ニュータイプ研究所から入手した諸々は、取りあえず俺の空間倉庫の中に入れておいた。
とはいえ、フロスト兄弟やその部下達によって徹底的に破壊されていたので、使い物になるのはそんなに多くなかったが。
フロスト兄弟にしてみれば、よっぽどニュータイプ研究所に恨みがあったらしい。
「さて、じゃあ北米連邦まで戻る訳だが……普通に移動する訳じゃなくて、俺の影のゲートで移動する事になる」
本来ならウィル・ウィプスで普通に移動してもいいのだが、今回の場合は宇宙革命軍の件がある。
少しでも早く新連邦と連絡を取る必要がある以上、ゆっくりとはしていられない。
ましてや、北米連邦はトップダウン形式の国ではない。
ジャミルは北米連邦の代表ではあるが、だからといって全てを自分の独断で決める事は出来ない。
ましてや、北米連邦という名前はあれども、そこに所属している者達は普段からどこか一ヶ所に纏まっている訳ではなく、それぞれ自分の拠点……街であったり、村であったり、あるいはロッソのようなバルチャーの場合は好きに、あるいは依頼を受けて移動していたりする。
この辺がやっぱり北米連邦の弱点だよな。
とはいえ、そういう国家形態を選んだのはこの世界のジャミル達である以上、俺はそれに対して何も言えないが。
ジャミル達も現在の自分達の状況を承知の上で、連邦制国家といった形態を選んだんだろうし。
そんな訳で、時間は少しでも必要になる。
そうである以上、結構な速度が出るとはいえ、ウィル・ウィプスで移動するという訳にはいかない。
結果として、俺の使う影のゲートで移動する事になるのだった。
「では、アクセル。私はすぐに北米連邦の主要メンバーに連絡して、宇宙革命軍の対処や、新連邦に対する話をする事にする」
「それでは、失礼します」
ジャミルとサラがそう言い、アルカディアの中にある建物に入っていく。
転移をした影響で思った以上に魔力が減っている俺は、そんな2人に頑張れよと軽く手を振って見送る。
「ふぅ、じゃあウィル・ウィプスを出すか。とはいえ、これだと色々と邪魔だな」
「いや、それはしょうがねえだろ。こっちにいきなり出て来たんだからよ」
呆れるように言うウィッツ。
現在俺達がいるのは、アルカディアの前にある広場とも呼ぶべき場所だ。
以前もこの広場には多くのバルチャーが新品のMSを購入したいと集まってきていたが、現在この広場にいるのはその時よりも更に多くの人々だ。
勿論、その中にはバルチャーの姿もある。
だが、それ以外にもどこかの勢力から来た者達や、恐らくだが南米を始めとした北米連邦以外の者達も多いように思える。
そんな中でこうして転移という形でやって来たのだ。
それに驚くなという方が無理だろう。
「うわーん、姉さん、姉さん、姉さん」
少し離れた場所では、アベルがティファに抱きついて泣いていたりもする。
どうやらアベルにとって、影のゲート……いや、正確には影に沈む感触が駄目だったのだろう。
実際、今までもあの感触は駄目だって奴が結構いたしな。
そしてアベルは外見はともかく内面は子供だ。
その感触を我慢するといったような事は出来ず、泣いてしまったのだろう。
「ほら、落ち着いて? もう大丈夫だから。周りの様子を見てみなさい。さっきまでと全く違う場所にいるでしょう?」
「ぐすっ、ぐす……え? あ、本当だ。え? 何で!?」
泣いたカラスが何とやら。
ティファの言葉で、影に沈む感触に泣いていたアベルは驚き、興味津々といった様子で周囲の状況を見ていた。
ティファのあやし方が上手いのか、それともアベルが幼児退行している為か、もうアベルは泣いていない。
泣いていないどころか、嬉々として周囲の様子を眺めていた。
「あー、取りあえず量産型Wとかに場所を開けて貰って、ウィル・ウィプスを出すか。現在の俺達の拠点となるウィル・ウィプスを出せば、面倒は少ないだろ」
「いや、面倒が余計に多くなると思うんだけど。……まぁ、ティファやアベル、それに……あっちの件を思えば、早くどうにかした方がいいと思うけどね」
クリスがとある方向を見る。
そこにいるのは、カトックを始めとした歩兵達。
周囲の視線を遮るように、誰かを囲っているように見える。
見えるじゃなくて、実際にそれが正しいんだが。
カトック達に囲まれているのは、ティファを誘拐しようとした宇宙革命軍のスパイと、俺が捕獲したドートレス・ネオのパイロットだ。
