映像モニタに表示されたシャギアは一瞬涼しい顔を崩したものの、それでもすぐにいつも通りの表情を浮かべる。
『こうして君と直接話をするのはいつ以来だろうね』
「そうだな。セインズアイランドの近くの海で戦った時か? ゾンダーエプタでは、俺と接触する前に逃げ出したし。……正直驚いたぞ。ゾンダーエプタではヴァサーゴやアシュタロンを確保したから、お前達を捕らえる事が出来ると思っていた。けど、ゾンダーエプタを捜してみると、どこにもいなかったんだからな」
『これでも諜報部の所属だ。そう簡単に捕まるような事はないさ』
ゾンダーエプタで俺を出し抜いたというのは、シャギアにとっても俺に一矢報いたといった感じなのだろう。
口元に微かな笑みが浮かぶ。
……いや、お前はゾンダーエプタでMSを奪われてるんだぞ?
そう突っ込みたくなったが、もしそのように突っ込んだ場合、恐らく……いや、ほぼ間違いなく通信は切れる。
もしくは単純にシャギアが切れるのか。
その辺りは分からないが、向こうから通信を送ってきた以上、怒らせて向こうから通信を切らせるような真似はしない方がいい。
もしそのような真似をすれば、シャギアから情報を奪える絶好の機会を見逃す事になるのだから。
もっとも、場合によってはここでシャギアを殺しておいた方がいいのかもしれないが。
そう簡単に捕まるような事はないと言いきるシャギアだが、俺の操縦するニーズヘッグの前に出て来た以上、逃げ切るのは不可能だろう。
それが出来ないのは、現在北米連邦は新連邦と停戦状態だからだ。
シャギアの方から俺を攻撃してきたのならともかく、俺の方からシャギアを攻撃するといった真似は到底出来ない。
もしそのような真似をすれば、シャドウミラーとしての外聞が悪すぎる。
シャギアもその辺を十分に理解しているからこそ、こうして堂々と俺の前にいるのだろう。
そこまで詳しく考えておらず、ヴァサーゴが強化されたので単純に俺を相手にしてもどうにかなると考えている可能性も否定は出来ないが。
「それは何よりだ。俺達に見付からなくてラッキーだったな。……それで、この状況で俺に通信を送ってきたのは何でだ? それもこんな手間の掛かる真似をして」
実際には通信用のケーブルか何かをこっちに渡してきただけなので、そこまで手間という訳でもないのだが。
しかしそれでも、普通に通信をするだけならオープンチャンネルでもよかった筈だ。
そんな中でこうして多少なりとも手間暇を掛けてきたのだから、そこには何らかの意味があるのは間違いない。
フロスト兄弟にはニュータイプ研究所の襲撃の件とか、色々と……本当に色々と思うところがあるのだが、今それを言えば戦いになるだけなので黙っておく。
『何、宇宙革命軍を相手にする以上、共に協力をして戦う必要が出てくるのだ。そうである以上、新連邦のニュータイプとしてアクセルには話しておく必要があると思ってね』
「……何?」
今、こいつは何て言った?
俺の聞き間違えじゃなければ、ニュータイプと言ったように聞こえた。
以前ティファが連れ去られた時の一件でティファはフロスト兄弟に会っている。
しかしその時、フロスト兄弟はニュータイプだとは言われていなかった筈だ。
であれば、その時のフロスト兄弟はニュータイプではなかった筈。
いわゆる、カテゴリーFって奴だった筈だ。
……あ、いや。違うのか?
当時のティファはサテライトキャノンによって人の死の恐怖を直接感じる事になり、昏睡状態だった筈だ。
そういう意味では、直接会ってなかったのは間違いない。
間違いないんだが、それでも他の時……何度かフロスト兄弟がこっちにちょっかいを掛けてきた時、もしフロスト兄弟がニュータイプならティファが感じた筈だ。
それこそ、フォートセバーンにいるカリスを感じる事が出来たのだから、フロスト兄弟の存在も……いや、待て。カリス?
