転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3498話

 千鶴と北米連邦の交渉については、具体的にどういう流れになったのかは俺にも分からない。

 同席していなかったし。

 ……もしかしたら、若い女――外見から年齢よりも上に見られるが、それでも若い女に違いはない――の千鶴を相手に、力を見せつけるといった真似や恫喝、脅しといった方法を選ぶかもしれないとは思ったが、その辺の心配はしていない。

 千鶴は元々決して運動神経がいい方ではなかった。

 だが、今は魔力による身体強化や、何よりもエヴァによる戦闘訓練によって、生身での戦闘能力は非常に高い。

 シャドウミラー全体で考えると平均程度の実力といったところだが、それはあくまでもシャドウミラーに所属する者達の中でだ。

 X世界において、生身で千鶴に勝てるような者は……絶対とは言わないが、まずいないと思ってもいいくらいの実力差はある。

 それにいざとなれば、千鶴の場合は俺との仮契約カードとかもあるし。

 そういう意味で、もし北米連邦の面々が力や脅し、脅迫といった手段を使おうとしても、それは無意味となる。

 俺にしてみれば、それはそれで悪くないとは思うが。

 ともあれ、どういう経緯を辿ったのかは分からないが……無事、北米連邦はシャドウミラーの実働班を一時的な傭兵として雇う事に成功する。

 無事? ……うん、まぁ、恐らくは無事という表現で間違ってはいない筈。

 噂では千鶴と交渉した相手は交渉が終わった後で10kg体重が痩せていたとか、そんな話を聞かないでもなかったが。

 それでも無事は無事だろう。……うん。

 とにかくそうして話が決まった以上、シャドウミラーの実働班の方でも出撃準備は行われている筈だった。

 とはいえ、出せる軍艦はシロガネとギャンランドやワンダーランドといったトライロバイト級の3隻だけ。

 カトンボもあるが、無人機なのでそっちは今回数に入れない。

 

「それで、艦長はどうするんだ? ウィル・ウィプスはマリューが艦長をやってるし、残る面子で艦長が出来るのはナタルくらいだろ?」

 

 ムウの恋人のナタルは艦長向きの性格をしているし、SEED世界ではドミニオンの艦長をしていたので、問題はないだろう。

 だが、そうなるとギャンランドとワンダーランドの艦長を誰がやるのかという話になる。

 

『量産型Wに任せるという手もあるが……』

 

 空中に浮かぶ映像スクリーンで、コーネリアがそう言う。

 何故この件でコーネリアと話しているのかと言えば、単純にコーネリアが実働班を率いる立場だからというのが最大の理由だ。

 実働班を率いるコーネリアは、シャドウミラーの中でも技術班を率いるレモンと同じくらいの影響力を持っている。

 

「量産型Wか。まぁ、最悪そうするというのはありかもしれないけどな」

 

 量産型Wは疑似記憶や疑似経験によって、オールマイティーな能力を持っている。

 その中には当然だが艦長としての役目もあり、純粋に艦長としての能力は一流なのは間違いない。

 ただし、超一流には及ばないが。

 これがPTやMSのような人型機動兵器のパイロットであれば、データも多い分、最近は一流を超えた超一流に足を半歩……いや、足の指のつま先くらいは入りそうになっているのだが。

 一流と超一流の間にある差はそんなに大きなものではない。大きなものではないのだが、それを超えるには途方もない努力や才能が必要となる。

 量産型Wがその1歩に踏み込めたのは、何気に凄い事だった。

 ともあれ、人型機動兵器のパイロットであってもそのような状態なのだから、人数が少ない艦長ともなれば……一流を超えるのはいつになる事やら。

 それこそ冗談でも何でもなく100年、200年といった時間が必要になってもおかしくはない。

 

『それがベターではある。だが……それは、あくまでも現時点での事だ。将来を見据えると、出来れば艦長を行える能力を持つ者を増やしておきたい』

 

