「凄い……ニーズヘッグは凄いと聞いてましたが、これ程とは思ってもいませんでした」
パーティ会場にてそれにそう言ってくるのは、セインズアイランドのお偉いさんの1人だ。
セインズアイランドのMS隊は今回の模擬戦で散々な結果になったんだから、俺達に敵対的でもおかしくはないのだが……まさか、こうも褒めてくるというのは予想外だった。
「ニーズヘッグはシャドウミラーのフラッグシップ機。最強の機体だ。負けるというのは……」
ない。
そう言い切ろうとしたが、一瞬だけ脳裏にネオ・グランゾンとシュウの顔が思い浮かぶ。
だが、すぐにそれを消し去り、改めて言葉を続ける。
「まずないと思ってもいい」
「そうですか。では、新連邦や宇宙革命軍を相手にしても問題はないですな」
なるほど。やっぱりその辺が話題になるか。
元々今日の模擬戦は、その辺りを判断するものであった以上、当然かもしれないが。
「そうなるでしょうね。ただ……セインズアイランドのMS隊は、もう少し厳しく訓練をした方がいいと思います」
「そうだねぇ。私が海兵式の訓練でもしてあげようか?」
セインズアイランドのお偉いさんに対してそう言ったのは、俺の左右にいるクリスとシーマ。
どちらも派手なパーティドレスを着ており、男達の目を惹き付けている。
もっとも、マリュー、ミナト、モニク、クスコ、マリオン、サラ、トニヤといった面々も同じく派手なパーティドレスを身に纏っており、多くの男の目を、場合によっては女の目をも惹き付けていたが。
「ははは。そのように言って貰えると期待はしてしまうよ。何しろ新連邦と宇宙革命軍を相手にするかもしれないのだから」
「ふーん。セインズアイランドが本気でそのように思うのなら、アルカディアからMS部隊を教導部隊として派遣してもいいかもしれないね」
シーマが自分でやるというのは冗談やお世辞、あるいはリップサービスでしかなかったのだが、次に口にしたMS部隊を教導部隊として派遣するというのは、本気だった。
なるほど。今までそういう事は考えてなかったが、教導部隊として派遣してMSの操縦技術を上げるというのは悪くないかもしれないな。
アルカディアにいるMS部隊は、精霊の卵に所属する者達だ。
基本的にはSEED世界のMSを使っているが、X世界のMSや陸上戦艦を使ってバルチャーとしても活動していた。
今はアルカディアに所属するMS部隊として、北米連邦軍の一員にもなっている。
そのMSの操縦技術は、超一流にまでは届かないが、一流くらいにはなっていた。
エニル、ガロード、ジャミル、ウィッツ、ロアビィといった面々と同等、あるいは少し下くらいか。
そんな操縦技術を持っている面々だけに、教導部隊としては悪くないだろう。
「ふむ、興味深い話ですね。私もその話に噛ませて貰いたいのですが」
俺達の会話に割って入ってきたのは、確か……セントランジェのお偉いさんだ。
セントランジェは俺もバルチャーとして活動してる時に何度か行った事があるが、それなりに大きな街だ。
もっとも、セントランジェについて強い関心を持っているのは、俺よりもガロードだろうが。
何しろガロードはセントランジェで初めてティファの事を知ったらしいし。
……実際には、ジャミルに連れ去られたティファを助けて欲しいといったように依頼を受けた場所で、ガロードはティファの写真を見て一目惚れしたらしいが。
その後、何とかフリーデンからティファを取り戻したものの、依頼人……アルタネイティブ社の者達に引き渡さず、GXを入手して……と、色々とあったらしい。
ともあれ、セントランジェは北米連邦の中でもそれなりの影響力を持っている。
トップ3が、アルカディア、セインズアイランド、フォートセバーン。
その次がサン・アンジェロ市やセントランジェといったところか。
だからこそ、今よりももっと強い影響力を持ちたいと考え、MS隊の充実を図っているのだろう。
一応北米連邦軍といった形で存在するが、同時にそれぞれの街や村でMSを有するのは禁じられていない。
場合によっては、そのMS隊を北米連邦軍に組み込む事もあるんだし。
「へぇ、興味があるようで何よりだよ。ただ、勿論アルカディアから部隊を派遣するとなると、相応の代価が必要になるよ。その辺は分かってるよね?」
「ええ。勿論。こちらで出来る事はさせて貰うつもりだよ」
そうやって交渉を進めるシーマだったが……これっていいのか?
