「ん? マーベル、あれ」
模擬戦を終え、食事も終わった俺とマーベルは街中で適当に歩き回っていた。
気分転換というか、ある意味でデートっぽい感じがしないでもなかったが、今の状況を考えればデートと呼ぶのは少し難しいだろうな。
ともあれ、そんな風に城下街を歩いていると、兵士の集団が歩いているのを見た。
ユニコンに乗っている騎士もいれば、歩いている兵士もいる。そして……
「アクセル、あれって……」
マーベルが指さしたのは、バイクに乗っているショウの姿。
ちなみにトッドとトカマクの2人はユニコンの牽く馬車に乗っているのが見えた。
「午後から何か用事があるって話だったけど、この件だったのかもな。恐獣狩り……にしては、ダンバインとかがいない。となると、何か別の場所だろうな。あのドラムロにはバーンが……いや、バーンじゃないか」
歩いて移動しているドラムロが1機いるから、てっきりバーンが乗ってるのかと思ったが、バーンはユニコンに乗って移動していた。
となると、ガラリアか?
まぁ、バーンよりもガラリアの方が操縦技術は高いし、そう考えるとおかしな話じゃない……いや、違うな。
一瞬ドラムロに乗っているのはガラリアかと思ったが、ドラムロの歩き方の癖がガラリアのものではない。
俺達が使っているPTとかなら、基本的には歩き方というのはどの機体もそう違わない。
だが、オーラバトラーの場合は想像力が操縦に大きな影響を与える以上、微妙に違いがあったりする。
そこまで極端な違いという訳ではないが、それでも慣れれば見て分かる程度の違いはあった。
そうした動きから考えると、あのドラムロに乗っているのはガラリアではない。
多分ドレイクの部下のドラムロのパイロットの誰かだろう。
具体的にそれが誰なのかというのは、俺にも分からなかったが。
何だかんだと、ドレイクの部下にはドラムロのパイロットはそれなりにいる。
ガラリアのようにそれなりに付き合いのある相手ならともかく、そこまで付き合いのない相手に関しては、誰がそのような歩き方をしているのかといった事は判断が難しい。
「何をしに行くのかしら?」
「ギブン家との戦いがあるだろうし、他の領主を味方に引き入れにいったんじゃないか? 当然ギブン家も他の領主を引き入れようとするだろうけど、戦力という点ではルフト家の方が上だ」
ダーナ・オシーやゼラーナといった、独自のオーラマシンを開発したのは素直に凄いと思う。
だがそれでも経済力や所有するオーラマシンの数や質で考えれば、ルフト家の方がギブン家よりも圧倒的に上なのは間違いない。
ナムワンよりも性能の高いゼラーナ辺りを量産すれば……いや、それでも意味はないか。
結局のところ、オーラシップがあってもそれに搭載するオーラバトラーは必須だし。
ギブン家の生産能力では、どうしてもその数は限られる。
あるいは地上人のような強いオーラ力を持つパイロットがいれば、もう少し話は変わってくるかもしれないが、今のところギブン家のパイロットはニーしか確認されていない。
ロムン・ギブンの1人息子にして、将来の領主たるニーが戦場に出るのはどうかと思うが、オーラバトラーを操縦出来るだけのオーラ力の持ち主はそれだけ貴重だという事だろう。
そんなギブン家が、戦力で圧倒的に負けているルフト家……というかドレイクを相手に、自分達だけで戦うなんて真似をするとは思えない。
だとすれば、ギブン家としては自分達だけで勝てない以上、他から戦力を持ってくる必要がある。
「ねぇ、アクセル。もしかしたら……本当にもしかしたらの話だけど、ギブン家がフラオン王に話を持っていくという可能性はない?」
「どうだろうな。ただ、フラオンに話を持っていっても、フラオンが話を理解出来るかどうかというのは、また別の話だと思うけどな」
フラオンの愚王っぷりは、それこそこれまで色々な世界を見てきた俺が見ても、突出してるような愚王っぷりだ。
まぁ、門世界の帝国にいた王族にもフラオンに負けていないような愚物がいたが。
そう考えると、フラオンのような愚王はそこまで特殊なものではなかったりするのか?
