転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3500話

「それで、その……シャドウミラーでは今まで艦長をしていなかった者達もこちらに援軍として出す、と?」

 

 そう聞いてくるジャミルの声には不機嫌そうな色がある。

 いつものようにサングラスをしているので、その表情は分からない。

 だが、雰囲気からして不機嫌そうなのは間違いなかった。

 いやまぁ、ジャミルが不機嫌になる気持ちも分かるけどな。

 俺はジャミルに対し、正直に円と美砂の件を話した。

 その正直にというのは、まだ艦長として慣れていないので、X世界での小規模な戦いは練習として丁度いいという風に思ったこともだ。

 本来なら、その辺については隠しておいた方がいいのかもしれない。

 だが、こちらにはルチル、ティファ、アデル、カリスといったニュータイプや人工ニュータイプが多くいる。

 そのような者達が何らかの理由で円や美砂と会った時……いや、直接円や美砂と会わなくても、その件を知っている者に会った時、今回の一件の裏について知られて、それが原因で問題が起きるといったような事になるのは避けたい。

 それなら最初からある程度ジャミルに話を通しておいた方がいい。

 

「そうなるな。もっとも、今まで実際に艦長はしてなかったがそれなりに勉強はしていたから、知識はある」

 

 これは嘘だ。

 とはいえ、X世界の面々に魔法球について話す訳にもいかない以上、カバーストーリーは必須だろう。

 ……出来ればこれもニュータイプ能力で見抜かれないといいんだが。

 魔法球があるからこそ、円や美砂は半ば一夜漬けに近い状態ながらも、その知識を現在習得しているところだ。

 一夜漬けであっても、それを実戦の中で使い続ければ、それは本当に自分のものになる。

 円と美砂に求めているのはそれだ。

 ……もっとも、人には適性というものがある。

 どうしても円や美砂が艦長としてやっていけないのなら……それはそれで仕方がない。

 その時は、最悪量産型Wに任せるといった事になるだろう。

 もしくは、将来的にシャドウミラーに所属する者達の中に艦長に向いてる奴がいるかもしれないと期待するか。

 個人的には、多分大丈夫だとは思うんだが。

 

「……そうか。だが、新人を連れて来て、それが原因でこちらに被害が出たらどうする?」

「ジャミルの言いたい事は分かる。けど、戦力という意味では十分に強力なんだ。宇宙革命軍や新連邦が何を企んでいようとも、こっちは間違いなくそれに対応出来る。……それに、基本的に出撃するのはシャドウミラーの実働班とウィル・ウィプスだけだろう?」

「いや、北米連邦からも多少は戦力を出す」

「本気か?」

 

 以前からそれらしい事は匂わせていたものの、それでも正直なところ本気でそのような真似をするとは思わなかった。

 

「宇宙での戦いは地上での戦いと違うぞ?」

 

 そう、それが北米連邦の面々と一緒に戦うのを避けたい最大の理由。

 シャドウミラーの実働班なら、普通に宇宙での戦いについても訓練を重ねている。

 無人機の類にいたっては、自動的にその辺に対処出来る。……イルメヤのように、地上用の無人機はさすがに無理だが。

 軍艦の場合は、重力とかが調整されているので基本的には問題ない。……円とか美砂も、その辺は問題ないだろう。

 だが、北米連邦のMSパイロットとなると、微妙に話が違ってくる。

 具体的には、北米連邦の中で平均的に高い実力を持っているのは、ロッソ率いるバルチャー隊と、カリス率いるフォートセバーン隊だ。

 セインズアイランドの方は……MSは高性能の物を揃えているので、この先に期待といったところか。

 そんな中で、バルチャー隊もフォートセバーン隊も、この15年の間はずっと地上での戦いだけを行ってきている。

 人工ニュータイプのカリスは特別だろうが、他の面々は微妙だろう。

 

「それに、以前念の為に北米連邦にも戦力を残すという話だった筈だが、それはどうなった?」

 

