「ランスロー・ダーウェルを……?」
シーマとクリスとのピロートークが終わって数時間。
俺はジャミルに早速ランスローについての話をしていた。
宇宙革命軍が倒された後で必要なのは、実力もそうだが象徴的な存在だ。
この人物に任せておけばなんとかなると思えるような。
サテリコンには率いているロイザーがいるものの、サテリコンの規模的に知名度はそこまで大きくはない。
また、恐らくだが宇宙革命軍の間ではサテリコンの評判を落とすようなニュースとかを流して情報操作をしている可能性が高かった。
勿論、宇宙革命軍に所属する全ての者がそのニュース……一種のプロバガンダを信じた訳ではないだろう。
それでも大多数の者がそれを信じるような事になると、自然とそれは事実という雰囲気が出来上がる。
そして人は一度信じてしまえば、そう簡単に考えを変えることは出来ない。
そういう訳で、ロイザーに宇宙革命軍が倒れた後で宇宙を纏めるというのは期待出来ない。
「ランスロー以外に相応しい人物がいればそっちに当たってもいいが……誰か心当たりはあるか?」
「むぅ」
俺の問いに悩むジャミル。
ジャミルにしてみれば、そもそも宇宙革命軍で知ってる人物というのが多くはない。
ランスロー以外にも15年前の戦争の時に知り合った相手くらいはいるかもしれないが、その辺りについて名前を出してくるようなことはないのを見ると、期待は出来ないのだろう。
「その様子を見ると、そこまでの相手はいないみたいだな。なら、ランスローでいいんじゃないか? 俺は直接会った事はないけど、ジャミルの様子を見る限り悪い相手じゃなさそうだし」
「しかし、私達がそこまで考える必要があるのか?」
「あるな」
戸惑うように言うジャミルの言葉にそう断言する。
「今回の戦いで宇宙革命軍は壊滅的な被害を受ける。少なくてもザイデルは殺すか、降伏させる必要がある。そうなると、このX世界の最大の組織は北米連邦になるんだ。そんな勝者である以上、北米連邦はこれから宇宙をどうするのかという道筋を作る必要がある」
「道筋……か」
「ああ。一応サテリコンが俺達と協力して宇宙革命軍と戦う事になってはいるが、その組織は小さい。俺達の方で何をどうするといった道筋をつける必要があるのは間違いない」
「その件だが、トグサ艦長から連絡があった。宇宙革命軍との戦いではサテリコンからも他に戦力を出すので、一度本拠地に戻って欲しいらしい」
「……何? それは一体どういう流れでそうなったんだ? というか、トグサにサテリコンの本拠地から連絡でもあったのか?」
そう尋ねるも、恐らくそれはないだろうと断言する。
この世界においては長距離通信での技術は基本的に失われているのは、今までの経験から理解している為だ。
そうなると、サテリコンの本拠地から月に誰かが直接やって来たのかとも考えたが、時間的な問題からそれも難しいだろう。
だとすれば、考えられるのは……
「いや、トグサ艦長の独断だ」
「やっぱりか」
俺が予想した内容を口にするジャミルだったが、その答えには十分に納得出来た。
これはトグサにとって大胆な決断と言ってもいいだろう。
トグサにとっても今の状況は完全に予想外だった筈だ。
……まぁ、ダリア作戦の阻止に成功して新連邦と合流すべく転移してきたら、新連邦の艦隊が全滅していたというのは予想出来ないか。
一応ダリア作戦の阻止に同行した新連邦の軍艦が1隻いた筈だったが……そう言えば、あの軍艦はどうしたんだ?
あの艦長の図々しさを考えると、無理矢理俺達に同行して月にやって来るといった真似をしてもおかしくはなかったが。
こっちが忠告した通り、地球に……あ、そう言えば。
「話は変わるが、新連邦が壊滅してブラッドマンが死んだ件は地球に連絡したのか?」
「ああ、そちらについてはきちんと地球に連絡をしている。今頃は色々と動いていてもおかしくはないだろう」
ジャミルがそう言い、少し困った様子を見せる。
困った様子?
この状況で困った様子を見せるというのはどうなんだ?