そんな風に思うが、取りあえずフラオンがいるという点でアの国が不幸なのは間違いない。
せめてビショットのように有能な王がいたら、また話は別だったんだがな。
「それは……そうね。服を売った私達を捕らえようとした人達だもの」
マーベルもエルフ城での一件を思い出しながら、しみじみといったように呟く。
服の素材が、バイストン・ウェルの服とは大きく違っていたので、それを狙っての行動なのは間違いないんだろうが……だからといって、問答無用で捕らえようとしてきたのには、色々と思うところがあるのも事実だ。
「そんなフラオンがギブン家から何かを言われても、妙な行動に出たりといったような事は、基本的にないだろうな。ドレイクもフラオンにはたっぷりと賄賂を送ってるし」
それこそ、ショットやゼットから仕入れた知識で作った地上界の玩具というのは、フラオンにとっても評価が高いらしい。
それも大人が遊ぶような玩具ではなく、子供が遊ぶような玩具の方が喜んで貰えるんだとか。
この辺は、フラオンの精神年齢が低いからなのか、それとも単純に地上界の玩具の完成度がそれだけ高いのか。
それは分からないが、ともあれドレイクの賄賂が効果を発揮しているのは間違いない。
もっとも、金とかならともかく玩具を賄賂と言ってもいいのかどうかは分からないが。
ああ、でもその玩具を作るのにはそれなりに技術や資金が使われていると思えば、十分に賄賂と呼んでもいいのかもしれないな。
「まぁ、ギブン家がどう動こうとも、俺達が出来るのはドレイクからの依頼があるまでは適当にすごしていればいいんだけどな」
もっとも、適当にと言っても別に遊んですごす訳ではない。
今までのように、ドレイクの部下達に生身だったり、オーラバトラーだったりで訓練をつけるといったような感じや、恐獣狩りをしたりとかだな。
恐獣狩りは、地上人の3人を連れていってもいい経験になるかもしれないな。
結局のところ、ショウ達とマーベルの一番大きな違いは実戦経験だ。
ゲドの時から、マーベルは俺と一緒に恐獣狩りに参加していた。
その辺の事情を考えれば、もしショウ達にマーベルに勝るとも劣らぬ聖戦士としての才能があったとしても、その才能を開花させることは難しい。
いやまぁ、ギブン家との戦いを繰り広げて多数の戦いを経験すれば、いずれ聖戦士としての才能が目覚める可能性は否定出来なかったが。
それでもギブン家との戦いの前に聖戦士として活躍出来るだけの実力をつけておくのは悪い話ではない。
「ショウ達を恐獣狩りに誘ってみるのは、どう思う?」
「え? うーん、私達に素直に教えを請いに来たトッドはともかく、他の2人はどうかしら。恐獣狩りに行くと言っても、素直に従うといったようなことはないと思うけど」
マーベルのその言葉は、俺にも納得出来るものがあった。
ショウは我が強いし、トカマクは厳しい訓練とかは嫌う傾向にありそうだ。
我が強いというのはトッドも同じなのだが、トッドの場合はこちらに頭を下げて教えを請うといったような真似をするだけの割り切りがある。
それだけ、ドレイクの下で活躍して手柄を挙げ、それによって報酬を貰いたいのだろう。
バーンが言ってたような、カリフォルニアくらいの土地を。
にしても、カリフォルニアか。
土地の感覚で言えば、UC世界におけるルナ・ジオンの拠点たるクレイドルは北海道と同じくらいの広さを持つのだが、当然カリフォルニアには劣るだろう。
もっとも、土地の全てでカリフォルニアというのと、あくまでも月の首都という意味でのクレイドルだから、正確には色々と意味が違ってくるのだろうが。
「取りあえず、現在の状況で俺達に出来る事はない以上、ドレイクの手並みを見物させて貰うとするか。ドレイクがピンチになれば、こっちに手助けをして欲しいといった具合に要請してくるだろうし」
ドレイクにしてみれば、現在明確に敵対しているギブン家は出来れば自分の手勢だけで片付けたいといったところだろう。
なにしろ、ドレイクはギブン家に思い切り面子を潰されている。
これまでにも少なからず嫌がらせというか、ゲリラ攻撃をしてきたという意味で、ドレイクはギブン家から被害を受けていた。
そもそも、この被害も別にドレイクがギブン家に対して何らかの明確な敵対行動を取った訳ではなく、単純にドレイクがショットやゼットに命令してオーラマシンを開発させたというのを危険視してのものだった。
