30機ものMSで近付いて来て、それでいながらブラッドマンが会談に応じる?
あまりに予想外なその展開に驚くも、これで問題がないのなら、それはそれで構わない。
こちらとしては、別に新連邦と戦う為にここにやって来た訳ではないのだから。
最初からきちんと会談を求めていたので、それに向こうが応じただけという事になる。
「ブリッジ、聞こえていたな? 対応を任せる」
これで敵が攻撃をしてきたのなら、それに俺が対処をしてもいい。
だが会談を求めてきたのだから、ここで俺が返事をしたりといった真似は出来ない。
もしここでそのような真似をすれば、それこそこっちが戦端を開いたという事になり、後々面倒なのは間違いないし。
そんな訳で、俺としては相手との交渉はブリッジに……正確にはブリッジにいるジャミルに任せる必要があった。
『了解した。では、後の交渉はこちらで行おう。……向こうが妥協した以上、こちらもある程度は妥協をする必要があるだろうが』
そう言うジャミルだったが、現状において地球で行われている戦争であってもこっちが有利な状況なのは間違いない。
そんな状況でこっちが妥協する必要があるのか?
ジャミルの立場であれば、そういう風にしないといけないところもあるといったところか。
「その辺は任せるよ」
そう言い、俺とジャミルの通信は終わる。
そしてジャミルと向こうの代表の通信が始まる。
『こちらは北米連邦代表、ジャミル・ニートだ。まず、こちらの会談をブラッドマン代表が受け入れてくれたようで感謝する。……それで、私はどうすればいいのかな?』
『これからブラッドマン卿……いえ、ブラッドマン代表のいる場所までご案内します。ただ、状況が状況である以上、直接顔を合わせての会談は難しいとの事です』
『そうか。残念だが、仕方ない』
直接会いたくないというブラッドマンの気持ちは、分からないでもない。
放送ではシャドウミラーの魔法を手品だとか散々言っているものの、それはあくまでもそういう事にしておいた方が都合がいいからであって、実際に魔法が手品であるとは思ってないのだろう。
あるいは手品だと思っていても、手品であるからこそ、ジャミルと直接会った時はその手品を使って何らかの行為……具体的には暗殺とかそういうのをされると思ってもおかしくはない。
その辺を考えると、ブラッドマンとしては映像モニタ越しでの会談というのが精一杯の譲歩だったといったところか。
もっとも、その譲歩に関してもジャミルが宇宙革命軍を匂わせるような存在を口にしたからこそなのかもしれないが。
勿論ジャミルが宇宙革命軍を匂わせるような事を口にしていない場合、それこそ最初に俺達が考えていたように、これを好機と考えてこっちに攻撃してくるといった真似をした可能性は十分にあった。
……寧ろ宇宙革命軍について匂わせても、面倒臭いのは後回しでいいから、とにかく北米連邦の主力を倒してしまうという考えを抱いてもおかしくはなかった
『申し訳ありません』
『気にしないでくれ。ブラッドマン代表にとっては、それが精一杯の行動だったのだろう』
『それは……』
ジャミルの言葉に、通信の相手は言葉に詰まる。
ジャミルにそのつもりがあったかどうかは分からないが、傍から聞いていると今の言葉はブラッドマンに対する強烈な皮肉に近い。
自分を怖がって直接会う事が出来ないのが、ブラッドマンの限界なのだと。
そう言ってるように思えるのだから。
これ、本人にそのつもりがあったのかどうか分からないが……どうなんだろうな。
ジャミルの性格を考えると、狙ってそういう風に言ったのではなく、天然でそういう風に言ったという可能性の方が高い。
通信相手もそれが分かっているからこそ、困った表情を浮かべているのかもしれない。
『で、では行きましょう。その……空中戦艦で移動するのでしょうか?』
どうやらジャミルの言葉は聞かなかった事にするらしい。
それはそれで別に構わないんだが。
にしても、空中戦艦か。
色々と分かりやすい名称ではあるが、微妙に違和感があるな。
X世界では陸上戦艦が一般的なので、空を飛ぶ戦艦を空中戦艦と呼ぶのはそんなにおかしくはない……と思う。
『ああ、ウィル・ウィプス……このオーラバトルシップの名前だが、これで行く』
