黒い三連星の高機動型GXがそれぞれに散らばって敵に攻撃をしていく。
本来なら、黒い三連星の代名詞はジェットストリームアタックだ。
だが、セインズアイランドのMS隊はそれを出させるようなこともなく、次々と撃破判定を受けていく。
黒い三連星は一般的には3人1組での行動が評価されている。
つまりそれは、逆に言えば3人1組ではなく、それぞれ個別に相手をすればそこまで強くはない……と、そんな風に思う者がUC世界にはいるらしい。
実際、それは決して間違っている訳ではない。
ガイア、オルテガ、マッシュは、あくまでも1人のパイロットだとすればシャアやアムロといった超一流のエース級は勿論、ソロモンの悪夢のガトーや荒野の迅雷ヴィッシュ、そして宇宙の蜉蝣シーマといった個人で異名持ちの相手に勝つのは難しいだろう。
だが……そのような超一流を相手に勝つ事は出来なくても、それでもガイア達は1人でその辺のエースと戦っても間違いなく勝てるだけの力を持っている。
そんな黒い三連星を相手に、セインズアイランドのMS部隊が20機以上で襲い掛かっても勝てる筈がない。
「うわ、一方的だな」
「一応、これはセインズアイランド側からの要望で決まった対戦なんだけどな。向こうも、まさかここまで一方的にやられるとは思ってもいなかったんだろ」
ガロードの言葉にそう返す。
「セインズアイランドのMS部隊って、本当に北米連邦の中では高い実力を持ってるのか? あれを見ると、とてもそうは思えないんだけど」
「一応機体の質という点では負けていない。……実際、隊長機は高機動型GXを使ってるだろう?」
セインズアイランドのMS部隊は、隊長機が高機動型GXで、それ以外はオクト・エイプに乗っている。
アルカディアで売られている中でも、価格的には最高峰の高機動型GXを数機ではあるが購入出来たのは、セインズアイランドがそれだけ栄えている証だろう。
それでもドートレス・ネオではなくオクト・エイプを一般用に使っているのは、ドートレス・ネオが売りに出されたのは最近だからというのもあるし、やっぱり値段も高いというのが影響している。
現在判明している時点で、新連邦の中で最新鋭の主力MSがドートレス・ネオだ。
純粋に性能が高い機体となると、MAのガディールもあるが、これは色々と面倒になりそうなので、売りに出していない。
汎用機という意味では、ドートレス・ネオよりも高性能なラスヴェート辺りを量産してもいいんだが。
武装はビームライフルとビームサーベルというシンプルなものだが、それが一般兵士には扱いやすいだろうし。
また、背部の大型スラスターで機動性も高いし。
とはいえ、ラスヴェートはまだ分析しているところで、アルカディアでは売ってないのだが。
勿論、ラスヴェートを売る時はフラッシュシステムを取り外しての販売になるだろうが。
フラッシュシステムはかなり希少なので、それを作るのは難しいし、何より高額になってしまう。
その辺りの状況を考えれば、やはり売らない方がいいのは間違いないだろう。
「お、勝負がついたな」
ウィッツの言葉通り、黒い三連星はセインズアイランドのMS隊を全機撃破……正確には模擬戦のシステムによって撃破認定されるのだった。
そうして最初の模擬戦が終わると、次に行われるのは……・
「げ、俺達がフォートセバーン相手にかよ」
ガロード、ウィッツ、ロアビィの3人がカリス率いるフォートセバーンのMS部隊との戦いになると発表される。
フリーデン組ならジャミルはいいのか?