リムル曰く、悪しきオーラ力といったところか。
そんな風にドレイクから何らかの手出しをした訳でもないのに、ギブン家はドレイクを一方的に危険視した訳だ。
とはいえ、ギブン家の考えも分からないではない。
ギブン家にしてみれば、自分の隣に圧倒的な力を持つオーラマシンを開発したドレイクがいるのだから、それを危険視するなという方が無理だろうし。
ともあれ、ドレイクとしてもその辺は分かっていたのか、それとも単純に相手にしていなかったのかは分からないが、攻撃された時は反撃するものの、自分から攻撃をするといったような真似はしなかった。
しかし、今回の一件は違う。
ドレイクが地上人3人を召喚したお披露目をする為の園遊会に対して、大々的に攻撃してきたのだ。
それも、オーラバトラーだけではなく、ゼラーナというオーラシップまで出してきて。
ドレイクにしても、ここまでされればギブン家を放置するといった真似は出来なかったのだろう。
それでガラリアにショウ達を引き連れて襲撃に向かうように命令したのだろうが。
こうして考えてみると、ドレイクって現状だと一方的な被害者だったりするんだよな。
娘は娘で父親に対して悪しきオーラ力の持ち主とか言ってるし。
「一応、家に戻っていた方がいいんじゃない? どう対処するのかは分からないけど、それでもドレイクからの連絡が来るかもしれないし」
そうマーベルに言われると、そうした方がいいか? といったような気もしてくる。
今回の一件もギブン家に対する行動ではあるんだろうが、それで事態がどう動くかというのは、俺にも分からない。
であれば、何か急用がある訳でもない以上はそうしてみてもいいだろう。
こうしてマーベルと一緒にデート染みた事をするのも、嫌いじゃないかったんだけどな。
「分かった。なら、そろそろ戻るか。今回の件で何が起きるか分からないってのはあるし」
というか、地上人3人をこれに連れていくのは、正直どうかという思いがない訳でもない。
元々地上人に求められているのは、聖戦士……ぶっちゃければ、戦力としての一面だ。
それも生身での戦いという訳ではなく、あくまでもオーラバトラーに乗っての戦力。
そうである以上、わざわざ生身で連れていくというのは……考えられるとすれば、ドレイクは地上人達を教育をしようとしているのか、それともギブン家とルフト家の間にある葛藤を見せておきたいだけなのか。
ドレイクが何を考えて地上人を向かわせるような真似をしたのか、それは分からない。
ただ、現役の軍人のトッドと元軍人のトカマクはともかく、一般人だったショウには色々と衝撃的な一件にならなければいいんだけどな。
そんな風に考えながら、俺はマーベルと共に影のゲートで家に戻るのだった。
「このお店、凄いわね。凄い綺麗なお料理」
リビングで、マーベルは俺が出した雑誌を見て感嘆の声を上げる。
雑誌に写されているのは、会席料理特集。
それもエヴァですら満足するような、京都の老舗で食べることが出来るような代物だ。
値段も相応だが、こうして見た感だとマーベルが感嘆の声を上げるのに十分理解出来た。
料理人が高い技術を活かし、味だけではなくて見て分かるくらいに美しい盛り付けだったのだから。
笹の葉を切る飾り切りの類でも、よくある簡単な飾り切りではなく、エビや蝶、鶴といったような、どうやればそんな真似が出来るのかと突っ込みたくなるような飾り切りもある。
「ああ、こういうのは見て楽しめるって奴だな。味も実際に美味いらしいけど」
「本当に?」
「ああ。エヴァがそう言ってたな」
「その名前からして、女の人?」
「女……というか、幼女?」
「……幼女?」
エヴァを幼女と表現するのはどうかと思うし、実際に言えば間違いなく氷の矢が飛んできそうだが、何も知らない者にしてみれば、間違いなく幼女と言っても間違いではないだろう。
「そうだな。600歳以上の吸血鬼だけど、幼女だ」
「幼女……吸血鬼、600歳? え? それ……え?」
マーベルにしてみれば、俺の言葉は理解出来なかった点が大きかったらしく、見るからに混乱した様子を見せるのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1410
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1650