「ケダモノ……」
そう言いながら、クリスは俺の腕を抓る。
ちなみにシーマは疲れ切ったのか、クリスとは反対にいて俺の腕を枕代わりにして眠っていた。
事後に女が男の腕を枕にして寝るってのはよくあるシチュエーションだけど、これって普通は結構な確率で腕が痺れるんだよな。
俺は混沌精霊なのでそういうのは関係ないんだが……まさかこういう場所で混沌精霊の力が発揮されるというのは予想外だった。
「身体、大丈夫か?」
「……初めてなんだから、痛いに決まってるでしょ。アクセルに抱かれてる時は気持ち良か……って、何を言わせるのよもう」
そう言い、クリスは俺の胸に顔をつけて俺の視線から逃げる。
同時に、柔らかな双丘が俺の身体に押し潰された。
その双丘は、クリスが言うように服を着ている時に比べると大きく見えた。
着痩せするというのは、クリスの負け惜しみではなかったのだろう。
もっとも……それでも俺の恋人達の中では小さい方に入ってしまうが。
何しろマリューとか千鶴とかいるし。
「X世界での最後の決戦があるのに痛いのは……ちょっと不味くないか?」
「しょうがないじゃない。それに……痛いのは事実だけど、アクセルに抱かれた幸福感もあるから、痛みくらいはどうにかなるわよ、多分」
「だといいんだけどな」
そう言い、シーマに腕枕をされている方の手の手首だけを動かして、シーマの黒髪を撫でる。
そんな俺の様子を見て、クリスが少しだけシーマに申し訳なさそうな表情を浮かべた。
クリスが初めてだったので、その分の負担がシーマにいった形だ。
そのお陰で、シーマは限界に達してこうして眠っている。
……うん、クリスの痛みもそうだけど、シーマの疲れも最終決戦までに癒えるといいんだが。
今回の件は結局時間が解決するんだが、今はその時間がない。
いっそ時間の問題なら魔法球を使うという手段もあるんだが……今ここでホワイトスターに戻るのは、正直どうかと思わないでもないし。
ちなみにクリスは初めてだったが、シーマは経験済みだった。
シーマの年齢や美貌を考えると、過去に恋人がいてもおかしくはない。
もっとも、シーマと付き合えるような男がそう多くいるとは思えないが。
とはいえ、シーマも女だ。
海兵隊を率いるにしても、誰かに寄り掛かりたいと思った事があってもおかしくはない。
「んん……何だい?」
シーマの髪を撫でていると、その感触によってかシーマが目を覚ます。
そして俺の方を見ると……幸せそうに微笑んだ。
「こういう場合はおはようと言った方がいいのかね?」
「どうだろうな。時間的にはまだ夕方だけど。月だからそういう時間感覚はあまり役に立ちそうにはないけどな」
ちなみに現在俺達がいるのは、ウィル・ウィプスにある俺の部屋……ではなく、DOMEが支配する月基地にある部屋だ。
個人的にはこの場所でこういう真似をした場合、DOMEに覗かれるのでは? という思いがあったが、それについてはすぐに否定した。
DOMEが俺を大いなる者と呼んでいるのを聞けば分かるように、向こうは俺を自分よりも上位の存在として認識している。
そうである以上、DOMEが俺達の情事をわざわざ覗くような真似をするとは、到底思えなかった。
そんな訳で、この部屋を借りた訳だ。
「ねぇ、アクセル。宇宙革命軍との戦いってどのくらいで終わると思う?」
尋ねるクリスの赤毛を撫で、その艶やかな感触を楽しみながらクリスの質問に対する答えを考え……やがて答える。
「そうだな。純粋な戦いだけなら数時間で終わると思う。ただ問題なのは、その戦いが終わった後だな」
「宇宙を誰が治めるのか、という事かい? ……それにしても、ピロートークに相応しくない話題ね。もっとも、それが私達らしいのかもしれないけど」
シーマが俺に抱きつき、その柔らかな双丘……いや、身体中を接触させつつ、そう言ってくる。
実際、事後の会話としてはどうなのかと思わないでもない。
ないが、クリスにはそういう経験がない以上、この話題の選択も仕方がないのかもしれない。
もっともシーマが言うように、俺達らしいと言えばらしいのかもしれないが。
シーマの指摘に、クリスが少しだけ恥ずかしそうな様子を見せる。
自分が話題の選択を間違ったかもしれないと、そんな風に思っているのだろう。
「俺達らしいと言えばらしいんだから、そんなに気にする必要はないと思うぞ。それで今回の戦いについてだが、シーマが言うように問題なのは戦争そのものではなく、戦争が終わった後で誰が宇宙を治めるかになってくる」
現在の宇宙は宇宙革命軍を率いてるザイデルが治めている。
