ウィル・ウィプスのブリッジで、周囲の様子を映像モニタで確認する。
「ダラニ……予想以上に高評価みたいね」
俺の横にいた……というか、艦長席に座っているマリューが映像モニタに表示されている光景を見て、そう言う。
何故なら、そこにはダラニに乗っている高機動型GXであったり、ヴァサーゴであったり、アシュタロンであったり、ベルフェゴールであったり、GXであったり、DXであったり、レオパルドデストロイがいたのだから。
エアマスターバーストはダラニに乗っていない。
アシュタロンが乗っているのを見れば分かるように、MAへの変形機構を持つMSであっても、SFSというのはきちんと効果がある。
それでもエアマスターバーストが……というか、そのパイロットのウィッツが乗らなかったのは、単純に個人の趣味によるものだ。
まぁ、ダラニに乗るのはあくまでも自主性に任せている以上、ウィッツがダラニを使いたくないと言うのなら、俺もそれに従うしかないのだが。
ウィッツにしてみれば、エアマスターバーストで移動した方がダラニよりも動きやすいという判断なのだろう。
その意見もまた、別に間違っている訳ではない。
実際、エアマスターバーストのMA形態というのはダラニとは比べものにならないくらいの性能を持っているのだから。
推進剤や武器の節約という意味ではどうかと思うが、その辺もウィッツにしてみれば自分で判断すれば問題ないという事なのだろう。
実際、推進剤切れとか、弾薬切れになったらウィル・ウィプスに戻ってきて補給をすればいいだけなのは間違いない。
もっとも、その間に味方が被害を受けたりすると考えれば、迂闊にそういう真似がしにくいという思いもあるが。
「新連邦ではこういうのを使ったりしていなかったしな。そう考えると、合流した時に相手の度肝を抜くという意味ではこの状況も悪くないかもしれない」
基本的に新連邦が開発したMSは空を飛べる。
だからこそ。わざわざSFSとかそういうのを開発する必要とかがなかったのだろう。
言ってみれば、ウィッツと同じようなことを考えた感じだろう。
それはそれで間違いではない。
SFSを新規に開発するという事は、それだけ資源が必要となるのだから。
あるかないかでは、あった方がいいのは間違いない。
だが、X世界で新連邦が最大規模の組織であるのは間違いないものの、SFSを開発して量産出来るだけの資源とかがあるかと言われれば……微妙なところだろう。
地球全土で侵略戦争を行っていた新連邦だけに、実際には余裕はあまりなかったのだろう。
新連邦がSFSとかを開発しなかったのは、その辺も理由なのかもしれないな。
「……あれ?」
不意にブリッジにいたトニヤがそんな声を漏らす。
俺とマリューは会話を止めて、トニヤに視線を向ける。
今この状況でトニヤの口からそんな声が漏れたという事は、何かあったのかもしれないと、そう思った為だ。
そんな疑問を抱きつつ、トニヤに声を掛ける。
「どうした?」
「えっと、新連邦との合流予定宙域までもう少しなんだけど、戦闘の光のようなものが見えたの。……というか、見えてるの。ほら」
そう言い、トニヤがコンピュータを操作する。
すると映像モニタにトニヤの方で確認していた宙域が表示され……
「これは……」
シンゴがその映像モニタを見て、そんな風に呟く。
声に出したのはシンゴだけだったが、ブリッジにいる他の面々……ミナトやサラもまた、そんな映像モニタに向けて驚きの視線を向けていた。
何故なら、そこにあるのは間違いなく爆発の光……戦闘の際に起きる光で、MSが爆発したことによって生み出されたものというのが正しい。
それが一体誰と誰が戦っているのか……そう考えるも、答えに辿り着くのは難しくはない。
何しろ、現在このX世界において大きな勢力は3つだ。
そしてその3つ全てが宇宙に出ており、俺達が戦っていない。
だとすれば、3-1=2。
つまり、新連邦と宇宙革命軍となる。
なるのだが……
「おかしいな。何だってこんな場所に宇宙革命軍がいる?」
「そうね。合流場所は地球のすぐ側だもの。普通に考えればそこに宇宙革命軍がいるのはおかしいわ」
宇宙革命軍の本拠地はクラウド9というコロニーだ。
当然ながら、このコロニーは地球のすぐ側という訳ではない。
俺が聞いた話が事実なら、15年前の戦争の時に地球から一番遠くにあるコロニーだった筈だ。
UC世界でいう、サイド3的な位置だな。
もっともX世界では月の裏側ではないが。
とにかくクラウド9は地球から遠い場所にあり、特にこれといった理由もなく地球の側にやって来る事はない。
だとすれば、考えられるのは1つ。
「新連邦が宇宙に上がるタイミングで待ち伏せをしていたのか?」
そういう事になる。
「でも、アクセル。そこまで都合良くタイミングを合わせる事が出来ると思う?」
ミナトのその疑問は、俺も感じない訳ではない。
長距離の通信が可能であれば、地球とコロニーの間で通信を出来たりもしたかもしれないが、X世界においてそのような長距離の通信は出来ない。
だとすれば、新連邦が宇宙に上がるタイミングを読むというのは……まぁ、出来ない訳でもないか。
情報を多数入手し、そこから予測するといった形になるが。
それで新連邦を待ち伏せたといったところか?
