新連邦の艦隊の残骸があった場所を色々と調べてはみたものの、結局一人も生存者の姿を見つける事は出来なかった。
あの規模の艦隊だった事を考えると、生存者が誰もいないというのは明らかに疑問だったのだが……いないものは仕方がない。
考えられる可能性としては、フロスト兄弟が誰も生き残りを出さないように念入りに殺していったというものなのだが……そこまでしている時間がフロスト兄弟にあったかと言われれば、微妙なところだ。
何しろ俺達がダリア作戦を阻止して戻ってくるまでの時間に、新連邦の艦隊に所属する全員を殺さないといけないのだから。
勿論、実際にそれが行われた以上は不可能などということはなく、しっかりとそれが行われたというのは間違いない。間違いないのだが……違和感があるのも事実。
いつ俺達が戻ってくるのか分からず、神経質になりながら全員を殺したのか。
あるいは……フロスト兄弟だけではなかったとか?
ニュータイプ研究所の件でも、実質的にニュータイプ研究所の者達を虐殺したのはドートレス・ネオに乗ったMS部隊だった。
だとすれば、フロスト兄弟に忠誠を誓ったMSパイロット達がいるという可能性も否定は出来ない。
ともあれ、そんな訳で新連邦は半ば壊滅したのだが……
「だから、私は北米連邦に亡命を希望する! これは艦長の私だけではなく、艦にいるクルー全員の総意だ!」
艦長……新連邦の艦隊の中でダリア作戦の阻止に同行した新連邦の軍艦の艦長の声が、ウィル・ウィプスにある会議室の中に響く。
そんな艦長の声に、トグサ・アインというサテリコンから派遣されている軍艦の艦長が面倒そうな視線を向ける。
いやまぁ、その気持ちは分からないでもない。
これからどうするという事を話し合う場で、いきなり北米連邦に亡命するとか言い出したのだから。
恐らく、この艦長はそんなに無能という訳でもないのだろう。
あくまでもブラッドマンの指示を聞いている限りでは、という条件がつくが。
そうでもなければ、ダリア作戦の阻止という重要な行動にわざわざ派遣されるような事はないだろうし。
可能性としては、転移であったりコロニーレーザーを発射するのを阻止する作戦に参加したりするので、死んでも構わない者を送ったという可能性もあるが……俺達に転移という技術があるのは知っているし、戦力として非常に強力なのも新連邦は自分達で直接味わって理解している筈だった。
そうである以上、最初から捨て駒を送り込んだりはしないだろう。
かといって側近中の側近を派遣する……といったようなことも考えられないので、そうなるとそれなりに有能で、失ってもある程度代わりとなる者はいるような奴か。
そういう意味では、この男を派遣してきたのは十分に納得出来た。
「そう言っても、この状況ですぐにはいそうですかと言える訳がないのは分かると思いますが?」
艦長に対し、サラが冷静にそう告げる。
サラにしてみれば、重要な会議の邪魔をするなといったように思っているのか、その口調は冷淡だ。
とはいえ、そのように思っているのはサラだけではない。
この会議室に集まってきた面々の多くが新連邦の艦長に向けてそのような視線を向けている。
向こうもそれは分かっているのだろうが……分かっているんだよな? まさかこの視線に全く気が付いてないとか、そういう事はないよな?