今のうち……新連邦が混乱しているうちに、色々と手を出せばいいだろうに。
現在新連邦と北米連邦は停戦しているので、攻撃は出来ない。
だが、攻撃ではなく別の方法でなら手を出しても問題はないだろう。
具体的には、内部分裂を促進するとか。
新連邦の上層部の中には、権勢欲の強い者がそれなりにいる筈だ。
そうでもないと、戦後復興期にわざわざ新連邦という組織を作り、しかも世界中で侵略戦争をしたりはしない筈なのだから。
ブラッドマンが一番その手の野心を持っていたのは間違いないだろう。
しかし、それでも他は全くその手の野心がないとは到底思えない。
だからこそ、その手の野望を持ってる奴を上手い具合に転がせば新連邦でブラッドマンの後継者争いが起こってもおかしくはない。
あるいは後継者争いではなく、新連邦から独立させるというのも悪くない。
これは新連邦の上層部ではなく、既に新連邦によって占領された地域に接触してという事になるだろうが。
それ以外にも、直接戦わなくても新連邦にダメージを与える方法は幾らでもある。
宇宙革命軍との戦いが終われば、もう新連邦は敵ではない。
しかしそれでも、わざわざ強いままにしておく必要はなかった。
出来るだけ弱めておき、北米連邦には勝てないと思わせれば実際に戦うこともないまま、相手を降伏するなりなんなり出来るのだから。
「新連邦の残存部隊については、地上にいる連中に任せておけば問題なさそうだな。ノモア辺りも恐らくそれなりに張り切ってるだろうし。……もしくは、そのような事が出来る状況じゃないか?」
ノモアは統治者としてもかなり有能な人物なのは間違いない。
だからこそアルカディアの統治を任せているのだから。
だが……そのアルカディアは、新連邦との戦争や宇宙革命軍との戦争が始まってから、多くの者達が訪れる場所となっている。
新品のMSを欲している者もいれば、自分達が使っているMSの修理を頼んだり、旧連邦軍の基地から発掘したMSを売りに来たりする者もいるらしい。
それらの対処によって、ノモアは四苦八苦している。
……おまけに、大半は量産型Wやコバッタに任せているとはいえ、スパイだったり、お山の大将のバルチャーが自分達の思うように安値でMSを買おうとしたりといった事があった場合、それに対処する必要も出てくるのだから。
ノモアが判断しないような状況になる事も決して少なくない。
また、それ以外にも北米連邦に所属する面々に対してMSを売るといった仕事もある。
普通に考えれば、とてもではないがノモアに他の仕事をするような余裕はない。
同じような仕事をしているシャドウミラーの政治班なら、外の1時間が中では48時間の魔法球があるので、体力的に問題なかったりするのだが、ノモアにはそういうのはないし。
そんな訳で、ノモアが新連邦にちょっかいを出す仕事が出来るかどうかは……微妙なところだろう。
「任せるしかないだろうな。今の私達に出来るのは、それこそ出来るだけ早く宇宙革命軍を倒す事なのだから」
そうしてジャミルと話をしていると……ふと、時間に気が付く。
「悪い、俺はそろそろ約束の時間になりそうだから、話はこの辺で」
「約束の時間? 何かあるのか?」
「あるんだよ、色々と。場合によっては宇宙革命軍との戦いよりも大事かもしれない事がな」
「……何だと?」
さすがにそれは聞き捨てならないといった様子のジャミルだったが、俺はそれを気にした様子もなく、部屋を出る。
後ろでジャミルが何かを言ってるような気がしたが、約束の時間に遅刻する訳にはいかないのだから。
もっとも、そろそろ約束の時間だとはいえ、全く余裕がない訳でもない。
それなりにゆっくりと行動しても十分に間に合う時間なのは間違いなかった。
そうしてウィル・ウィプスの中を進み……やがて目的の場所、いわゆる休憩室というか、外の景色を見てゆっくりする為の部屋に到着する。
すると予想外の事に、そこには既に全員が揃っていた。
つまり……シーマ、モニク、クスコ、クリス。そして、マリュー、ミナトの合計六人が。
ちなみにシーマとクリスは俺との行為の後でシャワーに入って汗やら何やらを流して、綺麗さっぱりとした状態になっていた。
「あら、アクセル。早かったわね」
ミナトが笑みを浮かべてそう言ってくる。
どこか面白そうな……いや、嬉しそうな様子なのは、これからここで起こる事を理解しているからだろう。
そもそもその為にシーマ達UC世界組だけじゃなくて、マリューとミナトもここに呼ぶ事になったのだから、嬉しいのは当然か。
「一応まだ約束の時間前なんだけどな。なのに、そっちの方が全員揃ってるのが凄いと思うぞ」