シーマは別にアルカディアに所属している訳でも、その上位組織のシャドウミラーに所属している訳でもない。
あくまでもシーマの所属はUC世界のルナ・ジオンだ。
一応俺の恋人という事になってはいるが、だからといってアルカディアについての運営にアドバイスをするのならまだしも、MSを教導隊として派遣するような事を勝手に決めるような真似は出来ない。
そういう風に考えていると、シーマは組んでいた俺の腕を放す。
「じゃあ、こっちに来な。紹介してやるよ。私も口を出すが、結局決めるのはノモアだ。ノモアがアルカディアに利益があると考えれば、教導隊の件も受け入れるだろうね」
「え?」
セントランジェから来た男は、意表を突かれたような声を出す。
今までのやり取りから、恐らくはシーマはアルカディアについてそれなりに権限を持ってると思っていたのだろう。
だが、実際には特に何か権限がある訳でもなく、ただ紹介するだけ。
ノモアも何も話が通っていない相手から教導隊の話をされるよりも、シーマから話を聞いた方がその気になりやすいだろう。
そうしてセインズアイランドやセントランジェの者達を連れていくシーマの剥き出しになっている……白くて艶めかしい背中に向けて声を掛ける。
「シーマ、お手柔らかにな」
「私を誰だと思ってるんだい?」
「……そういうのを手加減してやってくれって言ってるんだけどな。まぁ、シーマなら問題ないか」
「ねぇ、アクセル。本当にいいの? シーマの事だから、どういう風になるのか分からないわよ? もしかしたら……」
最後まで言わないクリスだったが、それでも何を言いたいのかは理解出来た。
もっとも、そこまで大きな問題になるとは思っていないが。
「何であれ、北米連邦に所属するMS部隊が強化されるのは悪い話じゃないしな。俺達がこれからどう動くのかはまだ決まってないが、何かあった時の自衛力はあった方がいいだろう?」
現在、ジャミルがお偉いさん達を相手に交渉している筈だ。
とはいえ、お偉いさん達が見たがっていたニーズヘッグの性能は、存分に見せた。……実際にはまだ幾つも奥の手があったりするんだが、それはともかく。
フレイヤとか、場合によってはサテライトキャノンやツインサテライトキャノン以上に危ない代物だしな。
フレイヤ以外にも……うん、まぁ、その辺はいいか。
このX世界で使うかどうかも不明だし。
「自衛力ね。……なら、いっそメギロートやバッタを貸し出すのはどう? 幾つかの世界では実際に貸し出してるんでしょう? 私達もそうだし」
「それもありかもしれないな。実際、ノーザンベルの首都を襲おうとしていた新連邦の部隊は、メギロートやバッタの群れに襲われて全滅したし」
その情報を入手し、敵のいる場所に向かった時にはもう敵は全滅していたのだ。
俺達にとっては悪い話ではなかったが……撃破されたMSの残骸の中に、初めて見るパーツがあった。
恐らくは新型機、もしくは実験機だったのだろう。
出来ればその機体も確保したかったのだが、残念ながらメギロートやバッタによって撃破されてしまい、俺に出来たのは部品の一部を確保する事だけだった。
ともあれ、そういう風に新連邦の中でも恐らくエース級だろう者が乗っていた機体を相手にしても勝つ事が出来るのが、メギロートやバッタだ。
完全勝利という訳ではなく、それなりの数が撃破もされていたが。
ただ、無人機である以上、ぶっちゃけ何機撃破されても俺達にとっては痛くない。
いやまぁ、無人機を消耗したという点で痛いのは間違いないが、シャドウミラーが保有している数からすると微々たるものだろう。
人間にしてみれば、髪の毛の先端1mm程を切られたくらいのダメージか?