カリスの名前に、ふと思い出す。
そう言えば、フロスト兄弟はフォートセバーンで人工ニュータイプのデータを奪って行ったのだと。
つまり、新連邦は人工ニュータイプを生み出す技術を持っている。
だが同時に、疑問にも思う。
俺がシャギアと直接話した事はそう多い訳ではない。
だがそれでも、シャギアの性格の方向性は理解している。
プライドが高く、自分の実力にも自信を持っていると。
それでいながら、そのような態度を取っても問題ないだけの実力の持ち主でもあった。
だからこそ、フロスト兄弟が人工ニュータイプになるというのは、俺にとっても少し……いや、かなり納得出来ないところがある。
フロスト兄弟……特に俺と接する事が多かったシャギアが、ニュータイプに対してどのような気持ちを抱いていたのかは分からない。
分からないが、それでも人にはない能力を持っていながらニュータイプではないというカテゴリーFと蔑まれてきたシャギアが、ニュータイプに思うところがないとは思えない。
だというのに、人工ニュータイプになるというのは……
人工ニュータイプというのは、ティファ、ジャミル、ルチルのような自然と生まれてきた天然のニュータイプと違い、その名称に相応しく人工的に生み出された存在だ。
そうである以上、シャギアがそれを受け入れるかと言えば……恐らく否だ。
だというのに、人工ニュータイプになったのは何か理由があるのだろう。
情報を入手する為にも、少し突っついてみるか。
「ニュータイプか。……その言葉は少し間違っているんじゃないか?」
『何だと?』
「ニュータイプであるのは間違いないが、それはティファ達とは違って普通のニュータイプではなく、人の手によって作られたニュータイプ……人工ニュータイプなんじゃないか?」
そう言った瞬間、映像モニタに表示されたシャギアの表情が固まる。
なるほど、どうやら俺の予想は間違っていなかったらしい。
それにこの様子を見ると、シャギアも決して自分から望んで人工ニュータイプになった訳でもないのか?
俺が知ってる――とはいえ、実際にはあまり会話をした事はないが――シャギアの性格から考えると、その辺は疑問しかない。
そう考えたが……ふと、俺? という言葉に何か引っ掛かるものがあった。
その何かに気が付けば、次に思い浮かべるような事も出来る。
つまり、シャギア達が望んで人工ニュータイプになった訳ではなく、そうしなければならなくなったとしたら。
普通に考えれば、新連邦の中でもエース級のシャギア……というか、オルバも含めてフロスト兄弟を使い捨てにするような真似はしないだろう。
しかし、エース級という待遇に相応しい活躍が出来ていなければどうか。
具体的には、入手する予定だったニュータイプのティファを入手出来なかったり、LシステムやビットMSの入手に失敗したり、新連邦にとって重要な拠点であるゾンダーエプタを壊滅させられるどころかそのまま奪われたり、新連邦が戦後に開発したガンダムを奪われた……それも1度だけではなく、何度も。
そんなシャギアを、新連邦が……ましてや、あのブラッドマンがそこまで大事にするか?
ジャミルとの会談で見た限り、とてもそのような人物には思えない。
ブラッドマンの場合、使い物にならなくなったら即座に捨てるといったような印象すら受ける。
実際にそれが正しいのかどうかは分からないが。
ただ、もしブラッドマンがそういうタイプだった場合、シャギアやオルバを切り捨てる……とまではいかなくても、人工ニュータイプの被検体として使ってみてもおかしくはない。
『貴様に……貴様に何が分かるっ!』
俺が人工ニュータイプだと見抜いたのが意外だったのか、それを見抜かれた事が恥だと思ったのか、はたまたそれ以外の何らかの理由か。
その辺りの事情は生憎と俺には分からなかったもの、とにかくシャギアを怒らせてしまったのは間違いないらしい。
とはいえ、そうして怒った割にはこっちに攻撃をしてきたりはしないが。
怒ってもそういう判断能力は十分に残っていると思ってもいいのか?
