転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3488話

 ウィル・ウィプスが新連邦のMS隊と共に移動して30分程。

 もしウィル・ウィプスが本来の速度を出していたのなら、ここまで時間が掛かる事もなかっただろう。

 だが、今回は違う。

 新連邦にしてみれば、ここでウィル・ウィプスを好き勝手に動かすような真似は絶対に避けたかったのだから。

 もしそのような真似をすれば、もしかしたら……本当に万が一の可能性だが、ウィル・ウィプスの攻撃によって新連邦が被害を受ける可能性もあったのだから。

 そうならないようにする為には、きちんと見張る必要がある。

 ……実際にはジャミルとの話を聞いた限りだと、MS隊を率いている者もそんな風になるとは思っていなかったと思うのだが、万が一を考えればそのようにすると思ったし、何よりも上からの命令である以上はそれに従わないという選択肢はなかったらしい。

 ともあれ、そんな訳で現在ウィル・ウィプスは俺達が転移した場所から最寄りの基地……それも相応の大きさを持つ基地に到着していた。

 

『なぁ、アクセル、……無事に話が纏まると思うか?』

 

 ガロードの問いは、既に自分の中で答えが決まっているものの、それでも一応といった様子で聞いてきてるように思えた。

 

「どうだろうな。ブラッドマンも、無能じゃないんだ。きちんと考えれば、こっちの話を即座に却下するという事はないと思うけど」

 

 傲慢な性格をしてるのは、映像を見れば分かる。

 だが、傲慢な性格をしているからといって無能であるとは限らない。

 そもそもの話、無能なら新連邦という組織を起ち上げるような真似も不可能だろうし。

 そういう意味では、相応の有能さは持ってると思ってもいい。

 問題なのは、その有能なブラッドマンが宇宙革命軍についてどれだけの情報を持っているかだろうな。

 もし新連邦だけで宇宙革命軍に対処出来ると思っていれば、北米連邦と手を組むような事はまずない。

 ……とはいえ、現在の地球で新連邦は苦戦中だ。

 そんな新連邦の戦力を過信するといったようなことはないと思うんだが。

 

『手を組むとなれば、それはそれで面倒な事になりそうだけどな』

 

 そう言うガイアは、何となく面白くなさそうな表情を浮かべていた。

 ガイアにしてみれば、新連邦の存在はあまり好ましくはないといったところか。

 その辺、少し疑問だが。

 別にガイアとブラッドマンの間には、特に何らかの因縁がある訳ではない。

 だとすれば、単純にブラッドマンが気にくわないといったところか。

 何しろガイア達は、今はともかく以前はラル曰く兵隊ヤクザと言われるような存在だったのだから。

 そうだからこそ、今のこの状況で単純に気にくわないという事でこうして不機嫌になっていてもおかしくはなかった。

 

『アクセル、少しいいか?』

「ジャミル? どうしたんだ? ブラッドマンとの会談が行われるんだろう?」

 

 ガイアとの話に割り込んできたのは、ジャミル。

 これからブラッドマンとの会談が行われるのに、何故ここで俺に通信を送ってきたのか。

 そう疑問を抱いてしまうのも当然の相手だ。

 

『そうなんだが、ブラッドマン代表との会談にはアクセルも参加して欲しい』

「……俺が? 直接ブラッドマンと会うのなら、護衛だったり会談が決裂した時にすぐ逃げるといったようなことをする為に俺が必要だというのも分かるが、映像モニタ越しでの会談に俺が参加する意味があるか?」

 

 それは、素直な俺の疑問。

 映像モニタ越しである以上、俺がその会談に参加したところで何か意味があるとは思えない。

 もしくは、影のゲートを使ってブラッドマンのいる場所を見つけ、そこに飛び込んで暗殺をするという意味でなら、俺の役目もまだあるだろう。

 だが、ジャミルがそのようなことを望んではいない。

 これはジャミルの性格もあるが、それ以上にこの状況でブラッドマンが死ねば、新連邦の内部で権力争いが激しくなり、結果的に宇宙革命軍に対して利益を与えることになると分かっているからだ。

 そうである以上、俺がわざわざその会談に参加する意味はないと思う。

 だが、ジャミルは俺の言葉に対して頷く。

 

『シャドウミラーの代表である、アクセルがそこにいる。それがこの場合は一番大事なのだ』

「……俺がいる事で、ブラッドマンが協力すると言いながら、実は協力しない、もしくは宇宙革命軍と戦っている時にこっちに攻撃をしてこないようにするというのは、ちょっと無理があると思うぞ?」

