結局ジャミルとブラッドマンの会談は特に何かが決まるような事もなく終わった。
勿論、全くの無意味という訳ではない。
具体的には、ブラッドマンは北米連邦との同盟……とまではいかないが、停戦や一時的な協力関係にはそれなりに積極的だったように思える。
ただ……正直なところ、新連邦はブラッドマンのトップダウン式の組織だと思っていただけに、他の者達に相談をしないといけないというのはちょっと予想外だった。
もしくは少し時間が欲しいので、ああいう風に言ったのか。
またはブラッドマンは新連邦の中で大きな影響力を持っているのは間違いないものの、それはあくまでも大きな影響力であって絶対的な影響力ではないとか。
ともあれ、ブラッドマンとの会談を終えた俺達は、ブラッドマンの指示した場所で待機をする事になる。
「じゃあ、俺達の番だから行ってくるな。……こういう時はロアビィが羨ましいぜ」
「それ、本当に羨ましがってるのか?」
ウィッツの言葉に微妙な表情を浮かべ、クッキーに手を伸ばすロアビィ。
恋人のユリアでもいればもう少し明るくなるんだろうが、歩兵の訓練を行っている今はそういう事も出来ないらしい。
食堂から出ていくウィッツ。
「ウィル・ウィプスが地上に降りていれば、レオパルドデストロイの出番もあるんだけどな」
「なら、アクセルが地上に降りるように言ってくれるのか?」
「無茶を言うな、無茶を」
ロアビィも本気で言った訳ではないのだろうが、残念そうな様子で再度クッキーに手を伸ばす。
ブラッドマン……というか、新連邦から指示をされた場所に移動したのはいいものの、ここが新連邦の領土内、それも奥深くである以上、完全に安心は出来ない。
一応最初に俺達と遭遇したMS部隊や、ブラッドマンのいる基地まで案内したMS部隊がウィル・ウィプスの警備をしているものの、その連中も基本的には新連邦のMS部隊である以上、いつこちらに攻撃をしてくるのか分からない。
もしくはブラッドマン以外の者が俺達に攻撃をするように命じて……といった可能性もある。
そんな訳で、新連邦のMS部隊による警護は行われているものの、ウィル・ウィプスの方でもしっかり護衛をする事になっていた。
とはいえ、ウィル・ウィプスは広い。大きいのではなく広いという表現の方が相応しいようなオーラバトルシップだ。
それだけに、MS数機で見張りをするのは難しい。
そんな訳で、MS以外にもメギロートやバッタによって警備されていた。
メギロートやバッタの怖さは、新連邦でも十分に理解はしているだろうから、余計なちょっかいは掛けてこないと思う。
「うーん、そうなると……シャドウミラーの技術で俺の機体でも空を飛べるようにとか、出来ないのか?」
「それはそれで無茶だな。いや、やろうと思えば出来る。それは間違いない。けど、そうなれば機体の所有権とかその辺の問題にもなるし」
「うげ」
嫌そうな様子のロアビィ。
無理もないか。
ロアビィにしてみれば、レオパルドデストロイは自分のガンダムだという認識を持っているのだろう。
そうである以上、その機体を俺に、もしくはシャドウミラーに譲渡するといったような事は全く考えていないのだ。
X世界におけるガンダムの価値を思えば、それはおかしくないが。
「嫌だろう? なら、諦めるんだな。もしくは……キッド辺りに頼んでみるとか」
UC世界とは違い、X世界ではMSが空を飛ぶのは珍しい話でもなんでもない。
実際、量産機のドートレス・ネオやバリエントですら空を飛んでいるし、オクト・エイプのように15年前の戦争の時点で普通に空を飛べるMSもあったのだから。
そう考えると、この世界ではMSに空を飛ばせる技術は普通に存在する。
勿論、普通に存在するのにレオパルドにそれを適用しないのは、何らかの理由があっての事だろうが。
例えば重量とか?
いや、レオパルドは確かにエアマスターやGXよりも重量はあるが、それでもそこまで突出して重い訳ではない。
そもそもレオパルドよりもベルフェゴールの方が重量は上なのに、ベルフェゴールは普通に空を飛んでる。
勿論、レオパルドはある程度量産されたガンダムであるのに対し、ベルフェゴールはテスト機、もしくは性能実証機といった具合に量産されなかったので、コスト度外視で空を飛べるようにしたのかもしれないが。
もしくはそれ以外……機体特性から空を飛ばなくてもいいとされたとか?
