際に呼吸を習得するのに数年必要かどうかは分からなかったりするのだが。
いや、実際に炭治郎が数年掛かったのは間違いない。
だが、それは鬼滅世界での話だ。
今のホワイトスターには鬼滅世界から鱗滝や桑島といった呼吸を教える育手として派遣されている。
ホワイトスターの最新技術があれば……そしてこのX世界においてガロードの仲間、つまり主要メンバーであるウィッツやロアビィなら、もしかしたら俺が予想したよりも短い時間で呼吸を習得する可能性は十分にある。
もっとも、それでも相応の修行が必要になるのは間違いないので、ウィッツやロアビィがそれを受け入れるとは思えないが。
「呼吸の件はともかくとして……ロアビィはここでゆっくりしていていいのか? 格納庫ではお前の機体が改修されてるんだろう?」
キッドがウィル・ウィプスの格納庫の機材に慣れるという名目で、レオパルドの改修を提案し、ロアビィが許可をしているという事で、俺もそれを許可した。
実際にはそういう名目で、これから新連邦との本格的な戦いに向けてレオパルドを強化するというのが目的なのだが。
「あー、もう大体の話し合いは終わったから、後はキッド達に任せるよ。……いやいや、視線が痛いのなんの」
「そりゃあ、お前が悪いんだろ? 俺やアクセルが苦労している間、ずっとあのユリナとかいう女とイチャついてたんだからな」
ウィッツの言葉はそんなに間違っていないと思う。
キッドはまだ子供だからいいとして、キッドの部下達は大人だ。
そんな大人の男達にしてみれば、ただでさえ女にモテるロアビィは嫉妬の対象となる。
しかもその上でフリーデンに雇われているのに家出をして、自分達が必死に新連邦やガスタールの反乱軍と戦っている間、何をしていたのかと考えると……
エルフ達にしてみれば、もっと単純な理由だろう。
俺が自分で言うのもなんだが、俺はエルフ達の信仰の対象だ。
そんな俺が頑張っているのに……と、そんな風に思う者が多くても、この場合はおかしくない。
「いや、それは……けど、戻ってきたんだから、もういいだろ?」
困った様子のロアビィ。
自分でも問題行動を起こしたというのは理解しているので、あまり強く反論出来ないんだろう。
仕方がない。少し助けるか。
「それにしても、まさかユリナが歩兵隊に入ってカトックの部下になるとは思わなかったな」
「ああ、それそれ。なぁ、ロアビィ。本当に大丈夫なのか? なんつーか……見るからにそういうのに向いてないような女だろ?」
「ふっふっふ。それはウィッツがユリナのことをよく理解してないからさ。ユリナはお淑やかな外見だけど、実際には強いんだぜ?」
「えー……マジかよ?」
このやり取りの様子を見ると、どうやらロアビィはともかく、ウィッツはユリナの素性……ゲリラの候補生だったというのは知らないらしいな。
正確にはゲリラじゃなくてレジスタンスと呼ぶべきなんだが。
それを抜きにしても、戦後世界のX世界においてお淑やかなだけの女が生き延びられるかとなると、実際にはかなり難しいと思う。
「本当だって。……ただ、ユリナが思っていたよりも歩兵隊で人気が高いらしくてな。カトックはともかく、その部下の視線が痛いんだねぇ」
「ふんっ、自業自得だろうが」
これについては、俺もウィッツの意見に賛成だった。
カトックの部下は、全員がむさ苦しい男だ。
そんな男所帯にユリナのような美人が行けばどうなるか。
普通に考えれば、ユリナは間違いなく人気者になるだろう。
実際に人気者になっているし。
そして人気者になれば、そのユリナが付き合っているロアビィに嫉妬の視線が向けられるのは自然な流れだ。
あ、でも年齢を考えるとカトックの部下達はユリナを女ではなく娘的な存在として見ているのかもしれないな。
だからこそ、娘同然のユリナを明らかにナンパな男のロアビィと付き合わせるのは許せないとか。
……まぁ、そっちの件に関して言えば、俺はロアビィに何も言えないんだが。
本人にその気は全くなかったとはいえ、ロアビィが口説いていたモニクとそういう関係になってしまったし。
結局ロアビィはユリナとくっついた訳だが、それでも若干ロアビィに悪いと思わないでもない。
もっとも、俺が言うのもなんだがモニクは最初から俺を好きだった。
ロアビィは戦友だとは思っていても、男としては見ていなかったのだろう。
それでもモニクにアタックを続けたロアビィは、くじけない心を持っているのかもしれないが。
「それは分かってるんだけど、やっぱり堪えるんだよ。……それより、ウィッツはそういう相手はいないのか?」
「ああ? 何だよ急に」
このままの話題だと自分が不利になるだけだと判断したのだろう。
ロアビィはウィッツにそんな風に尋ねる。
「いや、だから彼女だよ、彼女。女、恋人。そういうのはいないのか?」
「なぁっ!? い、いきなり何を言ってやがるんだ、てめえっ!」
慌てたように叫ぶウィッツ。
この様子を見ると、もしかして意中の相手がいたりするのか?
