デブリ帯の中を進むウィル・ウィプス。
やがて見えてきたのは、それなりの大きさを持つ小惑星だった。
ブリッジにいるパーラからの情報によると、あの小惑星こそがサテリコンの基地らしい。
なるほど、考えるのはどこも同じか。
UC世界においては、ルナツー、ソロモン、ア・バオア・クー、ペズン、アクシズといったように、小惑星が拠点とされるのは珍しい話ではない。
であれば、このX世界においてもそんな風に考える者がいてもおかしくはなかった。
『アクセル、そろそろブリッジに来てもいいんじゃない? ここまで来れば、もうサテリコンから敵として認識されたりもしないでしょうし』
ブリッジにいるマリューの通信により、そうだなと納得してニーズヘッグから降りる。
元々ウィル・ウィプスはサテリコンがこっちを敵だと認識しても、ダメージを与えるような真似は到底不可能だ。
それでも万が一を考え、何かあったらニーズヘッグで出撃するなり、あるいは転移して退避するなりという事を考えていたのだが、もう問題はないだろう。
「分かった、ブリッジに向かう。パーラがいるんだし、軽く通信をした様子ではこの状況でサテリコンが何かをしてくるとは思えないし」
もっとも、パーラと通信をしたのはあくまでもサテリコンの中でも下っ端……というか、オペレータの1人でしかないので、それをサテリコンの総意として考えるのはどうかと思うが。
その辺については、これからの話次第といったところか。
ニーズヘッグから降りると、早速エルフ達がニーズヘッグの護衛につく。
それは正直どうなんだ? と思わないでもなかったものの、本人達にしてみれば嫌々やってるのではなく、寧ろその仕事は光栄だと思っているらしい。
そうなると、この状況で俺が無理にやめさせるといった真似はしない方がいいだろう。
……俺が止めろと言えば、即座に止めるのは間違いない。
だが無理に止めさせるような必要もない。
それに……今までの経験から考えて恐らく大丈夫だとは思うものの、キッドが暴走するといった可能性はまだ否定は出来ないし。
であれば、やはりここはエルフ達に任せておいた方がいいだろう。
「じゃあ、ニーズヘッグを頼む」
「はい、お任せ下さい!」
俺に声を掛けられたのが嬉しかったのか、興奮した様子でそう言うエルフ。
事情を何も知らない奴がこの光景をみたら、一体どういう風に感じるんだろうな。
微妙に嫌な予感がない訳でもないが。
その辺を気にしても仕方がないし、ウィル・ウィプスの格納庫にいるメカニック……キッドを始めとして、フリーデンからやって来た連中も、そろそろエルフ達には慣れていてもおかしくはないと思う。
エルフ達を一瞥すると、格納庫から出てブリッジに向かうのだった。
「ロイザーというのがサテリコンの司令か」
「そうだ。豪快な性格をしているから、多分こっちの話……転移についてとかは、信じるか信じないかはともかくとして、かなり嬉しそうにすると思う」
パーラが自慢げにそう言う。
それは自慢するような事なのか? と疑問に思いつつ、映像モニタに表示されている小惑星に視線を向ける。
次第に大きくなっていく……つまり近付いてくるその小惑星を見つつ、俺達はパーラからサテリコンを率いているロイザーという人物について聞いていた。
別にそのロイザーという人物の後ろめたい秘密を聞こうとしている訳ではなく、純粋にどういう人物なのかというのを知る為だ。
これからロイザーという人物と会談をし、宇宙革命軍のダリア作戦を阻止する必要がある。
そういう訳で、サテリコンとも協力をする訳だが、協力をするにしてもサテリコンが具体的にどういう組織なのかを知っておきたい。
それを抜きにしても、組織というのはそれを率いる者によって性格が大きく変わる。
大きな組織であればトップの影響もそこまで大きなものではないだろうが、小さな組織となると率いる者によって組織の性格は変わりやすい。
そういう意味では、サテリコンを率いるロイザーという人物の性格というのは大きい。
……こう言ってはなんだけど、パーラのような人物を使者としてこっちに向かわせるくらいだし、かなり豪快な……悪く言えば大雑把な性格をしていてもおかしくはない。
北米連邦だから、そしてジャミルや俺達だからこそパーラの言葉遣いは特に気にしなかった。