ともあれ、そのような状況なのは恐らく分かっているのだろうが、それでも自分が生き延びる為に、そしてこの先のことを考えると、素直に引き下がったりも出来ないらしい。
「だからこそ、重要な用件を決めるよりも前に、私がこれからどのような立場にあるのかをはっきりとさせておく必要がある」
あ、今の言葉でまた周囲から向けられる視線が厳しくなった。
私達……つまりこの男が艦長をしている軍艦全員ではなく、私……あくまでも自分だけの身の安全を考えたかのような言葉だった以上、周囲からそのように思われるのは仕方がないと思うが。
「いい加減にしろ」
そして今の言葉でもう限界だと思ったのか、ジャミルの鋭い声が会議室に響く。
その声に含まれた迫力に黙り込む艦長。
ジャミルにしては珍しい命令口調の言葉。
いや、以前……バルチャーとして活動している時はそうでもなかったものの、北米連邦の代表となってからは意図的にそのような命令口調は使わなくなっていった。
勿論絶対に使わないという訳ではなく、それが必要なら使っていたが。
それでも基本的には国の代表として相応しい態度を取るようになっていた。
新連邦の艦長も、そんなジャミルしか知らなかった為だろう。
今の一言には何も言えなくなる。
そんな相手を一瞥し、再びジャミルが口を開く。
「そちらの要望は理解した。ただし、今は緊急事態でそれに関わっているような余裕はない。亡命云々は後にして、取りあえず地球にある新連邦の本部に連絡をとって、これからどうするべきかを考えてはどうですかな?」
その一言が決定的となり、新連邦の艦長は会議室から出て行くのだった。
新連邦の艦長がいなくなったところで、ジャミルが大きく息を吐く。
「話が始まるのが遅くなってしまったが、改めて今回の本題に入ろう。もう聞いたり思い当たった者もいるだろうが、聞いて欲しい。まず前提条件として新連邦の艦隊が全滅したのは、恐らくフロスト兄弟の仕業だと思われる」
そう言い、ジャミルはフロスト兄弟が人工ニュータイプになった事や、それによってフラッシュシステムが使えるようになった事、フラッシュシステムが使える以上はサテライトキャノンとかも使えるようになった事。ガロードのGX……現在はジャミルが使っているGXは、地上にあった忘れられた基地から入手した……といった諸々を話す。
その説明に、最初は多くの者が信じられないといった様子だったが、それでも状況証拠的には筋が通っており、何より壊滅した新連邦の艦隊の残骸の中にヴァサーゴとアシュタロンの改修機と思しき物がなかったので、それなりに納得する者も多かった。
「そう、ですか」
そんな中、一際衝撃を受けていたのはカリス。
フロスト兄弟が人工ニュータイプになったという件は以前俺がシャギア達と話した時に知って、カリスにも教えておいたものの、その人工ニュータイプとしての力を使って今回のような出来事を起こしたとなると、色々と思うところがあるのだろう。
そんなカリスにガロードが心配そうな視線を向ける。
ガロードもガロードで、オルバからは色々とあって憎まれている筈なんだが、今はカリスの方を心配しているらしい。
……まぁ、シャギアに憎まれ、ガロード程ではないにしろオルバにも憎まれている俺が心配するのはどうかと思うが。
「それで、フロスト兄弟にサテライトキャノンを使わせないようにする必要がある。普通ならそのような事はそう簡単には出来ないのだが、幸い月にはニュータイプに関する何かがある」
ジャミルの言葉に、俺も含めてティファとアベルが月にいる何者か……恐らくニュータイプだろう相手に接触を受けた件について思い出す。
本当にジャミルの言ってるように上手くいくかどうかは、この話を聞いてる者達の多くが疑問だろう。
ただ……俺は、恐らくだが今回の件が上手く行くだろうと思っていた。
その理由としては、具体的に言うのなら原作関係か。
原作でも今のこの世界のようにフロスト兄弟が新連邦を裏切ったのかどうかは分からない。
しかし月に何かが存在し、それがティファやアベル……いや、原作でのアベルが今のような状況になったとは思えないので、恐らくティファだけだろうが、そんなティファに接触するといったような流れになった可能性は十分にある。
原作知識はないものの、この世界に原作があると知ってるだけである程度予想出来るというのはありがたいよな。
とにかくそんな訳で、恐らく月に行けば事態が俺達にいいように進展する可能性が高い。
問題なのは、まだ確実とは言えないものの、恐らくは宇宙革命軍と裏切ったフロスト兄弟がどのように動くか分からない事だろう。
出来ればこの状況で妙な動きはして欲しくないのだが。
もっとも、宇宙革命軍もそうすぐに動ける訳でないのは間違いない。
何しろ宇宙革命軍にとってかなりの労力を割いてきただろうダリア作戦が失敗したのだから。