カリスもそうだったが、その辺りの研究はある意味で凄いと思う。
……カリスと同じか。
だとすれば、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、シャギアやオルバとのやり取りはそれなりに簡単にどうにかなるかもしれないな。
カリスやアベルがそうだったが、ニュータイプだからこそ俺と接触すると俺という存在が理解出来ず、あるいは混沌精霊という力に恐怖する。
カリスのように俺に従順になるような事もあれば、アベルのように衝撃が大きすぎて幼児退行をするかもしれない。
ルチルは……何故かは分からないものの、特にそこまで問題はなかったな。
白いイルカはカリスに近い反応だった。
人によって反応は違うが、それでも混沌精霊の俺という存在を感じて、それでも敵に回るといった事は今のところない。
だとすれば、俺がシャギアやオルバと接触するような事があれば、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、シャギアやオルバも俺に従うというような事になってもおかしくはないのだろう。
もっとも、実際にやってみないと分からないが。
何しろフロスト兄弟は原作において主人公であるガロードのライバルだ。
俺が介入した事によって、オルバはともかくシャギアは明確に俺に対して対抗心というか、敵対心というか、恨みというか、憎悪というか……とにかくそんな風に思っている。
シャギアにとって、ガロードは敵ではあるものの、それでも俺の方が明確に敵であると認識してるのは間違いない。
シャギアの弟であるオルバがどのように考えているのかは、生憎と俺にも分からないが。
オルバもまた、シャギアと同じく俺を敵対視しているのか。
それとも原作通りにガロードを敵対視しているのか。
オルバがどのように思うかで、この先の流れも微妙に変わってくるのかもしれないな。
「生憎と、俺がお前にどうこうと思うような事はない。……そもそも今までお前が犯してきたミスも、お前が俺達にちょっかいを掛けてきたのが理由だろう?」
『ぐ……』
図星だったのか、シャギアは何も言えなくなる。
もっとも、そういう事なら俺達とは関係ない場所でならシャギアもきちんと任務を成功させていたのかもしれず、そこで点数を稼いでいたのかもしれないが。
まぁ、今はその辺はあまり関係ないけど。
「お前がどういうつもりで人工ニュータイプになったのかは分からないし、人工ニュータイプになった事でどういう風に思っているのかも分からない。だが、それを選択したのはお前だ。その恨みを俺に向けられても困る。……いや、違うか?」
違わない。
だが、シャギアの中に種を植えておく事は悪くないか。
その種が芽吹くかどうかは分からない。分からないが、それでもこの先にもしかしたらという事がある可能性は十分にあった。
「お前をそういう目に遭わせたのは、結局のところブラッドマンだ。ブラッドマンにしてみれば、お前達は結局のところ少し使えるカテゴリーFという認識でしかなかった。だからこそ、人工ニュータイプの実験にお前達を使おうと思ったのかもしれないな」
そう言うと、映像モニタに表示されているシャギアの額に血管が浮かび上がっているのが分かった。
シャギアにしてみれば、図星を突かれたと思ったのか、あるいは単純に俺の言葉を許せないと思ったのか。
取りあえず俺に向けられている敵意や憎悪を、俺だけではなくブラッドマンや新連邦の上層部に向けられれば、それはそれで俺にとって悪くない。
上手くいけば……本当に上手くいけばの話だが、新連邦が内乱に近い状態になるかもしれない。
いや、内乱はちょっと無理か?
シャギアがブラッドマンに恨みを持っていても、だからといって新連邦を割るといった真似は出来ないだろう。
なら、ブラッドマンを暗殺し、それによって新連邦に混乱を持たらすとか。
そういう可能性なら十分にある。
ここで仕掛けをする価値はあった。
「そもそも、お前達をカテゴリーFという風に呼んだのは、ブラッドマン達だろう? いや、正確にはニュータイプ研究所でそのように言われていたのかもしれないが、それをそのままブラッドマンは使っていた筈だ。そうである以上、お前もブラッドマンに対して思うところはあるんじゃないか?」
『……ふん。そうして新連邦の内部で問題でも起こさせようとでもいうのか?』
意外な事に、俺の言葉を聞いてもシャギアは冷静にそう言い返してきた。
ブラッドマンにシャギア達の敵意を向けようとするのが、少しあからさますぎたか?
俺の考えを読んだかのようにそう言ってくるシャギア。
あるいは、ニュータイプ能力を使って……いや、俺の考えを読もうとすれば、その時点でシャギアがどうなるかは分からないか。
「そういうつもりはない。ただ、純粋に俺が思った事を言っただけだ。……さて、いつまでも話している訳にもいかない。挨拶は終わったし、そろそろ通信は終わりたいんだが?」
こっちの考えを半ば読まれた以上、いつまでも通信をするのは不味いと判断し、そういう。
『ふむ、そうだな。ではこれまでにしておこう』
シャギアも異論はなく、俺の言葉にそう言うのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2145
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1796