「さて、話は分かって貰えたと思う」
俺がそう言うと、説明を聞いていた主要メンバーの面々が難しい表情を浮かべる。
それも当然か。今までは新連邦を相手にすればいいだけだったのに、ここに来ていきなり宇宙革命軍が出て来たのだから。
普通に考えれば、何故ここで宇宙革命軍? といった疑問を覚えてもおかしくはない。
「戦後15年、全く動きを見せてなかったのにね」
トニヤが憂鬱そうな表情でそう言う。
会議室にいる他の面々も、それぞれに思うところがあるのか色々な表情を浮かべている者が多い。
そんな中でも、一番落ち着かない様子なのはジャミルだろう。
15年前の戦争で実際に自分が宇宙革命軍と戦っていたのだから、そんな状態になってもおかしくはない。
恐らく15年前の戦争では宇宙革命軍と……正確にはそこに所属する敵と色々とあったのだろう。
「ともあれ、そんな訳でこれからは新連邦だけではなく宇宙革命軍にも目を配る必要が出てくる」
「いや、けどよ……宇宙革命軍ってのは、宇宙にいるんだろ? そいつらに目を配るってどうするんだよ? 宇宙に行くのか? このウィル・ウィプスで」
「正解だ、ウィッツ」
「え? ……嘘だろ……」
ウィッツは俺の言葉に信じられないといった表情を浮かべる。
ウィル・ウィプスで宇宙に行くのかといったことを口にしたものの、それはあくまでも冗談のつもりだったのだろう。
まさか、実際にウィル・ウィプスで宇宙に行くのは完全に予想外だったといったところか。
……いやまぁ、分からないでもない。
ウィル・ウィプスの外見は横に広い形となっている。
これでどうやって宇宙に行くのかというのは、疑問に思うのは当然だろうし。
普通の宇宙戦艦とかなら、打ち上げるといった真似やマスドライバーを使うといった真似も出来るだろう。
だが、ウィル・ウィプスでそんな真似が出来るかと言われれば……現状のX世界でそんな真似は難しいと思う。
使っているオーラバトルシップがウィル・ウィプスではなく、ゴラオンとかなら何とかなったかもしれないが……いや、ゴラオンでもちょっと難しいか?
ともあれ、横長の形態をしているウィル・ウィプスでは難しい。
「あ、分かった! 影のゲートだったか、それを使うんだろ?」
ガロードの言葉に、首を横に振る。
「影のゲートはあくまでも影から影のある場所に転移する。地球から宇宙に転移するのは無理だ」
「えー……じゃあ、どうやるんだよ?」
不満そうな様子を見せるガロード。
他の面々も、その殆どが一体どのようにしてウィル・ウィプスで宇宙に行くのかといった事を疑問に思っていた。
ただし、マリューとミナトは俺との付き合いが長い事もあり、予想出来ているようだった。
「幸いにも、ウィル・ウィプスにはニーズヘッグがある」
その言葉に、多くの者が理解出来ないといったような表情を浮かべた。
ニーズヘッグが俺の愛機にして、シャドウミラーのフラッグシップ機であるというのは既に知っている。
だが、それがこの状況にどのような関係があるのかといった事は知らないからこその表情だった。
「ニーズヘッグには、システムXN……簡単に言えば転移装置が装備されている。GXやDXにサテライトキャノンやツインサテライトキャノンが装備されてるようなものだな」
「いや、一緒にされても困るんだけど……」
ガロードにしてみれば、どうやら一緒にされたくはないらしい。
とはいえ、戦局を一変させるという意味では似たようなものだと思うが。
また、ニーズヘッグにシステムXNが装備されてるのは事実だが、実はファブニール……武装追加ユニットで、SEED世界のミーティアに近い存在なのだが、そちらにもシステムXNは装備されていた。
とはいえ、ファブニールのシステムXNはレモンが開発した、ニーズヘッグのアギュイエウスの簡易量産型で、ニーズヘッグと違ってあくまでも同一世界での転移しか出来ないのだが。
今回のような場合は全く問題なく使える。
もっとも、今回使うのはニーズヘッグで、ファブニールについて考えても全く意味はないのだが。
「そんな訳で、座標さえ分かれば普通に転移は可能だ。……とはいえ、捕らえた奴が座標についてそこまで詳しく分かるかどうかは微妙なところだし、そう考えると一度地球から出て、そこからある程度の距離を転移するといった形で向かう必要がある」
