新連邦と手を組んだ方がいい。
そう口にしたジャミルだったが、当然ながらそれに賛成する者ばかりではない。
今まで新連邦がやって来た事を思えば、いつ何がどうするのかといったようなことに疑問を覚えても、そして向こうが信用出来なくてもおかしくはなかった。
実際に俺も素直に新連邦と手を組めるかと言われれば、その言葉に素直に頷くような真似は出来なかったし。
とはいえ、ならどうするかと言われても……
「じゃあさ、最初に新連邦を倒してから宇宙革命軍と戦うってのはどうなんだよ? 宇宙革命軍が地球を狙っているって言っても、今日明日すぐにでもって訳じゃないんだろ?」
そう言うガロードの意見は、確かに一理ある。
一理あるのだが……
「難しいな。戦力的に難しいというのもあるし、新連邦もこちらが早期決着を狙っていると思えば、それに対応した行動を取るだろう」
ジャミルがガロードの意見を却下する。
ぶっちゃけ、純粋に戦力というだけなら北米連邦ではなくシャドウミラーとして、メギロート、イルメヤ、バッタ、シャドウといった無人機を存分に使えば問題はない。
問題はないのだが、戦力的に十分だからといって新連邦がすぐに降伏するかと言えば、それは否だろう。
元々新連邦は戦前の既得権益を目当てに作られた組織だ。
それだけに、ブラッドマンを始めとした向こうの首脳達もそう簡単に降伏するといった事を選ぶとは思わない。
あるいは自分達の利益を目当てにという事であれば、自分達の命を守るために降伏するといったような事になるかもしれないが、本当にすぐそうなるかどうかとなると……それはそれで難しいだろう。
本当にどうしようもないとして、諦めるまで一体どれだけの時間が必要になるのやら。
その辺の状況を考えると、やはりここは新連邦と手を組んだ方が宇宙革命軍を相手に有効に戦えると思う。
……勿論、手を組むとしても新連邦は決して信用出来る組織ではない。
それこそ場合によっては、俺達と宇宙革命軍に向かって同時に始末しようと攻撃をしてくる……といったような真似をしてもおかしくはないのだ。
だからこそ、手を組んでもお互いに利用しあう関係になるという感じになると思うし、新連邦と宇宙革命軍をぶつけて双方の戦力を出来るだけ削りたいと思うのはこっちも同じだ。
「手を組む組まないは別として、まずは新連邦に接触した方がいいかもしれないな。最低限、情報共有はしておいた方がいい。手を組まないにしても、新連邦が宇宙革命軍の存在を知っていれば、こっちに妙なちょっかいを掛けてきたりはしないだろうし。それに向こうから手を組まないと言われれば、こっちは手を差し伸べたのに、向こうがそれを断ったといったように主張も出来る」
「敵の敵は味方……か。そうなると思うか?」
マッシュの言葉に首を横に振る。
「多分無理だろうな。新連邦にしてみれば、自分達に従わない相手は全て敵。敵の敵も敵といった風に認識してもおかしくはない。……せめて新連邦の上層部に何人かでも、柔軟な考えが出来る者がいれば、もしかしたらとは思うけど。それはそれで難しいだろうな」
あるいは柔軟な考えをする者がいても、トップがブラッドマンである以上はどうしようもないのかもしれないが。
「無理なら、最初から当てにしない方がいいんじゃない?」
「トニヤが言いたい事は分かるが、そうなると後々面倒になりそうな気がする」
こちらから向こうを無視すれば、それはそれで後で新連邦がこっちを攻める理由になったりする。
あるいは直接攻めるような事はしなくても、言い掛かりを付けてくる的な意味で責めてきたりしてもおかしくはない。
もっとも、それは向こうにしても同じ事なのだが……この辺、ブラッドマンの独裁に近い状態の新連邦と、何だかんだと民主主義的な性格をしている北米連邦の違いだろう。
個人的には衆愚政治となりやすい民主主義というのはあまり好みじゃない。
ただ、X世界のように人数が少なければ……うーん、どうだろうな。
もしかしたら、X世界でなら上手い具合にいくのか?
