ニュータイプ研究所にいたニュータイプ候補生は、ジャミルが……いや、俺もだが、想像していたよりはかなりマシな状況だった。
てっきりフラナガン機関の時のようになっていると思っていたのだが、どうやらその想像は外れていたらしい。
……フラナガン機関を知っている俺がそういう風に認識するのはともかく、ジャミルもまた同じように認識していたというのは少し意外だったが。
あるいは15年前の戦争中にジャミルがニュータイプ研究所に関わる事があり、その時はとてもではないがまともな状況ではなかったとか、そういう可能性も否定は出来ない。
ともあれ、そんなジャミルの想像は外れ、ニュータイプ候補者達は悠々自適……とまではいかないが、それでもかなり自由な状況だった
研究者達に暴力を振るわれたりといったようなことがなかったのは、ジャミルにとっていい知らせなのは間違いないだろう。
ともあれ、そうしてカロンが約束を果たした以上、こちらが約束を守らないという事は出来ない。
俺はカロンによってとある部屋に用意される。
その部屋は見て分かる程に多数の計測装置と思しきものがあった。
ちょっとやりすぎではないか?
そう思わないでもなかったが、カロン達にしてみれば魔法を色々な側面から計測出来るという、またとない機会だ。
その機会を最大限に利用するというのは、そうおかしな話ではない。
『では、準備はいいかしら?』
部屋の中にカロンの声が響く。
他の場所から、この部屋の中を見ているカロンが部屋の中に通信機を使って声を届けたのだろう。
俺と一緒にこの部屋にいては、俺が使う魔法に巻き込まれると思ったのかもしれない。
その辺の判断はそれなりに正しい。
……もっとも、俺が本当の意味で混沌精霊としての力を発揮した場合、この部屋どころか研究所その物が破壊されてしまうのだが。
勿論、俺もそこまでやるつもりはない。
「ああ、構わない。早速魔法を使ってもいいのか?」
『お願いするわ。もうこちらでは既にデータを取り始めてるから、好きに魔法を使ってもいいわよ』
そういう事なら。
手を大きく振るう。
同時に、そんな俺の手の軌跡に沿うかのように、白炎が空中に生み出された。
ざわり、と。
まだ繋がってる通信が、カロンやそれ以外の研究者達のざわめきをこちらに教える。
『炎は……何故白いのかしら?』
恐る恐るといった様子で尋ねてくるカロン。
俺はそれに対し、どのように答えるべきか迷う。
何故俺の生み出す炎が白いのか。
まさに白炎という名が相応しい純白の炎は、確かに俺のイメージとは違う。
俺のイメージは赤。……もっと正確に現すのなら、深紅だろう。
あるいは黒というのもそれらしい。
だが……俺の性格的にも、純粋に能力的にも、白い炎というのは普通に考えて有り得ないのは間違いない。
一体何がどうなってこんな炎になったのか。
「分からないな。俺の性質とかそういうのに関係してくると思う」
取りあえずそう答えておく。
実際、自分でも何故白い炎なのか分からない以上、そういう風に答えるのはおかしくないだろう。
『魔法というのはそういうものなの?』
「そういうものだと認識しておけ」
エヴァ辺りが聞いたら、お前と一緒にするなとか叫びそうな気がするが……まぁ、今は鬼滅世界を満喫してるから、問題はないだろう。
『しょ……所長! 部屋の温度が急速に上昇していきます! 100……200……温度上昇止まりません!』
「ああ、悪い。計測装置に悪影響を及ぼすか」
白炎によって急速に部屋の温度が上がり、それによって通信の向こう側では悲鳴が聞こえてくる。
それを聞き、白炎を弄る。
具体的には、直接触れないと熱さを感じないように。
『これも……魔法?』
「ああ、これも魔法だ」
またエヴァが叫びそうに以下略。
「こういうのも出来るぞ」
そう言い、次に白炎を炎獣に変える。
獅子、虎、狼といった炎獣が、部屋の中を移動する。
もっとも、部屋はそれなりの広さではあるが、それでも狼はともかく、獅子や虎は自由に動き回れるような広さではない。
『な……ムウ、貴方は……もしかして、生命を創造出来るとでも!?』
「微妙に違うな。これはあくまでも俺の白炎によって生み出された炎獣という存在で……疑似生命体とでも呼ぶべき存在だな。本物の、カロンが思っているような生命体ではない」