捕虜ではあるが、生き物は空間倉庫に収納出来ない以上、当然ながらウィル・ウィプスから下ろしており、その管理はカトック達が行っていた。
捕虜2人をウィル・ウィプスにある牢屋に入れるとか、あるいはアルカディアの収容施設に入れるとか、そういったことをする必要もある。
今の状況を考えると、ウィル・ウィプスの方が安心か。
ドートレス・ネオのパイロットの方はともかくとして、宇宙革命軍の捕虜は貴重だ。
何しろ現在、宇宙革命軍についての情報を入手出来るのはその男しかいないのだから。
「もしかしたらアルカディアにも宇宙革命軍のスパイはいるかもしれない。新連邦のスパイはまず確実にいると思ってもいいだろうが」
量産型Wやコバッタは妙な動きをしている奴がいれば捕らえる。
だがそれは、妙な動きをしていなければ捕らえないという事を意味してもいた。
具体的には、何らかの破壊工作とかそういうのをしないで、ただ情報を入手するだけといったような。
勿論、その情報はアルカディアの中でも立ち入り禁止の場所に入って入手した情報とかではなく、普通に行動しているだけで入手出来る情報なのだが。
そういう意味では、新連邦や宇宙革命軍のスパイがいるのは間違いないものの、そこまで大きな被害はないという事になる。
もっとも、ここで普通に客として活動し、その後で新連邦や宇宙革命軍にこのアルカディアの大雑把な構造を知らせるとか、そういう真似をすれば結構なダメージとなってもおかしくはなかったが。
「そういう連中の対処はアルカディアの方でも色々と考えてるでしょう。……ほら、アクセル。準備が整ったみたいよ」
アルカディアからやって来た量産型Wや、ウィル・ウィプスに乗っていた量産型Wがそれぞれ行動して、ウィル・ウィプスの出る空間にいた者達を移動させる。
「あそこの連中、アルカディアに来たばかりだな」
不意にガイアがそんな風に言う。
ガイアの示す方に視線を向けると……
「ふざけるな! この俺様に対してこんな扱いをしてもいいと思ってるのか!」
バルチャーと思しき男が、量産型Wに対して怒鳴りつけていた。
叫んでいる男の仲間もそんな男の言葉に同意するように叫んでいるものの、周囲にいる者達……このアルカディアがどのような場所なのかを十分に知っている者達は、馬鹿を見るような目であったり、面白い光景を見るような目であったり、そんな視線を向けている者が大半となる。
「そうだな。このアルカディアでああいう真似をすれば……お、きたぞ」
量産型Wとコバッタが叫んでいる男達に近付いていく。
だが、叫んでいる男はそんな光景に気が付いているのかいないのか、とにかく叫ぶのを止めない。
それどころか、叫んでいる自分……他の者達が大人しくしている中でこうして叫んでいる自分に酔っているのか、ますます叫び……
「あ」
一体そう言ったのは誰だったのか。
量産型Wから放たれたガンドによって、1発で気絶した男を見ての言葉だろう。
もしかしたら、叫んでいた男の仲間達は量産型Wやコバッタの存在に気が付いていたのかもしれないが、量産型Wが武器……具体的には拳銃の類を持っていなかった事で、叫んでいる男に注意をするくらいしか出来ないと判断していたのかもしれない。
だが、量産型Wは確かに武器を持ってはいなかったが、代わりにガンドがある。
その辺について知らなかったのが、あの男にとって不運だったな。
多分、アルカディアについてきちんと情報収集をしていなかったのだろう。
もしアルカディアについての情報収集をきちんとしていれば、量産型Wの危険性についても十分に知る事が出来た筈なのだから。
また、アルカディアが北米連邦に入ったというのも、この場合は問題だろう。
以前なら、アルカディアに入るには紹介状の類が必要だった。
だが、今はそのような物はいらない。
誰でも入れるようになっていた。
そうなると今回のようにいらない騒動が起きたりもするのだが、ノモアの手腕によって……そして何より、ホワイトスターから量産型Wやコバッタが結構な数が派遣されてきたので、その辺は問題がなくなったのだろう。
「さて、騒動も終わった事だし……ウィル・ウィプスを出すか」
そう言うと、俺は空いている空間の真ん中まで移動する。