正直なところその辺についての判断は、それこそ当時のMSを開発した者達でないと分からない以上、ここで俺が色々と考えても始まらない。
そういうものだと認識するしかない。
するしかないが……現在のレオパルドデストロイを改修するかしないかとなると、また話は違ってくる。
「一応、今もロアビィはジャミルに雇われている形になる筈だから、レオパルドデストロイを改修するのならジャミルに許可を貰う必要が出てくるかもしれないけど」
「それは……うーん……なぁ、アクセルの方でどうにかならないか?」
「そう言われてもな。テスラ・ドライブを使う訳にはいかないし……あ、でもそうか。ダラニがあるな」
「ダラニ……?」
「ああ。MSとかを乗せて飛ぶSFSだ」
テスラ・ドライブとかのシャドウミラー特有の技術はレオパルドデストロイに装備するような真似は出来ないが、ダラニなら問題はない。
SEED世界のバッテリーとかを使っているので、もしダラニが確保されてもシャドウミラーの技術が流出する心配はなかった。
もっとも、SEED世界のバッテリーはかなり高性能だ。
X世界にしてみれば、そのバッテリー技術だけでも十分意味があるかもしれないが。
ダラニはシャドウミラー以外の既存の技術で作っているし、コスト的にもかなり安めだ。
そういう意味では、ロアビィに渡してもおかしくはない。
……もっとも、シャドウミラー特有の技術となると、既にメギロートやバッタが何機か撃破されて奪われているので、今更の話かもしれないが。
ただ、バッタはシャドウミラーじゃなくて古代木星文明の技術だし、メギロートは一応シャドウミラーの機体であるのは間違いないものの、実際にはホワイトスターにある製造設備で量産されている機体だ。
メギロートの残骸が奪われている今となっては、その事について考えても意味はないだろう。
「SFS? そういうのがあるのか?」
「ああ。多分だけど、戦争中にはこのX世界にもそういうのがあってもおかしくはないと思うぞ」
旧連邦のMSはドートレスがベースとなっており、基本的に空を飛ぶといった真似は出来なかった。
そうである以上、SFSの類があってもおかしくはない。
もっとも、幾つかの基地を探索してみたものの、SFSの類は見つからなかったが。
SFSの類があるかもしれないが、それはまだ開発途中だったのかもしれないな。
そうして最終的にはSFSが開発途中で宇宙革命軍のコロニー落としが行われ、戦争が終わった。
新連邦となって開発されたMSは、ドートレス・ネオやバリエントのように普通に空を飛べる機体だ。
つまりSFSを使わなくてもMS単体で空を飛べるようになったので、開発中だったSFSはお役御免になったとか。
あくまでも可能性だが、そんなに間違っていないように思える。
「それは、俺が使ってもいいのか?」
「そうだな。レオパルドデストロイのデータは貰ってるし、そのくらいはいいか」
レオパルドデストロイの改修は、名目上ではウィル・ウィプスの格納庫にある機械とかを使いこなせるようにという事で行われた。
つまり、その際のデータは俺達の方で受け取っている。
勿論、そのデータがあってもレオパルドデストロイの装甲材はこの世界特有のルナチタニウム合金で出来ているので、量産をするのは難しいが。
名前こそUC世界と同じだが、性能という点ではX世界のルナチタニウム合金の方が上なんだよな。
例えば、アムロが乗っていたガンダムの重量が大体43t程度だったのに対し、レオパルドは8t半ば。
単純に重量では5分の1くらいとなる。
それでいて防御力は同じくらいなのだから。
ニュータイプもそうだけど、UC世界とX世界では似て非なる物ってのが多いよな。
とはいえ、GXに対する高機動型GXがあるように、レオパルドデストロイも量産出来るようにダウングレードすればいい。
もっとも、GXの場合は元々が汎用型で機動力も高かったから高機動型GXとして完成させる事が出来たけど、レオパルドデストロイは……機動砲台とか、そういう方向性ならありか?
「なぁ、アクセル。じゃあそのダラニっての、俺に貰えないか?」
「分かった。なら、新連邦との交渉が終わってアルカディアに戻ったら、一度ホワイトスターに戻って持ってくる」
「……俺が聞くのもなんだけど、本当にいいのか?」
驚きの表情でそう言ってくるロアビィ。
もしかして、ダラニの件を冗談だと思っていたのか?