「アクセルの話はそれでいいとして、北米連邦にも宇宙革命軍の者達が入り込んでいると考えるべきか?」
ジャミルのその言葉に、少し考えてから頷く。
「ニュータイプ研究所という、機密度では非常に高い場所であっても、こうして宇宙革命軍の者達が入り込んでいた。だとすれば、北米連邦にもそういうのがいてもおかしくはない」
「アクセル、北米連邦にも宇宙革命軍のスパイがいるのなら、アルカディアも危ないんじゃないかい?」
シーマのその言葉に、何人かが真剣な表情を浮かべる。
その気持ちは分からないでもない。
アルカディアは、言ってみれば北米連邦の中心的な役割を持つ場所だ。
地下にかなりの生活空間が存在し、何よりもMSの生産設備があるのは大きい。
アルカディアで製造されたMSは、次々に北米連邦に所属する勢力に買われている。
それだけではなく、エスタルドのような友好的な戦力や、南米を始めとして新連邦の侵略によって戦争が起こっている場所の者達も北米連邦……というよりもアルカディアに接触し、何とか新品のMSを購入しようとしていた。
また、アルカディアを運営しているノモアは研究者以外にも都市の運営に才能を持っており、それが有効に働いた形で発展を続けている。
現状において、北米連邦に明確な首都は存在しない。
しかし、このままアルカディアの発展が続けば、もしかしたらアルカディアが北米連邦の首都になってもおかしくはなかった。
そんな風に思いつつ、俺はシーマに首を横に振る。
「その心配はない。いや、勿論アルカディアにもスパイは送り込まれているだろうが、量産型Wやコバッタがいるから、もしスパイがいても迂闊な真似は出来ない」
「けど……量産型Wやコバッタがいても、ティファは襲われたんだろ?」
そう言うウィッツの言葉にはすぐに反論出来ない。
実際、偶然に偶然が重なり、その上で更に幾つかの偶然が重なった結果として、ティファが襲われたのは事実だ。
護衛の炎獣やアベルがいなければ、誘拐されていた可能性は否定出来ない。
ティファは現時点において、X世界では最高のニュータイプではあるものの、その身体能力は普通と変わらない。
いや、運動が苦手という事を考えれば、X世界の平均以下の運動能力しかないだろう。
そんなティファを守ったのが、炎獣とアベルだ。
「ティファが襲われたのは偶然が幾つも重なった結果だったから……というのは事実だが言い訳にしか聞こえないか」
ガロードの様子を見れば、完全に納得していないのは明らか。
とはいえ、実際に今回の件はこっちに何らかのミスがあった訳ではなく、あくまでも偶然が重なった結果だ。
勿論、次からはその偶然が起きないように手を考えるつもりだが。
だからといって、それでガロードが納得する訳でもないのも事実。
「取りあえずティファの周辺を移動するコバッタは増やす予定だ。……人を増やすよりはいいだろ? 量産型Wとかもティファは苦手そうだから駄目だろうし」
ティファは決して人付き合いのいい性格という訳ではない。
寧ろ内気というか、大人しい性格をしている。
そんなティファだけに、元々フリーデンで親しく付き合っていた連中ならともかく、それ以外の見知らぬ相手、あるいは顔を知ってる程度の相手が一緒にいるというのは嫌がるだろう。
また、これはウィル・ウィプスに乗るようになってから判明した事だが、ティファは量産型Wについても好んでいない。
恐らくだが、人造人間であるというのがニュータイプ的に駄目なのだろう。
その割にクスコやマリオンは勿論、ルチルも量産型Wは別に嫌っていないのだが。
その辺はあくまでも個人の好みといったところか。
「ティファの件はいいとして、宇宙革命軍に対してだ。……私達が宇宙革命軍と戦っている時、新連邦がどう出るのか分からないのが痛いな」
ジャミルのその言葉に、話を聞いていた多くの者が同意する。
もしここで北米連邦……というか、ウィル・ウィプスが地球から消えた場合、どうなるか。
新連邦にしてみれば、自分達にとって非常に厄介な敵がいなくなったという事で攻勢を強めるだろう。
アルカディアから新型のMSを購入している国、あるいは勢力ならまだしも、こっちに接触していない勢力はそんな新連邦に対処するのは難しいだろう。