だが、もしこれがブラッドマンを相手にした場合であれば、その時点で交渉が打ち切られた可能性が高い。
もっとも、パーラも旧連邦の後継組織である新連邦に接触しようとは思っていなかっただろうが。
「サテリコンからの連絡が来ました。ウィル・ウィプスは向こうの本拠地の格納庫には入らないので、シャトルを寄越すとの事です」
サラからの通信に反論はない。
ウィル・ウィプスの巨大さを思えば、普通の格納庫やドックといった場所に入るのは難しい。
実際、アルカディアにおいてもウィル・ウィプスが建物の中に入るといった事はなかったのだから。
アルカディアは、テンザン級という最大級の大きさを持つ陸上戦艦ですら運用出来るのだが、そんなアルカディアでもウィル・ウィプスを中に入れるのは無理だった。
あるいはこれで、ウィル・ウィプスがこの世界の宇宙艦と似たような縦に細長い外見をしているのなら、もしかしたら格納庫に入るといった事も出来たかもしれないが、ウィル・ウィプスは横に大きいオーラバトルシップだ。
その時点でもしウィル・ウィプスがもっと小さくても、格納庫やドックに入れるのは難しいだろう。
もしくは横向きにすれば入れたかもしれないが……今更の話か。
縦長となると、ゴラオン辺りなら問題はなかったのかもしれない。
「アクセル、ジャミル、それでいいわね?」
「俺は問題ない。ジャミルは?」
「こちらからシャトルに乗って移動するのでもいいが……向こうからシャトルを出してくれるのなら、それに甘えよう」
こうして特に問題らしい問題もなく、サテリコン側のシャトルを待つ事になる。
「シャトルの護衛とか案内はあたしがやるから、心配しないでくれよな」
自信満々に言うパーラ。
とはいえ、オーラバリアのあるウィル・ウィプスならともかく、シャトルで移動するとなると、どこからデブリが飛んで来るのか分からない。
混沌精霊の俺は何かあっても普通に生き残れるだろうが、ジャミルはそういう訳にはいかない。
であれば、護衛とか案内をするパーラはいた方がいいだろう。
こういうスペースデブリ帯で、恐らくパーラはGファルコンの操縦訓練をしていたんだろうし。
「分かった。頼む」
こうしてサテリコンの本拠地に行くメンバー……俺、ジャミル、サラの3人は格納庫に向かう事になる。
今回俺が一緒に行くのは、転移とかそういうのが実際にあると見せる為だ。具体的には魔法を。
もっとも、魔法の一種である影のゲートと違い、システムXNはあくまでも科学技術による転移だ。
そういう意味では、魔法を見せたからといってそれでシステムXNに納得しろというのは無理なんだが……その辺については、異世界の存在だからで納得して貰うしかない。
もし俺が実際に交渉をするのなら、それこそモニクとかを連れていくだろうが。
今回の交渉はあくまでも北米連邦の代表のジャミルが主役なのだ。
だからこそ、俺はあくまでもアドバイザーというか、魔法を実際に見せる役目となる。
「キッド」
「ジャミル? それにサラやアクセル、パーラも……一体どうしたんだよ?」
このメンバーが揃ってるのが疑問なのか、格納庫でキッドが不思議そうに聞いてくる。
一応見ようと思えばここからでもサテリコンの本拠地の映像は見られるんだが。
どうやら、クラウダの解析の方に集中していたらしい。
「これからサテリコンの本拠地で交渉……という表現が正しいのかどうかは分からないが、とにかく話してくる。クラウダの方はどうだ?」
ジャミルの問いに、キッドは得意げな様子で鼻の下を擦る。
「へへっ、任せてくれよ。そっちの方はもう大体終わったから」
「なら、データは後でこっちに回しておいてくれ。アルカディアで量産出来るようにする。……その必要があるかどうかは分からないけど」
宇宙革命軍との戦いが終わった後で、新連邦との戦いになる可能性は高い。
だが同時に、もしかしたら宇宙革命軍との戦いで新連邦が大きな被害を受けて、こちらと戦うという選択肢が向こうになくなるという可能性もある。
ブラッドマンの性格を思えば、ちょっとそれは難しいと思う。
ブラッドマン以外にもフロスト兄弟もいる。
あの3人であれば、それこそ自分達が不利であっても戦いそのものが目的となってもおかしくはないのだ。
だからといって、他の者達がそれを受け入れるかどうかは別の話だが。