 ブラッドマン率いる新連邦と一時的に停戦したとはいえ、その言葉をどこまで信じることが出来るのかは微妙なところだ。

 それこそウィル・ウィプス隊を始めとして、北米連邦の主力が宇宙革命軍と戦っている間に新連邦が北米連邦に攻撃を仕掛けるといった可能性は決して有り得ない事ではない。

 ジャミルもそれを理解しているからこそ、俺達が宇宙に行った後も何かあった時の為に対処出来るように、きちんと戦力を残しておくと言っていた筈だ。

 だというのに、今になって急に俺達に北米連邦の戦力を同行させると言われても、正直なところ困る。

 北米連邦が持つ宇宙で使える軍艦の性能が一体どのようなものなのかは、生憎と俺には分からない。

 だが、問題なのはシャドウミラーの軍艦と一緒に行動出来るだけの能力があるという事だろう。

 シロガネ、トライロバイト級、カトンボに関しては、移動速度もかなり速い。

 ウィル・ウィプスは……いや、そうだな。ウィル・ウィプスについては一応技術班の方で理論上は問題ないとしているが、宇宙でどれだけの性能を発揮出来るのかはまだ分からない。

 実際に宇宙に行く前に、1度試してみた方がいいか。

 

「アクセルの気持ちも分かる。だが、宇宙革命軍との戦いにおいて、北米連邦が一切戦場に出ないというのは、戦後を見据えると不味い。……それとも、戦後もずっとシャドウミラーが北米連邦を庇護してくれると?」

 

 そう言うジャミルだったが、その雰囲気は本気でそういう風に言ってるようには思えない。

 寧ろ自分でも完全に納得した訳ではないことを口にしているような感じですらあった。

 なるほど、これは……北米連邦からも戦力を出すというのは、ジャミルの意見じゃないな?

 ジャミル以外の誰かが、戦後を見据えて自分達でもきちんと手柄が欲しいと思ったのだろう。

 北米連邦からの戦力という事なら、ジャミル達がいるので十分だとは思うが。

 それでも納得出来なかったのは、ジャミル達がウィル・ウィプスに乗っているからか。

 なら、北米連邦が用意した軍艦にジャミル達を乗せて行動するというのは?

 北米連邦ではなく、あくまでも自分の子飼いの戦力が活躍したという実績が欲しいのなら、それは受け入れないかもしれないが。

 

「生憎と、そこまでの事は考えてないな。何度か言ったが、このX世界は滅びに向かっている。今はまだ大丈夫だろうが、この先も同じように大丈夫とは限らない。勿論、この状況から完全に復興に向かう道もない訳じゃないが」

 

 人口の99%が失われた状態で、自らの既得権益を手に入れる為に侵略戦争を行う者達がいるという時点で、駄目だこりゃといったようにも思える。

 それが人の性だと言われれば、反論も出来ないが。

 

「それは……」

「つまり、そこまでしてシャドウミラーが北米連邦を庇護する必要はない。……勿論、宇宙革命軍との戦いでシャドウミラーを雇う為に必要な報酬はきちんと支払って貰う事になると思うが」

 

 その代金を支払う為に、北米連邦をシャドウミラーが庇護しろ。

 そう言われるかと思ったのだが、ジャミルもそこまで図々しい真似は出来なかったらしい。

 ……もし実際にそういう風に言って、実際にそういう風になったとしたら……多分、そのアイディアを出した者は、後悔する事になるだろうが。

 政治班が本気になってこの世界をどうにかしようと思えば、それこそ幾らでも手段はあるのだから。

 もっとも、X世界でどうやって価値のある物を入手するのかは分からないが。

 海底資源とか、そういうのか?

 けど、ぶっちゃけそういうのはこの世界特有の物ではない限り、ホワイトスターにあるキブツでどうとでもなるし。

 勿論、キブツで作る手間を省くという意味では、資源とかそういうのでもいいんだが。

 そもそもこの世界特有の何かとなると、そう多くはないし。

 

「分かっている。踏み倒すなどという真似はしない」

 

 そう断言するジャミル。

 この辺がジャミルの義理堅いところだよな。

 もしバルチャーなら、中には踏み倒せるのなら普通に踏み倒すといった真似をしてもおかしくはないのだから。

 そういうジャミルだからこそ、他のバルチャー達からの人望も厚いのだろうが。

 ああ、でも今のジャミルはもうバルチャーではなくて、国の代表か。

 それなら余計に報酬を踏み倒すといった真似は出来ないな。

 ……ブラッドマン辺りなら、報酬とかを踏み倒すくらいは普通にやりそうだが。

 

「その辺は俺もあまり心配はしてないな。……さて、それでだ。艦長の件だが了承して貰えないか?」

「……了承しなかったら、どうする?」

「どうもしない」

 

