転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3480話

「うーん、やっぱりデータの類は残ってないか」

 

 ニュータイプ研究所が襲われた翌日、俺は量産型Wやコバッタが集めた諸々を見てそんな風に呟く。

 ちなみにニュータイプ候補や研究者達の生き残りは、誰もいない。

 不思議な程にというか、執拗にニュータイプ候補や研究者達を攻撃していたらしい。

 それこそ深い憎悪を感じる、あるいは何らかの恨みがあるかのような感じで。

 作為的なものを感じるものの、そうなってしまってはどうしようもない。

 そんな訳で、今はニュータイプ研究所から入手したデータやら、論文の類、もしくは何か使えそうな物を見ている。

 ただし、先程口にしたようにデータの類は残っていない。

 コンピュータの多くは攻撃によって壊れているのが大半だった。

 ただし、予想通り論文であったり、紙に残したデータの類は幾つか残っている。

 コンピュータが破壊されるような攻撃が行われたのに、紙の資料とかそういうのが無事だったのは少し疑問だが……これも偶然なのか、あるいはこれもニュータイプとしての力なのか。

 その辺は生憎と俺にもしっかりとは分からないが、とにかく俺達にとって幸運だったのだけは間違いない。

 

「ほら、アクセル。私達がそろそろ仕分けをするから、手伝って」

 

 そう言うモニクの側には、それなりの人数が揃っていた。

 ニュータイプ研究所から運び出された諸々をどうするのか。

 それを判断する為にやって来たのだ。

 俺もそれに頷き、仕分けを開始する。

 とはいえ、先程も思ったように今回の襲撃に関してはニュータイプ研究所に対して執拗なまでの攻撃を加えられている。

 ニュータイプ候補は当然だが、研究者の生き残りもいないくらいに。

 そのような攻撃を受けたニュータイプ研究所だけに、使えるような何かというのもそう多くはない。

 

「そう言えばアクセル、知ってる?」

 

 少しの間無言で整理をしていたのだが、不意にクスコがそう尋ねてくる。

 

「知ってるかと言われても、何についてなのかを言ってくれないと、こっちでも判断出来ないんだが」

「このニュータイプ研究所の襲撃の件よ。アクセルがドートレス・ネオを1機鹵獲してきたんでしょ?」

「ああ、あの機体か。……やっておいて俺が言うのも何だが、パイロットは無事だったのか? 一応鹵獲するという事で、それなりに手加減はしたつもりだったんだが」

 

 ニュータイプ研究所を襲っていたドートレス・ネオのうち、1機だけは捕らえたのだが、その捕らえた方法というのがニーズヘッグの尻尾にある機能の中でも電撃を流して敵対している機体やパイロットにダメージを与えるというものだった。

 電撃の出力によっては、十分に敵を殺す事は出来る。

 だが、今回はあくまでも捕虜にして情報を引き出すのが目的であった以上、電撃の威力は抑えていた。

 

「電撃でそれなりに怪我はしてけど、きちんと生きていたし、意識もはっきりとしていたから安心しなさい。口調もしっかりとしてたしね。……それで、その捕虜から聞いたんだけど、ニュータイプ研究所の襲撃、どうやらフロスト兄弟も参加していたみたいよ?」

「……フロスト兄弟が?」

 

 モニクの口から出たのは、完全に予想外の言葉。

 まさかここでフロスト兄弟が出てくるというのは、思ってもみなかった。

 そう言えば、俺が最後にフロスト兄弟と遭遇したのは、LシステムやビットMSを運んでいた軍艦が沈没した場所だったか。

 ゾンダーエプタにもフロスト兄弟がいたのは間違いないだろうが、戦うよりも前にヴァサーゴとアシュタロンを奪ったし。

 その為か、結局ゾンダーエプタではフロスト兄弟とは接触しなかったんだよな。

 それ以後は全く遭遇する事はなかった。

 フロスト兄弟は新連邦の中でもエースと呼ぶべき存在だったらしいが、俺達に負け続けた。

 それによって実力を疑われ、左遷でもされたのかと思っていたのだが……まさか、こんな場所に出て来るとは。

 いや、だが……考えてみれば不思議ではないのか?

