「駄目ね。向こうは私達の力を見て、それに目が眩んでるみたいよ」
ウィル・ウィプスに戻ってくるとブリッジに移動し、マリューと話したのだが……そんなマリューの口から出たのは、このような言葉だった。
向こうというのは新連邦から派遣されてきた軍艦の艦長の言葉だ。
数は決して多くはなかったとはいえ、コロニーレーザーの護衛艦隊を一方的に撃破した俺達の戦力を見て、更にはコロニーレーザーを一瞬にしてなくした――実際には空間倉庫に収納した――のを見て驚き、それなら俺達の力で宇宙革命軍により大きなダメージを与えられると思ったのだろう。
自分達は殆ど戦ったりはしなかった癖に。
「無視しろ。別にその艦長の為に俺達がわざわざ血を流す必要はない。……そう言えば血を流すで思い出したんだが、こっちの被害は? 有人機に被害は出てないのは理解しているが、無人機の方はどんな被害だ?」
「そうね。メギロートは数機、バッタは20機から30機くらいが撃破されたわ」
「……バッタはともかく、メギロートにも被害が出たのか」
バッタの方は、元々そんなに大きな機体でもなく、攻撃が命中すれば呆気なく撃破される程度の防御力しか持たない。
それ以外にもバッタのAIはそこまで賢くないというのもあるので、30機程度が撃破されるのは理解出来た。
寧ろその程度で助かったと言うべきか。
だが、メギロートは無人機として結構な性能を持っている。
それだけではなく、無人機だけに有人機では無理な動きを出来たりもするし、こっちはバッタにも言える事だが人型ではないので攻撃が命中しにくい。
とはいえ、結局のところは数を重視した存在なので、撃破されても仕方がないんだろうが。
クラウダは高性能MSだというのもあるだろうし。
「ええ、残念ながら。とはいえ、アクセルも知っての通りメギロートやバッタは幾らでも量産出来るわ。そういう意味では、あまり心配はしなくてもいいと思う」
「だろうな。とはいえ、補給出来るのはあくまでもホワイトスターでだが。一度戻った方がいいと思うか?」
普通に考えれば、宇宙から地球に戻るというのはそう気軽に出来る事ではない。
だが俺の場合、システムXNがある。
それこそ、その辺のコンビニにちょっと出掛ける……いや、転移の便利さを考えると隣の部屋に行くといった程度の気軽さで宇宙と地球を行ったり来たり出来る。
それどころか、システムXNの量産型は同一世界内でしか転移は出来ないものの、ニーズヘッグに搭載されているアギュイエウスは直接ホワイトスターに戻る事も出来るので、余計に手間が掛からない。
だが、そんな俺の言葉にマリューは首を横に振る。
「今回の戦いで受けた損耗はそう大きくはないし、まだ予備の機体はたっぷりとあるわ。……トライロバイト級を2隻、メギロートやバッタの母艦として使えるのは大きいわね」
「それは俺も否定しない。円と美砂にしてみれば、やる事が単純な方が実力を発揮出来るだろうし」
「じゃあ、いつまでもここにいるのはなんだし、戻りましょうか。向こうでもダリア作戦の阻止が無事に出来たのかどうか、気になってるでしょうし」
「いいのか? 新連邦の軍艦の艦長の件は」
「構わないわ。もしどうしてもここで宇宙革命軍の戦力を減らす為に戦うべきだと言い張るのなら、私達と一緒に転移で戻らないで、この場に残ってここにやってくるだろう宇宙革命軍と戦えばいいんだし」
普段のマリューでは言わないような言葉。
マリューの様子を見る限りだと、新連邦の艦長はよっぽどマリューにとって面白くない存在だったのだろう。
俺達の力を使って自分の手柄にしようとするなんて事を考えるのだから、マリューがこういう反応をするのも仕方がないのか。
「分かった。新連邦の方はその対応でいい。……サテリコンの方はどうだ?」
「そっちは……そうね。それなりに被害を受けたみたいよ。撃破されたMSも何機かあるみたい」
「……そうか」
サテリコン側に被害が出るのは、それなりに予想していた。
何しろ宇宙革命軍側はクラウダという最新鋭の、しかもかなり性能の高いMSなのに対し、サテリコン側はドートレスやジェニスといった旧式のMSを使ってるのだから。
それでいて、パイロットの操縦技術もサテリコンは突出して高いとは言えない。
それでも数機程度の被害だったのは、北米連邦側の数が多かったので、宇宙革命軍側の狙いが定まらなかったのだろう。