ダメージかダメージではないかと言われれば、間違いなくダメージではある。
だが、具体的にどのくらいのダメージなのかと言われれば、そのくらいのダメージでしかない。
そしてメギロートやバッタを製造するのに必要な物資は、それこそUC世界の月でジャンク屋をやってる面々が月の周辺のスペースデブリであったり、他の世界からの産業廃棄物とかそういうのを持ってくるので、それを受け取ってキブツに入れればいい。
そうすれば、メギロートやバッタを幾らでも製造出来る。
唯一の難点は、メギロートはホワイトスターで製造出来るが、バッタはあくまでもナデシコ世界で製造する必要があるという事か。
そういう意味ではメギロートよりもバッタの方が数を揃えるのは面倒だったりする。
それでも普通に使い捨てに出来る程度の戦力ではあるんだが。
「でしょう? それにメギロートやバッタを防衛戦力として配備出来れば、MSは北米連邦軍の方で使えるでしょうし。それに……盗賊のバルチャーとかも少なくなってきてるんだから、そこまで戦力は必要じゃないでしょうし」
「新連邦と手を組んだ……というか、新連邦に利用されている盗賊のバルチャーも多いけどな」
以前、俺達が――俺は出撃しなかったが――潰した盗賊のバルチャーとかは、新連邦と手を組んでいた。
あるいは北米にいるけど北米連邦に加わりたくないといった勢力も襲ってくる可能性は否定出来なかった。
別にこちらとしては新連邦と違って、地球にいる以上は新連邦の傘下に入れといったような……北米に住んでいる以上は北米連邦に加われといったような事を言うつもりはないんだが、中にはそれでも関係なくこっちと敵対する奴もいる。
そういう連中が、北米連邦に所属する村とかに攻撃を仕掛けて来るといった可能性は否定出来ないし、実際に何度か報告されている。
そういう点でも、メギロートやバッタを村とかに防衛戦力として配備するのは悪い話じゃない。
SEED世界とかと同様に、めぎろーと君として有名になるかもしれないな。
あるいはいっそ、オーブからめぎろーと君人形を輸入して売ってみるか。
メギロートはこのX世界の主力であるMSと違って、虫型だ。
どうしてもメギロートの外見に違和感を覚える者がいてもおかしくはない。
なので、めぎろーと君人形を使って親近感を与えておくのは悪い話じゃないと思う。
「盗賊のバルチャーは厄介なのよね。それこそメギロートやバッタを使って見回りをして、それで見つけたら撃破という風にしたらいいと思うんだけど」
「クリスが言いたい事は分かるし、正直なところ俺もそれが最善だと思う。けど、北米連邦は連邦という名前は同じでも、新連邦とは違うしな」
新連邦は、連邦という単語こそ入っているものの、実際にはブラッドマン率いる新連邦の上層部が全てを支配している。
それに対して、北米連邦は名目上はジャミルが代表という事になっているが、そこに所属している勢力は独自に多数の裁量権を持っている。
新連邦が1つの国家だとすれば、北米連邦は複数の勢力が緩やかに同盟関係を結んでいるといった感じだ。
それだけに、自分達の領土でアルカディアのメギロートやバッタが好きに動くといったような事になれば、それに納得出来ない者も多い。
それこそ自分達の領土に盗賊のバルチャーがいるのなら、まずは自分達で倒す必要があると考える者も多い。
その辺の状況を考えると、メギロートやバッタをこっちの都合で動かすといったような真似は難しいんだよな。
それこそ、新連邦が攻めて来たので迎撃に出るといったような理由でもあれば、話は別だが。
「その辺、少し面倒よね」
「緊急時には新連邦のような体制の方が、対処しやすいのは間違いないだろうな」
トップダウンの組織体制はいざという時の動きは素早い。
それに対して、民主制となると国だけではなく自分達の利益も考えたやり取りを行い、行動が非常に鈍くなる。
勿論トップダウン型でも組織を率いる者が無能であったり、有能でも私利私欲から行動すれば、それは組織として色々と問題があるだろうが。
とはいえ、この辺の考えは人それぞれだ。
民主制の方が優れていると思っている者がいても、別にそれはそれでいい。
北米連邦を構成した者達も、そういう考えなんだろうし。
……もっとも、民主制にしないと北米連邦を作れなかったというのが正確なところなんだろうが。
北米連邦を構成する者達にしてみれば、誰かが独裁をするような国でその者の下にはなりたくないと、そんな風に考えてもおかしくはない……というか、寧ろ当然だろう。
「取りあえず、今はジャミルを始めとした北米連邦の上層部がどう判断するのか待つとしよう」
そう、クリスに言うのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1796