転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3493話

『美味いな、この料理』

『ああ、ウィル・ウィプスでは毎日のようにこんなに美味い料理が食べられるのか』

 

 ウィル・ウィプスのブリッジの映像モニタに映り出されているのは、食堂の映像。

 新連邦からやってきた見学者達は、現在食堂で食事をしていた。

 一時的に停戦したにせよ、実質的には敵のままだというのは変わらないのに、そんな中でこうして嬉々として食事をするのはどうかと思わないでもないのだが……モニクとの間にあった緊張感も、こうして美味い食事の前では消え去ったので悪くはないだろう。

 

「それにしても、X世界の食事はそこまで不味いって訳でもないのに、あそこまで喜ぶというのは少し意外だったわね」

 

 俺と同じく映像モニタを見ていたミナトが、若干の呆れと共に言う。

 これがマブラヴ世界とかなら、ああいう風になってもおかしくはないのだが、今ここでこうしいるのを見ると、確かに疑問だ。

 

「え? うーん……でもこのウィル・ウィプスの食事は普通に美味しいわよ? フリーデンでの食事も悪くはなかったし、キャプテンもそっちにそれなりに力を入れてたけど、それでもウィル・ウィプスの食事には絶対に勝てないと思うもの」

 

 トニヤの意見に、そういうものか? と思う。

 とはいえ、そう思うと同時に納得出来る部分も多いのだが。

 何しろウィル・ウィプスの食堂で使っている食材は、ホワイトスター経由で入手したものだ。

 そして料理をするのは、疑似経験や疑似記憶で一流の料理技術を持つ量産型W。

 四葉のような超一流には敵わないものの、美味いと評判の店を作る事は出来るといったような。

 世界的なレストランを評価する本で星を貰うことは出来ないものの、行列が絶えないくらいの料理店……という方が分かりやすいか。

 つまり、毎日普通に食べる分には不満は全くないレベルの調理技術を持っている。

 もっとも、四葉に言わせると高級レストランで食べる料理と家で毎日のように食べる料理では、同じ料理でも全く違う料理らしいんだが。

 具体的には、高級レストランの料理は一口目を食べて『美味い!』と思えるだけの衝撃を食べた者に与えるが、それをずっと食べ続けると飽きがくる。

 それに比べて普通に家で食べる料理は一口目を食べても『ふーん』という感じで、特に驚くような美味さはないものの、食べ続けてもそう簡単に飽きる事はない料理らしい。

 もっとも、カレーとかが数日続けば飽きがくるとか思うんだが……まぁ、それはそれで気にする必要はないのかもしれない。

 とにかく、食材も調理技術もX世界と比べると上である以上、新連邦からやって来た面々がここまで喜ぶのは納得出来た。

 何しろ15年前の戦争で人口の99%が死んだのだ。

 そうである以上、色々な技術が失われたのは間違いない。

 そうして失われた技術の中には、当然だが料理の類も入っていたのだろう。

 勿論全ての調理技術が失われた訳ではないのは、曲がりなりにもこの世界で暮らしてきた俺にも分かる。

 分かるのだが、同時に失われた調理技術の類も結構な数ある筈だ。

 一子相伝とか、そういう料理は。

 そういう意味では、X世界の文明は15年前の戦争で大きく後退したのは間違いのない事実なのだろう。

 まぁ、今はとにかく生き抜くのが先決だということで、そういうのを考えている余裕はないのかもしれないが。

 ただ将来的にそういうのが大きな問題になってもおかしくはない。

 とはいえ、それは別にこのX世界だけの話ではない。

 マクロス世界もそうだし、マブラヴ世界も同様に伝統とか技術とか、そういうのが失われている。

 だが、シャドウミラーと接触した事によって、失われた技術を他の世界から輸入する事が可能になったというのもあるんだよな。

 実際にマクロス世界では歌舞伎とかそっち系の日本の伝統芸能とかを色々な世界から集めたりしているらしいし。

 

『うーむ……素晴らしい。ウィル・ウィプス……いや、シャドウミラー……いや、北米連邦と手を組めば、このように美味い料理を食べる事も出来るのか?』

『それは羨ましいな。素直に亡命したくなる程だ』

『おいおい、迂闊な事を言うのはやめておけ。上に聞かれたら面倒な事になるぞ? ……もっとも、この料理の味を考えると、そんな風に思ってもおかしくはないが』

 