まぁ、ぶっちゃけX世界でのシャドウミラーの拠点のアルカディアに関しては、ノモアに任せている。
そのノモアがそれで問題ないと判断したのなら、別にどうこうするつもりはない。
ノモアがシャドウミラーを裏切るといった可能性は、鵬法璽で考えなくてもいいし。
勿論、民主主義……数の力を使って、アルカディアを譲渡しろといったような無茶な事を言ったり、シャドウミラーの技術を寄越せといったような事を言ってきたりした場合は、こちらも相応の対応をする必要があるが。
ともあれ、この世界の事はこの世界の事なんだから、別に俺がどうこう言う必要はない。
そもそも何だかんだとシャドウミラーが関与している世界の多くは民主主義の世界のだから。
「新連邦や宇宙革命軍の件はともかくとして、ニュータイプ研究所はどうするんだ?」
不意にそう話題を変えたのは、ガロード。
ガロードにしてみれば、宇宙革命軍についても重要だったが、同時にニュータイプ研究所の方についても思うところがあるのだろう。
ティファの件もそうだが、アベルの件もあるし。
「どうするったって……もう壊滅状態なんだろ? なら、特に何かする必要があるとも思えないんけど」
ロアビィのその言葉に、多くの者がそれぞれの仕草で同意した。
そんな中で、俺は少し考え……
「なるほど。実質的にニュータイプ研究所が壊滅した状況なら、向こうが持ってるデータとか、そういうのを入手出来るか」
そう告げる。
ニュータイプ研究所に、具体的にどんなデータがあるのかは俺にも分からない。
だが、ニュータイプ研究所である以上はニュータイプの研究をしていたのは間違いなく、俺達に役立つデータが残っている可能性も否定は出来ない。
勿論、あれだけ大きな損害を受けた以上、コンピュータの類が全て破壊されている可能性もあるが、ノモアの人工ニュータイプについての研究の時のように、コンピュータではなく紙の資料として残っている可能性も否定は出来ない。
また、コンピュータの方も全てが完全に壊れたという訳でもないのだ。
「え? あ、いや。そうじゃなくて。……その、研究者はともかく、ニュータイプ候補の人達は出来れば助けたいって思っただけなんだけど」
「ああ、そっちか。……なるほど」
それこそガロードにしてみれば、ニュータイプ候補達は特に何もしてないのに殺されるというのは許容出来ないのだろう。
だからこそ助けたいと思ってもおかしくはない。
問題なのは、助けた後でどうするかだが。
アルカディアで働かせたりしておけばいいか。
現在のアルカディアは、人手が幾らあっても足りないのだから。
その生活の中でニュータイプとして覚醒すれば、こちらとしても利益になる。
MSのパイロットになるのなら、それはそれでいい。
あるいはMSのパイロットが嫌なら、ニュータイプ能力を使った仕事を任せてもいい。
具体的には、普通に生活している中でスパイであったり、犯罪者をその能力で見抜いて量産型Wやコバッタに捕らえて貰うとか。
これもある意味でX世界の特色だよな。
これが他の世界であれば、例えニュータイプが敵だと見抜いたとしても、何らかの証拠がなければ捕らえたりは出来ない。
だが、このX世界においては、そのような事は考えず即座に行動に移れる。
ちなみにニュータイプ候補達が本当にニュータイプとして覚醒するかどうかは、不透明な状態だ。
もっともニュータイプに覚醒すればラッキー程度の考えだし、アベルの件もあるのでニュータイプに覚醒する可能性はそれなりにあるとは思っている。
……もっとも、アベルは死の恐怖の中でニュータイプに覚醒したので、アルカディアで普通に生活しているだけでニュータイプとして覚醒するかどうかは微妙だが。
「ふむ、そうなるとどうするにせよ、早く動いた方がいいな。……アクセル、ニュータイプ研究所にはもう敵はいないと考えていいのか?」
「俺が戻ってくる時は誰もいなかったな。ウィル・ウィプスに戻ってきている間にまた誰かがニュータイプ研究所の中に入っていれば、また話は別だが」
「では、すぐに動いて欲しい」
ジャミルの言葉に頷き、量産型Wやコバッタに指示を出す。
ニュータイプ研究所にあるデータやレポートの収集、ニュータイプ候補生が生きていればその保護、他にも何か有用そうな物があれば確保するようにと。
そうして指示を出し終えると、再びこれからの話題となる。
「ニュータイプ研究所はもう壊滅してしまったし、北米連邦に戻るか。さっきも話したけど、新連邦や宇宙革命軍にどう対処するべきか、考える必要もあるし」