しかもコロニーレーザーは破壊された訳ではなく、俺によって奪われている。
純粋に戦力そのものなら、コロニーレーザーを守っていた護衛艦隊が全滅しただなので、宇宙革命軍にとってもそこまで大きなダメージではないだろう。
だが、コロニーレーザーを奪われ、それが消えたという、この世界の者にしてみれば全く理解出来ない状況になった以上、現在の宇宙革命軍では間違いなく混乱している筈だ。
それに新連邦に対する奇襲作戦も俺達が乱入した為に失敗したし。
コロニーレーザーの護衛艦隊よりも、寧ろそっちの方が宇宙革命軍の戦力が受けたダメージは大きいだろう。
そういう意味では、ここで宇宙革命軍が何らかの行動に出るとは思えない。
勿論、それはあくまでも今の話だ。
混乱が治まり、戦力の再編が終われば間違いなく地球に攻撃をするだろう。
もしくは……見せしめの為に、サテリコンの本拠地を攻撃するかもしれない。
理由はともあれ、宇宙革命軍が今すぐ動けない以上、ここで俺達が行動するのは決して間違いではない。
「月に行くのは俺も賛成だ。……月に何かがあるのは間違いない。それが具体的になんなのか、それは是非知りたいからな」
俺がそう言うと、他の者達も特に反対はしない。
俺と付き合いの長い面々にしてみれば、ここで俺が月に興味を示すのは既定事項だったのだろう。
疑問だったのは、サテリコンの方でも特に反対はなかった事だ。
サテリコンは別に俺とそこまで付き合いが長い訳でもない以上、月に行くというこっちの要望に賛成するというのは少し疑問だったのだが。
もっともこっちにとっては好都合である以上、それに対してわざわざ追及するような真似をするつもりはないが。
それに……勝算に近いものもある。
ティファやアベルに接触してきた以上、月にいるのは間違いなくニュータイプだ。
そして俺は……正確には人間ではなく混沌精霊の俺は、どうやらX世界のニュータイプにとって上位存在のようにすら思うらしい。
その辺はカリスが初めて俺と接触した時や、白いイルカが俺と接触した時、そしてアベルがニュータイプとして覚醒して俺と接触した時の件を考えると分かりやすい。
もし月にいるニュータイプが俺と接触した時、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、素直に俺達の要望を聞いてくれる可能性もある。
「月、ですか。……ニュータイプに関係する何か……興味がありますね」
俺の言葉に真っ先に同意したのは、カリス。
人工ニュータイプだけに、月にいるニュータイプについても気になるのだろう。
あるいは月にいるニュータイプも人工ニュータイプであると思ってるのかもしれない。……いや、それはないか。
人工ニュータイプというのは、宇宙革命軍独自の……あるいはノモアが独自に研究した結果の技術だ。
もし旧連邦にその手の技術があれば、ジャミルやルチルのような天然のニュータイプだけではなく、人工ニュータイプを作って戦争に投入していただろう。
旧連邦にしろ、新連邦にしろ、ニュータイプというのは人の革新であるとかそういう風に思っている訳ではなく、ただの優秀なMSパイロット、エース級の実力を発揮するMSパイロット、ニュータイプ対応のフラッシュシステムを使えるパイロット……そんな認識だったのだから。
勿論全く何の研究もしていなかったのではなく、ある程度の研究はしていた可能性があるが。
「では、北米連邦は月に行くということで……サテリコンの方はどのように?」
ジャミルに視線を向けられたのは、サテリコンから派遣されてきたトグサ。
トグサにしてみれば、俺達と一緒に行動したのはダリア作戦の阻止が目的である以上、一緒に月に行く必要はない。
この状況で戻るのは、それはそれで難しいだろうが。
俺が転移で送ってもいいが、そうなるとそれなりに手間も掛かるしな。
ウィル・ウィプスごと転移しないといけないし。
もしくはニーズヘッグで転移が可能なところを見せるか。
その辺はちょっと微妙だな。
サテリコンとは接触したばかりだし、俺達と敵対している宇宙革命軍に対するレジスタンスだとしても、そこまで信用は出来ない。
……ガロード辺りがうっかりパーラに口を滑らせてないといいんだが。
何だか普通にありそうで微妙に嫌な予感がしたのだが、トグサはそんな俺の考えには全く気が付いていない様子で口を開く。
「こちらも一緒に行かせて貰いたい。月に何かがある……そのような噂は、以前から聞いていた。それがこの戦争に関わるのなら、是非とも知っておきたい」
こうして、新連邦以外の面々で月に行く事が決まるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2150
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1797