 食堂でのやり取りを見る限り、俺の予想はそう外れていないらしい。

 とはいえ、それでもある程度の料理の質は保っていてもおかしくはないが。

 人口の99%が死んで多くの技術が失われたのは間違いないが、一子相伝とかそういう技術ではなく、一般的に広がっている技術とかは失われていないという事なのだから。

 具体的には、料理をする際の技術……そう、アルコール度数の高い酒をフライパンにいれ、そこに火を点けてアルコールを飛ばすフランベという技術は広く知られているので、今でもその調理技術は残っているだろう。

 そういう意味では、それなり以上の料理を食べるのは難しくない筈だが……映像モニタの様子を見ると、そういう美味い料理は上の方で独占されているのかもしれないな。

 勿論、ウィル・ウィプスに派遣されるような面々である以上、新連邦の中でも相応の地位にいるのは間違いないので、本当に不味い料理だけを食べているって訳ではないと思うが。

 

「何だかこの様子だと、食堂の見学というか、体験だけで終わってしまいそうね」

 

 サラの言葉に、俺を含めて多くの者達が同意するように頷く。

 実際に今のこの映像を見れば、それは決して冗談ではないと理解出来たからだ。

 

「それはそれでいいんじゃないか? 俺達にしてみれば、ウィル・ウィプスの見学をさせたという事実があればいいんだし。……その場合、あの連中がどういう扱いを受けるのかは分からないが」

 

 ブラッドマンの性格を考えると、ウィル・ウィプスの見学に行ったのに食堂で美味い料理を食べて戻ってきたという相手に、一体どのような対応をするのか。

 あるいは、食堂にいる連中がどうにかしてブラッドマンを納得させるだけの理由を作り上げられれば……うーん、どうだろうな。

 美味い料理を食えるから、ウィル・ウィプスに乗ってる俺達は士気が高いとか?

 実際、それは決して間違っている訳ではない。

 俺達にとって美味い料理というのは、それだけ大きな原動力になるのだから。

 だからといって、それでブラッドマンを納得させられるかと言えば、微妙なところだろう。

 寧ろそれはブラッドマンを下手に怒らせるだけのような気すらする。

 

「あ、それは向こうも気が付いたみたいよ」

 

 マリューの言葉に映像モニタに視線を向ける。

 

『さて、食堂のレベルが高いのは分かった。非常に羨ましい限りだが、次はもっと別の場所を見せて欲しい』

『そうですね。では……遊戯室はどうでしょう?』

『何? 遊戯室……だと? 一体何故そのような場所を?』

 

 見学者がクリスの提案に不思議そうに聞く。

 うん。俺も何故遊戯室? と疑問に思う。

 ウィル・ウィプスの重要な場所には案内出来ない以上、案内出来る場所として選んだのが遊戯室だったのかもしれないが。

 

『ウィル・ウィプスの遊戯室は、かなり充実しています。食堂の料理と同じく、それによって士気が高い一面もあるので』

 

 言ってる事は間違ってはいないな。

 士気がどうこうというのはともかく、ウィル・ウィプスの遊戯室はロアビィがフリーデンに用意した物をそのまま移し、そこに更に色々とこちらで用意した結果、かなり凄い遊戯室になっている。

 ビリヤード、ダーツ、カードといったようなゲームから、俺にはあまり関係ないが酒の類も充実していた。

 他にも本の類やTVもある。

 もっとも、X世界においてTV放送とかはやっていないので、見る事が出来るのはゲートを中継しているホワイトスターや、それ以外の世界のTV放送だけだが。

 それ以外にも、各種映画とかそういうのもある。

 中にはバラエティ番組もあり、アイドルが無人島を開拓するというのが俺的には好みだったりする。

 そういう諸々があるので、遊戯室はかなり人気が高い。

 ロアビィもユリアと頻繁にそこでデートをしているらしいし、ガロード、ティファ、アベルといった3人も同じように遊んでいるらしい。

 そんな諸々だけに、ウィル・ウィプスで食堂と並んで自慢出来る場所というのも間違ってはいなかった。

 ……新連邦の面々が見たい場所かと言われれば、それは否かもしれないが。

 あ、でも食堂で料理を楽しんだように、遊戯室で遊ぶというのは悪くない話かもしれないな。

 