 フロスト兄弟は最初からティファを奪おうとしていた。

 つまり、ニュータイプを奪おうとしていたのだ。

 フォートセバーンで人工ニュータイプのデータを奪っていったのも、その証拠だろう。

 ……ニュータイプに関係するという事は、もしかしたらだがエスタルドの……いや、南アジアでの一件で何度か感じた殺意に近い視線。もしかしたらあれもフロスト兄弟のものだったのかもしれないな。

 とにかくそんな風にニュータイプに関係している仕事をしていたんだから、ニュータイプ研究所の襲撃という仕事がフロスト兄弟に任されてもおかしくはない……のかもしれない。

 あるいは、フロスト兄弟も実はニュータイプ研究所の出身だったのかもしれないな。

 

「ええ。アクセルが来る前にはもう逃げたみたいだけど」

「……俺達がいたのを知っていたとか?」

「ウィル・ウィプスに乗ってるんだもの。それは目立つでしょう」

 

 モニクのその指摘には頷くしかない。

 陸上戦艦が主に使われているX世界だ。

 あるいはテンザン級やフリーデンのように、縦に長い普通の軍艦のような形をして空を飛んでいるのなら、まだ納得も出来たかもしれない。

 だが、ウィル・ウィプスは横に長い……航空力学とか、そういうのを完全に無視している形状をしている。

 普通に考えれば、とてもではないがまともに飛ぶとは思えない形状。

 いや、無理をすれば飛ばせる事は出来るかもしれないが、それでも航空力学から作られたような普通の空を飛ぶ戦艦と比べると機動性は低いし、何より横に広い以上、前方や後方から攻撃されると面積が大きい分だけ不利になる。

 普通に考えれば、そんな形状の戦艦を使うという事は有り得ないだろう。

 だが……幸か不幸か、北米連邦には常識という言葉に正面から喧嘩を売るような存在であるシャドウミラーがいる。

 新連邦にしてみれば、そのような航空力学の外の存在とも呼ぶべきウィル・ウィプスを発見すれば、それを俺達と関係があると判断してもおかしくはなかった。

 

「ウィル・ウィプスで俺達の存在を把握したからこそ、フロスト兄弟は自分達の仕事を終えると、さっさと撤退したのか」

 

 フロスト兄弟にしてみれば、俺達と……いや、俺と遭遇したくはないだろう。

 何しろ今までガンダムという高性能機、それも戦前に開発されたのではなく、戦後に開発された最新鋭のガンダムを俺達に何機も奪われているのだから。

 そして実際、もしニュータイプ研究所にフロスト兄弟がいたら、俺はフロスト兄弟が乗っているMSを奪おうとしただろう。

 俺に取っては幸いな事に、そしてフロスト兄弟にとっては不運な事に、現在の俺が乗っているのはヴァサーゴではなくニーズヘッグだ。

 そしてニーズヘッグには、グレイプニルの糸や尻尾の電撃にウルドの糸といったように、敵を捕獲する装備は複数ある。

 また、それらの捕獲用の装備を使わなくても、純粋に相手を戦闘不能にして捕縛するといった事も可能だろう。

 そうなると、フロスト兄弟が乗っていたMSだけではなく、フロスト兄弟そのものも捕虜に出来るだろう。

 俺がニーズヘッグに乗ってるというのは、当然フロスト兄弟も知らなかった筈だが、ヴァサーゴに乗っていてもどうしようもないと判断して自分達の目的を達したところで、さっさと逃げ出したのだろう。

 俺達の足止めと、ニュータイプ研究所により大きな被害を与える為にドートレス・ネオを残して。

 そうなると、ニュータイプ候補や研究者達を執拗なまでに殺したのは、フロスト兄弟だったりするのか? 何故?

 そう考えた時、カロンの言葉を思い出す。

 

「カテゴリーF、か」

 

 ニュータイプに近い存在でありながら、フラッシュシステムに対応出来ない存在。

 この世界のニュータイプ研究者……カロンにしてみれば、一種の出来損ないとでも呼ぶべき者達。

 もっともフラッシュシステムに対応出来るかどうかでニュータイプか否かを決めるのなら、クスコやマリオンもカテゴリーFに分類されるんだろう。

 ともあれ、フロスト兄弟がカテゴリーFだったのは多分間違いない。

 ニュータイプ研究所を執拗に攻撃したのも、あるいはこの研究所にあるだろう自分達がカテゴリーFとされているデータや書類を消し去りたかったとか、そういう可能性も否定は出来なかった。

 

「カテゴリーF? それ、カロンが言ってた言葉よね?」

 

 俺達とカロンの会談についての内容は、当然ながら既にウィル・ウィプスの主要メンバーは知っている。

 

「ああ。俺の予想だけど……」

 

 そう言い、フロスト兄弟がカテゴリーFであるという根拠を話していく。

 とはいえ、物的証拠の類はない。

 あるのは精々が状況証拠だけで、それ以外は俺の勘だ。

 だが……

 

「なるほど。アクセルがそう言うのなら、多分それで合ってるんでしょうね」

「……俺が言うのもなんだけど、それでいいのか?」

 

 何故か俺の言葉を素直に受け入れたモニクに、そう突っ込む。

 モニクの性格を考えれば、勘とかそういうので納得するとは思ってなかったんだが。

 

「私もこれが誰か他の人なら、こうしてすぐには信じないわ。けど、アクセルの勘となれば話は違うでしょ」

 

 これは……一応、褒められてるのか?