もしくは俺達がいないというのをブラッドマンが放送で公開し、それによって地球上に大きな影響を与えるという可能性も十分にあった。
「そもそも、新連邦が宇宙革命軍について何も知らないって事はないんじゃないか? 新連邦というのは、旧連邦の後継組織である以上、宇宙革命軍の存在にも詳しい筈だ」
「ガイアの言いたい事も分かるけど、宇宙革命軍の存在を知っていて地球を全て自分達の物にしようなんて考えると思うのかい?」
シーマの指摘に、ガイアは言葉に詰まる。
そうなんだよな。もし新連邦が宇宙革命軍の存在を知っていれば……いや、もしかして……
「宇宙革命軍の存在を知っていたから、地球を纏めてそれに対抗しようとして無理に侵略戦争を行った……?」
突飛な思いつきであるというのは自覚してるが、それでももしかしてといった言葉を口にする。
そんな俺の呟きに、聞いていた者達がざわつく。
「おい、アクセル。本当にそんな事があるのかよ?」
納得出来ないといった様子のウィッツ。
血の気の多いというか、単純なところがあるウィッツにしてみれば、実は侵略戦争をしていた新連邦が地球の事を思ってそのような真似をしていたというのは許容出来ないのだろう。
「あくまでも予想だ。それに俺の説にも矛盾があるから、絶対という訳じゃないし」
「私達に宇宙革命軍の件を知らせなかった事か?」
ジャミルの言葉に頷く。
北米連邦の建国宣言をした後で表向きには敵対したままであっても構わないが、裏で人を派遣して宇宙革命軍についての情報を渡し、協力しないかといったように提案くらいはしてきてもおかしくはない。
だが、そのような提案の類は一切なかった。
何故か。
考えられる可能性は幾らかある。
例えば、北米連邦の建国宣言を行った時は、まだ宇宙革命軍についての情報を向こうも持っていなかった。
もしくは、北米連邦はすぐに倒せると思っていたので、わざわざ手を組む必要がないと思った。
他にも自分達から手を組んで欲しいと要求する事で、交渉の主導権をこちらに握られたくなかった。
考えようと思えばまだ幾らでもそれは出てくる。
出てくるが……それは今更の話だろう。
今の状況を思えば、結局新連邦が宇宙革命軍の事でこっちに接触してくるような事はなかった。
これが全てなのだから。
「とにかく、俺達だけで宇宙革命軍に対処するのは、新連邦を自由にするという意味で不味い」
北米連邦に所属する部隊は、別に俺達だけという訳ではない。
フォートセバーンのカリスであったり、セインズアイランドが設立したMS部隊であったり、バルチャー達も戦力として存在している。
アルカディアにも、シャドウミラーから精霊の卵がバルチャーとして活動している。
俺達以外にも、十分に戦力があるのは間違いない。
……ただ、ウィル・ウィプス隊が他とは比べものにならないくらいの戦力であるのも事実。
まさにエース部隊と呼ぶに相応しい実力を俺達は持っているのだから。
「でも……じゃあ、どうするってのよ? まさか、新連邦と停戦するとか?」
ロアビィの言葉を聞いた者達がざわめく。
当然だろう。ここまで全面的にぶつかっている状態で、新連邦と停戦をするというのは荒唐無稽な案だったのだから。
だが……
「そうするしかないのかもしれんな」
ジャミルがそう言う。
本人も、決して納得してそのように言ってる訳ではないのだろう。
だが、実際問題宇宙革命軍を俺達だけで対処している間に、新連邦の攻撃が激しくなると困るのは事実。
それ以外にも、宇宙革命軍が現在どのくらいの戦力なのかも分からない。
一応捕虜にした相手を尋問してある程度の情報は入手しているものの、それが正しいのかどうかは分からないだ。
それを言うのなら、宇宙革命軍がまだ地球を狙っているというのも正しいのかどうかは分からないのだが。
とにかくこっちだけが宇宙革命軍と戦って被害を受けるのもごめんだし、そうである以上は新連邦もこっちに引き込む……いや、正確には一時的に手を組むのは十分に分かる。
分かるのだが、それでも新連邦と手を組めば組んだで面倒な事になるのは間違いなかった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1796