ある程度の自我があったりもするが。
ティファの護衛につけているリスの炎獣なんかは、まさにそのタイプだ。
『疑似生命体……ですか』
信じられないといった様子のカロンの声。
「ああ、疑似生命体だ。あくまでも俺がそういう風に認識しているだけだけどな」
疑似生命体というのは、人によって、世界によって、それ以外にも様々な場所によって意味が違ってきてもおかしくはない。
その為、俺があくまでもそういう風に認識しているという表現にしておく。
『それは……いえ、まぁいいわ。他にも何か魔法があるのなら、見せて貰える?』
「分かった。取りあえず炎獣を消すぞ」
パチンと指を鳴らし、炎獣を消す。
白炎が細かな存在となって散っていくのは、ある意味で非常に美しい光景ではある。
そして次に俺がやったのは、影槍。
俺の影から、槍を生み出す。
他の魔法という事なら、転移魔法というのもあるんだが……これはさすがに見せるつもりはない。
新連邦なら、今までの俺達の行動や、俺が魔法を使えるという事から、もしかしたら……とそう思っている可能性はある。
あるのだが、だからといってそれをわざわざニュータイプ研究所に教えているとは思えない。
「次の魔法は……一応聞くが、ジャミルが行った建国宣言は見ていたんだよな?」
『え? ええ、勿論。映像も保存してるあるわ』
少し戸惑った様子で言うカロンだが、映像の保存とかよく出来たな。
現在このX世界ではTV放送とかそういうのは基本的にない。
ブラッドマンやジャミルによる、新連邦や北米連邦の公式発表を出す場となっているようなものだ。
そう考えると、ニュータイプ研究所でその映像を保存したというのは……ああ、でもニュータイプ研究所は他の街よりもかなり発達している。
それこそ戦前の技術をかなりのレベルで維持している筈だ。
であれば、ニュータイプ研究所内部では映像を流したり、それをある程度自由に見たりといったようなことがあるのかもしれないな。
「なら、分かると思うが、俺が使える魔法には召喚魔法がある。とはいえ、グリ……建国宣言の時に召喚したようなのと同じような大きさを持つ存在は、ここだと狭すぎて召喚出来ないんだよな」
この部屋は俺が普通に行動するだけなら何の問題もなりような大きさだし、炎獣の獅子や虎がある程度は歩けるだけの広さはある。
だが、グリフィンドラゴンのグリを召喚出来るだけの広さがあるかと言われると、否だ。
『なるほど。……では、どうするの?』
「どうすると言われてもな。……グリのような巨体を持たない存在を召喚するか」
『是非』
食い気味だな。
どうやら召喚魔法というのが、カロンの琴線に引っ掛かるところがあったらしい。
そんな訳で、召喚魔法を使う事になったのだが……さて、誰を召喚するか。
そう悩むも、グリが無理な以上、残るのは2人だけ。
だが、狛治は止めておいた方がいいか。
下手に言葉とかが分かる分、召喚すると面倒な事になりそうだし。
そうなると、残るのは刈り取る者だけか。
かなりのプレッシャーを発揮する存在なので、少し……いや、色々と問題が起こるかもしれないが、こちらの言葉を理解出来ているのかどうか分からないというのは大きい。
実際にはしっかりと言葉を理解出来るのだが、それはあくまでも俺の言葉だからだ。
他人の言葉は……いや、それ以前に刈り取る者を見て友好的に接触しようと思う者がいるかどうかは、微妙なところだろう。
まぁ、カロン達に魔法がどういうものかを教える為には、悪くないか。
そう判断すると口を開く。
「じゃあ、行くぞ。……正気を保てよ」
『え?』
俺の言葉の意味が分からなかったのか、カロンが疑問の言葉を口にする。
しかし、その時にはもう俺は自分の影を軽く足で何度か踏んでいた。
すると次の瞬間、俺の意思に従って影から刈り取る者が姿を現す。
『……え?』
グリの時とは違う召喚方法だったからか、それとも刈り取る者の存在に圧倒されたのか、
もしくはそのどちらもか。
ともあれ、カロンは掠れたような言葉で一言だけ呟き、それ以外の者達……他の研究者達の声も何も聞こえてこない。
「どうした? これが俺の召喚獣の1人……もしくは1匹、刈り取る者だ」
そう言うが、相変わらずカロンの反応はない。
ちょっとやりすぎたか?