 

 ブラッドマンは俺が異世界の存在であるというのは知っているだろうが、具体的にどれだけの力があるかというのは分からない筈だ。

 あるいは未知の存在だからこそ、相手にプレッシャーを与える事が出来ると思ったのか。

 その辺は俺にも分からなかったが、こうしてジャミルが頼むという以上、別に断る必要もない。

 何か緊急でやらなければならないことでもあれば話は別だが、今は特にそういうのもないし。

 

「その辺を理解した上で、それでも俺に参加して欲しいというのなら、それはそれで構わない。……どうする?」

『頼む』

 

 こうして、俺もジャミルとブラッドマンの会話に参加する事に決まったのだった。

 

 

 

 

 

「じゃあ、俺は基本的には見届け役という感じで、自分から意見を言ったりはしない。ただ、ブラッドマンが話し掛けてきたりしたら、それに答えるといった感じでいいか?」

 

 ウィル・ウィプスの中にある部屋。

 ブラッドマンと通信での会談を行う為に用意された部屋で、俺はジャミルに向かってそう言う。

 

「ああ、それで構わない。もっとも、向こうもアクセルには色々と聞きたい事があるだろうから、もしかしたら私よりもアクセルの方が忙しくなるかもしれないが」

「それは……分からないでもないけど、面倒だな」

 

 ブラッドマンは当然だが、シャドウミラーについての情報も集めているだろう。

 アルカディアにも、スパイは何人か入り込んでいるのは間違いない。

 もっとも、それはあくまでも情報を入手するという意味でのスパイで、破壊工作をしたり、立ち入り禁止の場所に入ったりといった真似はしないのだが。

 

「面倒でも、宇宙革命軍との件に対処する為には、どうしても必要なのだ。だから、頼む」

 

 そう言い、頭を下げるジャミルに頷く。

 北米連邦の代表を務めているジャミルにこうして頭を下げられれば、俺としても簡単に断るような真似は出来ない。

 それに……宇宙革命軍に対処すると考えれば、やっぱりそこには相応の戦力が必要となるのも事実。

 この場合の戦力というのは、質ではなく数。

 今の状況では北米連邦から宇宙に出せる戦力はあまりない。

 ウィル・ウィプス隊は勿論出るが、ぶっちゃけた話、それ以外の戦力は基本的に地上での戦闘に特化している形だしな。

 宇宙での戦いと地上での戦いは、同じ戦いであっても大きく違う。

 そんな中に戦後ずっと地上で戦ってきた連中を連れていくとなると、まずは宇宙での戦闘に慣れさせる必要がある。

 もっとも、それを言うのなら新連邦の方も同じなのだが。

 あるいは新連邦が宇宙革命軍の件をもっと前から知っていた場合、宇宙革命軍と戦う時の事を想定して相応の訓練をしている可能性もある。

 具体的には、宇宙用の設定にしたシミュレータで訓練するとか、専用のシステムを作るとか、もしくは実際に宇宙に上がってとか。

 あ、でも宇宙に上がるのならニーズヘッグのシステムXNを使えばそういう真似も出来るのか。

 

「そうか! 助かる!」

 

 ジャミルらしくもなく、強く喜びの表情が浮かぶ。

 ジャミルにしてみれば、もしかしたら俺に断られるかもしれないと思っていたのかもしれないな。

 

「もっとも、向こうが許可をすればだけどな。ブラッドマンが許可をしなかったら、俺は外に出てるぞ」

「分かった。もっとも、それは問題ないと思うが」

 

 そうしてジャミルと話をしていると、部屋の中にあった映像モニタの方に動きがあった。

 どうやら向こうの方でも準備が出来たらしい。

 次の瞬間、映像モニタにブラッドマンが表示される。

 

『これは……どういう事だ? 国を率いる者同士としての話し合いと聞いていたのだが』

 

 ちょっと意外だな。

 ブラッドマンは北米連邦を国として認めているらしい。

 全世界にブラッドマンからの映像が流れる時は、決して北米連邦を国とは認めていなかったんだが。

 もっとも魔法の件もそうだが、あくまでも建前としてそういう風にしてるのかもしれないが。

 

「ブラッドマン代表には申し訳ないが、今回の会談については記録に残す事が出来ない以上、立会人がいた方がいいと思った。ブラッドマン代表も知っていると思うが、改めて紹介しよう。彼が異世界の国家シャドウミラーの代表であるアクセルだ」