瞬動を使って移動したので、いきなり俺の姿が消えたことに驚いているような連中もいたが、それは置いておく。
俺がアクセルであると、シャドウミラー代表であるというのを知っていれば、別にそこまで驚くような事でもないだろうし。
それでも驚いたというのは、北米連邦の建国宣言を見ていなかったのか、もしくは単純にTVに映っていた俺と目の前にいる俺が同一人物であるとは気が付かなかったのか。
ちなみに今の俺は普通に20代の外見なので、本来なら見間違うといった事はない。
ただ、TVで見た相手を実際に自分の目で見てみると、それが同一人物であると認識出来なかったりするというのはそれなりに聞く話だ。
TVに出る時に化粧とかそういうのをしてるからというのもあるが、それ以外にも色々な理由から認識出来なくてもおかしくはない。
「俺には関係ないけどな」
呟き、空間倉庫からウィル・ウィプスを取り出す。
突然何もない空間にウィル・ウィプスが出た事により、大きなざわめきが聞こえてきた。
やがて離れた場所にいた他の面々……ウィル・ウィプスに乗っていた者達がやって来る。
俺はそれを眺めつつ、これからどうするべきなのかを考えるのだった。
「は? ニーズヘッグを? 何の為に?」
『北米連邦の上層部が、ニーズヘッグの性能を見てみたいそうだ』
映像モニタに表示されたジャミルが、少しだけ申し訳なさそうな様子で言う。
まぁ、無理もない。
ノモアが率いるアルカディアが北米連邦に所属しているものの、俺はあくまでもシャドウミラー所属……というか、率いる存在だ。
そしてニーズヘッグは、あくまでも俺の、そしてシャドウミラーの機体だ。
そのような状況でニーズヘッグを出せと言ってくるのは、普通に考えると無理がある。
ニーズヘッグはシャドウミラーのフラッグシップ機である以上、そういう真似をするのも問題はある……のだが、既にニュータイプ研究所で既にニーズヘッグを使ってるしな。
勿論、ニュータイプ研究所にいたドートレス・ネオは全て倒してある。
フロスト兄弟は俺達が来る前に逃げ出したので、ニーズヘッグの情報が今のところ新連邦や宇宙革命軍に流れるといった心配はない。
いやまぁ、もしかしたらニュータイプ研究所には俺達に見つからないように生身で何らかの情報収集をしていた者がいないとも限らないが。
とはいえ、ニーズヘッグは非常に高性能な……それこそ、X世界のMSと比べても圧倒的に上の性能を持つ。
そういう意味では、ニーズヘッグの情報が多少漏れても構わない一面もあった。
普通、特定の敵に対処する方法を用意するとなると、相手の武器とかそういうのを封殺する方法がある。
あるいは相手の動きや攻撃の癖を調べるとか。
他にも色々と対抗手段はあるものの、主に考えられるのはこの辺だろう。
だが……ニーズヘッグの場合、フラッグシップ機という事もあって性能は桁違いに高い。
また同時に、シャドウミラーの新技術の実証試験機といった意味合いを持つ機体でもあり、そういう意味では武装は非常に多い。
それこそヒュドラや尻尾だけで、普通のMS1機分以上の攻撃方法を持ってるくらいだ。
そしてヒュドラが6基あり、エナジーウィングや頭部のビームバルカンや腹部の拡散ビーム砲といったように、本当に多数の武器がある。
それら全てに対抗策を用意するのは難しい。
また、動きの癖とかを読んで攻撃してきても、ニーズヘッグに多数存在する全てのバリアを貫くのは……不可能とは言わないが、相応に難しい。
更にバリアを抜いても、ニーズヘッグはT-LINKシステムによって動いているので、回避性能も高い。
……うん、考えれば考える程にニーズヘッグを見せないという選択肢は俺の中にはないな。
「一応聞いておくが、ニーズヘッグを見せるのにどういう理由がある? まさか、ただ見てみたいからとか、そういう理由じゃないよな?」
『一時的にしろ新連邦と手を組むという事は、現状のこちらが有利な戦況を投げ出す事になる。宇宙革命軍との戦いが終わった後でも自分達が有利に戦えるという理由を見たい……というのは建前で、ウィル・ウィプスを見て驚き、異世界の技術で作られた人型機動兵器を見たいという事だろう』
そんなジャミルの言葉に少し呆れつつ、俺は頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1796