そうも思ったが、カロン達は別に直接自分の目で刈り取る者を見ている訳ではない。
あくまでも映像モニタ越しに見ているのだから、それだけでここまで怖がるような事になったりはしない筈だ。
「……」
刈り取る者は、沈黙を保ったまま俺に視線を向けてくる。
これから一体どうすればいいのかと、そんな風に指示を求めているのだろう。
「取りあえず、そこでじっとしててくれ」
そう言うと、刈り取る者は頷いてじっとしている。
俺は何度も刈り取る者と戦っているので、この威圧感とか不気味さとかには慣れているのだが、カロンはそうではないのだろう。
あるいは一緒の場所にいるだろうジャミルやサラもまた同様かもしれない。
そう考えると、もしかしたらこれは失敗だったか?
とはいえ、他に俺が使える魔法はそんなにないしな。
いや、炎の魔法は呪文とかなしで発動出来るから、燃える天空とか使ってもいいけど……この部屋の中で燃える天空を使ったら、一体どうなるのやら。
取りあえず、この部屋の中にある計測機器の類は全て壊れてしまうだろう。
そんな風になるのを考えると、やはり刈り取る者の召喚でよかったと言うべきか。
「ほら、刈り取る者を召喚したぞ。これからどうする気だ?」
『それは……その、刈り取る者というのは……一体、どのような存在なの?』
恐る恐るといった様子だったが、カロンがそう尋ねてくる。
映像モニタ越しでも、刈り取る者の異常さというのは理解出来るのだろう。
あるいはニュータイプ研究をしている研究者だけに、その手の感覚が普通より鋭いのかもしれないが。
「そうだな、カロンなら戦争の時は既に物心とかはついていただろう? そういう時に映画とかでファンタジーものとかは見たことがないか?」
『は……はぁ? いえまぁ、見たことがありますが』
突然何を聞かれているのか分からないといった様子のカロンだったが、それでも俺の問いに答える。
実際、何でいきなりこういう風に聞かれているのか、全く理解出来ないんだろうな。
なので、早速その答えを教えてやる。
「建国宣言の時に言ったように、シャドウミラーは色々な世界と接触している。その世界の1つに、いわゆるダンジョンとでも呼ぶべきものがあって、この刈り取る者はそこで俺が倒して召喚の契約を結んだ相手だ」
ダンジョンと言われると、それこそネギま世界の魔法世界であったり、門世界を想像してもおかしくはないが、実際にはペルソナ世界なんだよな。
とはいえ、タルタロスは立派にダンジョンだったのは間違いない。
『召喚の契約というのをすると、ムウの自由に召喚出来るようになるの?』
「そうなる。とはいえ、それはあくまでも向こうが俺と召喚の契約を結ぼうという意思があればだが」
血に宿る魔力に耐えられれば……というのもあるんだが、それは言わなくてもいいか。
耐えられないと頭や身体が破裂するだけの魔力を持つというのは、混沌精霊の俺だからこそだ。
俺の正体に繋がるような事はあまり知らせないでおいた方がいい。
……いやまぁ、それを言うなら刈り取る者を召喚した時点で意味はないような気がするが。
刈り取る者が俺の召喚獣であるというのは、それなりに……いや、それなり以上に知られていることなのだから。
そう考えると、やっぱり刈り取る者を召喚したのは間違いだったか?
ふとそう思ったが、カロンにその辺について知る機会があるかと言われると、正直難しいだろう。
『そういうものなの? だとすれば、自分が召喚したいと思っても、相手がそれを受け入れない場合は?』
「召喚の契約をするのは難しいだろうな」
あるいは無理矢理相手に自分の血を飲ませても召喚の契約が結べるのかもしれないが……一度どうでもいい奴を相手に、その辺を試してみてもいいな。
とはいえ、刈り取る者がいたタルタロスは既に存在しない。
そうなると、ネギま世界の魔法世界に棲息するモンスターと契約をするかだな。
狛治とも契約出来たのを考えると、人とも契約は出来るんだろうけど。
いや、狛治は鬼の状態で俺の召喚獣になり、鬼以上の存在となったので、人かと言われると少し微妙なのは間違いない。
間違いないんだが、それでも恐らく人とも召喚の契約が出来るんだろうなというのは、何となく感覚で分かるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2105
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1788