 

「アクセルの勘を侮る訳にはいかないわ。それはレモン達からもしっかりと聞いてるし」

 

 そう言うのは、以前ホワイトスターに戻った時、他の3人と一緒にレモン達に会いに行ったからこそだろう。

 だとすれば、俺の勘の鋭さをモニクも理解しているのは間違いない。

 とはいえ、今回の件は念動力が教えるものではない。

 今までの様子から俺が予想したものではある。

 

「そう言って貰えると、俺も嬉しい……と言えばいいのか?」

「アクセルに喜んで貰えたようで何よりよ。……それで、フロスト兄弟はどうするの?」

「向こうが逃げ回って出て来ない以上、捜すのは難しいだろうな」

 

 X世界は他の世界に比べて人口はかなり少ないものの、それでも広い。

 フロスト兄弟がどこにいるのか分からない以上、どうしようもない。

 発信器の類をフロスト兄弟につけていれば、話は別だったのだろうが。

 だが、そういう真似をしていない以上、対処のしようがないのは間違いなかった。

 この場合、フロスト兄弟の逃げ足の速さを褒めるべきなんだろう。

 

「じゃあ、放っておく? ニュータイプ研究所の件を考えると、放っておけば何をするか分からないわよ?」

「だろうな。俺もそう思う。けど、実際にどうにかする手段がない以上、仕方がない」

 

 モニクに対してそう言うが、実際にはそれに対処しようと思えば出来る方法もあったりする。

 具体的には、X世界のあらゆる場所にバッタ、コバッタ、メギロート、イルメヤといった無人機に量産型Wを派遣するといった感じで。

 フロスト兄弟も人間である以上、生活に必要な物資であったり、食料であったりを購入する必要がある。

 それを購入する為に街に出て来たところで確保すればいい。

 欠点としては、コストパフォーマンスが悪すぎるという事だろう。

 シャドウミラーの力なら、無理に無理をすればそういう真似も出来るかもしれない。

 だが、それによってシャドウミラーが受ける経済的なダメージは大きすぎるのだ。

 それに、そこまでしてもフロスト兄弟が絶対に捕捉出来るとは限らない。

 例えばフロスト兄弟が新連邦に所属しているというのを利用して、食料や生活物資の類を新連邦の基地とかそういう場所で入手している場合。

 それに新連邦はバッタやメギロートがシャドウミラーに所属する無人機だと知っている。

 そうである以上、新連邦の本拠地であるヨーロッパに無人機が来れば、当然ながら戦いとなるだろう。

 北米連邦として、宇宙革命軍の件で新連邦と接触しようとしているのを思えば、今ここで新連邦と全面的に衝突する訳にはいかないという理由もあった。

 

「あのフロスト兄弟の事だ。プライドが高いのは間違いない。だとすれば、自分達が何度もMSを奪われた相手に復讐しないというのはまずないだろう。なら、次に出て来た時に倒すなり、捕虜にするなりすればいい。……出来れば捕虜の方がいいけどな」

 

 色々と暗躍してきたフロスト兄弟だ。

 情報という面でも俺達が知らないような事を色々と持ってるだろうし。

 とはいえ、ノモアのように鵬法璽を使ってまで味方に引き入れようとは思えない。

 これもまた勘……というか予想だが、恐らくフロスト兄弟は原作において主人公のガロードのライバルなのだろうと思えるし。

 ライバルというのも、色々とある。

 それこそ殴り合いをして『やるな』『お前もな』と河原で寝転がって言うようなライバル関係や、憎悪の対象で宿敵と呼ぶべきようなものとか。

 他にもライバル関係は色々とあるが、典型的なライバル関係となるとこの2つだろう。

 そしてフロスト兄弟はどちらなのかと言われれば、後者なのは間違いない。

 

「捕虜ね。ニーズヘッグに乗ったアクセルなら出来ると思うから、頑張ってみれば?」

 

 捕虜にするのはあまり気が進まないといった様子で、モニクはそう言うのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1796
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