そういう意味では、サテリコン側にとって幸運だったのは間違いない。
「サテリコンをきちんと戦力として考えるのなら、MSを売った方がいいのかもしれないな」
「サテリコンに? でも、どういうMSを売るの? 宇宙革命軍を相手にするとなると、ドートレス・ネオやバリエントといった新型のMSでも厳しいわよ?」
「だろうな。実際新連邦のMS部隊の様子を見れば、その辺は明らかだったし。とはいえ、ドートレスやジェニスといったMSで対抗するのは厳しすぎるだろ。高機動型GX辺りなら腕利きのパイロットがいればどうにかなると思うけど。パーラもいるし」
パーラのGファルコンはガンダムと合体が出来るように作られている。
ただし。ベルフェゴールから発展したヴァサーゴとアシュタロンはGファルコンと合体するのは難しいようだが。
そんな訳で、GXから発展した……というか、バリエーション機とでも呼ぶべき高機動型GXはGファルコンと合体出来る。
ちなみにGファルコンの各種データに関しては既に貰っているので、量産されるのもそう先の話ではない。
とにかく高機動型GXとGファルコンが合体した状態でなら、クラウダとでも互角に戦えるのは間違いない。
それにクラウダは多数のスラスターがあり、そのスラスターの穴が弱点になるという……一体何をどう考えてそういう結果にしたのか分からない外見をしている。
特に胴体や肩のスラスターは大きく、まさにそこが弱点と呼ぶに相応しい場所だ。
だからこそ、腕のいいパイロットにしてみればクラウダは倒すのはそう難しくない。
難しくないのだが……この場合、腕の立つパイロットというのが問題だよな。
サテリコンのMSパイロットは、あくまでもそこそこの実力といった程度でしかない。
勿論、それはあくまでも今回派遣された者達の話で、今回派遣されていない中にはエース級と呼ぶべき能力の持ち主もいるかもしれないが……いや、どうだろうな。
今回のダリア作戦の阻止というのは、サテリコンにとっても非常に重要な意味を持つ作戦だった筈だ。
そうである以上、エース級のパイロットがいるのなら、それを温存するといった事はないと思う。
まぁ、今回は転移というサテリコンの連中にしてみれば全く理解出来ない……それこそ空想の出来事ではないかと思えるような技術を作戦の中心に据えている。
全く理解出来ないからこそ、万が一を考えてエースを派遣しなかったという可能性も、なきにしもあらずといったところか。
「とにかく、俺達と一緒に行動をするのなら相応の戦力は確保して欲しい。俺達と一緒に行動するのに、護衛対象のように扱うのはこっちの負担でしかないし」
「アクセルの話は分かったけど、サテリコンは私達と一緒に行動したいと考えるかしら?」
「多分考えると思う。サテリコンにしてみれば、宇宙革命軍を倒すのが最大の目的だ。なのに、俺達が宇宙革命軍と戦う時に参戦しなければ、サテリコンは一体何の為の組織だったのかといったように思われるし、組織の内部にもそんな風に思う奴は出てくる筈だ」
サテリコンにしてみれば、俺達の使っている転移が実在している能力である以上……そして何より、ダリア作戦を阻止出来るだけの戦力を北米連邦が所有しており、一時的にしろ北米連邦と新連邦が協力している以上、ここで俺達に協力しないという選択肢はない。
もし協力しなかった場合、それこそ組織が存続する意味を失って空中分解してもおかしくはないのだから。
サテリコンを率いるロイザーの性格を考えれば、まだ完全にこちらを信用した訳ではないだろうが、それでもここで何も行動しないという選択肢は向こうにはない筈だ。
「そうなると、宇宙革命軍は3つの勢力に狙われる形になる訳ね」
「ああ。コロニーレーザーという、宇宙革命軍最大の兵器を失った以上、宇宙革命軍がどう出てくるのかは分からないが。それに、考える時間もないし」
何しろ北米連邦からは代表のジャミルが、新連邦も代表のブラッドマンが戦場に出て来ている。
そうである以上、今回の行動で宇宙革命軍を壊滅させるか、もしくは降伏させるかはしないといけない筈だ。
それに……新連邦にしろ、北米連邦にしろ、宇宙革命軍にしろ、サテリコンにしろ、大規模な戦いを長々とやるだけの余裕はない。
何しろ人口の99%が死んだ地球を拠点にしている組織なのだ。