約束の時間まで、まだ15分くらいはある。
この様子を見ると、多分かなり前……それこそ30分くらい前にはもう全員揃っていたのかもしれないな。
「シーマ達にとっては重要な事なんだし、約束の時間よりも早く来るのはおかしくないと思うわよ?」
ミナトの言葉にシーマ達を見る。
するとクリスはかなり恥ずかしそうな様子を見せていたものの、それ以外の3人は少し戸惑っていたり、笑みを浮かべていたりはしているが、それだけだ。
この場合、シーマが照れていないのが凄いと言うべきなのか、それともクリスが照れすぎと言うべきなのか。
その辺は判断出来ない。……多分、人によってそれぞれ違うといったところか。
「そうだな。この様子を見ると、俺ももう少し早く来た方がよかったのかもしれないけど。待たせただろ?」
「約束の時間前に来たのは私達の勝手だったんだから、気にする事はないよ。時間に遅れたのならともかく、今はまだ約束の時間前だしね」
「あら、でもシーマはお約束のあれをやってみたかったって言ってたじゃない」
「マリュー!」
いつもならこういう時にからかうのはミナトなのだが、何故か今日はマリューがシーマをからかう。
今日の件は色々と特殊な状況だしな。
「マリュー、シーマをからかうのはその辺にしておいてくれ。……待ったか?」
「アクセル!」
マリューに続いて俺の口からも出た内容にシーマが騒ぐ。
そんなシーマを落ち着かせ、やがて本来の話に入る。
「さて、色々と騒々しかったけど……」
ジロリ、と。俺の言葉を聞いたシーマがジト目を向けてくる。
シーマにしてみれば、自分がからかわれるとは思っていなかったのだろう。
そんな視線を向けられつつも、俺は小さく咳払いをしてから口を開く。
「ここにいる全員が知っての通り、俺はシーマとクリスを抱いた」
その言葉に、モニク、クスコ、マリュー、ミナトの視線がシーマとクリスに向けられる。
シーマは平然とした表情を浮かべていたものの、クリスは初めてだったという事で薄らと頬を赤くしている。
「以前俺がモニクとクスコを抱いた時は、全員一緒じゃないと不公平だからという事で、仮の恋人関係から仮という文字を取る事が出来なかった。けど、今は違う。今の俺は全員を抱いたから、しっかりと返事をして貰っても構わない筈だ。……ちなみに、本当にちなみにの話だが、シーマとクリスを抱いたのは仮の恋人関係というのをどうこうしたからという訳じゃなく、純粋に俺が抱きたいと思ったからだ。……誘われたからというのもあるけどな」
その言葉に、先程抱かれたと言われた時は平然としていたシーマが、何故か頬を赤くする。
いや、何でそうなる?
シーマが照れる基準が分からない。
これが女心が男には理解しにくいという理由なのかもしれないな。
今はそれより、俺達についての話を進めるとするか。
「そんな訳で、色々と当初の予想とは違う状況になったのは間違いないと思うが……それでも、改めて言おう。シーマ、モニク、クスコ、クリス。お前達には仮の恋人ではなく、本当の意味で俺の恋人になって欲しい」
そう言う俺の言葉に、最初に答えたのはシーマ。
「その件については、アクセルも知ってるかもしれないけど、前々から話してはいたんだよ。勿論アクセルからの言葉に頷きたい。頷きたいけど、その前に確認しておく事がある」
「確認しておく事?」
「そうさね。アクセルも知っての通り、私は……いや、私達はルナ・ジオンにおいて重要な人物だと言ってもいい」
「だろうな」
シーマの言葉に素直に頷く。
シーマは言うまでもなく、セイラとはまた別の意味でルナ・ジオンの象徴とも呼ぶべき人物だ。
モニクはギレンの直轄にいたということで、高い政治的判断が出来るし、それでいてMSのパイロットとしても凄腕だ。
クスコはルナ・ジオンにとって大きな意味を持つニュータイプ。それも俺に抱かれた事によってセイラには及ばずとも、それには次ぐといったくらいにまでニュータイプ能力は強化されている。
クリスはMSの開発やテストパイロットとして活動出来るし、純粋に凄腕のMSパイロットでもある。
目の前にいる4人全員がルナ・ジオンにとって手放す事が出来ない人物だというのは理解出来る。
「つまり、もし私達がアクセルの恋人になっても、マリューやミナトのようにアクセルと一緒に住むといった事は出来ないと思う。それでもいいかい?」
そう尋ねるシーマに対し、俺は頷きを返すのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2150
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1797