そう思ったが、北米連邦にしてみれば自分達の代表のジャミルには出来るだけ戦って欲しくないという思いもあるのだろう。
それは普通なら当然の事だ。
もっとも、模擬戦に出るのが駄目なら実戦に参加するのはどうなんだという思いがあるのも事実なのだが。
「頑張ってこいよ。人数的にはこっちが不利だけど、質ではこっちが有利だし」
これは決して嘘ではない。
DX、エアマスターバースト、レオパルドデストロイといったように、こちらから出撃する3機は全てが高性能機だ。
カリスのベルティゴは厄介だが、ポーラ・ベアーは性能という点ではその3機には及ばないだろう。
「任せておけって。きちんと俺達の力を見せてくるから。なぁ、ウィッツ、ロアビィ」
「ああ、任せてとけ」
「はいはい、お仕事お仕事」
やる気を見せるガロードとウィッツと違い、ロアビィの方は義務感からの行動にしか見えない。
この辺もらしいのかもしれないが。
そうして始まった次の模擬戦だったが……
「カリスだったかしら。随分と頑張ってるわね」
クスコが模擬戦の様子を見て、そんな風に言う。
実際、その言葉は決して間違ってはいない。
ポーラ・ベアーが何とかレオパルドデストロイを押し込めている中で、ベルティゴはDXとエアマスターバーストを相手に必死になって頑張っていた。
カリスがそんな2機を相手にどうにか頑張っていられるのは、やはりビットがあるからだろう。
ビームライフル……とまではいかないが、1発だけでは相手を倒す事が出来ない程度の威力のビーム砲を複数発射するというのは、戦う方にしてみれば非常に厄介だ。
それでもガンダム2機を相手にしては、次第にビットが撃墜判定を食らって数を減らしていく。
最終的にはDXに乗ったガロードによってベルティゴに致命的な損傷を受けたということになり、撃墜判定となる。
そしてポーラ・ベアーに乗っているカリスの部下達は、ベルティゴが撃破されてしまった事によって一気に士気が落ちる。
フォートセバーンのMS隊は、良くも悪くもカリスのベルティゴを中心として成り立っている。
そのベルティゴが撃墜されてしまえば、戦力は一気に落ちて……
「フォートセバーン組の負けだね」
シーマの言葉通り、1機、また1機といったように数を減らしていき、最終的には全滅判定となるのだった。
「アクセルじゃないのね」
次の模擬戦の組み合わせを見たクリスがそんな風に呟く。
「まぁ、それはそうだろ。フリーデン組が活躍したんだから、テンザン級の方のMS隊の実力も見ておきたいと思ってもおかしくはない」
「セインズアイランドとの戦いで黒い三連星が出たでしょ?」
「黒い三連星は俺達の中でも一部だろう? かといって、きちんとテンザン級組から全部出せば、セインズアイランド側も蹂躙される結果となるだけで終わったし」
「……黒い三連星だけで、普通に蹂躙されていたと思うのだけど?」
「まぁ、それはそれだろ。……とにかくそんな訳でこっちの能力も見たいと思ったんじゃないのか?」
「なら、アクセルのニーズヘッグはどうなるのよ? 元々この模擬戦は、アクセルのニーズヘッグを見るのが目的じゃなかった? なのにニーズヘッグが出ないの?」
その疑問は当然のものだった。
北米連邦の上層部が、もし新連邦と一時的に手を組む……あるいはそこまではいかなくても停戦して宇宙革命軍と戦うという事になった場合、こちらにどれだけ強力な戦力があるのかということが重要になる。
そういう意味では、俺のニーズヘッグというのは非常に大きな意味を持っていてもおかしくはなかった。
それを見る為に今回大々的に模擬戦をやったのに、今のところニーズヘッグが出る様子がない。
クリスにしてみれば……いや、クリスではなくても、そんな風に疑問に抱く者が出て来てもおかしくはない。
「生憎と俺にもその辺は分からない。分からないけど……何となく予想は出来る」
「予想? 具体的にどんな風に?」
「その辺は後でだな。それよりロッソ達が待ってるんだ。急いだ方がよくないか?」
「……後できちんと聞かせて貰うからね!」
そう言うと、クリスは他の面々と共にこの場から立ち去る。
さて、ロッソ達を相手にどのくらいの時間で勝てるか。
ロッソには悪いが、クリス達が負けるとは思っていない。
数ではロッソ達が勝ってるが、質という面ではこっちが圧倒的に上だ。
それはパイロットの技量だけではなく、MSの性能という点でもこっちが上なのだ。
そうである以上、こちらが負けるという選択肢はどこにもない。
そんな俺の予想は見事に当たり……
「うわ、黒い三連星の時よりも凄いな」
バルチャー達は、確かに戦い慣れしている。
だが、それはあくまでもバルチャーとしての戦い方だ。