そうである以上、物資やら何やらの余裕は決して多くはない。
それは宇宙革命軍も同様で、奥の手でもあったコロニーレーザーを失ってしまった以上、そこまで余裕があるとは思えない。
サテリコンは……元々レジスタンスとして、そこまで規模が大きい訳ではない。
そんな中、唯一北米連邦だけはホワイトスターと繋がりがある以上、物資の類もそれなりに余裕があったりする。
この様子だと、サテリコンも北米連邦と友好的な関係を築いたりしそうだし、そうなったらサテリコンに物資を売ってもいいが。
いや、サテリコンの場合は物資よりもやっぱりMSか。
「とにかく、いつまでもここにいるのは危険だし、そろそろ戻るとするか。ダリア作戦という喫緊の危険も排除したし、そろそろ月に行ってみるのもいいかもしれないな。新連邦の方でも宇宙革命軍を倒す為に進軍を開始するには時間が掛かるだろうし」
そうして、再びシステムXNを使って転移することになるのだった。
……なお、マリューに対してここにやってくる宇宙革命軍を倒すべきだと主張していた新連邦の艦長は、それならお前達を置いて転移するとマリューが通告した瞬間、前言を撤回してすぐに置いていかれないようにウィル・ウィプスの側までやって来たのだが、これはどう判断すればいいんだろうな。
「これは……」
目の前に広がっている光景、正確にはウィル・ウィプスから流されてきた映像に驚く。
当然だろう。そこに広がっていたのは、残骸だけだったのだから。
それも新連邦の軍艦の残骸。
そう俺が判断したのは、ブラッドマンが乗っている新連邦の旗艦の残骸と思しきものもあった為だ。
「ブリッジ、新連邦の生き残りは!?」
『ちょっと待って。……駄目ね。救命ポッドとかはあるかもしれないけど、軍艦は全滅しているわ』
トニヤの唖然とした声に、一体何があったのかと疑問に思う。
『艦長、新連邦とサテリコンの軍艦から情報を求める通信が来ています』
サラがマリューにそう報告するのが聞こえてくる。
だが、それに対するマリューの言葉は、冷静なものだった。
『一緒に転移してきた私達が分かる訳がないでしょう? 寧ろ新連邦から派遣された艦長にこの状況が説明出来ないか聞いてちょうだい。今になって考えると、コロニーレーザーのあった場所に残りたいと言ったのも疑問に感じるわ』
『りょ、了解』
そんなやり取りを聞いていたが、いつまでもこのままという訳にもいかない。
「ブリッジ、ちょっといいか? この状況を少しでもはっきりとさせる為に、出撃出来る機体は出撃して情報収集をした方がいい。場合によっては、生き残りを発見出来るかもしれない」
どういう理由で新連邦が全滅したのかは、生憎と俺には分からない。
だが、MSに乗っていたのなら脱出ポッドで、あるい軍艦に乗っていても脱出艇に乗っている者が助かった可能性がある。
特に脱出艇は、地位の高い者……具体的には艦長とかが乗ってる可能性がある。
そういう意味では、ブラッドマンが乗っている脱出艇を見つけることも出来るかもしれないのだ。
……いや、もしブラッドマンを見つけても、いっそここで殺した方がいいのかもしれないな。
新連邦の代表だけに、もしここでブラッドマンが死ねば新連邦は空中分解する可能性がある。
あるいは上層部の生き残りにブラッドマン並の求心力……俗に言うカリスマの類を持っている者がいれば、ブラッドマンの後を継いで新連邦を纏めるという可能性もあるが。
正直なところ、それは微妙だと思う。
あるいはシャギア辺りがカリスマ性を発揮して……という事も考えられるが。
そう言えば、そのシャギアやオルバはどこにいったんだ?
あの連中も撃破されたのか?
そう思うも、あの2人がそう簡単にやられるとは思えない。
俺達には負け続けだったが、それはあくまでも俺達だからだ。
その辺のちょっとしたエース程度の腕では、フロスト兄弟に勝つの無理だろう。
ましてや、ヴァサーゴとアシュタロンは改修されて強化されていたのだから。
だとすれば……考えられる可能性は決して多くはなかった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2150
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1797