 そう、真面目な表情で言ってくる。

 だが……なるほど。コーネリアの意見には一理ある。

 シャドウミラーにおいて、人型機動兵器のパイロットは結構な数がいるが、艦長となると現時点においてはマリューとナタルの2人しかいない。

 勿論、艦長を出来るかと言われれば、出来る者はいる。

 しかしそれは、あくまでも一応出来るというだけであって、本職には遠く及ばない。

 今まではそれでよかった。

 何しろ量産型Wが艦長をするカトンボとメギロート、バッタといった戦力で足りない戦力は押しきる事が出来たのだから。

 だがそれは、あくまでも今までだけだ。

 この先、俺が他の世界と接触した時も、同じように量産型Wや無人機でどうにか出来るとは限らない。

 極端な例だが、マクロス世界でバジュラと遭遇した時、無人機は電波障害に近い症状によって使い物にならなくなった

 量産型Wや無人機で同じような事にならないとは限らないのだ。

 だからこそ、備える必要がある。

 そして、そういう意味ではX世界で艦長としての訓練を行うというのは決して悪い訳ではない。

 人口が極端に減った世界なので、新連邦も宇宙革命軍も戦力として出せる数は他の世界とかに比べると間違いなく劣るだろう。

 つまり、艦長としての経験を積ませるにこれ以上ない程の場所でもある。

 X世界のMSはそれなりに能力が高いが、シャドウミラーの機体に比べると劣る以上、いざという時はどうとでも対処は出来る。

 出来るのだが……

 

「ギャンランドとワンダーランドの2隻の艦長。誰にそれを任せるつもりだ?」

 

 そう、結局のところそれが一番の問題だった。

 PTのパイロットを回すという選択肢もあるが、今まで訓練を重ねてきたのを思えば、出来ればそれは避けたい。

 そうなると、現在はまだ戦闘訓練をしていない者達という事になるのだが、だからといって誰でもいい訳ではない。

 まず向いてない人物は当然除外すべきだろう。

 具体的には、四葉とか。

 料理人としては超一流の四葉だが、だからといってまさか艦長を任せられるかと言えば、当然だがそれは否だ。

 ……戦艦にある食堂の料理人とか、そっち系なら問題はないと思うが。

 もっとも、そうなればそうなったで、多くの者が四葉が料理人をやっている食堂に集まってくるだろう

 そう言うと、コーネリアは苦笑を浮かべて頷く。

 

『うむ。私も向いていない者を艦長にしようとは思わん。……もっとも、私の個人的な考えを言わせて貰えば、四葉なら実は艦長が出来るかもしれないと思わないでもなかったが』

「本気か?」

 

 四葉が艦長になった光景を思い浮かべるも、明らかに似合わない。

 

『あくまでもそう思っただけだ。……しかし、他の者となると……明日菜か?』

「それも難しいと思う」

 

 明日菜は人当たりという点では決して悪くはない。

 だが、能力ということになるとどうだろうな。

 明日菜も別に無能という訳ではない。

 ……いやまぁ、麻帆良で学生だった頃はバカレンジャーだったが、最終的には短大に合格するだけの成績にはなっていた。

 それにシャドウミラーでも庶務というか、色々な雑用、もしくは何でも屋とでも呼ぶべき役割を任されているので、そういう意味では有能なのは間違いない。

 とはいえ、それで艦長が出来るかとなると、それはそれで微妙なところがある。

 

『そうか? アクセルが言えば、寧ろ喜んでやりそうな気がするが』

「……何で喜ぶ?」

『色々とあるのだよ、女には』

 

 女には、ね。

 これは深く聞くと少し不味そうなので、その辺については止めておくとしよう。

 

「明日菜は元々そこまで戦闘に向いてないのは事実だ。そうなると、やっぱり止めておいた方がいいとは思う」

 

 一応、咸卦法とかを使って個人としての戦闘は出来る。

 だがそれはあくまでも個人の戦いであって、艦長として戦闘の指示を出来るといったタイプではない。

 また……明日菜は気の強い勝ち気な性格ではあるが、同時に優しくもある。

 個人での戦いであっても、敵を倒す事は出来ても、人を殺す事は出来ないだろう。

 そんな明日菜が、自分の指示で何十人……場合に寄っては何百人、それ以上の人数が死ぬような戦闘の指揮を執れるか。

 まず無理だろう。

 

『ふむ。明日菜も駄目か。そうなると……凛は……駄目だな』

 

 俺が却下と言う前に、コーネリアはすぐに却下する。

 凛は優秀な人物で、人を殺すという行為も好む訳ではないが、やろうと思えば出来る。

 そういう意味では艦長向きなのだが……決定的に機械と相性が悪い。

 魔力によるものとかそういうのではなく、これはもう体質としか言えないのだろうが。

 凛が触れた機械は壊れる可能性が非常に高い。

 これが絶対に壊れるのではなく、可能性が非常に高いというのが微妙に質が悪いんだよな。

 