北米連邦を狙わなかったのは……いやまぁ、マスドライバーを使って打ち上げる場合は、どこに来るのかを予想するのは出来るだろうが、システムXNを使った転移だとそれも難しい。
……ん? だとすれば、もしかしたら北米連邦がマスドライバーを使った場合を読んで、その宙域に戦力を用意していた可能性もあるのかもしれないな。
俺達はシステムXNであっさりとスルーした形になったが。
まぁ、それはどうでもいい。
重要なのは、新連邦という現在の友軍……友軍? とにかくそのように思える友軍が攻撃されているということだ。
「ぶっちゃけ、このままここから広範囲攻撃をして新連邦も宇宙革命軍も纏めて倒してしまいたいところだな」
「ちょっと、アクセル。気持ちは分かるけど、一応友軍扱いなんだから」
マリューが窘めるように言う。
それでいながら、そんな事は出来ないといったように言わないのは、マリューもニーズヘッグの性能を十分に理解しているからだろう。
ニーズヘッグが本気を出せば、そういう真似は普通に出来る。
フレイヤとか、ラグナロクとか。
……うん、やっぱり止めておいた方がいいのは間違いないな。
「そうだな。止めておくか。けどそうなると、新連邦を助けに行く必要がある訳だが……」
「映像、出ます」
俺の言葉を遮るように、トニヤの声がブリッジに響く。
そして映像モニタに映し出されたのは……
「出撃するぞ」
その映像モニタを見た瞬間、俺はそう決断する。
何故なら、そこに映し出されていたMSは俺が初めて見る機体だったからだ。
オクト・エイプとかとは違って装甲が厚い……いわゆる、UC世界のドム系のような重MSのようにも思える。
とはいえ、装甲が厚くても物理的な防御力は高いだけで、ビームに対する攻撃は防げない。
実際、UC世界においてもビーム兵器が主流になっていく感じだったし。
そう思っていたが、そんな俺の考えは次の瞬間には間違っていたことが証明される。
ドートレス・ネオの撃ったビームライフルが命中したにも関わらず、宇宙革命軍のMSはそれを全く気にした様子もなく間合いを詰め、横を通り抜けざまに背中から光の翼……を出してドートレス・ネオを真っ二つに切断する。
光の翼というか、詳細は色々と違うだろうが、性能そのものはニーズヘッグで使っているエナジーウィングと同じような感じだな。
エナジーウィングというのは、本来ならブレイズルミナスによってバリア的な使い方が出来る性能を持っている。
しかし、ニーズヘッグの場合はミサイルを無効にするジャマーや物理攻撃を無効化するPS装甲の効果を持つT-LINKフレーム以外にも、純粋なバリアとしてEフィールド、グラビティ・テリトリー、念動フィールドがある。
フラッグシップ機で非常識なまでの高性能機と化しているニーズヘッグだったが、その強さの理由の1つにこれだけの防御能力がある。
だからこそ、ブレイズルミナスをバリアとして使うのは意味がない……訳ではないが効果は低いと判断し、エナジーウィングの外側の部分にビームサーベルと似た切断力を持たせることにした。
宇宙革命軍のMSが使っている翼型のビームサーベルは、そういう意味ではニーズヘッグのエナジーウィングと似ていたのだ。
「新連邦にはこっちから連絡しておくから、アクセルは出撃しても問題はないわよ」
「悪いな、マリュー。任せた。外にいる連中には、新連邦の救助に向かうように言ってくれ」
そう言い、俺はブリッジを飛び出るのだった。
格納庫にやって来ると、そのままニーズヘッグに乗り込む。
「すぐに出るぞ! 被害を受けないように気を付けろ!」
叫びつつ、俺はカタパルトに向かう。
相変わらず格納庫にあるカタパルトというのが少し疑問がある。
疑問があるのだが、ウィル・ウィプスだからということなら、慣れるしかないだろう。