量産型Wやコバッタによって集められた諸々を手にしてしまえば、もうこれ以上ここにいる必要はない。
なら、もう北米に戻った方がいいのは間違いなかった。
「私もアクセルの意見に賛成よ。ここにいると、また面倒に巻き込まれかねないし」
「それはニュータイプの勘だったりするのか?」
クスコは元々高いニュータイプ能力を持っていた。
そのニュータイプ能力は俺に抱かれる事によって更に強化された。
そんなクスコが、ここに残っていると面倒に巻き込まれかねないといったように言うのを考えると、もしかしたらニュータイプとしての勘でそのように思ったのかもしれないと思えてしまう。
もし本当にニュータイプとしての勘なら、俺もそれを聞き流すような真似は出来ない。
「うーん、どうかしら。これがニュータイプとしての勘なのか、女の勘なのかは分からないのよね。マリオンとルチルはどう?」
「私は特に。元々そこまでニュータイプ能力が強い訳でもないですし」
「私も同じね。何か危険という感じはしないわ」
クスコの問いに、マリオンとルチルが順番にそう答える。
マリオンのニュータイプ能力は、別にそこまで低い訳でもないと思うんだが。
勿論、UC世界における最高のニュータイプのセイラや、俺との接触で飛躍的にニュータイプ能力が強化されたクスコと比べると、そんな風に思ってしまってもおかしくはない。
だが、ルナ・ジオンにおけるもう1人のニュータイプ……シャリア・ブルと比べると、恐らくマリオンの方がニュータイプ能力は高いと思われる。
ルチルの方は……元々がニュータイプ能力を使ってティファに憑依したり、魂だけをレモンの作った新しい身体に宿したりといった真似をしている時点で普通のニュータイプとは呼べないと思うが。
その辺については、それはそれとして。
「この2人が揃ってニュータイプ能力じゃないと言ってるとなると、女の勘かしら?」
「クスコの女の勘となると、それはそれで察知能力が高そうよね」
クスコと一緒に行動する機会が多いクリスがそう言うと、何となく……いや、かなり強い説得力があるな。
「ジャミル、どうする? 俺としては、ニュータイプ能力だろうが、女の勘だろうが、クスコがこうして言う以上は何があってもおかしくないと思うが」
「アクセルの言葉に私も同意しよう。私はもうニュータイプ能力を失ったものの、それでも他のニュータイプがそこまで言うのなら、それを信じないという選択肢は存在しない」
「艦長のマリューの判断は?」
「私はニュータイプ能力とかそういうのはあまり詳しくないけど……そうね。ニュータイプという事なら、ティファにも聞いてみたらどう?」
その言葉で、すぐにここにいないティファに連絡をする事になる。
連れてくるのはどうかという意見もあったのだが、今のティファは幼児退行して弟的な存在となっているアベルの世話もある。
とはいえ、これは嫌々やってるのではなく、ティファが自分から好んでやっている。
ティファにしてみれば、いつも世話を焼かれる事が多い自分が世話を焼く相手がいるというのは、新鮮なのだろう。
『何でしょうか?』
映像モニタにティファの顔が映し出される。
ウィル・ウィプスの映像モニタとかを使うのはあまり経験がない為か、少し照れているように見えないでもない。
「ティファ、知っての通りニュータイプ研究所が襲撃を受けて壊滅状態となった。それでこれからどうするかという話をしていたのだが、クスコがここにいると面倒な事になると言った。ルチルとマリオンは特に何も感じないという話だったが、同じニュータイプとして、ティファは何か感じる事とかあるか?」
『……いえ、特にそのような事はないです』
数秒、何かに集中していた様子のティファだったが、結局そのような意見を口にする。
「そうか。参考になった」
『姉さん、どうしたの? 何かあった?』
不意にアベルがそう言い、映像モニタに顔を出す。
そしてこちらを見ると、驚きの表情を浮かべた。
『わ、凄いよ姉さん! 他の人がいる!』
『そうね。アベル、私はちょっと用事があるから、向こうで本を読んでいて貰える?』
『えー……しょうがないな。分かったよ』
そう言い、立ち去るアベル。
それを見ながら、どこかほんわかとした気分になる。
……アベルの件を思えば、本当ならそんな風に思うのは不味いんだろうけど。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1796