『出来ればもっと他の場所を案内して欲しいんだが』

『そうなると……そうですね。訓練場とかそういう場所なら案内出来ますが』

『そう、それだ! そういう場所を案内して欲しい』

『分かりました、ではそのように。……ただ、案内する場所は兵士が生身で訓練する場所ですよ? MSに乗って訓練するような場所ではなく』

『それは仕方がないだろう。まさか母艦の中でMSに乗って訓練をしろとは言えないだろうし』

 

 クリスに向かってそう言う男だったが、実際にはやろうと思えばそれなりにMSに乗った訓練は出来るんだよな。

 ただ、やろうと思えば出来るというのと、実際にそれをやるかというのはまた別の話だが。

 それこそMSが内部でビームライフルとかを撃つ……いや、これは問題ないのか? 勿論それは、ビームの威力を最低限にするという形で、実弾の類はペイント弾でとなるが。

 もっとも、ウィル・ウィプスの内部で訓練をしてもそれでプラスになるような事は……無理矢理考えるとすれば、それこそウィル・ウィプスのような巨大な軍艦の中に入って戦う時の事を想定してか?

 そういう事になる可能性が具体的にどのくらいあるのかは別として。

 

「うわぁ……あれを見るのね。私はちょっと遠慮したいけど」

 

 映像モニタの中で通路を歩いているクリス達を見ながら、トニヤがそう言う。

 嫌そうな様子は……うん、まぁ、仕方がない。

 兵士が訓練をする場所。

 それはつまり、このウィル・ウィプスの中で兵士と呼ぶべき者達が具体的にどのくらいいるのかという事を意味している。

 基本的にはカトック達だけで、そんな野郎共――ユリアは別だが――の汗臭い訓練を見たいかと言われれば、俺もそれを好んでみたいとは思わない。

 

『これは、また……凄いな』

 

 映像モニタから聞こえてくる、感嘆の声。

 俺にとっては予想外な事に、カトック達の訓練は見学者達を満足させるのに十分だったらしい。

 

「驚きね」

「そうだな。まさかこういうのを見て喜ぶとは思わなかった」

「トニヤもアクセルも……あの人達はウィル・ウィプスの強さを見る為に来たのよ? MSとかそういうのは見られなくても、訓練風景を見るのは仕事として当然よ」

 

 マリューの言葉に若干呆れが混ざっていたのは、きっと俺の気のせいだろう。

 サラも俺やトニヤを同じような視線で見ているが、これはきっと気のせいだ。

 

「ウィル・ウィプスの強さを見に来たのに、兵士の訓練風景を見てそれで満足するというのは不味くないか? いや、重要な場所を見せないようにしている俺が言う事じゃないかもしれないが」

「本当にアクセルの言うような事じゃないわよね。見せないようにしてるのに、見せられる場所を見せてそれで喜んでいるところを見てそういう風に言うんだから」

 

 そう言うミナトは、しかし言葉とは裏腹に何故か笑みを浮かべていた。

 俺が口にした内容を聞いても、それを責めるといった真似はせずに面白いとでも思ったのだろう。

 具体的にどこが面白かったのかは、俺にも分からなかったが。

 

「コホン。とにかくいつまでも見せておくのもなんだし、向こうがある程度満足したらお引き取り願うという事でいいか?」

 

 話を誤魔化すかのようにそう告げる。

 今のこの状況を思えば、分かりやすすぎるかもしれないが。

 それでも今のウィル・ウィプスの状況を思えば、いつまでも新連邦からやって来た面々をそのまま受け入れ続けるといったような事をする訳にもいかない。

 このまま北米連邦に亡命でもしてくるのなら、話は別だが。

 ……そう思うと、実は普通にやりそうなんだよな。

 食堂での一件を見ていれば、特に。

 それにウィル・ウィプスという存在も、あの連中の好奇心を刺激してるだろうし。

 とはいえ、それでも現在新連邦と一時的な停戦をしている以上、相手を刺激するような真似は避けた方がいいだろうが。

 

「アクセルがそれでいいのなら、私はそれで構わないわよ。見学に来た人達も、ある程度ウィル・ウィプスの中を見る事が出来たようだし。そうである以上、後はもう気にする必要がないと思うわ」

 

 マリューがそう言い、他の面々もこれで十分だと判断したのか、特に反対を口にしたりはしない。

 そういうつもりはないのかもしれないが、やはりこうして見てる限りでウィル・ウィプスの中に新連邦の面々がいるのは面白くないという思いがあるのだろう。

 こうして、訓練場での見学を終わったらウィル・ウィプスの見学も終わるという事で話が纏まるのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1796
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