「そうだな。能力的には問題ないんだが……ただ、機械との相性の悪さを抜きにしても、出来れば政治班をこれ以上忙しくさせたくはない」

 

 シャドウミラーには色々と部署があるものの、その中でも影響力が強いというか、規模が多いのは技術班、実働班、政治班だ。

 そんな中で技術班は基本的に自分達がやりたい研究をやっているという意味で大変さはない。……まぁ、時に研究がエスカレートしたり、下らない研究をしているのが理由でエキドナのような者達にお仕置きをされそうになって逃げ出したりといった事はあるが。

 実働班の方は、毎日厳しい訓練をやるという事で大変なのは間違いないだろう。

 PTのような人型機動兵器を使った訓練は勿論の事、生身での戦闘訓練も行われている。

 基本的にシャドウミラーのメンバーは全員が生身での戦闘訓練を行うのだが、そんな中でも実働班は他の者達よりもかなり厳しく訓練を行われる。

 そういう意味では肉体的な意味で大変な部署だろう。

 だが……そんな2つと比べて、政治班。

 シャドウミラーがホワイトスターだけで完結してるのなら特に問題はないのだが、今では幾つもの世界と繋がっている。

 結果として、それらの世界との間で政治班の面々が毎日のように忙しく走り回るといったような事になるのだ。

 だというのに、政治班の人数は決して多くはない。

 魔法球を使って頻繁に休憩をする事によってオーバーワークにはなっていないが、それでもかなり厳しいのは間違いない。

 ぶっちゃけ、シャドウミラーの中で最も忙しいのは間違いなく政治班だ。

 そんな政治班から引き抜くといったよう真似は、出来れば……いや、可能な限り避けたい。

 

『そうなると、あやかや千鶴も駄目か』

「駄目だな。能力的には……千鶴は分からないが、あやかは艦長としてもやっていけるだけの能力があるとは思っているが、艦長と政治班のどちらを重要視するかと言われれば、今は政治班だし」

『そうなるか。だが、そうすると政治班以外の面々となるのか。エヴァや茶々丸はどうだ?』

「茶々丸ならその辺もどうにかしそうだけど、エヴァがまず許可しないだろ」

 

 エヴァは基本的に生身の戦闘訓練以外は自由にしている。

 現在は鬼滅世界の日本を旅行しまくっている筈だ。

 それだけに、艦長などという役職は引き受けないだろう。

 

『治療班の2人は……』

「そっちも難しいな。何かあった時に治療を任せられる人物がいるというのは、こっちにとっても大きいし」

 

 そう言う。

 木乃香の回復魔法は、かなり強力だ。

 色々と制限はあるものの、いざという時の命綱としては非常に大きい。

 刹那の方は艦長としての能力には疑問があるし、そもそもの話、刹那が木乃香から離れるのを許容するとは思えない。

 そうなると、本当に限られた者達しかいなくなる。

 

『ステラは……難しいか』

「不思議系の性格をしてるから、妙な命令とか出してもおかしくはないな。身体能力という点では結構高いんだが」

 

 スティングやアウルの妹……正確には血が繋がってないので、義理の妹になるのだがろうが、スティングやアウルが当初から実働班に所属する事を望んでいたのに対し、ステラはそこまで戦いに固執していなかった。

 ……実はSEED世界で保護した当初、ステラのあの性格は強化手術や薬による影響なのではないかと思っていたのだが、その辺の治療が終わってもあのままだったことを思えば、素の性格だったのだろう。

 そんなステラを艦長にしたら、それこそ思いつきで命令を出したりしそうで怖い。

 ……スティングやアウルはステラを家族として認識してるので、ステラが艦長の艦に配属されればそれなりに問題はないような気がするが。

 慣れれば、それはそれで問題がないのかもしれないが、ちょっと難しいというのが正直なところか。

 こうして何人かずつ名前を出していくが、いずれも駄目となる。

 中には鬼滅世界からやって来ているしのぶに……という案もあったのだが、しのぶはあくまでもシャドウミラーに留学という形で来てるだけだしな。

 それに大正時代の人間にトライロバイト級の艦長をやれというのは、難しい。

 もっとも、しのぶの事だから勉強すれば出来る気もするんだが……やっぱり、正式にシャドウミラーに所属してないというのが、この場合は大きい。

 そうして最後に残ったのは……

 

『円と美砂、か』

 

 そう微妙な表情でコーネリアが呟くのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1796
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