『オーラバトルシップ……それがこのウィル・ウィプスという艦の艦種なのでしょうか?』
『そうなるが、詳しい事は言えない。これは北米連邦の旗艦という訳ではなく、あくまでもシャドウミラーの所有物なのでな』
その言葉に複雑な表情をする男。
北米連邦の所属ではないと聞いて安堵したのか、それとも異世界の存在が堂々と介入した事を面白く思っていないのか。
あるいは他の理由という事も考えられるが……取りあえず今は置いておく。
『では、その……ウィル・ウィプスでいいので、一緒に来て下さい。ここからそう遠くはないので』
『了解した。では、案内を頼む。……ただ、念の為にこちらも全てとは言わないが、MSを何機か外に出しておくのは了承して欲しい』
ジャミルの言葉に、男は反論出来ずに頷く。
『分かりました。ただ、妙な行動はしないようにお願いします。そちらが何か妙な真似をしたら、こちらも相応の態度をする必要がありますので』
それは半ば牽制に近い言葉なのだろう。
ジャミルはそんな相手の言葉を特に気にした様子もなく、笑みを浮かべて頷く。
『そちらが何かをしない限りは、こちらも相応の態度を取る事を約束しよう』
そんな会話を聞いていると、別の回線から通信が入る。
そちらの通信に映し出されたのは、トニヤ。
『今の話、聞いたでしょ? 戻ってきてちょうだい。ただ、何機かは外に出ている必要があるから……ウィッツを始めとして、何機か残す必要があるけど』
『ちょっ、俺かよ!?』
トニヤの言葉に、ウィッツが不満そうに叫ぶ。
まさかここで自分の名前が呼ばれるとは思っていなかったのだろう。
……ただ、何となく、本当に何となくだが、嬉しそうな色があるように思えるのは俺の気のせいか?
ウィッツの性格を考えれば、ここは自分が出るしかないというのを分かっていて、頼られているという認識があるからこそ喜んでるのかもしれないが。
『トニヤ、じゃあ私達からも何人か残るとするよ。……クスコ、クリス、マリオン、頼めるかい?』
シーマからの指示に、それぞれ特に異論もなく従う。
今のところは特に危険もないと判断してるのか、普段は空気も読まずにマリオンが残るのなら自分もと言いたそうなオルテガも、今は特に何も言わない。
あ、違うな。ガイアの様子を見ると、オルテガが何かを言おうとしたのを、ガイアが止めたといったところか。
ガイアによって手綱を握られているのなら、取りあえず心配はないか。
『なら、残る奴は残って、戻る奴は戻るぞ。ここで無駄に時間を使うような真似をすれば、それだけブラッドマンに時間を与える事になるしな』
そう指示をし、ニーズヘッグをウィル・ウィプスの中に戻す。
ブラッドマンにとっても、今回俺達がいきなり自分達の勢力圏内に姿を現すというのは、予想外だった筈だ。
それでいながら、すぐに俺達と会うといったように決断をした。
後は俺達が向こうに……ブラッドマンと直接――映像モニタ越しだが――会うまでの時間が短ければ短い程、向こうは準備の時間が少なくなる。
もっとも、この状況でジャミルとの会談をするのに、一体どんな準備をすればいいのかといった問題もあるのだが。
そんな訳で、ここで時間を無駄にするのは、出来れば避けたい。
他の者達も俺の考えを理解したのか、それとも単純にいつまでも話が進まないのは面倒だと思ったのか。
ともあれ、残る者以外は素直にウィル・ウィプスに戻るのだった。
「暇だな」
ニーズヘッグのコックピットの中で呟く。
既に外に残る者達以外の全員がウィル・ウィプスに戻って20分程。
ウィル・ウィプスは、周囲を新連邦のMS部隊に囲まれるようにして移動中だった。
それだけではなく、ウィル・ウィプスの周辺にはウィッツを含めた外にいる他の面々の姿もある。
そんな状況で移動しているのだが、周囲に敵がいる状況で素直に相手を信じる訳にもいかない。何しろ周囲にいるのは新連邦に所属する者達なのだから。
つまり、俺を含めてMS隊はウィル・ウィプスの中に戻りはしたものの、未だにパイロットはコックピットで待機となっていた。
もし向こうが何か妙な真似をした場合、こちらもすぐに行動に出る為に。
敵が直接こちらを攻撃してくるのと、俺達が格納庫から出るのでは向こうの方が早い。
早いのだが、それでもオーラバリアがある分だけ、ある程度の余裕はある筈だ。