『ふん、立会人か。では、彼は意見を言う事はないのだな?』

「そうなっている。ただし、私や貴方がアクセルに尋ねて、それに答えるといった事は可能だ」

 

 ジャミルの言葉に、ブラッドマンは少し考え……やがて頷く。

 

『よかろう。それでいい。……さて、それでこうして強引に会談を申し込んできたのは、一体どのような理由からかな? 降伏をするのなら受け入れてもいいが』

 

 これは本気でそのように思っている訳ではなく、半ば挑発だろう。

 会談の主導権を欲してのものだと思う。

 ジャミルもそれは分かっているのか、ブラッドマンの言葉を聞いても特に動揺する様子もなく首を横に振る。

 

「そのつもりはない。ただでさえ、現在こちらが有利な状況で戦況が進んでいるのだ。そのような状況で何故こちらが降伏する必要がある? そういう意味なら、寧ろこちらが新連邦に降伏勧告をする方が自然だろう」

 

 ちょっと意外だな。

 ブラッドマンに対して、ジャミルは結構な反撃を行った。

 それもかなり強力な一撃だ。

 実際、世界中で起こっている戦いでは北米連邦の方が有利なのは間違いないのだから。

 

『ふんっ、少しくらい有利だからといって、意味はないだろう。最後に勝利をしていればいいのだ』

「その意見には私も賛成する。だが……現在、私達の戦いにちょっかいを掛けようとしている者がいるのを理解しているだろうか?」

『……何?』

 

 ジャミルの口から出た言葉は、ブラッドマンにとっても予想外だったのだろう。

 数秒沈黙した後で、真剣な表情で口を開く。

 

『宇宙革命軍か』

「やはりそちらでも宇宙革命軍の存在を察知していたようだな。そうだ。私達が入手した情報によると、宇宙革命軍はまだ存在しており、地球を狙っているのも変わらないらしい」

『皮肉だな。15年前の戦争で宇宙革命軍と激しく戦ったジャミル・ニートが、再び宇宙革命軍と戦う事になるとは』

「そちらも他人事ではないと思うが? 宇宙革命軍が、新連邦と北米連邦を区別して攻撃してくるとでも?」

『……ふん』

 

 ジャミルの言葉に、ブラッドマンは面白くなさそうに鼻を鳴らす。

 ブラッドマンにとっても、それだけ宇宙革命軍という存在は脅威なのだろう。

 

『お前達がどこから宇宙革命軍の情報を入手したのかは分からないが……そうだ。実際に宇宙革命軍はまだ残っており、活動を始めている。だからこそ、一刻も早く地球を1つに纏める必要があるというのに、それを邪魔したのがお前達北米連邦だ。分かっているのか? お前達の行動は宇宙革命軍を利する行為でしかない』

「だからといって、侵略をするのか? 力で全てを支配しても、それに従う者がどれだけの力を出せると?」

『悠長に話し合いで纏める事が出来ると思うか?』

 

 ブラッドマンにそう言われると、ジャミルも一瞬何も言えなくなる。

 無理もないか。

 新連邦がやってる事は侵略戦争だが、実際にもし話し合いで新連邦を作ろうと思ったらどれだけの時間があっても足りないのは間違いないだろう。

 そういう意味では、ブラッドマンの選択は間違っていないのかもしれない。

 ……もっとも、実際には戦前に持っていた既得権益を取り戻す為に、あるいはより多くの既得権益を手にする為に私利私欲で行動したというのは間違いないのだが。

 

「難しいとは思う。だが、それでも私達は北米連邦という国を作った。力で強引に従えるのではなく」

『確かにそれは認めよう。だがそれは、シャドウミラーという存在がいたからか』

 

 そう言い、ブラッドマンの視線がこちらに向けられる。

 実際、その言葉は間違っていない。

 シャドウミラーがいたからこそ、その力の大きさを理解して北米連邦という国を作るという流れになったのは間違いない。

 もしシャドウミラーが、そしてアルカディアが存在しなければ、北米連邦という国が出てきていたかどうかは怪しい。

 そしてもしシャドウミラーがいなければ……つまり、この世界の原作であれば、恐らく北米連邦という国は出来ていなかった可能性が高い。

 とはいえ、新連邦の巨大さを考えるとセインズアイランドだけ、フォートセバーンだけで対抗するのは難しいので、明確に国とはいかずとも相応の同盟関係は結んでいたかもしれないが。

 そんな風に考えつつ、俺はジャミルとブラッドマンの会談を見守るのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1796
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