ウィッツの性格を考えると、そういう相手がいないのならいないとはっきりと言うだろうし。
そういう風に言わないという事は、恐らく……いや、間違いなくそういう対象がいるという事だ。
「別に驚く事はないだろ? 俺はユリナ。ガロードはティファ、そしてアクセルは……うん。色々と特殊な例だからいれないにしても、多くのパイロットにそういうのがいるんだし。ウィッツにもそういう相手がいないのかどうか、気になるのは当然だろ?」
ロアビィは意図的に口にしていないし、問い詰められているウィッツも混乱して頭が働いていない様子だったが、テンザン級のパイロットの方では何気にそういう相手がいないフリーの者もいたりする。
オルテガとマリオンは恋人同士だが、ガイア、マッシュ、エニル、ルチルといったように。
……男と女が2人ずつという事は、もしかしてもしかしたりするのか?
ふとそう思ったが、ガイアとマッシュがエニルやルチルに言い寄っている光景は、ちょっと思い浮かべる事が出来ないな。
多分だけど、そういう関係にはならないだろう。
「そうなると、エニルか?」
混乱するウィッツにそう尋ねる。
何故ここでエニルが出て来たのか。
それは、以前ガスタールでの戦いにおいてガディールを鹵獲する時にエニルに頼んだところ、色仕掛けで止めたのが理由だ。
何だかんだと純情なウィッツにしてみれば、胸の谷間を見せつけるような服装をしているエニルというのは、強烈な存在なのは間違いない。
「ばっ! そんな訳ねえよ!?」
本気で叫ぶウィッツ。
その言葉が本心からのものなのか、それとも照れ隠しなのか。
生憎とその辺については、俺も分からない。
ただ、こうして見る限りでは……前者っぽいな。
「ロアビィ、お前ウィッツの友人なら、女遊びくらい教えてやった方がいいんじゃないか? ガンダムのパイロットでこれってのは、ちょっと問題だぞ?」
「うーん、やっぱりアクセルもそう思う? けど、人には向き不向きがあるだろ? もしここで俺がウィッツを連れてそういう店に行っても、多分緊張して何も出来ないぜ?」
「何って……何の話をしてるんだよ!」
俺とロアビィの会話を聞いて、叫ぶウィッツ。
ウィッツにしてみれば、自分が馬鹿にされてるように感じているのかもしれない。
いやまぁ、そういう経験で考えると、ウィッツはロアビィの足下にも及ばないのだから、そんな扱いになってもおかしくはないのかもしれないが。
「さて、何の話だろうな。……あー、けどアクセル。悪いけどユリナがいる以上、俺はウィッツをそういう店に連れて行くのは難しいな。アクセルが連れて行ったらどうだ?」
「俺がか? うーん、それはちょっと難しいと思う」
俺の場合、別にキャバクラとかそういう店に行くの自体は問題ない。
レモンを始めとした面々は、そういうのにかなり大らかだし。
だが……それでも最終的には止めるだろう。
この辺は矛盾しているようにも思えるが、仕方のない事でもあったりする。
何しろ俺が酒を飲んだらどうなるか、それはレモン達も十分に知ってるのだから。
そもそもの話、俺はこのX世界でも酒で失敗してるし。
具体的にはモニクとクスコを抱いた時の事だ。
ただ、モニクとクスコには悪いと思っているが、あれって別に俺が自分から酒を飲んだ訳じゃないんだよな。
エスタルドが新連邦のMS部隊を倒したと、そういう政府発表があって、それを聞いた国民がハイテンションになり、俺がモニクやクスコとデートをしていた喫茶店にやって来て、それで酒を注文し、その酒が俺に降り掛かり、それで……といった感じだし。
こう言うとモニクやクスコには悪いが、結果としてその時はモニクやクスコを抱くだけで終わったものの、場合によっては喫茶店が……いや、それどころかエスタルドの首都が壊滅してもおかしくはなかった。
そう考えると、レモン達が俺にそういう店に行くのを許可するとは思えないというのは、間違いのない事実だった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2105
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1788