だが、このザイデルはニュータイプ至上主義……と見せ掛けて、実は単純に自分の利益になるからこそニュータイプを使っているというのがサテリコンからの情報だ。
勿論、サテリコンにしてみれば俺達が宇宙革命軍と戦わないという選択肢を選ぶのは最悪なので、出来るだけ俺達がザイデルに対して嫌悪感を抱くような情報を選んで渡しているといった可能性も否定は出来ない。
ただ、曲がりなりにもザイデルが宇宙革命軍を纏めてきたのは事実。
そのザイデルを殺した場合、一体誰が宇宙を治める事になるのか。
普通に考えれば、俺達と一緒に宇宙革命軍と戦うサテリコンだろう。
だが、サテリコンは決してそこまで大規模な組織ではない。
サテリコンのメンバーだけで、宇宙を治めるというのは難しいだろう。
あるいは量産型Wやコバッタを派遣するといった方法を受け入れるのなら、どうにかなるかもしれないが。
だが、それを受け入れるかどうかは……微妙なところだろう。
ちょっと難しいと思ってもおかしくはない。
何しろサテリコンも宇宙革命軍の面々も、俺達についてそこまで詳しい訳ではない。
そうなると、下手に量産型Wやコバッタを派遣されると、最悪乗っ取られると考えてもおかしくはなかった。
もしサテリコンがそれを受け入れない場合、否応なく現在は宇宙革命軍にいる者達と協力しなければならないだろう。
だが……今まで敵対していた者同士が上手くやっていけるかというのは、微妙な問題だった。
一応既定路線でいけばサテリコンは勝者側になるのだが、それはあくまでも俺達が一緒にいての話となる。
戦いが終わって俺達がいなくあった後で、サテリコンが宇宙革命軍……正確にはその残りの者達を上手く治められるかと言われれば、正直微妙なところだろう。
その状態でどうにかするのなら、宇宙革命軍の中にいる穏健派と手を組むしかないだろう。
もっとも、宇宙革命軍の中に穏健派がいればの話だが。
出来たばかりの新連邦と違い、宇宙革命軍はこの15年の間ずっと存在していたのだ。
その中で穏健派がいても、今もまだいるかどうは微妙だろう。
新連邦も新連邦として表に出るまでの間は、政府再建委員会といった組織で活動していたので、新連邦も何気にそれなりに歴史はあるのかもしれないが。
その辺りについて説明すると、クリスは納得する。
「そう考えると、場合によっては宇宙革命軍を倒したことで宇宙が内乱状態になるかもしれないのね」
「そうなるな。とはいえ、俺達との戦いが終わった後でそれが出来るだけの戦力が残るかどうかは別だが」
「いやいや、それはちょっと甘いよ。いいかい、アクセル、クリス。私達と戦うということになれば、宇宙革命軍が負けるのは間違いないさね。けど、だからといってMSの全てを破壊出来る訳じゃない以上、戦いが終わった後は少数でもMSを持っていれば、それだけで有利になるんだよ? まぁ、そのお陰でろくな戦いにならずに敵が降伏して、被害が出なくなる可能性も否定は出来ないけどね」
そこで一旦言葉を切ったシーマは、続けて笑みを浮かべて口を開く。
「それにMSがなければないで、銃を手に戦いを起こしたりするだろうしね。放っておいて面倒な事になるのなら、いっそ最初から手を貸しておいた方がいいんじゃないかい?」
「そう言われてもな。北米連邦……というか、シャドウミラーで宇宙を治めるのか? やってやれない事はないだろうが、間違いなくそれを嫌がる奴も出てくるぞ?」
宇宙革命軍を相手にサテリコンというレジスタンス組織が出来たのだ。
シャドウミラーが宇宙を治める事になった場合も、同じような組織が出来てもおかしくない。
ザイデルのように思想を無理矢理押し付けるといった真似をしないのはプラスだろうが、異世界というこのX世界の者達にしてみれば完全に未知の存在が宇宙を治めるのを面白く思わない奴もいるだろう。
もっとも量産型Wを主に使うとなると、特権階級だからといって犯罪を見逃したりはしないし、量産型Wは横領をしたりはしないので、そういう点では受け入れられるかもしれないが。
「それはそれでいいかもしれないけど、アクセル的には面倒は嫌なんだろう?」
シーマの言葉に素直に頷く。
いやまぁ、その手の面倒が起きても、それは政治班の仕事となる可能性が高いので、実際には俺が忙しかったりはしないと思う。
思うのだが、だからといってただでさえ忙しい政治班の仕事を増やす訳にいかないのも事実。
もし俺が意図的に政治班の仕事を増やしたとなれば、一体どうなることやら。
それこそ場合によっては、政治班達のボイコットが起こっても不思議ではない。
……あ、でももしそういう事があっても、レオンは鵬法璽の力によって仕事をするか?