『ねぇ、アクセル。新連邦のMS部隊、この機会にウィル・ウィプスの情報を集められるだけ集めてるんじゃない?』
不意にエニルから通信が入る。
その表情は、本当にそれでいいの? と言ってるように思える。
実際、そんな風に思ってるのは間違いないのだろうが。
「だろうな。ウィル・ウィプスは新連邦にとっては完全に未知の存在だ。それに異世界の技術で出来ているというのも知っている以上、周囲にいるMSは全てがウィル・ウィプスの情報を少しでも入手しようとしていると思う。けど……ウィル・ウィプスだぞ? 多少情報を入手したくらいで、どうにかなる訳がない」
ウィル・ウィプスは、航空力学に正面から喧嘩を売ってるような存在だ。
オーラ力というのを何も知らない中でウィル・ウィプスについての情報を入手しても、それは全くの無意味……とまではいかないが、その本質を把握する事は出来ない。
ウィル・ウィプスは最強のオーラバトルシップと言われる強力な存在だ。
それこそウィル・ウィプスだけで新連邦のMS部隊に大きな損害を与えられるのは間違いない。
更には、それでピンチになればニーズヘッグのシステムXNを使って即座に退避出来る。
……うん。改めて考えるとウィル・ウィプスにここまで入り込まれた時点で、敵にはもうどうする事も出来ないんじゃないか?
もっとも、新連邦を倒した場合は、その戦力をこっちが使えない事になる。
つまり、必然的に宇宙革命軍との戦いでこっちの戦力が減るのだ。
だからこそ、新連邦は倒すのではなく味方にする必要があった。
『ふーん。アクセルがそう言うのなら、私はもうこれ以上何も言わないけど。……新連邦がウィル・ウィプスの情報を入手して、どういう風に分析するのかはちょっと気になるわね』
『それは俺も気になるな』
エニルとの通信に割り込むようにしてそう言ったのは、マッシュだ。
いつもならこういう時はガイアの出番なんだが、どうやら今日はマッシュが出て来たらしい。
黒い三連星の中で、マッシュは冷静で頭も切れる。
そんなマッシュだけに、俺とエニルの会話にも気になる何かがあったのだろう。
「新連邦にしてみれば、異世界の技術で出来た軍艦だしな。オーラキャノンとかの威力は……普通に考えて、そう簡単に想像出来るようなものじゃないんだよな」
オーラキャノンはバイストン・ウェルで使った時に比べると、かなり威力が上がっている。
ダンバイン世界の地上で使った時に比べると劣るが、それでも1門1門が非常に強力な威力を持っているのは間違いなかった。
その辺の状況を考えると、やっぱりバイストン・ウェルではオーラキャノンの威力を下げる何かがあったんだろうな。
そして地上に出てそれがなくなったので、オーラキャノンの威力が上がっている、と。
それでも世界が違うと威力が違うという理由は技術班の調査でも不明だったのだが。
これが例えば、ビームや重力波砲、あるいは実弾の類。
こういう武器を使っての戦いとなれば、その威力はどの世界でも変わらない。
……いや、正確には微妙に違っていたりするのだが、それでもその差はほぼないと言ってもいいような感じとなる。
それに対して、オーラキャノンの威力は世界が違うと極端に違うらしい。
この辺の理由については、技術班は未だに検証中となっている。
似ている現象を探すとすれば、魔法だろうか。
俺は魔力の大きさによってどの世界でも魔力のごり押しにより魔法を使えるが、それ以外の面々は魔法を使う時、その世界によって魔力の消費が大きく違ってくる。
一番分かりやすいバロメーターとしては、その世界に存在する自然環境か。
自然豊かな場所であれば、魔力の消費はそこまででもない。
だが、自然環境が過酷な場所……具体的には、BETAに自然破壊されたマブラヴ世界や、複数のコロニー落としがあったこの世界とかの場合、自然環境が大きく損なわれている。
そんな訳で、この世界で魔法を使うのなら、普通の者にはかなり難しい。
オーラキャノン……というか、オーラ関係の武器にも、もしかしたらそういう風な理由で威力の上下があるのかもしれないな。
そんな風に思いながら、会話を続けるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1796