ロッソが率いるバルチャー達は、バルチャーの中でも腕利きを集めてきたのだろうが、色々なバルチャーから引っ張ってきただけに、そのバルチャーによっての練度が違う。
また、練度だけではなく流儀の類でも違う場所が多い。
具体的には、敵を攻撃する時に敵の右側から攻撃するのか、左から攻撃するのか。
あるいは上下どちらか、斜めからという事もある。
そんな風に攻撃をする上での流儀が違うというのは、大きい。
これが、戦う相手がロッソ率いるMS隊よりも格下の相手であれば、そのような状況でもある程度対処は出来るだろう。
だが、今回は違う。
その攻撃を行うのはロッソ達よりも腕利きの者達……それもテンザン級で一緒に行動してきたので、いざという時に味方がどう動くのかも分かっている。
サラやエニル以外は、UC世界でルナ・ジオンとして活動していたので、お互いの間にある理解は強固なものとなっていた。
結果として、自分達よりも格上の存在を相手にそれ上手い具合に連携して戦うといった真似は出来ず……
「まぁ、妥当なところか」
ロッソの乗るドートレス・ネオが、シーマのヴァサーゴによるメガソニック砲――勿論模擬戦仕様――によって撃破されたのを見て、そう呟く。
ちなみにロッソは基本的に後方から指示をするタイプなのだが、今回は模擬戦という事もあってかMSに……それもドートレス・ネオのような最新鋭MSに乗って前線で戦っていた。
これは模擬戦ではあるが、一種の祭りでもある。
そのように認識し、折角なので自分もその祭りに参加をしたいと思って行動したのだろう。
それは間違っていないが……もし北米連邦の上層部、特にこの模擬戦を計画した者が知れば、一体どうなる事やら。
……実はこの模擬戦を計画した者達の中にロッソがいても、そこまで驚くような事はなかったりするのだが。
ともあれ、これで全員の模擬戦が終わったのだが……
「やっぱりな」
次にここに届いた模擬戦の内容は、ある意味で俺が予想していたものだった。
つまり、セインズアイランド、フォートセバーン、ロッソ率いるバルチャー達の連合軍VSニーズヘッグを操縦する俺といったように。
いや、ある意味で俺の想定よりも少し甘い。
北米連邦の中でも精鋭と呼ぶべき者達が俺と戦うのなら、それはそれでいい。
だが、それならフリーデン組や、俺以外のテンザン級組も引き入れるといったようなことをやってもおかしくはなかった筈だ。
その代わりにという訳ではないが、北米連邦軍に所属する者の中で自分が腕利きだと思っている者、周囲から腕利きだと推薦された者達も敵の援軍として入る事になる。
それで俺を……ニーズヘッグをどうにか出来ると思っているのか。
X世界においては、サテライトキャノンやツインサテライトキャノン、メガソニック砲といったような圧倒的なまでの威力の武器が存在する。
そうである以上、下手に数だけを揃えてきても意味はないというのは理解していてもおかしくはないんだが。
もしくは、北米連邦軍の中にその手の圧倒的な破壊力の武器を持つMSがいるとか?
見た感じ、そういうのはいないと思うが。
まぁ、向こうがどういうつもりなのかというのは俺には分からない。
分からないが、とにかくそれでいいと北米連邦の上層部が判断したのなら、それはそれで構わない。
俺はニーズヘッグのある場所に向かう。
そこでは量産型Wやコバッタ、エルフといった者達がニーズヘッグに近付いてくる相手がいないかどうかを見張っている。
「アクセル様、何人か怪しい存在が来ましたが、警備の者がいると知ると、無理をするような真似はせずに戻っていきました」
「そうか。こっちにとっては面倒な相手がいないというのは悪くないな」
もし警備をしている者がいなかったら、一体どういう事をしていたのやら。
少しだけそんな風に興味を抱きつつも、結局何も出来なかったという事には、そうだろうなという思いの方が強い。
そもそも、俺は北米連邦に所属している訳ではないが、協力者ではある。
そんな俺の機体にちょっかいを出すというのは……模擬戦で勝利をする為だけと考えると、近視眼的すぎる。
視野が狭いと言ってもいい。
だが……ニーズヘッグにちょっかいを出そうとしたのが、実は目先の勝利の為ではなく、少しでもニーズヘッグの情報を欲してという事になれば、それはそれで少し納得出来るところでもあった。
だからといって、それを受け入れるかと言えば、それは否だが。
「じゃあ、出撃する」
そう言い、ニーズヘッグに乗り込む。
そしてコックピットが俺の存在を把握し、起動する。
機体の自己チェックで問題はなく……
「アクセル・アルマー、ニーズヘッグ、出る!」
そう言い、俺はニーズヘッグを出撃させるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1796