だからといって、レオンだけに仕事を押し付けるのは、ちょっとどうかと思うが。
そんな訳で、忙しさというのはない方がいい。
「だったら、そうならないようにするしかないだろうね。具体的には……こっちで選んだ宇宙革命軍の誰かを代表にしてサテリコンと協力関係を取らせるといったように」
「こっちで選んだ誰か、か。そう言われてもすぐに思い浮かぶような相手はいないな。……いい手段だとは思うけど」
そう言って少し考え、ふと思いつく。
俺達にも宇宙革命軍に知り合い……というか、人聞きだけど知ってる奴はいたな。
とはいえ、その人物……15年前の戦争においてジャミルのライバルだったランスローがどういう性格や能力を持ってるのかは解らない。
ジャミルの場合はMSパイロットだけではなく、バルチャーとしてフリーデンを率いても問題はなかったし、今となっては能力というよりは象徴的な意味合いの方が強いものの、北米連邦の代表にまでなっているが。
ジャミルは上手い具合にやったものの、ランスローも同じとは限らない。
純粋にパイロットとしては高い能力を持つかもしれないが、政治家として宇宙を治められるのか。
とはいえ、15年前の戦争においてジャミルがプロパガンダに使われたように、そんなジャミルと何度も戦ったというランスローもまた同様にプロパガンダに使われた可能性が高い。
だとすれば、北米に住む者達がジャミルを知っているからという事で受け入れた――中にはコロニー落としを防げなかった人物ということで反発している者もいるが――以上、同様にランスローも宇宙革命軍に受け入れられている可能性が高かった。
いや、ランスローの場合はジャミルよりも有利な点もあるか。
具体的には、ジャミルはコロニー落としの件で恨まれているが、それはあくまで地球にコロニーが落ちた為だ。
宇宙革命軍の者達にしてみれば、コロニー落としの被害は自分達にはない……いや、コロニーから強制的に移住させられたり、場合によってはコロニーの中に住人がいたままだったかもしれないとなると、そうでもないか?
ともあれ、恐らくジャミルよりは受け入れられているのは間違いない。
「いたな」
「え? アクセル?」
思い浮かぶ相手がいないと言ってからすぐにそう言った俺に疑問を持ったのか、シーマとクリスはお互いに疑問の視線を向けてくる。
そんな二人が密着させている身体の柔らかさを感じながら口を開く。
「15年前の戦争で、ジャミルのライバルだったランスロー。新連邦に対する待ち伏せをしていた時の戦いでは逃したが、そう考えるとある意味でラッキーだったのかもしれないな」
「ああ、なるほど」
シーマはすぐに俺の考えを理解し、笑みを浮かべる。
それに比べるとクリスはまだ何故俺がランスローの名前を思い浮かべたのか分からないらしい。
これは別に、クリスの頭が悪いからという訳ではない。
頭の出来で言えば、士官学校を首席で卒業し、アレックスの開発に関わりながらテストパイロットもやっていたクリスが悪い筈がない。
テストパイロットに頭の出来は関係ないと思う奴もいるが、実際にはテストパイロットだからこそ、頭の良さは重要だった。
ともあれ、シーマが最初に俺と同じ結論になったのは、単純にシーマが悲劇のヒロインとしてルナ・ジオンにおける象徴としてメディアで頻繁に出ているからこそだろう。
その辺の説明をしながら、俺はシーマやクリスとピロートークとは言えないピロートークを楽しむのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2150
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1797