ブラッドマンやフロスト兄弟がやる気でも、他の者達……それこそ一般の兵士達にやる気がなければ、戦争というのは出来ない。
ヴァサーゴとアシュタロンという高性能MSがあるので、それでも何かをやろうとすれば、出来るとは思うけど。
「量産ねぇ……これ、結構コスト高いぜ? まぁ、高機動型GXとかに比べればマシかもしれないけど、オクト・エイプよりは間違いなく上だ」
「そうなると、オクト・エイプのランクが下がるな」
今までアルカディアで一番高価で高性能なのは高機動型GXだった。
それに次ぐのがオクト・エイプだったのだが、この様子を見ると高機動型GXとオクト・エイプの間にクラウダが入ってきそうだな。
そうして話をしていると、やがてシャトルが格納庫に入ってきた。
「お、来た来た」
そのシャトルには見覚えがあったのだろう。
パーラが嬉しそうに言うが……
「何だか、あのシャトルの挙動、おかしくないか?」
シャトルの様子を見て、そう告げる。
実際、そのシャトルはとてもではないが慣れている者が操縦しているようには思えない。
けど、俺はともかく、北米連邦のお偉いさんのジャミルを本拠地まで運ぶのだから、まさか操縦に慣れてない奴を送ってきたりはしないだろう。
「そりゃしょうがねえよ。アクセル達は慣れてるかもしれねえけど、このウィル・ウィプスは色々と変なんだぜ?」
「……それは否定出来ないな」
パーラの言葉に、俺はそう答えることしか出来なかった。
実際にウィル・ウィプスは……というか、オーラバトルシップという存在は一般的な科学技術で生み出された存在ではない。
特にサテリコンのように宇宙に住んでいる者達にしてみれば、オーラバリアが宇宙とウィル・ウィプスの周辺を完全に遮断してるので、宇宙であっても格納庫が開けっぱなしで、それでいながらパイロットスーツのような宇宙服を着てなくても問題ないというのは、完全に理解出来ないだろう。
あのシャトルに乗ってきたパイロットも、そんな中でウィル・ウィプスの格納庫に来たのだから、そんな疑問を抱いてもおかしくはないか。
「だろ? そもそも、これって聞いてもいいのかどうか分からねえけど……どういう風に動いてるんだよ?」
「この世界とは違う、別の世界の技術だな。この世界の人間には理解出来ない技術だよ」
実際には、ノモアやキッドといったように頭の良い者なら、オーラ力について勉強すれば似たような物は作れるようになるかもしれない。
幸いと言うべきか、バイストン・ウェルで恐獣を大量に確保してきたから、素材には困らないし。
また、レモンを始めとした技術班の面々が、オーラマシンの部品として使える部位も培養出来るかどうか試しているらしいし。
ちなみに恐獣の素材はダンバイン世界特有の物質なので、ホワイトスターにあるキブツでも生成出来なかったりする。
つまり、現在ある分と技術班の培養が成功しないとどうしようもないんだよな。
ダンバイン世界……というか、バイストン・ウェルにどうにかして行ければ、恐獣も取り放題になるし、何よりマーベルとシーラと再会出来るんだが、今のところそれが成功しそうな感じはない。
「出てきましたね」
サラの言葉で我に返り、シャトルの方に視線を向ける。
するとシャトルから1人の男が姿を現した。
周囲の様子を……そして何より、宇宙と繋がったままの格納庫の入り口の方を、全く理解出来ないといった様子で見ていた。
そうして周囲を何度も見回し、まるでこれが夢なのではないかと言わんばかりに頭を横に振る。
その男はこちらを見て、パーラの姿を見つけると安心した様子を見せる。
ウィル・ウィプスの中でこうして知り合いの姿を見つけたのは、やはり大きかったのだろう。
それだけではなく、オーラバリアという未知の存在についても自分が経験したのを色々と思うところがあるといった感じか。
とはいえ、サテリコンからの出迎え役だというのは自分でもよく分かっているのか、男はパーラに声を掛けるよりも前に、ジャミルに向かって頭を下げるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2150
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1797