「構わない。さっきも言ったが、レオパルドデストロイの設計データを貰ってるんだ。ダラニの1機くらいは渡しても問題ない」
「うお、マジか……ありがたい、助かるよ」
喜ぶロアビィ。
それこそ俺が聞くのもなんだから聞かないが、レオパルドデストロイの設計データを俺達が持ってるってのは問題なかったりするのか?
勿論、ロアビィが現在使ってるレオパルドデストロイに手を出すような真似はしないが、それでも普通なら自分の乗ってるMS……しかもガンダムで、更には改修されて本当の意味で世界に1機しか存在しないのだ。
それを劣化版とはいえ、量産するのに何も思わないというのは……ある意味、それもロアビィらしいのか?
「使うのに少しコツがあるから、多少は練習が必要になるかもしれないが、その辺は問題ないよな?」
「練習かぁ……そういうのってスマートじゃないけど、仕方がないが」
残念そうな様子のロアビィを見ながら、俺は話を続けるのだった。
「へぇ……意外だな。こんなに早く決断するとは」
ブラッドマンと面会をした翌日、俺は昨日と同じ部屋でジャミルと共にブラッドマンと通信を行っていた。
前回の会談はジャミルが要望したものだった。
しかし今回の会談は、ブラッドマンからの要望となる。
話の流れからすると、それもおかしくはないのだが。
何しろこっちからの要望にブラッドマンがどう返事をするのかというのを待っていたのだから。
これが例えば、ブラッドマンが勿体ぶって手を組んだ後の主導権を握りたいとか、そういう風に考えれば、もっと勿体ぶるといった真似をしてもおかしくはない。
だが、今回の話題は現在既にもう動いているという宇宙革命軍の対処だ。
もしここで勿体ぶるような真似をして無駄に時間を使ってしまえば、宇宙革命軍に先制攻撃を許すといった事にもなりかねなかった。
交渉で主導権を握っても、宇宙革命軍に先制攻撃を許してしまえば意味はない。
だからこそ、ブラッドマンも早いところ話を通して通信を送ってきたのだろう。
『ここで無駄に時間を使う訳にはいかんのは、そちらも同様だろう?』
俺に尋ねたブラッドマンだったが、それに答えたのは俺ではなく……
「うむ。迅速な判断を感謝する。それで結果はどのようになったのだ?」
ジャミルだった。
元々この会談はジャミルとブラッドマンのもので、俺はあくまでも見届け人でしかない。
その割には、最初に口を開いたのは俺だったが。
ジャミルもブラッドマンもその辺は気にしていないので、恐らく問題はない。
『一時的な停戦には合意する。だが、協力して宇宙革命軍と戦う場合、指揮権はこちらに貰う』
ピクリとジャミルの頬が動く。
停戦に合意されたのは正解だろうが、協力して宇宙革命軍と戦うのなら指揮権は新連邦が持つ。
それについては思うところがあったのだろう。
もっとも、それが俺であってもジャミルと同じ反応をするだろうが。
いや、それどころか、ジャミルよりも派手に反応するだろう。
指揮権が新連邦にあるということは、それはつまり北米連邦……正確にはウィル・ウィプスを捨て駒にするといったような真似も出来るのだ。
あるいは指揮権を盾に接収するか。
他にも色々と考えられる。
そうである以上、ジャミルもそれに素直に頷く訳にはいかず……
「それは断らせて貰おう。そもそも、現状の戦争において有利なのはこちらなのだ。そうである以上、何故そちらに有利な状況にする必要がある? 指揮権を貰うとしたら、それは北米連邦だろう」
『我々新連邦と北米連邦の戦いは、まだそこまでしっかりと行われてはいないと思うが? 勿論全く戦わなかった訳ではないが……それでも、北米連邦が有利だという程にしっかりと戦局は定まってはいない。……ジャミル・ニートよ。お前は勘違いをしていないか? 新連邦が戦っているのは、北米連邦以外にも多数の勢力がある。それら勢力は確かに我々新連邦と敵対しているが、だからといって北米連邦の同胞という訳ではないのだ』
「南アジアでの戦いの結果を忘れたのか?」
ジャミルとブラッドマンは、映像モニタ越しに睨み合うのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1796