ニーズヘッグの進行方向には、メカニック達は勿論、量産型Wやコバッタの姿もない。
俺の言葉で危険を察知して移動したのだろう。
そんな様子を見つつ、カタパルトにニーズヘッグをセットし……
「アクセル・アルマー、ニーズヘッグ、出るぞ!」
その言葉と共にカタパルトによってニーズヘッグが射出される。
そうしてウィル・ウィプスから射出されると、オーラバリア……宇宙空間にも関わらず空気のある場所を通りすぎ、オーラバリアを突き抜けて宇宙空間に突入する。
『おい、アクセル。新連邦を助けに行くって本気かよ?』
ガロードが不満そうな様子でそう言ってくる。
ガロードは新連邦には色々と思うところがあるのだろう。
フロスト兄弟の件とか、地球全土で侵略戦争をしてるとか、それ以外にも色々と。
そのような新連邦だけに、ガロードとしては助けるのは出来るだけやりたくないといったところか。
実際のところ、俺も正直な気持ちを口にするのなら新連邦を助けたいとは思わない。
思わないが……宇宙革命軍は未知のMSを使っているのだから、それを逃がすという手はない。
一応宇宙革命軍が開発したMSについては、色々なところから情報が入っている。
しかし、その中に現在新連邦が戦っている重MSタイプのMSについては情報がなかった。
新連邦ですら、ドートレス・ネオやバリエントといった新型MSを開発しているのだ。
コロニー落としで最悪の状況になった地球と違い、クラウド9を中心に技術力を維持していた宇宙革命軍が同様に新型MSを開発出来ないとは思わない。
その辺の予想からすると、宇宙革命軍が使っている重MSは戦後に開発されたMSと考えてもいいだろう。
新連邦と違って技術力が一時的にしろ低下しなかった宇宙革命軍が開発した新型MS……それに興味を持つなという方が無理だった。
「助ける。とはいえ、別に新連邦を仲間だと思ってるとか、そういう理由からじゃないけどな。新連邦は信用出来ない。それは分かっているが、これから宇宙革命軍と戦うのに、相手の実力を肌で感じているかどうかというのは、この先大きいと思う」
咄嗟に出た言い訳だったが、それなりに正しいように思える。
実際に宇宙革命軍の実力を体験しておくというのは、決して悪い訳でもないし。
「それに嫌々だろうがなんだろうが、新連邦と協力して敵と戦う事になるんだ。なら、ここでその辺についても慣れておいた方がいい」
俺達……というか、新連邦を待ち伏せしていた部隊は恐らく精鋭だろう。
敵を待ち伏せて、最初に大きなダメージを与えるのだから、そういう部隊としては精鋭を用いるのが当然だった。
これから宇宙革命軍と戦う以上、精鋭を先に潰す事が出来るというのは大きい。
あるいは精鋭ではない可能性もあるが、それでも宇宙革命軍の戦力を減らせるというのは大きな意味を持つ。
その辺りについて説明しても、ガロードは完全には納得した様子がない。
俺が思っていたよりも、ガロードの新連邦に対する不満は大きいらしいな。
「完全に納得しろとは言わない。だが、ここで新連邦が大きなダメージを受けると、その分だけこれから俺達が受ける被害が大きくなる。そうなると、最終的にはウィル・ウィプスに乗っているティファにも何らかの被害があるかもしれないぞ」
『それは……』
ガロードにとって、ティファの安全というのは大きい。
そして新連邦がここでダメージを受けると、ティファの安全に問題があると言われれば納得するしかなく……
『分かったよ! くそっ、新連邦の連中ももっとしっかりしろよな!』
不満そうながらも、ガロードはそう言うのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1796