 この場合のどうもしないというのは、円と美砂を艦長として使わないではなく、ジャミル達の要望を無視して艦長として使うという事を意味している。

 つまり、ここで許可を出しても出さなくても、結果的には同じという事だ。

 ジャミルはそんな俺の言葉に、特に不満を口にする様子もない。

 俺がどうするべきかを決めている以上、ここで何を言っても無駄だというのは分かっているのだろう。

 そしてたっぷり5分程が経過してから、やっと口を開く。

 

「アクセルの考えは分かった。だが、素人を練習代わりに戦場に出す以上、多少は誠意を見せてもいいのではないか?」

「誠意、か。具体的には?」

「戦力の増強」

「一応言っておくが、新しい艦長を務める2人が乗る軍艦とそれに搭載されている戦力は当初予定になかった。それを追加したものだぞ?」

 

 つまり、円と美砂が追加されるだけで、その分の戦力が追加されたという事だ。

 その上で更に戦力を欲するのか?

 宇宙革命軍の戦力が具体的にどのくらいのものかは分からない。

 分からないが、それでも現在シャドウミラーが貸し出す戦力だけで対処出来るだろう事は予想出来る。

 その上で、更に戦力を追加しろというのか?

 

「新連邦との三つ巴にでもなると思ってるのか?」

「可能性は否定出来ないと思っている。それに、月に行くのだろう? 月に何があるのかは分からん。しかし、それでも何かがあるのは間違いない。だからこそティファが行くと言ったのだ。その何かに対処する為にも、戦力は多い方がいいのも事実」

「……なるほど」

 

 そう言われると、それなりに納得出来るところあるのも事実。

 実際に月に何があるのか、今のところ分からないし。

 いっそ、ニーズヘッグで転移して、月の様子を見てくるのもありか?

 そう思ったが、月にある何かがニーズヘッグに過剰反応するのもちょっと心配だしな。

 

「分かった。月に関係するとなると、こっちも相応に対処する必要があるしな」

 

 これが、もっと別の理由……それこそ、北米連邦に所属している者達から何か言われたからという事であれば、受け入れるのは難しかっただろう。

 それこそ千鶴と再度交渉してもらって、最終的には部隊の派遣が取りやめになる……といったような可能性だってあったかもしれない。

 そういう意味では、ジャミルは上手い言い訳を思いついたな。

 別に言い訳じゃなくて、普通にそのように思っているだけという可能性もあったが。

 

「助かる。……それで、戦力の方はいつくらいに準備出来る?」

「こっちはその気になれば、今日……は少し難しいかもしれないが、明日には問題がないと思う」

「……それは、また……」

 

 呆れの様子を見せるジャミル。

 実際、これは大袈裟でも何でもなく、正直な説明だ。

 もっともそのような真似が出来るのは、あくまでも量産型Wやコバッタといった存在がいるからこそだが。

 他にもメギロートやバッタは指示された通りに動くので、わざわざパイロットが自分で乗り込んでどうこうといったような真似をしなくてもいいのも事実。

 今まで使っていなかったトライロバイト級も、俺が魔法球の中に持ち込めば運用出来る状態に持っていくのは簡単だ。

 いや、そもそもトライロバイト級も量産型Wやコバッタによっていつでも動かせるように整備はされているので、そこまでする必要はないか。

 万全を期すのなら、やっぱり魔法球の中でチェックした方がいいのかもしれないが。

 

「こっちはそんな感じだけど、北米連邦の方は?」

「……最大限に急がせている」

 

 そう言うジャミルだったが、もしかして量産型Wやコバッタを派遣した方がいいのか?

 北米連邦が持っている宇宙艦は、シャドウミラーのトライロバイト級と違っていつでも動かせる状態ではない可能性が高い。

 そうであれば、量産型Wやコバッタが……いや、プライドの問題で断られるか?

 もしくは、情報の流出を恐れるか。

 

「こっちはいつでもいいから、結局のところそっち次第。そうである以上、頑張ってくれとしか言えないな」

「ぬぅ……」

 

 少し悔しげにしつつも、ジャミルは俺の言葉に頷く。

 ジャミルにしてみれば、北米連邦がこうまで準備が遅いことに思う事もあるのかもしれないな。

 もっとも、この場合は俺達の早さが異常なのであって、北米連邦に落ち度はそこまでないのだが。

 組織が大きくなると、どうしても動きというのは鈍くなるんだよな。

 シャドウミラーは色々と例外だったが。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1796
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